郷ノ峰峠周辺の道  高知県道6号線を中心に
 9月半ばの連休は、絶好の自転車日和となりそうな天気予報でした。泊りがけは無理でも一日は県外ツーリングと考えていましたが、火曜日の朝から何の誘因もなく始まった腰痛が木曜日には絶不調、立ち上がるのも一苦労という状況に陥っていました。週末の好天を恨めしく眺めるだけになるのだろうかと思いながらも、土曜日には腰痛が多少なりとましになっていたので、地図を眺めて何処かいいコースがないか物色していました。が、結局結論の出ないまま就寝。翌朝は、午前5時に起床。腰痛がなければ即出発だったのですが、1時間ほど優柔不断。しかし夜が明けてくると、予報通り雲一つない青空です。これは行くしかない、と午前6時に出動。

高知県道6号線 郷ノ峰峠
 向かったのは、前夜考えていたひとつ。少しでも未走(ひょっとしたら一度走っているかもしれませんが記憶も記録も消えている)の道を含めた、クルマの少なそうな、そしてあまり勾配のきつくないと思われた早明浦周辺の道です(左図)。出遅れたので高速道路利用で大豊まで移動。デポ地の帰全山公園駐車場は先般工事中だったのですが、今回訪れるとモンベルの大きな施設ができていました
コース 早明浦-県道6号線-郷ノ峰峠-鏡ダム-県道33号-国道32号線-早明浦
走行距離  120キロ   積算標高 約1700m
最高地点  郷ノ峰峠(標高730m)
走行日  2019年 9月15日  天候:晴れ  GIANT TCR
 準備をして、8時半スタート。まずは、左岸(北岸)沿いの県道263号線を西へ進みます。いつもの沈下橋が出迎えてくれます。続いて、早明浦ダム湖畔に沿って蛇行する県道17号線を西進。ダム湖は、ほぼ満水でした。ちょっと振り返って、毎回あんな高いところに集落があると、四国ならではの光景(大淵という集落でしょうか・写真右下中央付近)を一枚。気温は23℃くらいと快適。
 左上 沈下橋
 上  汗見川下流
 左  早明浦ダム湖・柚ノ木橋
 右  鏡のような湖面
 県道17号線を進んで、柚ノ木橋で対岸へ渡ります。ここは、今年2月に走ったばかりです。路面は、記憶より少し荒れているように思われました。南川橋(写真)で再び対岸に渡り、県道6号線へ。この橋も2月に通ったところですが、その時のダム湖はかなり干上がっていて、橋から上流の様子が随分と異なっていました。そこからは、瀬戸川を最初は左手、次いで右手に見ながら走ることになります。まだまだミンミンゼミも元気に鳴いていて、まさに岩にしみいる蝉の声状態でした。流れる川水も澄み切って上々でしたが、手前の木々が邪魔をして、なかなかいいポイントがなく、数枚撮った写真もいまひとつばかりです(写真:下左上)。
 稲叢山方面への分岐を過ぎると勾配が一気にきつくなることは、2月に走って記憶済みです。さらに林道程野黒丸線の分岐を過ぎてもう少し登ると、道は一端下り始めました。この部分は、稲叢山から林道芥川奥の谷線に向かう時に走っているはずですが、全く記憶に残っていませんでした。が、瀬戸川から分岐した芥川に沿って走るこの部分が、この日一番のお気に入りとなりました。道は、右手に苔生した岩壁が迫っており、左手を流れる芥川の透明度も十分。川底の石が、同じ吉野川でも黒っぽいのが、ちょっと残念。道がつづら折れで勾配を挙げる区間までの長くはない距離でしたが、とても気持ちよく走れました。そのつづら折れの一番最初に右手(西)に伸びる道がありましたが、林道芥川奥の谷線だったと気づいたのは、その後しばらく走ってからです。
 つづら折れ区間を過ぎると、道は再び緩やかとなって、植林された杉林の中を進んでいきます。ほとんど間伐されていないところもありますが、多少手入れされたところもあり。あまり杉林の道は楽しくないのですが、微妙に蛇行していく道はクルマもほとんどやってこない(ここまで35qほどでクルマ3台、ツーリングオートバイ4台のみ)ので快適です。やはり旧道は緩やかで自転車乗りにとっては優しくありがたい道です。。
 山の東斜面を進み、(峠は)ここかなと思う小さな切通を過ぎると、道は少し下りになりました。この付近が、この日一番荒れていた区間(いずれも写真なし)。思っていたより長めの距離を下った後、記憶に残る南東側へ展望が広がったところに到着。写真:上中・奥ほぼ中央辺りが工石山でしょうか。
 ここで、国道439号線・郷ノ峰トンネルの上が峠(赤荒峠や赤良木峠と同じ連なりで)とばかり思っていたのが間違いであったことに気づきました。微妙に入り組んだ山の連なりのため、峠はトンネル上よりもう少し先(南側)でした。写真:上右は、県道6号線から郷ノ峰トンネルの東側に下る道との分岐部。そこを右手・県道6号線方向へ進むと、まもなく前回も写真を撮ったトンネル西側へ下る分岐部(写真:下左)。前回は、右手から登ってきて手前に進みました。今回は、手前から左手へ。この左手すぐ先がトンネル直上に当たるようです。路面状況は、この分岐から少し良好になりました。山の西側斜面の杉林をトラバースしていくのですが、相変わらず極緩やかな登りで走りやすい道です。しかも、ここまで予想通りほとんど日蔭。真夏でも太陽の光が遮られて、多少は暑さが凌げそうです。
 
