北海道 2019  −1日目−
 我が家の飼い犬が、前年大往生の末逝去(18歳)。老犬介護の心配がなくなったため、久々(10年以上振り)に家族で遠出。とはいっても、みんなそれぞれの都合もあり、「土曜の夜、定山渓に集合」となりました。私は、その前後をサイクリング予定。細切れに何度か走っている北海道ですが、金曜日の朝に出発し、定山渓を土曜日の夜に到着、翌日に帰宅となると、コース設定に少々悩みました。結局、この時期には走ったことがない富良野〜美瑛を中心として、できるだけ走っていない道を選んで、下記のような行程になりました。憧れだった北海道も何度か走って、そろそろもういいかなとも思っていたのですが、好天(異常高温注意報がでるほと)にも恵まれ、やはり魅力的な大地であることを改めて感じさせられた旅となりました。 (2018年06月20日 記)
  
                                    富良野郊外から根室本線と富良野岳
コース  徳島=(羽田経由・航空機)=新千歳=(鉄道)=札幌=(バス)=砂川−上砂川−歌志内−芦別−富良野
走行距離  65キロ   積算標高 約500m
最高地点  国道36号線 標高190m
走行日・天候  2019年  5月 24日   天候:快晴   GINAT TCR
 金曜日の朝一番の飛行機、羽田経由で北海道へ。途中、久々に富士山を見ました。機上から富士山の写真を撮ったのは初めてかもしれません。この日は新千歳空港到着後、列車で砂川まで移動して、そこから富良野まで走るつもりでした。ところが、昼前に空港に到着してJR駅に向かったところ、トラックが架線を引っかけて停電したため旭川へ向かう列車は運休中とのこと。これは困ったとしばらく悩んだ挙句、とりあえず札幌まで行ってみることにしました。札幌へ向かう列車内で、バスがあるかもしれないと、未だ慣れぬスマホを片手に検索。幸いにも旭川方面のバスが、ほぼ同じ時間帯で走っているようでした。
 札幌到着後、バスターミナルへ行くと、予想通り旭川行だけ長蛇の列です。並んで待っていると、前方に滝川経由留萌行のバスが見えました。ひょっとしてと係員に訊ねてみると下車予定の砂川吉野には留萌行も停車するとのこと。発車直前の留萌行に乗車。特急とほぼ同じ時間で到着した砂川吉野。他に二人の方が降りたのですが、一人はタクシーを呼んで乗車、一人は何処かへ消えてしまい、未舗装の行き止まり道路があるだけのところでした(写真:下中)。自転車を組み立てて、当初の予定より30分ほど遅れて走行開始です。道道1130号線まで出て、ちょっとだけ北進し、予定の道道627号線へ右折します。国土地理院地形図では、確かすぐ道道に併走する自転車道の表示があったはずと探してみましたが、見当たりません。少し走ったところで、右手にそれらしき道を確認できたので、進んでみると間違いなく自転車道でした。道はよく整備されていて快適。周囲の状況などからみると、廃線跡でしょうか。
 
 左上  機上から富士山
 上   砂川吉野のバス停
 左・右 自転車道
 自転車道を5q程走ったところところで、右折して上砂川方面へ寄り道。小高い丘の峠を越えると、上砂川の町。炭鉱町として栄えたらしい上砂川も、今は寂れて閑散としています。ここへ立ち寄ったのは、特別な思い入れがあったわけでもありませんが、旧上砂川駅を見るためでした。到着してみると、駅舎もホームも町の並び方向と直角に立っています(写真:下中2枚)。沿線方向と思われる町の並びと直角とは意外だなあと思っていたら、移転して現在地に移った際に直角方向に据えられたそうです。
 再び左折したT字路まで戻って、道道114号線と名前を変えた広く極緩い登りの道で歌志内の町を通過。1qほどのトンネルを抜けると、今度は国道36号線に右折します。この道は多分交通量が多いだろうから、出来るだけ併走する道を進んでみようと思っていましたが、スタートが遅れたこともあって、結局国道を進みました。交通量は多いというほどではありませんが、大型車もそこそこ通ります。しかも、みんなスピードが速い。悪意を持ったような運転は皆無でしたが、あまり楽しめる道ではありません。横を流れるのは、空知川。滔滔と流れていますが、水は随分と濁っていました(写真:下右)。今回いくつかの川を見ましたが、いずれも結構濁っていました。北海道の川って、こんなに濁っていたでしょうか。これまでの旅ではあまりそう感じたことがありません。
