川への想い

    2006 prologue

 当時から10年以上も経った今となっては、なぜ Etape du Tour に参加しようと思ったのか、一番の動機など明確な記憶が残っていません。トップページにも記載したように、本来北海道をサイクルキャンピングすることがサイクリングを始めた頃の最終目標であり、海外を自転車で走るなんてことは全く考えてもいませんでした。職に就いて20年ほどは、休日でも日帰りのサイクリングさえできない毎日だったのですが、状況が少し変わって仕事が落ち着いていたら少し走ることもできるようになってきたことや、すっかり忘れていた20年近く前に一度だけ行ったヨーロッパで思ったこと−もっと早くやって来ていたら良かった−などが布石になったことは間違いありません。
 本当は、のんびりツーリングが理想なのですが、語学はもちろん海外旅行のノウハウも全く持ち合わせません。ちょうどその頃、一緒に走るようになった仲間のひとりに、2002年の Etape du Tour に参加されたリョウさんがいました。名前だけは知っていた Etape du Tour 参加への垣根を取り払ってくれたのは、リョウさんの存在が大きな因子でした。参加した人ならではの情報も得て、ちょうどリフレッシュ休暇が5日間(前後土日合わせて9日間)取れる2006年をターゲットとしました。家の状況も、その年だと問題なさそうとの判断もありました。2003年の正月に、家族に3年後の予定を宣言。実際、申し込みなど動き始めたのは、2005年末だった記憶。当初は手続きだけ。自転車の梱包、成田空港までの輸送などは、私に刺激されて2回目の参加となったリョウさんと一緒に行いました。この2006年には、ちょうど勤続20年のリフレッシュ休暇を取れるという、少し前から一緒に走るようになったま〜し〜さんも一緒に参加することになりました。
 成田空港〜Paris 機内食 シャルル・ドゴール空港 Paris〜Lyon Paris〜Lyon 機内食

 2006年7月7日、ドタバタしているうちに出発当日がやってきました。まずは徳島空港から羽田空港へ。羽田から成田へ移動。成田からの出発が朝早いので、前日から移動しなければならないので、余分な時間とお金がかかってしまいます。おまけに夜に到着したホテルでは食事もできず、近所にあるだろうと思っていたコンビニもなく、空腹のため非常用として持ってきていた食べ物を日本で食する羽目になってしまいました。
 翌7月8日、成田空港から出発です。機内では、食事をいただいたり(もちろんアルコールも)、本を読んだり映画を見たりでしたが、やはりエコノミークラスは足元が狭く窮屈でした。約12時間かかってパリ・シャルル・ドゴール空港に到着。入国審査も長蛇の列で時間がかかりました。ほとんど初めてに近い海外旅行なので勝手がわからず、ここでも補給(水分も含めて)に失敗。乗り換えて、Lyon 空港へ。そこからはバスで宿泊地の Grenoble を目指します。しばらくは平原でしたが、Grenoble に近づくにしたがって急峻な山が近づいてきました。ホテルに到着したのは、夏時間の現地でも辺りは真っ暗になった23時頃。成田のホテルを出発してからほぼ24時間経過していました。
ホテルでの朝食 Grenoble〜Gap 間 Grenoble〜Gap 間で見かけた高架橋 受付会場入り口

 7月9日、ゆっくりと朝食を摂って、約100q離れたスタート地点・受付会場の Gap(ガップ)へ向かいます。車窓からは、昨夜も見かけた山肌の途中から急峻な岩肌となる特徴的な山が見えています。石積みの鉄道高架橋も見えました。残念ながら列車の通過はなし。驚いたことに、フランスでは鉄道の踏切では一旦停車が必要ないとのことでした。
ゼッケン番号で受付 自転車メーカーや食べ物のブース 案内板を確認する人々 MAVIC のブースは大混雑

 到着した受付会場で、シャルル・ドゴール空港で別便のトラックに渡していた自転車を受け取り組み立て。早速、受付会場に向かいました。ゼッケン番号別にブースが細かく分けられており、無事受付終了。案内板を見る人々が背負っているお揃いのザックは、参加賞のひとつです。
 その後は、各自転車メーカーが最新モデルを展示しているブース周辺をウロウロ。
 民族衣装らしき格好で、楽器を演奏する一団も会場を練り歩いていました。
 さらに、Gap 市内をちょっとだけ走ってみました。右側通行、特に左折時にはちょっと慣れが必要。ロータリーに入って通過する経験もしました。
民族衣装?のパフォーマンス Gap 市内で試走

 走ってみるとフランスにやってきたという実感がもっと感じられるかと思ったのですが、現地まで時間はかかったものの、飛行機とバスを乗り継いでやってきたためか、どうもフランスまでやってきた実感が、まだ湧いてきません。日本の何処かへ遠征しているよう。
Gap の街 遠景 Gap〜Grenoble 間にて

 そんな気持ちのまま、再びバスに乗って宿泊地 Grenoble まで戻ります。車窓からは相変わらずフランスの片田舎の風景を楽しみます。こんなところを走れたら、気持ちいいだろうなあ。

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