北海道2022 最終日  初日  2日日

道道2号線 オロフレ峠にて (2022.05.07)
 最終日。この日は、18時過ぎの飛行機で新千歳空港から帰途につく予定です。そのため、コースは余裕を持って、洞爺湖温泉からオロフレ峠を越えて倶多楽湖に寄り道、後はその時の気分と体調、天候次第。最短で登別から輪行、最長でも苫小牧から輪行と考えていました。
コース  洞爺湖−オロフレ峠−登別温泉−倶多楽湖−登別−白老
走行距離   80q   積算標高 1300m
最高地点   オロフレ峠  標高890m
走行日   2022年 5月 7日  天候:曇り  GIANT TCR
 朝食開始時間が午前7時からだったので、スタートは8時前になってしまいました。早朝は青空が広がっていたのですが、走り始める頃には薄っすらと雲が広がってきました。幸いこの日も夕方まで雨の心配はないようです。まだ交通量もほとんどなく、薄い霧がかかって幻想的にも見える湖畔の道をのんびりと走り始めます。ところが、なんだかとても脚が重い。3日連続走るのは久しぶりなので、疲れが溜まってきた来たのでしょうか。担ぐザックもほんの少しは軽くなっているはずなのに、随分と重く感じます。まあ、ゆっくり走っても時間はたっぷりあるからと進みますが、湖岸沿いの道から国道453号線へと向かう小さな丘を越えるのにも苦労するほど。バイキングの朝食を食べ過ぎたかなあ。
 国道453号線に左折すると、苫小牧まで85qの標示(この時国道453号線は美笛峠付近で不通)がありました。体調がすっきりしなかったので、登別方面に向かわなければ登りも少なく余裕を持って苫小牧まで行けそうだと、一瞬頭を過ります。しかし、予定通り、ここで国道453号線に並行する道道919号線に向かうために道道519号線に右折。ふと右手を見ると、昭和新山と有珠山の姿(写真:下左)。昨日からずっと眺めてきた二つの山ですが、こちら方向から眺めるのもいいように思えます。前日訪れた三松正夫記念館、壮瞥郵便局長だった三松氏の記録画もこの方向から観察していたようです。記録によると、飛び出ている昭和新山と手前の丘状の山は僅か1年半くらいで平地から隆起したそうです(その様子が分かりやすい動画)。
 少し進んで、道道919号線に左折します。この道は、前日走った道道560号線同様、農場の間を抜けていく、交通量もほとんど無い道でした。いつもならヤッホー気分なのですが、なんと1%とほとんど平坦に近い登りがきつく感じるほど調子が悪い。緩い追い風さえ吹いていたのに。道道2号線に入ると、勾配が増してきました。ここから今回3日間での最高地点・オロフレ峠まで標高差800mほどの登りです。芽吹き始めたばかりの雑木林の中を走る道は、クルマも時折単発的に通るのみ。極上のサイクリングコースですが、楽しむ余裕が全くありません。写真を撮る元気もなくて、峠まで14qの標示で一服(写真:下右上)。
 きついなあ、調子が悪いなあと思いながら、GPSを見ると勾配は8〜10%だったので、こんなものかと進みますが、そのうち300mも進まないうちに休憩を繰り返す状況になってしまいました。まだ9時過ぎだったので、時速5qでも昼には峠に到着できる、後は下るだけ。最悪は登別駅から輪行すれば新千歳まで十分余裕があると思いましたが、その後も調子は悪くなる一方。30分も進まないうちに、とうとう峠手前10qくらいのところで座り込んでしまう羽目に。しばらく休んでみましたが、体調は一向に戻りません。体に力が入らず、先へ進める気がしません。自転車ごとヒッチハイクを考えるか、どうしたものかと時折追い抜いていくクルマを眺めていました(下の写真は復活後先へ進んで見えた洞爺湖と羊蹄山)。
 幸い同じ航空便で帰る娘夫婦(3日間別行動だった)が、偶然にも洞爺湖温泉に宿泊していました。最終日、雨なら近くの駅まで送って貰おうなかどと考えてもいたのですが、まさかこんな形で救援要請になるとは。連絡を入れると、同じ道で登別温泉方面へ向かう予定とのこと。10時半くらいに宿を出るとのことだったので、11時過ぎくらいには合流できそうです。その場で待っているつもりでしたが、狭い路肩だったので広いところに移動しようと動いてみると、少しだけ体調が戻っているように思われました。へたり込んでから40分あまり。救援があると安心できたこともあったのかもしれません。ちょっと回復したので走っていると連絡して、ゆっくり進んでみたら、立ち止まる前よりは良くなっています。