 滝里ダム湖畔沿いには長めのトンネル(野花南トンネル、写真:下左下)もあって避けたかったのですが、迂回路はありません。幸いトンネル内は比較的広く交通量も少な目で助かりました。ダム湖畔にはオートキャンプ場なども整備されて人工美に満ちていましたが(写真:下中下)、北海道!という眺めではなかったです。富良野の少し手前で、2009年に夕張方面から走ってきた道と合流するのですが、合流地点を確認したものの、記憶には全く残っていませんでした。しかし、富良野の町手前の跨線橋から見た光景だけは、写真に撮っていたこともあって、記憶に刻み込まれていました(トップの写真)。この跨線橋を越えると、まもなく富良野の市街です。駅前のホテルに到着したのは、19時前でした。
 ところで、昨年出張で上京した際にもつくづく感じたことですが、切符を買って電車に乗ろうとする人は極少数派。そのためか以前のような切符の自販機が随分と少なくなっています。一昨年、札幌の地下鉄でもそうでした。今回の新千歳空港JR駅でのこと。切符自販機が10機ほど並んでいたのですが、手前の7機くらいは、どうもカード販売専用のようにみえました。で、それ以外のところに向かったところ、先に買おうとしている人が、みんな戸惑っています。後ろから見ていると、確かに最後の方で先に進めなくなることがわかります。ちなみに、ほとんどが私と同年配以上の方でした。一方、緑の窓口は、昨今の事情を反映してでしょう、外国人向け専用ブースが日本人用の倍くらい設けられていました。たまたま迷っているらしい東アジア系と思われる人のところに窓口でいた駅員が近づいて行って、手前の自販機で案内していました。案内終了後に、砂川方面の特急券も一緒に買うことはできるかと尋ねると、少し面倒なので緑の窓口へ行ってくださいとのこと。緑の窓口に行って、係りの人に砂川方面は全面運休中であることを再確認。結局、手前の自販機で札幌までの切符を普通に購入できたのですが、おそらく慣れない多くの人(私を含む高齢者)は、こちらの自販機はカード販売専用と思ったのでしょう。次回からは、カード購入・利用でしょうか。年に1、2回の使用なのですが・・・。どんどん時代から取り残されていきます。
 もうひとつ。高速バスの切符売り場でのこと。切符売り場くらい行けばわかるさと思っていました。ところが、バスステーションに到着したものの、切符売り場を見つけることができずウロウロ。ちょうど歩いてきた40歳代くらいの女性に訊ねたところ、行く方向が同じだったのか、わざわざ案内してくれました。さらに、少しはっきりしなかったのか、「大きな荷物(自転車)を持っているので待っていてください、この先で確認してきます」とのこと。1分も待たぬうちに戻ってきて、丁寧に教えてくれました。地下から何レーンか別々に分かれてある乗り場のひとつに切符売り場があったのです。確かに、その乗り場登り口には表示がありましたが、頭上にでも案内標示があればいいのにと思うのは私だけでしょうか。バスもカードやスマホで支払い可能のようでした。それにしても極自然に快く対応してくれたこの女性に心から感謝です。言葉のお礼だけでは申し訳ないくらいでした。札幌の方って、こんなに親切な人が多いのでしょうか。列車運休で躓いた出足となりましたが、気持ちを立て直す以上の再スタートとなりました。バスの運転手さんも気持ちのいい感じの方で、翌日もJR利用のつもりがバスに変更したひとつの理由となりました。

北海道 2019  −2日目−
   
                                           美瑛の丘
コース   富良野−美瑛−美瑛の丘陵地−青い池―道道353号線など−上富良野−富良野=(バス)=札幌−定山渓
走行距離   103キロ+27キロ   積算標高 600m+300m
