福塩線を訪ねて | |||||||||||
福塩線 中畑駅 |
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午前5時過ぎ、自宅出発。外は、もうすっかり明るく、西へ向かう吉野川の土手では背後に日の出。瀬戸大橋経由で、福山東ICは7時過ぎに通過。そこからデポ地・府中公園近くまでは4車線の道が続いたので驚いたのですが、信号停車が数多く、少しストレス。しかも、朝から終日晴れと思っていたのに、何やら雲行きが怪しく、デポ地に到着した時には、空に立ち込めた黒い雲からパラリと雨粒が落ちてくる次第でした。 | |||||||||||
8時15分、念のためザックの中に雨合羽も入れてスタート。まずは国道486号線を2qばかり進んで、県道24号線へと右折。県道24号線は2車線で狭くはないのですが、交通量は思ったより多めでした。橋を渡らずに右折してしまったために、そのすぐ先にある下川辺駅を素通りしてしまいました。芦田川の対岸を走る福塩線を横目に、のんびりと遡ります。 | |||||||||||
まもなく中畑駅が近づいてきたので、対岸に渡り駅のホームへ入ってみました。時刻表をみると、なんと朝夕以外昼間は列車の運行がないようです。周囲にも民家は1軒しかありません。幸い上り列車が30分後くらいに通過するようなので、次の河佐駅付近で擦れ違えるかも、とゆっくり先へ進みました。 | |||||||||||
芦田川 | 中畑駅 | ||||||||||
県道24号線から県道56号線・八田原ダム方面へと左折。河佐駅手前でトンネルがあったので旧道へと進むと、すぐ横に福塩線のレール。三江線にもよく似た雰囲気です。河佐駅付近は、ちょっとした町が広がっていました。ホームには人影が見えたので、まもなく上り列車が来るようです。少し待ってみようと思っていたら踏切遮断機の音が鳴り始め、列車がやってきました。府中行きの列車に乗車したのは10人くらいでした。この後夕方まで列車の運行はないので、安心して?その先へと進みました。河佐駅からちょっと進んだところで、芦田川を渡る鉄橋がありました。このポイントを知っていれば、駅で待たずに、ここまでやって来て写真を撮ったのにとちょっと残念。河佐駅からは、八田原ダムまで登りです。 | |||||||||||
旧道、福塩線と併走 | 河佐駅にて | フジが満開 | |||||||||
時間もあるので、県道を外れて八田原ダム方面へ向かってみました。ついでに、予定はしてなかった夢吊橋を渡ってダム湖畔(芦田湖)右岸を走り、再び左岸・一部旧道を走って、県道56号線へ復帰です。ここまでくると、交通量はぐっと減って、快適なサイクリング。夢吊橋(写真:下右から2枚目)は、吊橋の名ですが吊っている支柱やロープは一切なく何の支えもないように見え、崩れ落ちないのかなと、ちょっと心配になるような造りです。 | |||||||||||
芦田ダム | 夢吊橋 | 芦田湖 | |||||||||
ダム湖が終わって再び川筋になると、備後三川。ここもちょっとした町でした。備後三川駅でもホームに出てみます。備後三川駅からは福塩線に沿った国道432号線に右折。少し走ったところで、備後矢野駅手前で駅の表示を見つけて、旧道へ入りました。到着した備後矢野駅は、食堂を併設しているようです。自転車を停めて写真を撮ろうとしていると、お店のご主人が出てきて少しお話。中畑駅で確認していた昼間の臨時列車は5月6日だけだそう。 | |||||||||||
上2枚:備後三川駅 下2枚:備後矢野駅 | 備後矢野駅・ホーム | ||||||||||
備後矢野駅からは、福塩線沿いに上下駅方面に向かう予定でしたが、ふと気が付くと県道427号線を進んでいました(この日初めてスマホ・GPSのお世話に)。幸い天気も回復して青空も見えてきました。で、福塩線ともうひとつ、立ち寄ってみようと思っていた世羅高原方面に向かうことにしました。一度県道403号線に出て、すぐにまた右折して県道427号線に。ここまで3桁県道でも2車線の広い道が続いていて、細い田舎道が続くとの予想とは随分異なるなあと思っていたのですが、右折して100m余り進んだ最後の民家を過ぎると、一気に道が狭くなりました。まもなく小さな峠があり、そこからその狭い下り道が続きます。ほとんどクルマは通らないのかなあと思っていたら、続けて2台の乗用車。生活道として現役のようです。道周囲は、新緑が爽やかでした。 | |||||||||||
県道427号線の小さな峠 |
新緑が爽やか 県道427号線 |
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突き当たると県道51号線。左折して少し走ったところで、また右折。ここに、すでに「チューリップこちら」の看板が出ていました。頭上を走る尾道道をくぐって、向い風の登り坂を走っていると、どうもチューリップを見に行くらしいクルマがどんどん追い抜いていきます。登り切って県道56号線に合流すると、左折してすぐに世羅高原農場の入り口でした。県道口から、もう既にクルマが渋滞しています。横をすり抜けて農場に向かったところ、予想通りというか多数の観光客。誘導の方に自転車はあちらと言われましたが、鍵も持ってなかったし、どうみても自転車の恰好は浮いています。