井内峠林道・関屋山之内林道
 以前から地図を見ていて松山市外近辺に、ちょっと気になる峠道が目に付いていて、何かの折に(徳島からだと、そこまでのアプローチが結構長いので)走ってみたいと思っていました。狼煙を揚げたところ、けんさんま〜し〜さんの手が挙がり、今回はこの3人でのツーリングとなりました。その後も親しくしていただいているけんさんとは中津山に続いて二度目、ま〜し〜さんとは初ジョイント。
 当初は井内峠林道を登って久万高原に至り、久万高原の適当な道を走り、県道209号線・上林峠を越えて戻ってくるという周回コースの予定でした。しかし、年末からの寒波で、井内峠トンネル付近は積雪約20cm。なんとか井内峠トンネルまで辿りつき先へ進みかけたのですが、あまりの雪の深さに結局は撤退となりました。天候がそこそこで路面状況が良ければ、井内峠は標高1000mを味わえる非常に走りやすい道だと思います。勾配もさほど急なところもなく、クルマはほとんど通らず、周囲は落葉樹(あまり大きな樹はありませんが)が多く、新緑や紅葉時のサイクリングは期待できそうに思われました。。予定を変更で少し時間に余裕ができたので、その後関屋山之内林道を周ってきました。こちらは程よく締まった地道(一ヶ所底抜け状態)で勾配もそこそこ。途中から雪&氷雨に祟られたのですが、こちらもお勧めです。  (2010年11月 6日更新)

井内峠トンネル (標高 約1060m)
 
コース 川内−井内峠(往復)−川内−関屋山之内林道−川内
走行距離  約75キロ  積算標高 約1800m
最高地点  井内峠トンネル(標高約1060m)、窓峠(標高625m)
走行日  2005年 1月 9日 MTB 天候:雪、曇、時に氷雨
       川内公園−井内峠−川内町−窓峠−川内公園
時間(時分)  9:20-----12:00---13:40-14:15---16:40
距離(km)    0--------16------32-----55--------75
標高(m)   160------1060----160----625------160
 快晴に近い徳島を7時に出発。ところが西に進むに連れて、雲行きが不穏になってきました。池田界隈では、山肌にはもちろん路肩にも多量の雪が残っているのを見て、一同不安の中、西進。新居浜あたりでは、晴れ間も覗いて(写真:下左、高速道入野PAから見た燧灘)ちょっと安心しましたが、デポ地・川内公園を出発する時には、雪がチラホラ舞い始めました。出発して程なく、雪は本降りとなってきました。しかし、この時点で計画を中止するということは、全く考えませんでした。3人とも迷わず合羽を羽織り完全武装となりました(結局、終日合羽を脱ぐことなし)。

松山道・入野PAから見た燧灘 この時点ではまさか雪とは・・

雪降る中、井内集落付近
 井内集落(標高約300m前後)で早くも路面一面の雪となりました。集落の最終家屋手前までは、まだ自動車の轍が残っていましたが、それを過ぎると路面には私たちの自転車のタイヤ跡が残っていくばかりです。止むどころか、よりいっそう降りしきる雪と早くも路面を覆い始めた雪に、今回は早々と撤退かなあ、とも思う私でしたが(ひょっとすると同行の二人もそう思っていたのかも)、二人が黙々と走るので私もつられて走り続けました。井内集落は、雪で雑多なものが隠されていたせいもあるのでしょうが、段々畑や適度な距離を持って点在する家々と周辺の木々が、墨絵を思わせるモノトーンの情景を醸し出していました。

雪の井内集落を見下ろす

最後の集落を越えて
 積雪は数cmほどになりましたが、十分に乗車可能。四国に住んでいると雪道を走ることはほとんどありません(この後5年間でも2度ばかり)。新雪なら多少の積雪でもスリップもなく快適?に走れることがわかりました。しかし、ダンシングではすぐにスリップ。さらに進んで標高800mを越えると、新雪の下に凍結した残雪があり、とうとう乗車不能となりました。それでも「まあ、もう少しだ。なんとかなるだろう」と、押してゆっくりと前進。

松山市街、伊予灘が見える

新設の上には2本の轍のみ
 雪は時に小降りになったり、晴れ間もほんの僅かばかりのぞいたりして体も冷えなかったことが、撤退することをあまり考えなかった理由のひとつかもしれません。そんな時には、北北西に松山市街と伊予灘が望めました。

まだまだ乗車可能(標高700m付近)
 
ついに乗車不能(標高880m付近)
 井内峠トンネルには、ちょうど12時頃に到着。そこまではほとんど無風だと思っていたのに、トンネル内は北側から吹き抜けるすごい強風。トンネル内の路面は、ほとんどアイスバーン状態でした。その上を強風に舞う雪煙は、さながら小ブリザード(本物の体験はないですが)の様相でした。

