吉野川・物部川分水嶺付近の道  楮佐古小桧曽林道
 谷相林道を走ったのは、もう5年以上も前になりますが、当時からその東側並行してある楮佐古小桧曽林道を走ってみたいと思っていました。情報が少なかったことと、なかなか機会に恵まれなかったこともあって、今回漸く訪れることができました。
 ただし、当初は大豊側から楮佐古小桧曽林道を通って大栃側に降り、矢筈峠を越えて5年前にはおそらくなかった京柱峠へ抜ける林道を走って大豊側に戻ってくる一周コースを考えていたのですが、ダートの雪道に手間取って峠までの往復となってしまいました。しかし、峠付近では四国なら剣山など1500m以上の限られたところでしか見られない樹氷を見れたことに加えて、帰路にたまたま走ってみた柚木怒田線は、先に走った谷間豊永林道にも似た山肌の山村集落を縫って、吉野川支流・南小川を見下ろしながら走る、とても味のある道でした。おかげで予定完遂ならずとも大満足。MTBで走ることの楽しさを、久しぶりに堪能した一日となりました。
 今回走るに当たって、sadaさんのブログとHP・林道への案内板を大変参考にさせていただきました。この場を借りて御礼。また、ウォッ地図で地形図も何度も見たのですが、記憶力には限りあり。やはりせめて5万分の1の地形図が必要だと、つくづく反省です。

楮佐古小桧曽林道峠付近から少し西へ登って  奥は天狗塚方面
コース  大豊−楮佐古小桧曽林道往復−柚木怒田線−大豊
走行距離   47キロ  積算標高 約1400m
最高地点   楮佐古小桧曽林道峠(標高約1370m)
走行日   2011年12月18日  MTB  天候:曇り
 午前7時15分徳島発、土成ICでK氏と合流。大豊・定福寺近くからスタートしたのは、予定よりやや遅れて午前9時20分でした。
 まずは、国道439号線を京柱峠方面に向って走ります。3週間前に走ったばかりのコースですが、その時はロードで下り。久々のMTBでの登りは思っていた以上に勾配もあり、時速は一桁の有様。3週間前も今回のことを考えていて、林道への分岐部を確認しておこうと思いながら走ったのですが、その時ははっきりと確認できないままでした。上述のようにsadaさんのブログとHP・林道への案内板で分岐部の写真を再度確認していたので、下左の写真、そのとおりの地点を見つけて迷わず右手・川底へと下りました。

国道439号線(左上へ)から林道への分岐点

陰集落付近にて
 一度川沿いまで下った後は、峠までただひたすら登りとなります。つづら折れで登って行くと、地図で把握していた陰という集落の集会場を確認しました。続く柚木集落では、「国道32号線→」の標示を見つけました(帰路はここから怒田方面へ)。対岸の山腹にも民家の点在が見えますが、意外と廃屋が少なかったのにはある意味驚きでした。狭い田畑は、まだまだちゃんと耕作されているようです。この辺りからは西へ、冠雪の梶ヶ森がすっきりと見えました(写真:下右)。

柚木集落付近、次第に雪が

柚木集落から梶ヶ森山頂を望む
 柚木集落を過ぎると、まもなく地道になりました。道脇のみだった雪も、昨日にでも走ったと思われるクルマの轍以外は雪が積もるような状況になってきました。轍の部分は、その後標高が上がると共に凍結状態となりました。
 この日は快晴に近い天候になるのではと予想していましたが、意外と雲が残りました。たまに日が差すと随分暖かく感じるのですが、強い風さえないものの、さすがに空気はどんどん冷たくなってきます(峠で1℃でした)。

集落を過ぎるとダートに

時折日が差すと暖かい
 しばらく走ったところで左右の分岐がありました。右手はどうも作業道のようだったので、メインと思われる左手に進みました。ところが進んでみると、道は京柱峠のほうに向って少し下り気味になってきました。ややっ、先ほどの分岐で間違ったかと思いましたが、さらにもう少し進むと、京柱峠へと続く西峰林道の分岐部を確認でき、道を間違えてないことがわかりました。この付近、下りもあったりでさほど勾配はきつくないと思われますが、地道に加えて雪と凍結でノロノロ走行でした。

雪は次第に深く

最後の分岐部、峠は左
 西峰林道との分岐部を過ぎると、道は再び西方向へと向います。後方・落葉樹の間に垣間見える京柱方面もなかなかの大展望でしたが、残念ながらすっきりと見通せる場所はありませんでした。
 さらに進むと、写真・上右のような分岐部に出くわしました。方向から右手が楮佐古小桧曽林道本線かと思ったのですが、柵があり「通行止め」。左手は、奥神賢山の標示です。もうこの時点で正午近くになっており、予定のコース完走はとても無理と判断。奥神賢山とやらでも行けるところまで行って、引き返そうとの意見でK氏と合意しました。日は差しませんでしたが風がなかったので、ますはそこで補給大休憩。

