蒜山高原・大山周辺の道
 時間的に日帰り可能で、そこそこ走れるコース取りができそうな蒜山・大山を走ってみようという話が、K氏とH氏を誘って急遽決定。地図上、アップダウンの多い走り応えのあるコースであるとは思っていましたが、予想通りの道路状況はもちろん、後半の大山寺から新小屋峠までを除くと交通量も極端に少なく、おまけに周囲は飽きることなく目を楽しまさせてくれる風景の連続。信号もほとんどありません。天候にも恵まれて、最高のツーリングとなった一日でした。いつの間にか、もう5年も前のことになってしまいました。また少し違うコース設定で走ってみたいものです。  (2010年10月11日更新)
 

広葉樹海の中を走る
コース  蒜山−関金−地蔵峠−船上山−一息坂峠−大山寺−鍵掛峠−新小屋峠−蒜山
走行距離   約110キロ   積算標高 約2500m
最高地点   地蔵峠(標高約530m)、鍵掛峠(標高約960m)、新小屋峠(標高約930m)
走行日   2005年10月16日  天候:晴れ   GIANT TCR
            蒜山−犬狭峠−地蔵峠−船上山−一息坂峠−大山寺−鍵掛峠−新小屋峠−蒜山
    時間(時分)  9:10---10:00---11:00--12:20-----13:10---14:30--15:30----16:00--16:40
    距離(km)    0-----25------40-------55--------65------75-------85-------95------110
    標高(m)    460----470-----530-----370-------510-----800-----980------930-----460

雲海・備中高梁
 午前6時過ぎ、徳島を出発。板野ICから高速道路に入り、高松道、瀬戸大橋、山陽道、岡山道、中国道、米子道を走り継いで、9時前蒜山高原に到着。中国地方をツーリングするのは、1975年の吉備路、1978年の山陰ツーリング以来、実に約30年振りでした。
 蒜山高原までの道筋は、四国と比較するとなだらかな中国山地の山並みと点在する中間山村の風景(光沢ある黒瓦と白壁の造りで統一された家々が野山に溶け込んでいる)が楽しめました。岡山道半ばで「霧、注意!」の標示。まもなく現れた白い煙のような情景を、当初は何処かで枯草でも焼いているのかと思っていましたが、まもなく本格的な霧であることに気がつきました。高梁SA付近ではその霧が素晴らしい雲海となっているのを見ることができました。これを見ただけでも今日のツーリングに出向いた甲斐があったというものだと、走る前から盛り上がりました。
 まだ肌寒い9時過ぎ、県道422号線・蒜山高原線をまずは東へと走り始めました。途中から蒜山高原自転車道に入ってみたのですが、これがまたなかなか良く整備されていました。車道とは完全分離。季節柄、路面には落ち葉やどんぐりも多かったのですが、緩やかなアップダウンの繰り返しをノンビリと走りました。いつもなら、ゆっくりでも速いK氏もこの日は超スローペース。

蒜山高原自転車道を走る

周囲は牧草地と未開の荒地が多い
 約10km走ったところで、県道115号線・伯耆街道との交差点で、左折。畝の松並木を左手に、岡山・鳥取県境の犬狭峠を目指します。峠には程なく到着。この峠からは、日本海が一望できるのではないかと密かに期待していたのですが、ほとんど眺望はなし。しばらく下ったところに犬狭峠展望台なる展望台がありましたが、海岸線が漸くうっすらと識別できる程度でした。

蒜山高原  のびのび、広々
 峠からは標高約100mの関金まで一気に下ります。この県道115号線はすぐ東側に国道313号線があるためか、2車線の立派な道であるにもかかわらず交通量はほとんどなし、快適!
 関金からは鏡ヶ成・地蔵峠方面に向かって、県道45号線を最初は緩やかに、そして次第に勾配は急に(といっても最大10%弱)なる道を西進しました。周囲はのどかな田園風景で、これまた交通量が極端に少ないので快適でした。所々には広大な芝生地がありました。K氏の話では、どうもホームセンターや植木屋さんなどで売られるために生産されているものらしいです(その後、一息坂峠を越えるまでに、随所に見られた)。この道、ツーリング?のオートバイだけが多く、排気音が五月蝿くてやや閉口。
 登りながら、後輪がなんだかおかしいのに気付いたのもこの頃。まさかスポークが折れたのではないかと、立ち止まって確認したところ、なんとタイヤの一部が完全に擦り切れていたのでした(トレッド無しどころかチューブが見える寸前)。蒜山自転車道で写真を撮ろうとした時に後輪がロックして滑った際に、摩擦で生じたようです。これに気付いてからはパンクが心配&最後までタイヤが持つかとても不安になって慎重に走りました。

畝の松並木道

犬狭峠からやや北側の展望台
 地蔵峠の展望台には11時に到着。ここからでも日本海の絶景を期待していたのですが、やや霞んだ大気のおかげであまり望めませんでした。また、西南西方向に見えるはずの大山山頂も雲の中。地蔵峠からは鏡ヶ成方面と思っていたら、地図を見ると大山を一周するには反対方向でした。地蔵峠から県道44号線を東伯方面に再び下ります。