最高地点   道道353号線・峠  標高510m
走行日・天候   2019年  5月 25日   天候:快晴   GIANT TCR
 この日は、夕刻までに定山渓に行かなければなりません。当初は朝一番の列車で美瑛まで移動し、ウロウロしながら昼過ぎに富良野まで戻ってきて、再び列車で札幌まで移動のつもりでした。ところが北で東の地であるため、午前4時の外はすっかり明るくなっています。そのため、予定変更して午前6時に自走でスタート、美瑛までも走っていくことにしました。ホテルの庭先と富良野駅で写真を撮って(写真:下左2枚)、国道237号線は避けて、その西隣のJR富良野線に併走する道を北上します。クルマもほとんど通らず、いい道です。ちょっと走ったところで、左手にワインも生産しているらしいブドウ畑が見えました(写真:下右から2枚目)。有名なラベンダーの開花は、まだまだ先のようでした。写真:右端、左手に見える紫の花は、遠目ではっきりしませんが、ラベンダーではないようです。写真のほぼ全体を占める部分がラベンダーと思われます。
 富良野でも最も驚いた光景は、前日バスで走った砂川までの高速道路の周囲と同様、農地のほとんどが田植え真っ最中の水田だったことです。富良野といえば、ラベンダーを始めとする花畑など畑作のイメージが強かったのですが、一大米作地帯でした。これまでにも近くを走っている(2003年2009年)のですが、水田ばかりだったという印象は全くありませんでした。右手前方には十勝連峰の山々、水田に映る姿も端正です(写真:下左)。直線道路を進んで、振り返ると、芦別岳を中心とする山々(写真:下右)。いずれも、ちょっと信州も思わせる光景ですが、周囲平地の広大さは、やはり北海道ならではでしょう。朝日の逆光ですっきりしない十勝連峰に対して、芦別岳は順光でくっきりしていました。
 
 富良野から上富良野までの道周辺は水田ばかりで、写真:下左のような畑はあまり見かけませんでした。上富良野付近では国道237号線を走りましたが、土曜日の朝早めだったためか交通量は少な目でした。上富良野を少し外れたところから、左手・西8号線という道に入ってみました。クルマは全く通らず、道両側は新緑の落葉樹。その間に所々見られる耕された畑は、どれも一枚が大きいです。そんな道を進んでいくと、次第に北海道らしい光景が広がってきました。この後多くの場所で見られた草原様にみられる植物は緑肥、それとも小麦でしょうか(写真:下右)。
 美瑛の町手前で国道237号線に戻り、美瑛の町に到着したのは、列車で移動して走行開始予定だったのとほぼ同じ午前8時でした。それから1時間ほど、町の北西部に広がる丘陵畑作地帯を散策。この付近を走るのは、2003年2009年に続いて3回目ですが、なだらかな丘陵地に広がる農地の光景は、何度やってきても見て飽きることのない、北海道ならではのものです。以下11枚の写真は、美瑛の丘でのものです。
 畑は夏野菜などの種蒔や植付準備で耕運中のところが多かったですが、背景に残雪の十勝岳連峰が見えられるのが、また格別です。どちらを向いても、魅力的な光景が広がっています。短い時間内に見られること、感じられるものは限られていますが、それでもここでしか得られないものは多いです。発芽して間もない、もしくは植え付けられてまだ時間が経っていないような、初々しい苗の列も見られました。100u程度の畑でも苦労していのに、こんなに広い畑を管理することは想像ができません。
 写真:右下、この日走っている間ほぼずっと見ることができた十勝連峰の一部をズームアップ。山頂から少し下ったところは、雲がかかっているのかと思っていましたが、よく見ると、その後形を変えながら、ずっと煙様に見えていたので噴煙のようです。
 1時間ほどのポタリングで回れる範囲は広い丘陵地帯の極一部だけと考えていましたが、意外と予定していた大部分を回ることができました。しかし、ゆっくりと何日もかけて、さらに言えばもっと長い期間腰を据えることによって、季節とともに変化する光景を愛しむことが初めてできるのでしょう。