峠1kmくらい手前から見えた樹氷

峠手前、荒れた急坂、ついに押し
 左手に進むと雪はさらに深くなってきましたが、上述のようにクルマの轍があり、少し凍結しているものの、走行には問題なしでした。登り続けると、だんだんと稜線が近づいてきました。そして、稜線近くには、写真・上左のような樹氷が。この樹氷が見えた付近から、道はさらに荒れてきました。数mに渡って雪が30pほどの吹き溜まりとなっているところもあって、クルマの轍はその手前で引き返していました。峠直前は、勾配がさらにきつく、崩落もあり。とうとう乗車不能となり、押しとなりましたが、峠付近では雪はむしろ少なくなりました。

峠手前では崩落箇所も

峠から南へ、光る太平洋・土佐湾が見える
 辿り着いた峠は、日が差して明るく、南側へ開けていました。高知ナンバーのジムニーが一台止まっていました。この時点でも、これが本当に楮佐古小桧曽林道なのか、まだまだ疑問でした。私は、あまり展望のない峠とばかり思っていたのですが、どこかで展望があるとの表示を見たというK氏の言葉が正しく、峠からは光る太平洋・土佐湾を一望することができました。

峠から少し西へ登った地点から、三嶺方面
 峠からは東方向へ登山道がついていたので、少し登ってみました。標高差で僅か20mばかりだと思うのですが、展望がぐっと広がり、天狗塚・三嶺方面と思われる山々が樹氷の向こうに姿を現してくれました。瓶ヶ森林道でも林道から東黒森山方面にちょっと登っただけで、展望がガラリと変わることを経験していましたが、ここも同様でした。さらに登ってみたら、もっと異なる世界が広がったのかもしれませんが、吹き溜まりは30p近くになっていたので、断念しました。

峠付近の樹氷

峠南側を、ちょっと散策
 樹氷の木々は結構大きく、そこそこの樹齢と思われました。新緑や紅葉は、かなり期待できそうです。モミノキに似た針葉常緑樹も混生しており、雪を載せた様はホワイトクリスマスといった風情でした。
 一服していたところ、東側の山からふたりの登山者が降りてきました。地図を見せながら、ここが楮佐古小桧曽林道であっているのか尋ねてみましたが、山登りのする方も車道はあまり詳しくないのか??? 大豊側から登ってきたというと、そちらからはアプローチしたことがない、道は荒れているのかと逆に聞かれる始末でした。峠を境に見る限りは、南側・大栃方面が明るくて、路面状況も多少ましのようでした。

峠から南へ、大栃の町が見える(ほぼ中央、肉眼でははっきり)

神賀山?
 寒くならないうちにと、持ってきた服を全部着込んで、下りへと向いました。気をつけていたのに、先程押して登った荒れた地点で、私、続いてK氏と雪のくぼみに前輪を突っ込んで、前転一歩手前のジャックナイフ状態で落車。その後も慎重に下りました。凍結していたクルマの轍も、やや融けかかっているところが増えていました。西峰林道への分岐から西方向の一度谷筋に軽く下る(前述)地点では、かなりぬかるんでいてドロドロでした。

柚木怒田線から東方向、最奥中央鞍部が京柱峠

柚木怒田線を走る、最奥左葉端が京柱峠
 上述のように、柚木集落まで降りてきたところで、同じ道を帰るのもなんだと、「国道32号線→」の方へと進んでみました。途中にも「梶ヶ森、こちら」の表示があり、迷うことなく進むことができました。結果的には、この道・柚木怒田線を走ったのは大正解でした。後方には、京柱峠をはじめ、先ほど走ってきた峰も、対岸も一望です。
 谷底の川沿いより、標高の高い(およそ550m付近で推移)この辺りのほうが、日当たりも良く気温も高いのでしょう。民家が点々としています。対岸の南小川右岸のほうが、さらに日当たりは良いように思えます。あちらにも民家が点在しており、いずれも現在も暮らしている家屋が大部分のように見えました。小さく狭い棚田がそこここにありましたが、稲の切り株が残っていてまだ耕地されているところと、放置されている田が半々くらいかと思われました。

柚木怒田線から西方向、棚田と八畝集落方面

柚木怒田線から西方向、立野集落方面
 怒田では、梶ヶ森の登り始めにある八畝方面がほぼ同じ標高にあるのが見えます。以前に梶ヶ森を登った時、向こうからこちらを見て、あっちにもいい感じの山村があるなあ、と思っていたことを思い出していました。怒田からは国道439号線の谷相林道・梶ヶ森分岐点まで一気に下って、後はデポ地までノンビリと下って、一日が終了。今度は新緑・棚田の稲が緑の時期、もしくは紅葉・棚田の稲刈りの時期に、当初の予定コースを走ってみたいと思います。

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