旧本川村・周辺の道   一の谷林道、芥川奥の谷線、奥南川林道、長沢林道
 一緒に行く予定だったすーさんの都合でキャンセルになっていた、高知・本川村周辺の林道を走ってきました。今回は、すーさんけんさんリョウさん大川原ヒルクライム掲示板で知り合った4人でのツーリングとなりました。結論から言うと、とても楽しめるコースでした。天候に恵まれたおかげもありますが、稲叢山への登り道から北に見える石鎚山系の大パノラマ、林道の名にふさわしい地道、そして迷走してしまったおかげで偶然通りかかった澄み切った瀬戸川の流れ、どれをとっても十二分に満足のいくコースでした。最初の稲叢山への登りで全く地道がなかったので、このまま名ばかりの林道だと、「MTBを買ってから一度も地道を走ったことがない」というけんさんに申し訳ないと思ったのも、いらぬ心配に終わりました。   (2010年11月 3日更新)

稲叢山の中腹から、岩黒山〜瓶ヶ森(中央)〜伊予富士を望む
コース  道の駅・木の香−一の谷林道−芥川奥の谷線−奥南川林道−長沢林道−道の駅・木の香
走行距離   約110q (途中20q弱迷走)   積算標高 約3100m
最高地点   稲叢トンネル(標高1335m)、芥川奥の谷線峠(標高875m)、長沢林道峠(標高1050m)
走行日   2004年 3月28日  MTB  天候:快晴
         道の駅−稲叢山−迷走−瀬戸−芥川線峠−日比原−大森ダム−長沢林道峠−道の駅
  時間(時分)  8:40---10:45-------12:45----13:40----14:15--15:55-----17:00-----18:00
  距離(km)    0------15------------44------53-------64-------83---------90--------110
  標高(m)   625----1335----------575----875------260-----730-------1050-------625
           実走時間 7時間10分   平均速度 15.4km   

 徳島から高速道路を西へ。西条ICで降りて、R194を南進。新寒風山トンネルを抜けた所にある道の駅「木の香」が今回のスタート地点です。標高が620mもあるのは予想外でした。 「さあ、出発」と走り始めようとしたところ、けんさんのシューズがペダルから外れず。なんとクリート固定のボルトが一本欠落していたのです。みんなで寄ってたかって、なんとか外して修理、改めて出発。
 道の駅から少し下って、標高550mの大橋ダム直下から登攀開始。本川大橋を渡るといよいよ本格的な登りとなります。いきなり7〜8%くらいの坂でしたが、まだまだ余裕があり、好天にも恵まれワイワイ・ガヤガヤしゃべりながらの登りでした。途中一ヶ所だけ(写真:右下)分岐路があり地図で確認を要した以外は、ひたすら一本道の登りでした。

本川大橋をスタート

脇の山林道への分岐点
 この脇の山林道(これは何処に繋がっているのだろう?)への分岐を過ぎると、右手につづら折れの道が山頂へと向かって延びて行くのが見えました。結構登ってきたけど、まだまだあるなあと思いながら、少しずつ先へ進みます。まだ余裕のあった私は3人の前になり後ろになりで、写真を撮りました。が、さすがに大きく離れて撮ることは出来ず(つづら折れを登っているところを上から見下ろせば、いい写真になるのですが)。
 標高700mくらいを過ぎると、北への眺望がだんだんと開けてきました。ここからの眺望は今回のツーリングでの一番の見所でした(写真:一番上)。この眺めの雄大さは、残念ながら私の技量では全く伝わりません。

石鎚山が見える(最後方の雪を抱いた山)

伊予富士〜平家平をバックに
 登るにつれて、北側の展望はどんどん良くなって行きます。西から、筒上山・岩黒山〜瓶ヶ森〜伊予富士(そこだけ雪を抱いていた)〜笹ヶ峰〜平家平の山稜、東方では平家平の向こうに赤石山系の頭がわずかに見えました。何枚も写真を撮ったのですが、やはりその雄大さは捕らえられず。もう少し写真を大きくしたらちょっとは伝わるかも知れませんが・・・。このHPを見られた方、是非走ってみてください、もちろん自転車で!
 さらに登ると、ひょっとすると見えるかも、と思っていた石鎚山・天狗岳が雪を抱いて岩黒山の向こう側に姿を現しました。四国とは思われぬ雄大な展望に、ただ圧倒されるばかりです。