 丘の南付近では、遠くになった芦別岳も見ることができました(写真:下左)。マルチングされた畝が整然と並ぶ畑には、何が栽培されるのでしょう。写真には、あまり写っていませんが、随所で農作業を行っている方の姿が見られました。写真:下右、牧場はもちろん、牛や馬の姿もほとんど見かけない中で、唯一出会った羊牧場。一年のうちで一番いい季節、羊たちも陽光の下での新芽を心地良く食していることでしょう。
 時に見かけるポプラの姿も、縦のいいアクセントです。そんな光景に心を満たされて、次の目的地へと向かいます。
 美瑛の町に戻って補給食を購入した後、道道966号線を十勝岳連峰方面に向かって進みます。写真:下左上はJR美瑛駅。3qほど走って、美瑛川を渡る橋のところで、事前にはチェックできていなかった自転車道を見つけました。前日の道道627号線沿いに自転車道があるらしいことは事前に地形図を眺めていて気付いていましたが、この道は改めて地形図などを確認しても自転車道の記載はありません。分岐部の路面には、これから向かう予定の青い池などが明確に表示されていたので、このまま走っていけるものと思い先へ進みました(写真:下)。道道966号線も走りにくい道ではありませんが、やはり全くクルマがやってこない道は快適です。眺めもいいし最高、と気持ちよく走っていたところ、前方からやってきた自転車乗りが大きく手を振ります。挨拶をして擦れ違おうとしたら、この先で工事中のため通行止めとのこと。確かに、進むとすぐ先で柵が設けられ、交通整理の方までいました、残念。この方(クロスバイクで同年代と思われる・地元民?)の話では、たまたま今日は工事中ことのことでしたが、部分的に改良工事中なのか、まだまだこれから整備していく途上なのか不明でした。その後も自転車道に復帰できないかと何度か左手を確認しましたが、途中までそれらしき道が続いていたものの、後半は不明でした。
 しかし、戻った道道966号線も、十勝連峰に向かって、いい道です(写真:左下)。しばらくは、道沿いに畑が続きます。黄色い花が一面の広い畑ありました。菜の花よりは少し花色が薄く見えますが何でしょう。近づいて写真を撮りたかったのですが、道道からの側道(未舗装)には、何処も進入禁止のロープが張られています。美瑛の丘陵地でもロープこそないものの、「ここより先入らないでください」との表示が畑脇(道脇)に結構ありました。マナーを守らない人がいるためでしょう。
道道966号線と周辺の光景
 美瑛から青い池までの道道966号線はほぼ直線の登り坂ですが、19qで270mほどの登りなので極々緩やか。後半になってくると、道両側はエゾマツでしょうか、針葉樹が多くなってきました。正面に見えるのはオプタテシケ山、と道脇に表示がありました(写真:下左)。道の駅のようなインフォメーションセンターから青い池までは歩道かと思ったら、これまた立派な2車線道が続いていました(写真:下右)。
 到着した青い池(写真:下)。もっと青いかと想像していましたが、瑪瑙色といった方が適切と思われる少し濁った灰緑でした。立ち枯れの木々と後方には十勝岳が控えて、確かに多少写真映えするところです。が、堰堤によって偶然できた光景との事前情報も得ていたことや、またすぐ横には広大な駐車場(次々と大型観光バスがやってきます)があり、写真には写っていませんが、この手前の遊歩道には観光客が多数(日本人以外の方々が多いくらい)だったことなどもあって、予想通り早々に撤収。後の時間のこともあり、チェックしていた2qほど先にあるしらひげの滝のことはすっかり忘れてしまっていました。
 時間があれば望岳台まで進んでみたかったのですが、その後は道道353号線(写真:下左端)で小さな峠を越えると、後は上富良野までずっと下りです。上富良野駅(写真:下右から2枚目)からは、国道237号線の東側の水田地帯の中を走る道で富良野へ向かいます。地図を眺めていて碁盤の目状の道を確認していましたが、上述のように、その周囲ほとんどが水田だとは思ってもいませんでした(後で確認すると地形図では水田の表示)。時間の余裕も少しできてきたので、水田の中の道を十勝岳連峰を名残惜しく眺めつつ富良野駅へ。
