西熊別府林道
 以前からいろいろなところで目にして、是非一度走ってみたいと思い続けていた西熊別府林道。願いかなって漸く成就したのは2004年も年末。残念ながら、天気が予報通り午後から崩れ、最後1時間弱は雨の中の走行となりました。行程前半の登り区間は半袖で走ったほど12月としては暖かい一日でしたが、終盤は下りでおまけに雨に濡れて体は冷え切ってしまいました。
 コースは別府峡温泉スタート・ゴール。最初に195号線を大栃まで下って、ゆっくり登り、別府峡へ降りてくるというもの。標高1000mを越えたあたりから如何にも山に来たという雄大な風景になるのですが、今回はその頃から雲行きが怪しくなり始め、もっとも見応えのありそうだった白髪山登山口周辺(最高地点)は本格的な雨のため、十分堪能できず。別府峡も想像していたより遥かに素晴らしい渓流でしたが、体が冷え切ってしまい、ゆっくり眺める余裕がないまま。「今度は天気の良い新緑の頃に」が、走り終わっての3人(K氏リョウさん)の共通意見でした。  (2010年1月12日更新)

標高1400m付近、最高地点まであと僅か
 
コース 別府峡−大栃−西熊別府林道−別府峡 
走行距離  一周 約64キロ  積算標高 200m
最高地点  白髪山登山口・峠 (標高1510m)
走行日・天候  2004年12月12日  曇り、のち雨  MTB
   別府峡−大栃−久保沼井−三嶺登山口−白髪山登山口−別府峡
時間  9:20--10:05---11:20------12:15-------13:00-----14:00
距離   0-----22------37----------45-----------51----------64
標高 550----220-----505---------945---------1510--------550
 前日の天気予報では、午後から気圧の谷が近づき下り坂とのこと。当日、早朝からテレビの天気予報とにらめっこ。なんとか14時くらいまではもつだろうとの判断で決行することになりました。午前6時30分、徳島から国道195号線を一路高知方面へ向けて出発。県境の四ツ足トンネルを越えて別府温泉まで110キロ余・約2時間30分の行程です。出発時の徳島市内は快晴でしたが、鷲敷では深い川霧。木頭村に入る頃には空一面を雲が覆いました。しかし、その時点では、天候はまだまだ大丈夫だと思っていました。今回の同行者はK氏リョウさん、そして私の3人。

別府峡温泉近くにクルマをデホ

大栃にある観光地図
 別府峡温泉の近くで車をデポ。国道195号線を大栃まで足慣らし。緩やかな下り基調の快走コースでしたが、走り始めてすぐに早くもポツリときました。シクロクロス参戦中でオフには無縁のK氏がMTBとは思えぬスピードで飛ばして、大栃には10時に到着。着込んだ服を脱いで、いよいよ登りへとリ・スタートです。永瀬ダム湖の水面を見るとそこそこ雨が降っていましたが、まだそれほど気になりませんでした。矢筈峠への分岐を越える(県道49号線と県道217号線の分岐)と、ぐんと交通量が減ります。当初は、時間・距離から計算して、矢筈峠往復も含めようと思っていたのですが、午後から下り坂の天気予報のため、後日の楽しみにとっておくことに変更しました。

西熊林道の登り

三嶺登山口にて
 しばらく進むと、少し明るくなってきて、陽光さえ垣間見えるようになってきました。緩やかに登って行くと、久保沼井久保影(いつもながらにこんな山奥に人が住んでいることに驚嘆)の集落がありました。そこを過ぎると、道はつづら折れを繰り返し、一気に標高を上げ始めます。3人とも上着を脱ぎ、私は半袖で登るほどの暖かさでした。途中、この日最初で最後の三嶺・山頂を遥か前方に拝めました。この付近でも、12月とは思えない暖かさと薄日さえ差す天候に、3人ともその後の悲劇?を想像することはできず、「敢行してよかったなあ」と話しながら進んだのでした。つづら折れを過ぎるとまもなく、三嶺登山口(標高約950m)に到着。
 標高1000mを越えると、次第に展望が広がるようになってきましたが、それと伴に雲行きが怪しくなってきました。先程まで見えていた三嶺山頂はもちろん、それに連なる稜線も雲の中に隠れてしまい二度と拝むことができませんでした。さらに標高を稼ぎ、山肌を大きくトラバースして行くと、右手に連なる稜線が見えてきました。後でわかったことですが、別府峡はその稜線の向こう側でした。

落葉した雑木林の道
 
標高1200m付近、三嶺は雲の中
 標高1400m付近ではブナなどの落葉大樹がそこここに見られるようになり、この日最大の見所と思われましたが、ついにポツポツと雨が降り始め、せっかくの素晴らしい風景をカメラに収めることもできず、ゆっくりとツーリングを楽しむ余裕がなくなってきました。最高地点は、白髪登山口にあたる稜線越え(標高1510m)。峠前後、特に大栃側の数キロは、道路沿いの近景も、右手に広がる遠景も素晴らしく、このコースのハイライトと言えるでしょう。それだけに悪天候が悔やまれました。
 それから、峠の少し手前に井地山林道(記憶に誤りがなければ)という地道が別府峡と稜線を隔てた南西側斜面の山肌を下っているようでした。この道が何処かへ続いているのか?ご存知の方があれば、御一報お願いいたします。峠手前で雨はいよいよ本格的になって路面は雨水が流れるほどに。峠で上着だけ持っていた合羽を着ようとしましたが、手がかじかんで手間取りました。

まだまだ登り

最高地点から別府峡への下り道
 白髪山登山口(峠)から別府峡温泉まで18キロの表示がありましたが、実測は13キロ弱(標高差ほぼ1000m)。峠を越えてしばらくは平均勾配が10%前後の下り坂。舗装もまだなされたばかりの面影が残る道でした。10%の下り坂が数キロ続くと、やっと少し緩やかになりました。本格的に降り始めた雨のせいで足はずぶ濡れ、寒さで震える下りでしたが、そのあたりからの別府峡の流れを含む景観は、今まで訪れた四国内の渓流でも一二を争う、といっても過言ではないでしょう。残念ながら、あまりの寒さと雨に余裕がなく、写真が一枚もありません。雨に煙る渓谷は幽玄という言葉がピッタリの趣があったのですが・・・。
 なんとか別府峡のスタート地点に辿りついた時は、お尻からつま先までびしょ濡れ、すっかり冷え込んでしまいました。と言う訳で、着替えも早々に、すぐ傍の別府峡温泉に駆け込みました。お湯に浸かっても、しばらくは手足の感覚が戻ってきませんでした。いつもならサイクリング後の汗を流すためにあって欲しい温泉ですが、今回ばかりは体を温めるのに、とても重宝しました。そうそう、ダートがあるかと思いMTBで出動したのですが、ほぼ全線舗装路でした。

参考までに  物部村周辺の林道については、「林道への案内板」に写真入りのツーリングデータがあります。

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