井原から北へ、岡山広島県境界隈
 この日は岡山市内で所用があり、それまでの時間を有効活用しようと、前回見送った井原市から北へ・岡山広島県境付近を彷徨うツーリングをしてきました。特にこれという有名どころもないようですが、地図を眺めて、何度か訪れている中国地方の田舎道が楽しめるのではないかと思わるコースを辿ってみました。通行止めによる多少の予定変更はありましたが、予想通りというかそれ以上、初めての道という魅力を差し引いても、走っていて楽しい道が続きました。(2018年12月10日 記)

県道297号線にて
コース   井原−国道313号線−県道104号線(県境)−県道21号線−市道(県境)−県道77号線−県道297号線−県道291号線−井原
走行距離   70キロ   積算標高 約1400m
最高地点   弥高山 標高654m
走行日・天候   2018年11月25日   天候:晴れ   スポルティフ
 徳島、午前6時出発。デポ地の井原運動公園には8時過ぎに到着して、8時半前にスタートしました。国道313号線で井原市街を抜けて、5qほど走ったところで、県道9号線へ進みます。まもなく、天神峡という表示があったので、バイパス状になっているトンネルを回避して、そちらに向かってみました(写真:下左)。もう遅いかなと思っていた紅葉も、少し残っていました。
 天神峡は、ほぼ横目にみただけで素通りです。県道9号線を3q程走ったところで、県道104号線へ左折(写真:上左)。道は一車線となって、クルマも少なくいい感じです。まもなく広島県へ入りました(写真:上右)。
 今度は、県道21号線で小田川に沿って走ります。この道が、またとてもいい道。少し前に走った、岡山県道300号線にも似た感じです。一車線の道ですが、日本の道路には珍しくガードレールがほとんどありません。左手に流れる小田川、規模はそれほど大きくありませんが、透明度も高く、人の手が加わっていないのが見てとれます。途中、落葉樹に囲まれた広場の向こうには、切り立った断崖も見えます。この付近から山野峡と呼ばれるようで、車道ですが中国自然歩道という表示もありました。交通量はほとんどなくて、出会ったのは火の用心をしていた消防車一台のみでした。
 予定では県道21号線をずっと北上するつもりでしたが、猿鳴峡を過ぎた青滝という小さな集落の手前で、「この先、崩落のため通行止め」と表示。ちょうどT字路で、右手方面には、「井原」の表示があります。写真:下右上の左手から走ってきて、本来はこの奥に進む予定でしたが反対方向の手前、写真:下右下の先へと進むことになりました。少し短縮コースとなりますが、まあいいかと進んでみたところ、いきなりコンクリート舗装の凄い勾配です。
上:県道21号線

右上:通行止め表示

右:予定外の道
 道はそこまでの一車線よりさらにちょっとばかり狭く、どう見てもあまり通行量があるように見えないのですが、路面はそれなりの状態を保っていました。しかし、勾配は一向に緩やかになりません。クルマが全く通らないので、狭い道を蛇行します。ルートラボで確認すると、2.5qで250mほど登っています。きつい筈です。やっとこさ到着した峠には、休んでくださいとばかりに、丸太がベンチ状に設えてあったので、これ幸いと座って一服(写真:下)。
 峠を越えると下りになるのが通常の感覚ですが、ここも中国地方独特の、なだらかな丘陵がある比較的平坦な地が広がっていました(写真:下右)。畑の間に民家が点在する光景は、もう少し北部に見られる黒塗りや石州瓦の屋根ではありませんが、穏やかな中国地方の山村そのもの。神石高原町という町の名前にも納得でしょうか。この道で、いつの間にか県境を越えて、岡山県に戻ってきていたようです。宇手迫という集落で、立派な2車線の県道9号線した入り、少し北上したところで県道77号線で東へ進みます。地図上で確認して頂上まで手軽に行けそうなので立ち寄ってみようと思っていた弥高山の表示も見つけました。
 緩やかなカーブとアップダウンを繰り返すと、前方に整った形をした小高い丘が見えてきました。どうもそれが弥高山のようです。近づいてい見ると、当たり。県道77号線に弥高山の表示があったので左折。山を周回するような道を進んでいくと、もう最盛期は過ぎていましたが、モミジの紅葉が少しばかり残っていました(写真:下左)。10日くらい前ならベストだったのでしょうか。道には沢山の落ち葉。道は山頂まで続いていますが、途中から車両は通行止めです。歩いて、山頂へ向かいます。
 標高654mの山頂は、芝生の広場となっていました(写真:下右下)。県道77号線自体も標高550m付近を走っていて山頂とはさほど標高差がないのですが、周囲は典型的な中国地方のなだらかな山々が連なっていて、360°の展望があります。残念ながら、少し靄っていたので、すっきりとした見晴らしはありませんでした。条件が良ければ、おそらく大山も見えるでしょう。瀬戸内海も見えるのかもしれません。西方向、近くに点在する集落の姿も、この地域ならでは光景でしょうか(写真:下中上)。
 弥高山からの光景を楽しんだ後は、再び県道77号線を東進して、国道313号線に出る少し手前で県道297号線へ右折。ゆるゆると登っていく県道297号線は、これまた狭い1車線の道で、ほとんど交通量がありません(写真:トップ&下左右)。雑木林の中を進むこんな道は、個人的に最も好きな部類のひとつです。結局、クルマには一台も出会わずでした。広域農道との交差点で左折。広域農道は国道313号線まで僅かの距離を走っただけでしたが、何処の広域農道とも同じようにアップダウンが厳しく、如何にも無理やり設けたという感じがありありの道で、展望もなく魅力薄でした。
 国道313号線を少しだけ走って、1ヶ月ほど前に走った分岐から県道77号線、そしてすぐに県道291号線へと入りました。後は、県道291号線で、おそらくずっと下りだと思っていたのですが、どれほども走らないところで、また通行止め・迂回路の表示です。日曜日なので、おそらく工事も休みだろうから、そのまま進もうかとも思ったのですが、時間もまだ余裕があったし、迂回路も名もない道で楽しそうなので、そちらに回ってみました。予想通り、道自体は、迂回路とあるもののほとんどクルマも通らず、クヌギ類の黄・茶葉した林が楽しめました(下の写真)。そのままもう少し大回りしても良いかなと思いながら、再び県道291号線に戻ったところで、なんとまた崩落のため通行止めの表示です。先の通行止めのところには、同じ県道291号線の2qも離れていない区間なのに、この通行止めは表示されていませんでした。おそらく付近の道を利用するのは地元の方がほとんどなので同じような思いをした人はいないのでしょうが、もう少しわかりやすい・先も含めた表示を書いてほしいものですね。
 まあ仕方がない、大分疲れてきましたが、再び少し戻って、この道なら大丈夫かなと南方向へ向かう道へ右折。そのまま進むと、明治池という池沿いを走って、また少し登り返したりしながら、やっと通行止めの表示がない県道291号線に戻れました。そこからは下り道で、デポ地まで。回り道、迷い道したおかげで、ちょうどいい時間に帰着することになりました。

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