 前置きが長くなりますが、一昨年、廃線前に周辺を走った三江線もそうでしたが、昨今の地方鉄道は過酷な状況です。特に北海道は厳しいようです。札幌を中心とした小樽、旭川、新千歳への路線以外は便数がとても少なく、利用しづらいことが2015年のツーリング時にも良く分かりました。廃線になる前に乗車しておこうと、今回は特に乗車率の低い根室本線・滝川−富良野間、富良野線を輪行することを考えていました。富良野線は上述のように結局自走。
 話は戻って、富良野へ12時半くらいに到着しました。この日も、当初は13時前の列車で滝川に出て乗り換えて札幌へ向かう予定でした。しかし、前日事故不通でバスを利用したところ、富良野−札幌間も直通バスが運行されていることに気づきました。時間も13時発で札幌到着は15時半、JR利用とほぼ同じです。しかも料金は3割以上安い。鉄道の旅も捨て難かったのですが、前日利用して、そこそこ快適(乗換もなく自転車輪行も何の問題もなし)でした。ということで、この区間もバス移動を選択してしまいました。
左  自転車走行禁止の大通公園
右  国道230号線
右端 定山渓温泉
 札幌駅は再スタートしにくそうだったので、二つ手前のバス停で下車しました。予想通り、市内を出るまではとても走りにくかったです。下車少し手前から、左手の豊平川に沿ってサイクリングロードがあるようで、気持ち良さそうに走っている人を見かけました。そこで、まずは豊平川まで出て、サイクリングロードを走ります。向い風でスローペース。藻南公園付近でサイクリングロードは終了して、国道230号線へ。この道、片側2車線の広い道でしたが、交通量がとても多いです。辟易しながら、緩かな登りを進んでいくと、次第と交通量は少なくなってきました。結局、道道1号線分岐部まで片側2車線でしたが、後半は広い道が勿体ないくらい交通量が少なかったです。道道1号線からは札幌駅近くまで2003年に逆走しているのですが、記憶はほとんど残っていませんでした。目的地・定山渓には、ほぼ予定通り17時半過ぎに到着。先着していた家族に合流し、一風呂浴びて食事。年に2、3日しか家族4人が集合することがないここ数年。揃っての外食は数年振り、宿に泊まるのは13年振りくらいです。こんなことも、もう後何回もないでしょう。

北海道 2019  −3日目
 最終日。この日は新千歳16時発の飛行機で帰路。ということで、余裕を持って15時過ぎには空港に到着しておきたい。コースは、できるだけ走ったことのない道を繋ぎました。行程上、遅くとも8時には出発したかったのですが、朝食の関係で8時半となりました。別行動の家族に見送られてスタート。

中山峠から見た羊蹄山
コース 定山渓−国道230号線−喜茂別−支笏湖−国道276号線−苫小牧=(鉄道)=新千歳=(羽田経由・航空機)=徳島
走行距離  115キロ   積算標高 約1200m
最高地点  国道230号線・中山峠  標高840m
走行日・天候  2018年  5月 26日   天候:快晴   GIANT TCR
 まずは国道230号線ですが、前夕定山渓付近では少なかった交通量が、この日は快晴の日曜日だったこともあるのか、朝からクルマやバスが次々と走っていきます。しかも結構スピードが速い。緩いながらも登り坂(20q弱で標高差500mほど)なので、ゆっくり走る自転車の横をビュンビュン抜いていきます。道幅は広いですが、3ヶ所ほどあったトンネルではいい気持がしませんでした。
 標高を稼ぐと道周囲は白樺とクマザサの光景となり、左手には山々の遠景も広がってきましたが、30分遅れのため心の余裕がありません。幸い峠手前3q程はほぼ平坦で、スタートから1時間で中山峠に到着。道の駅の駐車場は、クルマ、バス、オートバイでごった返していましたが、右手前方には、どっしりと雄大に構える羊蹄山の姿(上の写真)。まさに蝦夷富士という名がピッタリ。ひょっとしたら見えるかもと思っていましたが、こんな風に見えるとは期待を遥かに超える景観でした。
国道230号線、周囲の光景
(中山峠まで)