雪は、ますます深く(標高950m超)

漸く井内峠に到着、トンネル南側にて
 トンネルを抜けた南側で、風を避けて一服です。地図を見て、さあどうしたものかと3人で思案。天候は相変わらず雪空。悩んだ末に、先に進んでみたい気持ちが勝って南へと下り始めました(もちろん乗車不能)。が、どれほども進まないうちに、吹き溜まりであまりの雪の深さに、押して進むことさえ困難となって断念。撤退を余儀なくされたのでした。
 前年末の中津山剪宇峠の雪景色も予想外のもので十分堪能したのですが、今回の標高800mを越えた付近からの雪景色は半端じゃありませんでした。南国育ちの私にとっては最高のご褒美(と言うと雪深い地方に住む方には不遜に思われるかもしれませんが)でした。新雪に轍を残しながら進むという経験も未だかってないこと。実際の路面がどんな状態かは全く不明でしたが・・・。冬山の美しさの一端を垣間見たような錯覚に陥りました。

落葉樹に雪の花が咲く
 下りは登り同様かそれ以上に乗車不能な部分も多いだろうと覚悟していましたが、ちょうど数台連ねて登ってきたジープの轍を辿ることで、思いの他乗車して下ることができました。久万高原に抜けれなかったことに加えて、残念だったのは、ひょっとすると見えるかなあと思っていた石鎚山系の山々が全く拝めなかったこと。今回周れなかった上林峠は、次の機会に何処かを引っ掛けて回ってみたいと考えています(2008年9月に走行)。

ついに、先に進むことを断念

ジープの轍を通って、なんとか乗車可能
 その後、予定を繰り上げたために時間ができたのと天候も少し回復してきたので、オプションとして考えていた関屋山之内林道を周ることにしました。川内から山之内までの県道152号線は2車線の単調な道で、「ロード練習向けですね」などと話していたのですが、愛媛酒だる村(飲兵衛3人はとても期待していたのですが、単に大きな酒だるを利用した宿泊施設だったようです)を過ぎると、ダートに変身。しかもすぐに写真:下のように完全に底抜け状態となった箇所が100m余り続いたりしました。手前に「丹原こちら」の標識がなければ、絶対にそちらには進まなかっただろうと思われます。底抜けとは、重信川に沿った道が堰堤だけを残して、道が抜け落ちたように全長に渡り表土が流れ去って陥没していた状態。ただそこを過ぎると、再び比較的よく踏み込まれたダートに戻りました。

底抜け状態の林道(後方)

ほどよい程度の勾配と路面状況
 この林道も、標高500m手前になると、次第に雪が残るようになってきました。加えて、空からも雪が舞い始めました。もう天候は崩れないだろうと思っていたのに、峠付近ではかなりの氷雨(写真:下右、小さくて線状の雪がわかりにくいと思いますが)となってきました。峠からは東予地区を西から眺める燧灘とともに一望、と期待していたのに、雲の中で視界は全く取れず、残念。

再び、雪の姿が

氷雨となった窓峠
 景色を楽しめないことに加えて、時間が押し迫ってきたことや雪(標高が下がるにつれて霙様から雨に変わった)に体が冷え切って、ただひたすら前に進むのみとなってしまい、ツーリングを楽しむ余裕は無くなってしまいました。本来なら、燧灘を眺めながら、コンクリート舗装の道を楽しむことができたのでしょうが・・・。なんとか、丹原町国道11号線に合流。本当は、この交通量の多い道を避けて、さらにもう一本北側にあるらしい細い道を走ろうと考えていたのですが、その余裕も無し。桜三里のあたりから雨があがり、下りでは路面が乾いていたのが、まだ救いでした。年末よりは遅くなった日の入りのおかげで、なんとか明るいうちにスタート地点に戻って、雪の一日が終了しました。

ツーリング秘密兵器?
 けんさんは、年末の中津山での寒さに懲りて、秘密兵器として使い捨てカイロを準備。しかし、あの雪の中では、効果はもうひとつだったそうです(少し下ると効果は大!だったとのこと)。私はと言えば、先の別府林道の雨の下りで散々な目にあったので、今回は峠近くは雪と予想して、ソックスの上にビニール袋(コンビニなどで商品を入れてくれる)を着用。これは水も入らず風も通さず、結構重宝したように思えましたが、シューズの中で滑るのが難点。手足の指先だけは、相変わらずうまい保温ができす頭を悩ましています。どなたか、いい方法をご存知なら、ご一報ください。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

ツーリング四国へ戻る  TOPに戻る

inserted by FC2 system