城王山 と 県道仁賀木線
 城王山は、阿波市市場町日開谷にある標高632mの山です。阿讃山脈の一部ですが、山頂は県境ではなく、ずっと南側です。その西に並ぶ伊笠山妙体山(いずれも山頂に小さな神社を持つ)を含めて、勝手に阿波三山と名付けています。城王山を訪れるのは10年振りくらいで3回目のはずだと思っていましたが、確認すると前回は2009年。初めて妙体山に登った2004年頃にも登ったつもりでしたが思い違いだったようです。ほぼ10年振りに登ってみて、記憶通りだったことと、記憶からは失せていたこととがあって、改めて記憶のいい加減さが明らかになった次第です。 (2020年12月30日 記)

城王山への登り道 (2020.12.06)
コース  川島−城王山−林道仁賀木線−中尾峠下−川島
走行距離  45q   積算標高 1000m
最高地点  城王山  標高632m      2009年2月9日 MTB 
走行日  2020年12月06日  天候:晴れ  GIANT TCR
 善入寺島近くの吉野川沿いからスタートします。写真:下左、潜水橋である川島橋手前から北へ。やや右手寄り奥の三角形に見える山が城王山です。日開谷川を挟んだ西側にある伊笠山は、左手に切れています。橋を渡って善入寺島。島全体が区画整備された畑なのですが、少し前に一部の畑ではコスモスが植えられていて満開であることを知人からの情報を耳にしていました。が、それから3週間あまり経っていたので、コスモスは散っているだろうと思っていました。ところが、訪れてみると最盛期には少し過ぎていましたが、まだまだ十分に楽しめる光景が広がっていました。最初から、なんだかとても得した気持ちになれました。それにしても、もう12月なのに、季節感が狂ってしまいます。コスモス畑は一部で、大部分は時期をずらして植えられたキャベツやレタス、ブロッコリーにダイコンと冬野菜が出荷を待つように順次成長している姿で占められています。
 コスモスの咲くところを巡りながら善入寺島をウロウロした後は、川島橋同様県道2号線である千田橋(潜水橋)を通って吉野川の北岸に渡り、そのまま市場の町中を走って日開谷川を渡ったすぐに右折、県道2号線の東側を併走する町道を北上します。一度日開谷川を渡って左岸を走り、県道246号線に入って日開谷川が2本に分岐する橋を渡ってすぐを左手に進むところ(写真:下右から2枚目)は記憶に残っていました。しかし、またすぐに左折して戻るように200mほど進んだところ右手に登り口(写真:下右端)があったことは、全く記憶に残っていませんでした。
西隣りの伊笠山 県道246号線から北へ 県道246号線・左、すぐ左へ折返し 登り口・右手奥へ
 しかし、ここから山頂への道は記憶通り。いきなり10%を超える坂道が始まります。路面状況も記憶通りそれなりです。前半は、南北に延びる尾根筋の東斜面を登っていくのですが、雑木が繁っていて見晴らしがあるところは全くありません。これも記憶通り。あまりのきつさに、眺望の撮影ではなく、道の状況撮影という名目で足つきを繰り返します。山頂到着時に確認すると、登り口から距離約4q・およそ500mアップでした。
 後半は東南斜面をつづら折れの道で登っていきます。時間的なこともあるのでしょうが、少し明るくなってきました(写真:下左)。しかし、勾配は時に少し緩むものの急坂が続きます。写真:下右中、右手奥から進んできて左手奥へ進みます。手前は行き止まり。ここまで来ると、もう少しです。ここからちょっと走ったところに、神社関係と思われる建物が立っている広場があったことも記憶通りでした。そこから未舗装路となるのも記憶通りで、写真:下右下の分岐は左手に進むことも記憶通りでした。
 ところが、その分岐を左手に進んだところ、道は一気に狭くなって、さらに進むと尾根沿いの登山道様となり(写真:下左)、その先は勾配が急でとても乗車して登ることはできません。こんな道だったっけ、全く記憶にありません。足元は枯葉に覆われた急勾配の山道で、自転車を担いでいく気にさえなりません。前回は確か山頂の神社まで自転車で行ったはず(事前に前回の記録を確認していませんでした)なのに、こんなところがあった?1本道だし、先程の分岐は尾根筋を北に伸びて地形図では行き止まりになっている道だよなあ。とりあえず偵察、と自転車を置いて進んでみました。写真:下右は神社に到着後、上から見下ろした道。わかりにくいですが、かなりの勾配です。