 ゆっくりと眺めていたい光景でしたが、相変わらず時間の余裕がなく下りへ。しかし、ここでも右手に羊蹄山をはじめとした冠雪の山々を見ることができて、たまらず何回か停車して写真撮影です。写真:下左、羊蹄山の右手に見えるのは、以前に裾野を走ったニセコアンヌプリ辺りでしょうか。下って標高が低くなってくると手前の山に、それらの姿は隠れてしまいました。相変わらず速いスピードで横を駆け抜けていくクルマを気遣いながら慎重に下って、喜茂別へ。
 平地に出てくると、前方に再び羊蹄山が見えてきました(写真:下左)。この付近では、今が旬と、アスパラガスの露店売り場が何軒も並んでいました。息子がレンタカーを借りたので積丹半島を回るという家族も後発で喜茂別までは同じルートでしたが、数分先に私が通過。下りで少しばかり時間が稼げました。喜茂別からは国道276号線を東進します。向い風になるかと思われましたが、幸いにも追い風。交通量はぐっと減って、畑の中を快適に走ります。振り返ると、三度目の羊蹄山。左手前の山は尻別岳のようです(写真:下右)。
 上 喜茂別から国道276号線へ、振り返ると羊蹄山
 左 国道230号線、喜茂別手前 行く先に羊蹄山
 しかし、そこからが大変でした。支笏湖手前の美笛峠までまだ10q以上あるというのに、数%程度の坂が堪えます。しかも、この日は北海道全域で記録的な高温(東部では39℃)。こりゃ、暑さにやられそうと、少ない木陰を選んで進みますが、この調子だと峠到着はかなり遅くなりそうだと、また時間が少し気になってきました。乗り遅れたら大変、そればかりが頭にあったのですが、幸い一旦下りとなり、国道493号線と合流した後は極緩やかな登りで美笛峠(トンネル)に到着(写真:下左端)。峠はトンネルであることもあって、西東いずれも展望はありません。一気に下って支笏湖へ。
 ところが、支笏湖畔沿いの道も随分と長かったです。交通量は何故かまた増加して、時々大型トラックも通ります。道は原生林と思われる大きな落葉樹に両側から覆われて魅力的なのですが、ちょっとした登りにも閉口する次第。しかも、何処かあるだろうと思った水分補給が、結果的には喜茂別から20qほどのところに大きなドライブインがあった以外、苫小牧の町手前まで約60qの間に自販機も水場もありません。同じコースを走る人は、水分補給に要注意です。
 国道は支笏湖畔沿いを走るのですが、木々が繁っていて、なかなか湖を見渡せる部分がありません。写真:上右端と下左は2ヶ所だけあった湖が見える地点で。峠手前からは、所々で苫小牧までの距離表示がありました。時間がなければ、支笏湖から2013年にも走った千歳方面に向かう予定でしたが、余裕があれば苫小牧へと出て、そこから列車で輪行と考えていました。その分岐部に13時までに到着できれば苫小牧へ進もうと考えていたところ、ちょうど13時に到着。
 国道493号線と分岐した国道276号線に進むと、意外に交通量は少なくなりました。道はもっと下っているかと思っていたのですが、期待していたほどでもありません。ここも道両側は原生林のような針葉樹を交える落葉樹が繁っていました。後半は、地図でも確認していた併走する自転車道を走りました。美笛峠付近では標高があるので少し気温が下がったように思われ、苫小牧に下ったらまた暑いだろうなと思っていましたが、それほどでもありませんでした。
上2枚、国道276号線とその横を並走する自転車道
 翌日、この時間の気温を確認すると、北海道東部に比較して苫小牧付近はそれほど高くはなかったようです。苫小牧の町に入ると道がわかりにくく少し迷いましたが、14時前にJR苫小牧駅に到着。釧路方面に向かう特急は気温上昇で線路の異常が危惧され昼間運休となっていましたが、千歳方面への列車は時間通り運行されており、15時過ぎに空港に到着。喜茂別付近でも売られていたアスパラの天ぷら蕎麦を食べて、機上へ。この時期の北海道とは思われぬ気温でしたが、3日間晴天に恵まれ、慌ただしい行程ながらも北海道の良さを再認識できた旅となりました。

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