 黄渓橋付近では、最近のいつも程度には戻ってきたような感じ。荷物の重さも朝ほど気にならなくなってきました。登るにつれて毛無峠同様、道脇には雪の姿が現れ始めました。一ヶ所あった広い駐車場スペース付近までやってくると、落ち着いて写真も撮れるくらいに回復(上下の写真)。なだらかな落葉樹の山並が続いています。
 その後も、無理しないようにと、写真を撮りながらゆっくり進みます。不調だった前半に比較すると、後半は5%程度と勾配も緩やかになって、走りやすかったこともあるのかもしれません。
 ちょうど峠に辿り着いて写真を撮っているところに娘夫婦がやってきました。もう大丈夫と声をかけて、予定通りの先へ進んでもらいます(写真:下左)。体調が戻ったのでオロフレ峠展望台へ立ち寄ってみようと向かったところ、分岐のすぐ先で道は全面の雪(写真:下右)。除雪されていないと、本線もこんな感じなのでしょうか。展望台からの眺めを楽しみにしていたのですが、これでは仕方ありません。
 展望台の分岐部から少し進むと、左手後方に洞爺湖とその奥に羊蹄山の姿を見ることができました。まさに羊蹄山三昧の3日間です。
 なだらかに続く山肌は、一面の落葉樹で覆われています。人工物は全くと言っていいくらい見当たりません。オロフレ峠展望台とともに、新緑の頃か紅葉時に是非再訪してみたいものです。ピークから少し下ったトンネル手前には広い駐車場があって、地元の方らしい数名の自転車乗りが屯していました。登別側から登ってきたのでしょう。挨拶してトンネルの中、下りへ。
 下の2枚は、トンネルを抜けてすぐのところから。トンネルの西側ほど遠方まで山並が続いているのではありませんが、相変わらず落葉樹林が続きます。この道道2号線は路側帯も広くきれいでしたが、下りはやはり写真撮影の停止回数が減ってしまいます。
 道周囲の光景は、相変わらず落葉樹の森林が見事です。登っている時同様、交通量も極めて少なく、気持ちよく走ることができました。
 登別温泉までずっと下りばかりと思っていたのですが、途中、少しだけですが登り返しが2度ほどありました(写真:下左)。ずっとこんな道が続きます。もう後1、2週間もすれば、新緑の瑞々しい葉で山肌全体が覆われることでしょう。
 体調がほぼ戻ってきたので、登別駅には向かわず、当初の予定通り登別温泉方面に下ります。硫黄の臭いが漂う登別温泉街は素通りして、目的の倶多楽湖方面へ向かう道道350号線に進んでみました。地形図から予想していたとおり、湖に向かう道は8%くらいの登り坂が続きますが、朝のようなことはなく、ゆっくりですが問題なく登ることができました(写真:下左上)。大湯沼を見下ろせる付近前後では、再び硫黄の臭いが立ち込めてきました。沼周辺からは蒸気が立ち上っています(写真:下左下)。そこから少し進んだところにあった扇形展望台から倶多楽湖の眺めは、周囲の木々が邪魔をして視界が狭く、あまり良好ではありません。建造された当初は、もっといい見晴らしだったのかもしれませんが。その後、道は湖に面する急斜面の高所をトラバースするのかと予想していたのですが、一度ほぼ湖面まで下り、登り返し。展望台から登り返しの頂点までは1車線の余分なものが何もない雰囲気ある道で、左手にはずっと湖が見えます。ところが、芽吹き始めたばかりの裸木でも視界が遮られて、湖全体を見晴らせるポイントはありませんでした。下右の写真は、そんな道から湖が一番良く見えたところです。
 
 この道も新緑がもう少し進めば、素晴らしい光景が続くと思われます。そんな道を下っていくと、片道2車線の立派な道道2号線に突き当たりました。体調も戻ったことだし、雨も夕方までは大丈夫のようです。ということで、苫小牧方面に向けて走っていくことにしました。高速道路手前で左折して細い一般道を下ると、また高規格道路のような片側2車線の広い国道235号線に突き当たりました。交通量は一気に増えて、大型車も多数。が、路側帯も広かったので進んでいたところ、まもなく道は片側1車線となり、しかも路肩は狭く荒れています(写真なし)。
 この登別から苫小牧方面に向かう道、地図で併走する道を確認していたのですが入り口が分かりづらく、結局国道を走り続けることになりました。右手はすぐ海というところもありましたが、これまでの道と異なり全く趣がありません。3年前のゴールだった苫小牧まで走れる時間はありそうでしたが、走って楽しい道ではないこともあり、余裕を持って白老駅で終了としました(写真:上右3枚)。ちょっと体調不良の時間帯もありましたが、天候にも恵まれ、当初期待した以上の、やはり北海道ならではと思う広大な光景の中を走ることを満喫できた3日間となりました。

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