 ゆっくり快適に走って、高知市・いの町境の峠部分(トップ&上ぎの写真)。ルートラボで確認すると、先に峠かなと思った切通と、ここはほぼ同じ標高。国土地理院地図で確認しても、いずれも標高733mくらいです。
 峠からは、しばらく下りが続きます。クルマはほとんど通らないものの、道は狭く曲がりくねっているので、ゆっくり慎重に。写真:下左上は、峠から初めての民家です。茶畑がきれいに管理されていました。下っている途中、この日初めての自転車乗りと出会いました。と思ったら、2人、3人、数人と合わせて10名くらい、お仲間のようです。比較的ゆっくりと登られていました。やあ、みんな走っているな、こちらからだと登りが長くて大変だなどと思いながら下っていると、小さなS字で後輪が、ぐにゅっとした感覚。気のせいかなとと思ったら、スローパンクのようです。チューブ交換。その時には、タイヤに異物は確認できませんでした。空気入れは腰に堪えるかなと心配でしたが、なんとかこなせました。再び走り始めて、県道33号線との合流部まで降りてくると、正午頃だったこともあって一気に気温が上がってきました、暑い。ちょっと走ったところで、県道6号線から33号線に左折。写真:下中上は、鏡ダム。もう暑くて、この後どうなることかと思うくらいでした。ダム湖畔も微妙に登りです。暑さにたまらず、県道270号線分岐部で自販機・缶コーヒー休憩。鏡川上流では、水遊びの家族連れや鮎釣りかな、釣り師の姿があちこちに見られました。当初から、工石山を越えて戻るのは衰えた上に腰痛もあって無理と思っていたので、予定通り県道16号線の分岐は素通りして県道33号線を東進します。
 峠を越えて、ほんの少し下ったところからは、東への展望が広がっていました。写真:上右の左奥は梶ヶ森付近かと思われましたが、電波塔は確認できなかったので、違うかもしれません。右手のほうには高知平野の西外れ付近が見えましたが、土佐湾は確認できませんでした。2qほど走ると、昨年5月に穴内ダム湖から峠を越えて降りてきた道へ合流しました。ここからは少し記憶が残っていて、再び少しだけ登って下ると奈路の集落。小学校は廃校にはなっていないようで、プールにはきれいな水が張られていました(写真:上左下)。ところで、この日のコース上には、食料調達ができるお店はほとんどないだろうと予想していたのですが、その通り。南国まで降りたら、国道32号線沿いにはコンビニがあるだとうと思っていたのですが、国道32号線に出たところは、既に街外れの登り区間に入っていて、店はありませんでした。この日、わかっていながら、補給食はバナナ1本と羊羹1個だけ。郷ノ峰峠までに食べてしまっていました。後は、先程の缶コーヒー。
 さらに悪いことに、根曳峠の登りで、また後輪が撚れる間隔。またまたスローパンクです。もう一度タイヤを確認しましたが、やはり異物は確認できません。しかも、2本目の予備チューブには全く空気が入りません。万事休す。パッチも持っていないし。自転車乗りが通りかかったら予備チューブを譲っていただくか、トラックにヒッチハイクでも頼むかなんてことも考えましたが、スローパンクのようだから空気を入れながら走ってみるかと先へ進みました。デポ地まで後30q、そういえば、ツール・ド・沖縄でもスローパンク状態で20qくらい走ったなあなんて思い出しながら、その後はほぼ5q・15分毎くらいに停まって手押しポンプ70回の繰り返しでした。大豊からは後10qと旧道へ進んだところ、旧道のトンネルは閉鎖されていて、もう笑うしかありませんでした。なんとか16時半頃にデポ地に帰還。それでも、県道6号線は楽しい道でした。腰もなんとか持って、やはり思い立ったら行動するに限ると思った一日でした。

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