標高1200m付近 冠雪の石鎚山(左方・奥)、中央が瓶ヶ森

圧巻の大パノラマ! 中央の谷が起点の大橋貯水池
 標高1200mを越えると、山影には大きなツララや氷の塊が見られるようになりました。登っているとちょうどいい気温なのですが、日陰に入ったり立ち止まるとすっと冷えてきます。結局、峠の稲村トンネルまで数台の車に出会っただけ。小鳥の囀りだけが響く自然満喫のヒルクライムでした。事前の情報では、まだ一部に地道が残っていると認識していたのですが、稲村トンネルまで道は全線舗装でした。トンネルを出たところには広場があり、数台の自動車が駐車されていました。稲叢山や西門山の登山口であるようでした。周囲には結構大きな落葉樹が見られました。

標高1300m、路傍にはツララが

稲叢トンネル・南側
 ここで、大休止。十分な休憩と食料を補給して下りへと出発。トンネルから南側では、また違った展望が開けるかと思っていたのですが、周囲の山も迫っており北側のような大パノラマをみることは出来ませんでした。ひょっとすると太平洋が見えるかと僅かながら期待もしていたのですが・・・。
 しかし、少し下ったところから道に沿って流れる瀬戸川(吉野川支流)の清流がこれまた素晴らしく澄んでおり−先に走った汗見川に負けるとも劣らぬ清冽な流れ−遠望がさほど望めないのを補っても余りあるものでした。あまりの美しさに、一同見とれながら走ったばかりに、道を間違えてしまいました。

稲村トンネル横の落葉大樹

稲叢山からの下り道
 河内神社で右折して吾北村へ、と地図で読んで、ちょうど所々にあったイラスト付案内板を頼りに進んだのですが、目標の河内神社を過ぎてもそれらしき吾北村への三叉路に当たりません。どうも様子がおかしいと思いながらなおも進むと、早明浦ダム湖の端らしき所へ到達。ここまで来て、漸くどうやら道を間違えたらしいと確信。地図を見なおすと、なんと河内神社が2ヶ所あり、本来の目標であった河内神社ではなく、早明浦ダム方面(川奈路)の河内神社へと走ってしまっていたのでした。県道7号線・高知伊予三島線を西へ進むところを東に進んでしまったのです。ちょっとわかりにくい分岐であったのと、イラスト案内板の河内神社を誤認してしまったのが原因。周囲の山容が大きくて、道は川に沿って曲がりくねっているので方向感覚も麻痺していました。 

稲叢山からの下り道

ミツマタが満開
 結局20km近くロスしてしまい、一同多いに落胆。美しい川に見とれて渓流沿いを快調に下ったのに、今度は緩やかではあるものの標高差200m余を引き返す始末。落ち込んだ気持ちを奮い立たせるように、なんとか戻りました。まあ、美しい瀬戸川の渓流を楽しめた、と思えば良し?(瀬戸川の写真も何枚か撮ったのですが、その美しさを十分伝えられるものなし。百聞は一見にしかず。こちらも、是非訪れてみてください。)そうそう、随所に満開の野生のミツマタを見ることができました。どうも一度迷ってから(これほど完璧に間違えたことも、あまり記憶にありません)慎重になり、少し走っては確認するの繰り返しとなりました。吾北村への分岐点も不安で、道路工事の仕事をしていたおばちゃんに道を尋ねましたが、「私もここ以外はあまり知らない」とのこと。