 そんな山道を登っていくと、神社が見えてきました。記憶より、なんだか荒れて見えます。写真:下左4枚、左上の1枚のみが今回、後の3枚は2009年時です。一番大きな違いは鳥居がなくなっていることです。階段付近の様相も随分すっきりとしていますし、記憶に残っていた神社前の地衣類のような植物(写真:下右下)も、今回は全く姿を見かけません。鳴門岳友会の標示も見つけることができませんでした(代わりにキティ山岳会という山頂の標識がありましたが)。境内から来た道を見下ろしても(写真:下右)、登って来た道の記憶は全く蘇ってきませんでした。前回の記録を見ると、帰路は裏手に回って北へ伸びる道へ出たと記載していますが、今回は自転車を手前に置いてきたので、展望もない山頂は記録を留める写真撮影だけで、そのまま元来た山道を慎重に下り、先の建物のある広場が陽当たりも良かったので一服。。
 他に抜ける道はないようなので、登ってきた急勾配の道をゆっくりと下って登り口まで。途中で出会ったのは、登り口から少しのところで、登ってきている若い男性一人のみ。そこからは県道246号線を上流に向かい、仁賀木の集落の分岐を左手・林道仁賀木線へと進みました。この分岐(写真:下右上)は記憶通り。写真:下左は、その少し手前で。稲刈り後の水田の向こうに、陽光に輝く落葉後の広葉樹。裸木ですが、生命力にあふれた姿に見えませんか。
 林道仁賀木線は、日開谷川の支流に沿って緩やかに登っていきます。この道を走るのも、2回目か3回目のはず。支流には多くはないものの流れもあって、阿讃山脈水系としては比較的澄んだ水でした。地形図では3qほど遡ったところで、東側の尾根を越えて奥日開谷川方面に抜ける道が分岐しています。可能ならこの道を見つけて走ってみよう(前回は全く気付いていません)と思っていました。注意しながら進んでいくと、その分岐を確認できたのですが、入り口にはチェーンが張ってあり通行禁止のようで、その先も随分荒れているように見えました。余裕があれば突入したのですが、見送り。そのまま林道仁賀木線を進みます。
 その分岐手前まで支流の左岸を走る道は、その後2度ほど川の右岸を走ったり、左岸に移ったりしながら進みます。四阿があったのも記憶通り。上述の分岐は、林道仁賀木線の前半部分と把握していたので峠まではまだ少し距離があると思っていたのですが、支流が小さくなって消滅しそうになる辺りでは、写真:下左のような、この日唯一手入れされた杉林があり、そこを抜けると峠の切通(写真:下右)でした。
 道を下ると中尾峠の西側に出ることは初めて訪れた時に確認していたことですが、その距離と標高差はあまりなかったように思っていました。が、今回下ってみると、思っていたより距離も下り具合も長く思われました(いずれもしれていますが)。その後は境目から県道2号線で南へ下ります。写真:下左は、かなり下ってきてから北へ向いて城王山(左奥)。往路は右手に見える山際を走っていき、林道仁賀木線は中央付近の谷沿いの奥です。
 日開谷川沿いを吉野川合流地点まで下って、再び善入寺島を経てデポ地へ。千田橋では釣りをしている人がいて、釣り竿を担いだオートバイ乗りも停まって川面を覗いています。私も覗いてみると、それを釣ろうとしているのかどうかはわかりませんが、50pを優に超えるニゴイ?が何匹も泳いでいました。善入寺島では、もう一度コスモス巡り。島内は広く、ウロウロしていたら島周辺を縁取る竹林の間にある川島橋への道がわからなくなってしまいました。千田橋下の流れに比べて、本流である川島橋下を流れる水は、この季節ならではでしょう、吉野川の中流域とは言え結構な透明度がありました。水面の反射で澄み具合がわかりにくいですが、写真:右上は下流に向けて。

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