大川山 2020 竜王峠と三頭山
 大川山(だいせんざん)への初訪は2002年1月。その後何度か訪れているのですが、最後に登ってから10年近く経つようです。久々に訪れてみたのですが、三野町からの登り・県道108号線は記憶通りのきつい坂が続きました。しかし、稜線付近の落葉樹は記憶よりずっと素晴らしい林をつくっていました。 (2020年 6月10日 記)

県道108号線、大川山西側稜線・香川徳島県境付近にて
 午前7時過ぎに貞光の河川敷からスタートします。ちょうど、これから見ノ越〜落合峠に向かうというKazさん達と一緒になって少しばかり立ち話。出発時の徳島は快晴に近い天気でしたが、県西部は明け方に少し雨が降ったのか、路面には所々で水たまりが残っていました。国道192号線を西へ。日曜日の朝早い時間だったので、クルマも少な目。
コース 貞光−三野−大川山−明神−国道438−竜王峠−三頭山−貞光
走行距離  65q  積算標高 1800m
最高地点  大川山  標高1040m
走行日  2020年 6月 7日 天候:曇り・晴れ  シクロクロス
 江口駅のところで東三好橋を渡り、吉野川左岸へ。大平谷川の橋を渡るとすぐに右折して、県道108号線に入ります。真鈴峠への分岐を過ぎても、記憶になかった2車線の道が続きます。しかし、まもなく記憶通りの細い旧道になりました。いくつかの道分岐には、その上にある民家への案内版がありました。
東三好橋 徳島道をくぐる 真鈴峠への分岐 集落案内版
 集落を過ぎると、だんだんと勾配が増してきます。コンクリート舗装のところもありますが、路面の状態はまずまずです。濃くなった葉が繁る雑木を眺めながら、歩くスピードと変わらないくらい、時速一桁半ばで進んでいきます。
 大分登ってきました。写真:下左のような間伐された杉林のところはそれほどありません。ここは勾配も緩くて作業がしやすいのかもしれません。さらに記憶に強く残っていた竹林。中腹よりもう少し上。結構続いていた記憶でしたが、思ったより短い区間で終わりました。道には、収穫した人が落としていったのか、2本ほどタケノコが落ちていました。
 道は荒れていた記憶だったので(特に初訪の2002年1月は香川県側に入る辺りが酷い状況でした)シクロクロスで向かったのですが、やはりロードバイクではちょっとストレスが多いように思われます。かなり登ってくると、左手に3本ほど分岐部があって、それぞれ大平集落、林道大平線、中寺廃寺跡の表示がありました。地形図を見ると、林道大平線は東山峠方面(県道4号線)に続いているようです。できることなら、登れる力があるうちに一度向かってみたいものです。
左手、大平集落へ まっすぐ、大川山へ  正面の道、林道大平線 右手、中寺廃寺跡
 登り始めから1時間40分ほどかかって、漸く稜線(徳島香川県境)付近まで登ってきました。思っていた以上に落葉樹の新緑がきれいです。写真:下左、左手の落葉樹の葉の高さ辺りくらいが稜線です。反対(南)側には展望が広がるところ(以前にも写真撮っています)があり、どなたかが丸太をくりぬいた創った椅子が2脚、仲良く並んでしました。この日この時点では湿度が高く展望は全く望めませんでしたが、すっきりしていたら、おそらく矢筈山辺りから国見山まで見渡せるはずです。眺めるには、最高の椅子かも。
 トップの写真と下の写真は、ちょうど稜線・徳島香川県境付近です。好みは変わらないようで2011年時もほぼ同じところで写真を撮っていますが、10年近く経って落葉樹の樹高は随分と伸びているように思います。これほどまでの緑のトンネルがあった記憶もありませんでした。
 この後、大川山山頂の北西側を登っていくのですが、1か所だけ讃岐平野が望めるポイントがありました。これまた、2011年時にも写真を撮っています。残念ながら靄っていて何処が何処だかはっきりしませんが、稜線の向こうに写っているのは満濃池のようです。澄んでいれば、瀬戸内海はもちろん、岡山県まで見えると思います。山頂へは時計回りにぐるっと一周するようにして登っていくのですが、この道も新緑の落葉樹で覆われていて気持ち良かったです。山頂の真東・3時に当たるところに、まんのう天文台があります。地図を眺めていた時から、こんなのあったっけと思っていたのですが、調べてみると完成は2014年とのことでした。記憶になくて当然。さらに南側に回って登っていくと、大きなログハウスようの建物。これも記憶にありません。その前には、10名余の自転車乗り。ジャージにオリーブサイクルの名前があったので、香川の方々ですね。さらに一服していると、オフロードバイクの一団。これも10台余。オリーブサイクルの皆さんを見送って、折角なので山頂の大川神社に参拝。山頂からはあまり見晴らしがありません。
 左  讃岐平野方面の眺め
 上  山頂北側から最後の登り
 右上 山頂・大川神社の鳥居
 右下 オリーブサイクルのみなさん
 さて、大休憩の後は東南・野田小屋方面に向かって下ります。2007年時には山頂から林道大川真鈴線へのアプローチで迷ったのですが、当時より道が整備されているのか、迷うことなく大川真鈴線の分岐部も確認しながら、野田小屋方面へと下ります。途中、皆伐されて南東方面への展望が広がったところで一枚。ここも条件が良ければ、きっと剣山方面まで見渡すことができるのでしょう。
 野田小屋方面への道は、地形図と見ると曲がりくねっていて分岐も多いです。わかりにくいかなとも考えていましたが、それほどでもありません。道は林業関係の方が多く通っているようで路面状況も上々。広くはない道ですが、杉林や落葉樹の中をそこそこの勾配で下っていきます。途中で、ちょうど林業か道路関係の仕事をしているような軽四に乗った方が分岐に立っていたので、「県道に出るのはこの道でいいですか」と尋ねると、「そうそう、出て右へ行くと真鈴峠、左へ行くと谷川米穀店のところへ出るよ」と教えてくれました。さすが、うどん県ですね。