ひょっとしたら、道沿いからチューリップが少しでも見られるかなと淡い期待をしていたのですが、さすが有料らしく高い板塀があって中は見えません。ひとりでなければ話のタネに農場内に入ってみたのですが、拒絶反応?でそのまま退散しました。 その後、県道56号線をちょっと戻ったところから狭い道で県道428号線へ出る予定だったのですが、最初の分岐を見逃したようでした。ちょうど右手に少しだけですが、農場の一端・チューリップが見えるところがあったので一枚。この付近には、シバザクラとかポピーとかフジとか、いろいろ季節の花が咲く見所が多くあるようですが、世羅高原農場以外は最初から予定にしておらず、おそらく何処も似たような人混みだろうと思ったので、予定の1本西側の細い生活道(農道)を進んで、県道428号線へ。ここまで、県道427号線の途中から以外は予想よりずっと太い道が多かったのですが、ここからの県道428号線は、あれ、この道でいいのと思う狭い農道のような道が続きました。まあ、サイクリングにはそんな道がずっと楽しいのですが。 |
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世羅高原農場 裏手から |
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その県道428号線を再び福塩線の梶田駅方面に出るために進みます。細い道は、尾道道とクロスする手前くらいから2車線となりました。私の好きな黒塗り瓦や赤茶色の石州瓦の民家が見られます。時には、土蔵なども構えたとても立派な家もありました。それ以外に気づいたのは、田植え前に水を張られた水田が何処も圃場整備されているように見受けられたことです。何処も直線化・四角化されています。棚田百選などに見られる曲線美はないのですが、一枚の田もそこそこの広さで、ほとんど耕作放棄地が見られません。田植え前の行き届いた水田が、この日走ったコース沿いでずっと続いていたのは、やはり四国と異なり山が緩やかなこともあるのでしょうか。 | |||||||||||
尾道道の下を |
シバザクラも満開 |
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県道27号線に入って、梶田駅で旧道へ。梶田駅から2qほど進んだ甲奴町は、ちょっとした町でした。本郷通りは、昭和の風情を残しているような趣がありました。しかし、通りに面しているはずの甲奴駅の表示がありません。多分ここだろうと思って曲がってみると、駅を確認。やはり朝夕の通勤時間帯以外は、ほとんど機能していないようで、地元の方にも愛着は乏しいのかもしれません。 | |||||||||||
梶田駅 | 甲奴駅 | 上下駅 | |||||||||
県道27号線を進んで国道432号線にあたると、まもなく上下の街です。街の中に分水嶺があるとか。何処かなとまずは上下駅に立ち寄って、街の地図を見てみました。国道の1本北側に、ちょっと古めの街並みが残っているようで、そちらへ向かってみました。上下町商店街だそうですが、白壁の家並が並んでいました。500m足らずの長さですが、いい雰囲気です。ただ、ちょっと賑わい過ぎていたような感じ。早朝や夕方がいいかもしれません。 ところで、街中の分水嶺は何処かいなと思いながら進んだのですが、どうも国道432号線が南へ直角に曲がる上下交差点付近がそうだったよう。何か表示でもあるのかと思いましたが、見逃したのでしょうか? |
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上下町商店街 | |||||||||||
さすがに国道432号線は、少し交通量が増えました。早々に県道24号線へ離脱。さらに県道402号線へ。ここで、素晴らしい石積みの棚田を見かけました。おそらくここも圃場整備されているようです。周囲の水田も同じような石組みで段差を付けられているのですが、直線化されていたので比較的新しいのかもしれません。 | |||||||||||
石積みの水田 県道402号線・角目付近 |
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広かった道が集落や水田を抜けて狭くなると、最後は県道417号線へ。緩やかな登りは、大坂峠・引田側にも似た感じです。異なるのは、周囲の光景。当然海は見えませんし、緩やかに標高を稼ぎますが、道よりも低いなだらかな山が見えるだけでした。あまり峠らしくない最高地点付近に2軒の民家がありました。前後しばらく集落はもちろん、民家も全く見かけなかったので、ちょっと驚きました。 | |||||||||||
県道402号線から県道417号線への分岐部 |
県道417号線 |
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峠からは、県道417号線でデポ地近くまで、ほぼ8qの下り。府中の街に近づくと、道は広がりますが、交通量はさほど増えないまま。下り切ったところは、府中公園のすぐ近くでした。今回走ったのは、福塩線の一部のみ。福山−府中間は人口も多く(徳島市よりも多い)、列車の本数も多いようですが、府中から北は上述のように朝夕に各3本の運行があるのみです。また、今回走っていない梶田駅から北の区間も、いつか訪れてみたいものです。片道輪行というのも、いいかもしれません。 |