瀬戸川渓谷  川水の透明度に注目

瀬戸川から吾北j村方面へ
 しかし、少し走った所に吾北村への芥川・奥の谷線はちゃんと標示が出ていて、迷うことなく進むことが出来ました。一の谷林道が全線舗装だったのですが、こちらは分岐部から峠を超えるところまで全線ダート。所々は結構荒れた道でした。横には瀬戸川の支流が流れますが、水量がちょっと少なくて、さほど美しくはありませんでした。峠に向かって次第に勾配は急になります。しかし周囲の展望はあまり良くありませんでした。進むにつれて、リョウさんとすーさんはバトルよろしく競い合うように先を進み、見えなくなってしまいました。私とけんさんは後からえっちらおっちら、と亀の歩みです。
 標高850m強の峠は、残念ながら見晴らしは全くありませんでした。少し下ったところから、北西方向中心に展望が開ける所がありました。日比原まではずっと下り、結構距離があり、また道を間違えたのではないかと立ち止まることがありました。

芥川〜奥の谷線の地道を行く

芥川〜奥の谷線の地道を行く
 日比原で国道194号線に出ます。それまでほとんど自動車の通らない山道ばかり走ってきたので、交通量が少ないにもかかわらず、随分クルマが多いように思われました。194号線は、こんな山中に不釣合いなくらい幅の広い2車線の立派な道でした。標高が260mと下がったのと南に下ったためか、ここでは桜が三分咲きでした。ここから大森トンネルまでは、じわじわと登り。予定では旧道を走るつもりでしたが「旧大森トンネル通行止め」の立て札が。仕方なく交通量の多い新トンネルを走って、奥南川林道へ入る道へと向かいました。

枝畝トンネル付近から南東方向 左端稜線あたりが奥の谷線・峠

大森ダム手前の三叉路
 旧大森トンネル北側(トンネルは完全に閉鎖されていました)から、奥南川林道へと進みました。道はすぐ地道となります。大森川ダム直下・弘沢林道との三叉路までは、あまりアップダウンのない道です。地道とはいえ、そこそこ走れる道でした。ここでまたリョウさんとすーさんが、バトルよろしく先へ進んで見えなくなってしまいました。三叉路からダムまでは一気に登ります。

伊留谷林道との分岐点で休憩

長沢林道、荒れた地道
 ダム(標高800m)を越えると、しばらく勾配は緩やかになりますが、これがこの日一番の悪路。大小の石がゴロゴロ、至るところに土嚢が積まれてとても走りにくく、加えて次第に勾配が急になっていきます。先程まで、ふたりでバトル?していたリョウさんとすーさん、リョウさんはつい先日還暦を迎えたとは思えないパワーで、変わらずにぐいぐい先頭を進みます。一方、本来一番実力のあるすーさんですが、練習不足とハンガーノックで別人のように・・・。
 この大森川ダム周辺には、長沢林道、伊留谷林道、弘沢林道、東谷大森川林道、奥南川林道などが交差しています。今回は二つを引っ掛けたのですが、いずれの林道もこんな調子でしょうか?またいつか別のコースを辿ってみたいものです。

長沢林道の峠(標高1050m)

フキノトウを採る
 なんとか辿りついた峠の標高は約1050m。しかし残念ながら、ここもほとんど眺望が利きません。すぐ横にある電波塔に歩いて登ったのですが、やはり眺めは良くありませんでした。時刻も17時となり、少し冷え込み始めました。服を着込んで下りへと出発。下りもダートです。途中、登りでも路傍に沢山見かけたフキノトウを3人が取ると言うので、小休止。収穫は?持ち帰っての試食はどうだったでしょう?

長沢林道の下り

長沢林道の下り、向こうの山は瓶ヶ森林道方面
 長沢ダム湖畔に出ても、まだダートです。おまけにドロドロのぬかるみ。この数日、そんなに雨は降らなかったのに、この日走ったダートはいずれも結構ぬかるんでいたところが残っていました。雨の直後はとても走れそうにありません。また、もう少し暖かくなると、新緑は美しいでしょうが、それ以上に虫や爬虫類に悩まされそうな道でした。長沢ダムの上を通って吉野川(この上流が源流)の北岸・県道40号線に入ると、やっと舗装路。しかし、快調に走るのはリョウさんのみでした。出発点「木の香」に到着したのは、ちょうど日没。時間があれば併設された温泉に入る予定でしたが、その元気さえなく帰路につきました。

参考までに     本川村付近の林道については、「林道への案内板」に写真入りのツーリングデータがあります。
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