蒲生田岬・椿泊周辺    明神山
 蒲生田岬は四国最東端の地です。岬までの照葉樹林やシダ類が茂った道は、曲がりくねった上に小さく急なアップダウンがあって、路面状況も少し荒れていますが、それ故に楽しめる行程です。最近では岬手前に温泉施設ができたこともあってか、道がどんどん改良されて交通量が増えてきて鄙びた岬の情景が薄れてこないかが、ちょっと懸念しています。
 蒲生田岬に平行するようにその北側に伸びる椿泊への県道287号線も海岸線に沿って曲がりくねった細い道です。こちらは照葉樹林に加えて孟宗竹の竹林も随所に見られ、蒲生田同様ゆっくりとツーリングを楽しむにはピッタリです。県南部は冬でも暖かく、海水の透明度が増して、椿が咲く冬から早春が最も楽しめる季節かと思います。  (2010年11月 3日更新)

蒲生田岬までの遊歩道を走る、後方に岬の灯台(2003.01.19)

2009.01.25 のコース図

2009年1月25日
 徳島−阿南−椿泊−蒲生田岬−明神山−徳島
 2007年1月14日に走った時に椿泊で目に付いた、木の窓枠や格子に飾られた軒先が続く町並みの写真を撮りたいと再度出かけました。椿泊への県道287号線は、相変わらず細く曲がりくねって、小さく急なアップダウンが続きます。

県道287号線、竹林が随所に

県道287号線から北、後方は淡路島
 孟宗竹の竹林はやや暗いものの、すっきりと垂直に伸びる姿が道にアクセントを加えています。また冬でも鬱蒼とした照葉樹林からは、甲高い鳥の囀りが響き渡ります。左手はずっと海なのですが、これらの生い茂った植生のため、写真:上右のような海が見渡せるところはあまりありません。YMCA海洋センターの表示を見つけると、右手に少し登って尾根を越え、下ると椿泊港です。

早くも、梅の花が咲き始め

椿泊港付近にて、背後は伊島
 椿泊港からは、さらに500mほど燧崎方面へと進むのですが、この道が凄い。海岸と押し迫った山との僅かのスペースに道の両方から民家が並び、道幅は普通車一台でいっぱいいっぱいになる程度の狭さ。しかも随所に直角コーナーがあって慣れた人でないとクルマで進むのは困難と思われます。対向車が来たら・・・。

椿泊の民家・木造三階建

格子が並ぶ、椿泊の民家
 写真のような格子飾りのある民家は少しずつ減っているようですが、まだ10軒以上は残っていました。2007年に初めて見た時はもっと被写体になりそうな街角風景があったような気がするのですが、やはりなかなかその雰囲気を表せる写真は撮れません。子供の姿が多かったのが、県全体でも人口自然減の徳島の中でも田舎では、ちょっと意外な風景でした。

鉤状に折れ曲がった道

メインストリートは、この狭さ
 椿泊を後にして、今回も蒲生田岬へと向かいました。こちらは先端近くにできた温泉施設のためか、来る度に道が改良されており、自転車で走るにはだんだんと味気ない道になりつつあります。岬手前でもトンネルが抜けて、従来の曲がりくねった道がショートカットされてしまいました。

蒲生田岬、ここを回るとトップの写真、後方は伊島

伊島の断崖と、後方は和歌山、見えるのは発電所?
 この日は天候も良く、海の色は吸い込まれるような深い青。小さな写真ではわかりませんが、伊島の向こうには和歌山がはっきりと見えました。ズームアップすると、建物まで見えるほどです(写真:上右)。

灯台までの階段は、ツバキのトンネル

灯台から東へ、伊島全景
 蒲生田岬から椿に引き返し、今度は明神山へ登りました。もう午後遅くになっていましたが、山頂からの眺めはまだまだ楽しめました。南には、室戸方面へ、太平洋が輝いています。北には、眼下に阿南市から徳島市街・眉山もはっきりと見渡せます。さらに西方向には、雪を抱いた剣山まで見ることができました。

明神山から南へ、大島・室戸方面

明神山から北へ、眉山・徳島市街、最奥は大麻山

2003年1月29日
  福井ダム−椿−蒲生田岬−県道200号線−福井ダム
 2003年最初のツーリングとして蒲生田岬を1月5日に予定していたのですが、当日徳島らしからぬ大雪で中止。仕切りなおして1月19日となったのですが、中心人物のひとりHANO氏が風邪でダウン。おまけに天気予報はお昼を中心に降水確率50%という状況での出発となりました。
コース   福井ダム−椿−蒲生田岬−県道200号線−福井ダム(2003年1月のコース) 
走行距離    約50キロ
最高地点    県道200号線の最高地点 (標高 約180m)
走行日    2003年1月19日 MTB 天候:小雨、 2007年1月14日、 2009年1月25日 ロード 天候:晴れ
 福井ダムに車を置いて出発するのとほぼ同時にポツリポツリと雨が・・・。一人なら最初から止めるところでしたが、せっかくみんなで来たのでと走り続けました。椿につく頃には雨脚もやや強くなり路面も完全に濡れて、タイヤからの水飛沫の跳ね返りもひどくなってきました。当初は、椿泊方面も一周するとか帰りに明神山に登ろうとかいう案もあったのですが、雨には勝てず。とりあえずは蒲生田岬だけを目指すことにしました。

シダが繁る道

鬱蒼とした常緑樹
 椿を過ぎると、道は車一台がやっと通れるくらいの細い道が海岸線に沿ってアップダウンを繰り返しながら続きます。左手に海を見ながら、常緑広葉樹が繁る道を本来なら快適に走れるはずでしたが、小雨にみんなの体も心もやや湿りがちでした。おまけにあまり民家もないはずなのに自動車が多いなあ、と思っていたら、岬の2kmほど手前にりっぱな温泉施設ができているではないですか。蒲生田は鄙びたところがいいのに、と思うのは私だけでしょうか?しかし、その温泉施設を過ぎると、もう道はわれわれだけのものでした。
 岬の駐車場から先は、石畳の遊歩道が300mほどあります。駐車場から小さな曲がり角を回ると、初めて眼前に白亜の灯台が姿を現わしました。私以外の4人はいずれも蒲生田岬が初めてだったらしく、この曲がり角を回ったところで思わずの歓声があがりました。

蒲生田岬、灯台から南へ

海岸から灯台まで、急な階段が続く
 灯台までは、最後に急な階段があります(さすがに自転車では登れず歩きです)。それを登りきると、終点、四国最東端・蒲生田岬です。灯台はさほど大きくありません。天気がよければ、海も深く透き通ったエメラルドグリーンやサファイアブルーを呈しているのですが、この日は空を映して錆色でした。条件がいいと和歌山も見えそうですが、じっとしていると冷えてくるので、そこそこに退散しました。椿から岬までの道沿いには、名前通りにツバキの群生が多く見られます。岬の灯台への登りはツバキのトンネルです。満開の時期には少しずれていましたが、左のように赤い花が見られるところもありました。向こう側の道を走る仲間が確認できるでしょうか?

ツバキ咲く

県道200号線の切通
 結局、走っている間やや小降りになることはあっても、雨は止むことがありませんでした。しかし天気予報通り、帰り道につくと雨が上がって、徳島に帰りつく頃には薄日さえ差してきたのには参りました。今度は天気のいい日にもう一度訪れようというのが、みんなの一致した意見でした。帰り道、国道55号線の裏道、県道200号線を走りました。自動車も通らず、趣のある走り良い道でした。

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