川への想い
    2011 Tour de France 観戦  Etape 11 Blaye-Les-Mines 〜 Lavaur  (2011.07.13)


Lavaur 市庁舎近くの公園にて
 2012年 Tour de France 観戦初日は、平坦でスプリント勝負が予想される、11 stage ゴールの街・Lavaur(ラヴォール)でした。Toulouse(トゥルーズ)から30qほど東に位置する街です。Toulouse の北にある宿泊地・Montauban(モントーバン)からも同じくらいの距離。比較的近いため、朝もゆっくりできましたし、街に近づいても、まだ交通規制が始まったばかりといった感じで混雑もなく、街中心部の近くまでバスで乗り付けることができました。
 しかし、残念ながら、空模様がもうひとつ。時にパラリと雨粒が落ちてきます。まだ、選手達のゴールまでには数時間以上あります。天候が悪いので自転車で周辺を走るのは諦めて、歩いて街を散策することにしました。いつものように、事前には街の名前さえも把握できていなくらいでしたから、こうやって写真による記憶を頼りに、Google map で街の状況などを再確認していながら書きつけている次第です。
 歩き始めて200mほど進んだところに、ゴール地点が見えてきました。D112 で南東方向から走って来るようです。そのD112の北側が旧市街のようでした。旧市街では屋台やら出店が立ち並んでいて、ちょっとしたお祭りのようです。 Tour de France のゴール地点だから特別なのでしょうか? 賑やかに演奏を繰り広げる数名の楽隊や、変わり種自転車に乗ったグループなどが賑わいを盛り上げています(写真:上)。
 街外れに近いと思われるところを進んでみると、岸まで木々に覆われた川辺(と言っても20mくらいの標高差あり)に出ました。Lavaur という名の由来になった渓谷・アグー川です(写真:下右)。川岸を隠してしまうほど繁った木々の光景は、日本ではあまりお目にかかれません。
 
 少し左手に進んでみると、緑と花が美しい公園。写真:下中下はホテルのようでした。頁トップのようなモニュメントも。先頭は、当然フランスチャンピオンジャージです。下右下は、教会。豊かな顎髭を貯えた紳士が颯爽と自転車で走っていきます。その方向へ進んでみると、Allee Jean-Joures(ジャン・ジョレス通り)。大きなプラタナス並木の下に、広場が設けられています(写真:下左)。旧市街の中にも広場があって、駐車場などにも利用されているのは、Saint-Flour(サン・フルール)でもみられたように、フランスの街のひとつの特徴かもしれません。
 まだまだ時間はあるので、路地を歩き回ってみます。一歩裏通りに入ってみると、人影がなくなります。ここで認識を新たにしたのが、窓枠やドアの作りです。現在の日本では、ほとんどがアルミサッシ製ですが、この地ではほとんど木製でした。雨戸も同様。日本でも50年くらい前は、木製の窓枠や雨戸が当たり前のように見られましたが。湿度や気温など自然条件が随分異なるせいかもしれません。おそらくここでは、アルミサッシに変わることはないのではと思われました。建物は、それぞれ高さも壁の色も窓の形状も異なりますが、全体としての調和がとれています。当然ですが、余計な看板・電線などは一切なし(写真:ふたつ上の左4枚&下の4枚)。
   
 もう一度 Allee Jean-Joures に戻ってくると、先程は気付かなかったチームバスが行列をなしていました。チームカーもバスも、ユニホームと同じチームカラーでペイントされています。お洒落で格好いいですね。現在レース中なので、ここにあるチームカーは控えでしょうか(写真:下4枚)。
 到着時には、まだ閑散としていたゴール前(写真:下左、ゴール前100m地点からゴール方向)も、時間が経つにつれてだんだんと人が多くなってきました。ゴール裏手には大きなディスプレイがあって、リアルタイムでレースを実況中(写真:下中上、わかりにくいですが白テントの右上、ヒマワリ畑を疾走中)。
 さらに人が増えてきました。多くの人が被っている黄色い帽子は、ご存じキャラバン隊グッズのひとつ。ゴール地点では、キャラバン隊の到着より前に配ってくれます。写真:下右下の人形がキャラバン隊の先陣なのですが、なんとゴール地点少し手前で、キャラバン隊はレース先導車同様に右手に折れて行ってしまいました。これは、ちょっと位置取りミスでした。
 
 さらに大きなミス。時折、ざっと降ったり止んだりする雨の中、フェンスから3重4重になった人混みの後方で、まだ時間があるなと思っていたら、なんと時計を見間違えていて、あっという間に先頭集団が過ぎ去ってしまいました。ありゃ、しまった。急いで向けた目に映って来たのは、先頭集団からは遅れたものの、雨の中を次々とゴールしてくる選手達(写真:下)。
 それでも、全く残念な気持ちにならなかったのは、負け惜しみでもなく、それだけでも十分に Tour de France を楽しめたからです。どこかでも書きましたが、レース展開を見るのなら、日本にいて実況中継を見ているほうが、よほどよくわかります。この日は、Lavaur の街を散策することがメインとなって、Tour de France 観戦はおまけのような感じになってしまいました。それでも、やはり Tour de France を楽しんだことに間違いはありません。おそらく観客の大多数は、そんな感覚なのではないでしょうか。
 ところで、いったい誰が勝ったのだろうと思いながら、ゴール地点に向かっていくと・・・。表彰されていたのは、やはりこの人でした(写真:上右端)。

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