右奥が山頂、左手に下る

林道大川真鈴線分岐部
 下り切ると、県道108号線のT字路。真鈴峠から滝の奥方面に向かうことも考えたのですが、竜王峠に向かってみることにしました。谷川米穀店方面へと向かい、国道438号線へ右折。道の駅も越えて少し走り、三頭山トンネル点前で県道154号線へ左折します。竜王峠への登り口・杉王神社の大きな杉を眺めながら一服後、おもむろに登り始めます。確か、ここも結構きつかったなあという記憶。11時も過ぎて少し気温も上がってきたので、木陰がうれしいです。写真は、中腹にある横畑集落(3、4軒ほど)。以前からのキャベツ畑は今も健在でした。というか、以前よりしっかりと育てられているように思われます。収穫時期をずらせるように植付時期を変えているのでしょう、苗の大きさは3段階か4段階に分けられていました。モンシロチョウがそれなりに舞っているのですが、ざっと見渡したところではアオムシの被害が全くありません。
 舞うといえば、こちら(写真:下左)。確か以前もここで見かけた記憶です。横畑からさらに少し登ったところで、優雅に滑空するような飛び方。アサギマダラです。独特のパステル調のスカイブルーがやや白っぽく見えたので、よく似た種類かと思いましたが、写真で確認すると多分間違いなし。しばらく眺めていました。道後半になると、ここも大川山への後半同様、私的好み緑の葉に埋もれた落葉樹の道となりました(写真:下中)。登り口から約1時間ほどかかって、竜王峠へ到着(写真:下右)。
      
 竜王峠からは竜王山には向かわず、阿讃中央広域農道へと下って三頭山方面へ進みました。地形図には三頭山から直接南方向に下る道があるように記載されているので、その道を進んでみようと思っていたのです。が、神社から先の道は草茫々でした。で、引き返しました。下の写真は、神社の北側にあるハンググライダー・パラグライダーのテイクオフ地点からの眺め。ここも一度ならずやってきているのですが、今回ほどいい眺めだと思ったことはなかった記憶です。少し前に香川のmasaさんが、ここからの眺めを絶賛されていましたが、全く同感。この日は、上述のように大川山ではかなり靄っていたのですが、気温が上がって湿度が下がったためでしょうか、思いの外遠くまで見渡すことができました。
 上の写真、手前の稜線の上が脇町、蛇行する吉野川を隔てて、右手は穴吹、中央付近が山川から川島方面。一番奥には眉山が見えます。眉山の左手には紀伊水道も確認できます。こんなに見えると思っていなかっただけに、随分得をしたような気分になりました。写真:下右は南西方面です。おそらく桟敷峠や矢筈山方面まで見えるはずですが、徳島市方面より距離が短いにも関わらず、光線の加減かすっきりと見ることができずに残念。ここも、条件のいい時に要再訪です。
 眉山、ズームアップ。眉山手前・写真中央付近の少し平坦なところは、善入寺島のようです。結構広い、大きいのがよくわかります。
 後は、走ってきた道を少し戻って、野田ノ井から国道438号線で貞光へ。この道、交通量が多くてあまり好きではないので滅多に通らないのですが、この日は懸念していたほどの交通量はなくて比較的快適に走れました。しかし、下ってくると、熱波が襲ってきました。大川山、竜王峠ともに、期待もしていなかった雑木林の新緑を楽しむことができ、三頭山から徳島方面へ吉野川下流の眺望も楽しめ、久々に行ってみるか程度で向かったにしては、とても満足できた半日となりました。

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