地蔵峠付近にて

船上山ダム湖から船上山 斜めに登って行く道が見える
 今度は県道34号線に左折。と進入口に、「路肩崩壊のため通行止め」の標示が。一瞬躊躇しましたが、いつもの如く、自転車ならなんとかなるだろうと先へ進みました。県道34号線は一車線の道。いきなり結構な勾配で登り始めます。通行止めの標示があったため通行量は皆無。懸念の崩壊は極一部だけで、走行には全く支障ありませんでした。ところが、とある下りカーブでとうとう後車輪がパンク。やはり擦り切れた中央部に大穴。タイヤに裏からパッチを貼ってなんとか急場しのぎをしましたが、今まで以上に恐る恐る走ることになってしまいました

船上山を登って行く、前方に滝

その姿が特徴的な船上山、走る姿が点
 このあたりは道路標示が全く無く、正しい道筋を辿っているのか、もうひとつはっきり確認できなかったのですが(大まかな地図しか持っていなかったので)、西方に地蔵峠からでも確認できた特徴的な船上山を目指して進みました。

大山を左前方に

一息坂から大山寺に向かう 左後方は日本海
 標高230mから約400mまで登った後、再び230mまで下って、船上山ダム湖畔に到着。船上山をぐるっと回るようにして県道34号線は続きます。船上山は東側から見ると写真・上のような切り立った様相を呈していますが、北側から西へ回り込むと極普通の斜面の山でした。このあたりから、ブナをはじめとする落葉樹海の中を走る道(写真トップ・こんなところが新小屋峠まで随所にあった)となります。アップダウンは相変わらず続くものの、走っているだけで楽しい道でした。

桝水高原スキー場・西方から望む大山

奥大山スキー場付近から、大山・弥山
 県道30号線のT路を左折すると、日本海を背に5%くらいの直線の坂を進むようになりました。まもなく一息坂峠に到着。 ここからは、三保湾の向こうにうっすらと美保関が見えました。条件が良ければ、隠岐諸島も見えるそうです。一息坂峠からは「大山寺」の標示が道標となりました。勾配は次第にきつくなってきました。と言っても、10%を越える坂はありません。しかし、途中ずっと前方に直線的に登る坂があって、精神的にはちょっと苦になるところもありました。大山山頂はまだ少しばかり雲の中。
 その後つづら折れを数度繰り返して、標高800弱まで到達すると道は緩やかになってきました。と同時に、道を横断するスキーリフトが何本もクロス。冬場はこのあたり一面スキー場のようです。

鍵掛峠から、大山南西斜面
 ホテルが何軒か立ち並ぶ所を抜けて、少しばかり一気に下ると大山寺に到着。せっかくだからと一応お参りしました。ちょうど雲も次第に流れて山頂を仰ぐことも可能になってきました。大山寺で大休憩の後、いよいよ本日の最高地点、鍵掛峠&新小屋峠を目指します。
 大山環状道路とも呼ばれる県道45号線の大山寺から新小屋にかけては、ブナやカバなどの広葉樹海の中を走り(視界は開けないものの)とても魅力があったのですが、残念ながらこの日は紅葉真近の休日であったためか、この区間だけは結構な交通量でした。もう2週間もすれば、全山紅葉の素晴らしい風景を楽しむことができたのでしょうが、そうなればこの日以上に交通量が増えることでしょう。
 鍵掛峠から御机まで、また200m以上下りました。途中、奥大山スキー場付近で、雲が去ってすっきりと姿を現した大山全容を拝むことができました(写真:上中)。
 御机からは、最後の峠・新小屋峠を目指します。今回のツーリングはほとんどアップダウンの繰り返しで、下りの度に足が冷えてしまうという悪条件。これがかなり負担になったようです。つづら折れの後に鳥ヶ山を左前方に見ながら、またまた精神的に負担になる直線的な登りが 1km ほど続いて漸く新小屋峠に到着。

鍵掛峠にて

新小屋峠付近にて
 新小屋峠からは見返り峠までほぼ平坦(緩やかに下って緩やかに登る)な道。見返り峠からは、やや遠景ながら、裾野を含めた大山全容を見ることができました。そこからは蒜山大山道路を一気に下ります。

見返峠付近から、手前鳥ヶ山・奥に大山
 やや肌寒いとさえ感じる夕方、スタート地点に到着。前回の高野山・龍神・十津川ツーリングが、走行前の思い入れが大きすぎたせいか、その風景がやや期待外れであったのに対して、今回はさほど期待していたわけでもなかったのに、予想を遥かに上回るとても素晴らしいコースでした。四国にはこれほど雄大な情景は無いように思われます。中国地方の魅力を再認識した一日となりました。
 これで日本海がくっきりと見えれば最高でしたが、次回の楽しみでしょうか?紅葉の頃はもちろん、新緑の初夏にも是非走ってみたいコースです。

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