観音谷林道と切山
 観音谷林道は、伊予土居・長谷寺から翠波高原に至る道です。随分以前(少なくとも30年以上前)に一度走っているはずで、きつい勾配が続く地道だった記憶が残っているのですが、いつ走ったのか、前後は何処を走ったのか全く記憶に残っていません。当然、記録もなし。もう一度訪れようと思いながら、なかなか機会が訪れませんでした。今回ちょうど良い時間が取れたので愛媛・香川県境近くの切山を訪ねるコースも兼ねて走ってきました。(2016年02月06日記)

観音谷林道
コース  伊予三島−観音谷林道−翠波高原−法皇スカイライン−堀切峠−川之江−切山−川之江−伊予三島
走行距離   約60キロ   積算標高 1700m
最高地点   翠波峰(標高891m) 
走行日   2015年 9月21日  天候:曇り/晴れ   スポルティフ
 いつもの休日同様、公用私用を済ませてクルマで西へ。伊予三島公園にデポして、スタートは午前10時過ぎとなりました。高速道路の側道を走って、観音谷林道分岐部にある長谷寺には、迷わずに20分程で到着しました。長谷寺の山門をチラッと眺めて、いよいよ観音谷林道への登りです。

長谷寺山門
 
観音谷林道 起点
 登り始めてしばらくは、横を流れる長谷川の渓流を楽しむ余裕もあって、若い頃より走れるかなと思ったのは束の間だけでした。谷川に沿って直登の道は、まもなく急勾配の連続となって、あまりの遅さにGPSの勾配が標示されなくなりました。数日雨が降っていないのにもかかわらず随所で水が流れていて、道中央部の苔むしたところではスリップ三昧でした。

林道横を流れる長谷川

観音谷林道 標高500m付近
 標高500mくらいからは未舗装となりましたが、幸い勾配が少し緩んで一息。と思ったのも僅かの区間のみ。標高600m付近からは、またまた劇坂続き。周囲は、古い記憶通り、杉と檜のあまり間伐されていない暗い林が続いて全く展望がありません。写真より、ずっと暗い感じでした。途中、後変速レバーのネジが緩んだらしく自動的にトップ側に落ちていくので、立ち止まって、締め直して回復。昨今のSIS基準の自転車には無いと思われるトラブルです。
 結局、法皇スカイラインの合流部まで、北側の展望があったのは1ヶ所だけで、それも土居方面が極僅かに見えるのみでした。地形図では富郷方面への道があるかもしれないと読んでいたので注意していましたが、最後までそのような分岐は見当たりませんでした。出会ったクルマは皆無。ルートラボでは、後半自動トレースできなかったので、やや急になっていますが、平均勾配は10%くらいでしょうか。

観音谷林道

翠波高原から金砂湖
 法皇スカイラインに合流した後は、コスモスも終わっていると思われたので山頂へ向かいました。ちょうど正午に山頂に到着。山頂では10名程の方が超望遠レンズを構えていたので何が見えるのかと思ったら、タカ類の渡りを観察しているとのこと。前回訪れた5年前にあったかどうか記憶が曖昧な南側の展望台に降りてみました。予想通り、眼下に見えるコスモス畑は花のかけらもなし。やや靄っていましたが、当初向かうことができたらと道を探していた赤石山系南斜面の集落も金砂湖の北側かなり上方に確認することができました。条件が良ければ燧灘全容が一望できるだろうとは、ここに来るといつも思うことですが、この日も伊予三島の町がうっすらと見える程度で大展望はなし。いつか、燧灘から本州のパノラマ展望を狙ってやってきたいものです。

翠波高原から三島・川之江方面

翠波高原から赤石山系方面
 補給休憩の後は、法皇スカイラインを東進です。ほぼ東端付近にあった川之江を一望する展望台は、ほとんど人が通わないらしく道が随分荒れ果てていたので途中で引き返しました。そこから堀切峠までの下りは、記憶通りの急勾配。堀切峠は、43年前、標識に記された490mという標高に感動してしまった当方サイクリングの原点で、この付近を走った時には必ず立ち寄っています。思い出の標識は数年前は朽ち果てながらも残っていたのですが、今回は何処にも見当たらず。
 堀切峠から川之江に向かって旧道は、多少はクルマが通るらしく、なんとか道の様相を呈していますが、来る度に道周囲の杉が生い茂って暗く、初めて訪れた頃(1973年)の道からの展望は、ほとんどなくなってしまいました。かなり下って、やっと北側の展望が広がったところで一枚。

堀切峠

堀切峠下りから川之江東ジャンクション方面
 その後、地図で確かめていた未走だったループ道路(一部は橋)を下って国道192号線に突き当り、今度はすぐに斜め左方向の市道へ。川之江東JCの下を通って、切山集落を目指しました。 これまでは県道9号線ばかりだったので、この道は初めての市道でしたが、観音谷林道を走った後だと少し緩やかに感じられ、のんびりと登りました。随所にヒガンバナが満開。気温も登りでも暑くなく、湿度も低いようで快適でした。

川之江東ジャンクションの下を通って

切山への道
 切山では、いつもスルーしてしまっていた重要文化財の真鍋家に今回も立ち寄らないまま、県道9号線へ。この辺りは、民家の路地を含めて、道が入込んでいるようです。県道9号線を香川愛媛県境で折り返し、以前から気になっていた愛宕山へ登ってみました。先程走ってきた法皇スカイラインの稜線が一望できましたが、やはり靄っていて、すっきりした眺望は得られませんでした。ここからも条件が良ければ、燧灘一望、美しい夕日が見られることでしょう。

切山案内図

愛宕山から堀切峠方面
 その後は切山まで下らずに南方向へ向かう道を走ってみましたが、これがまたとんでもない道でした。途中で危うく未通の林道に迷い込むところでした。ちょうど下から登ってきた軽四の方に「こちらは下れますか」と聞いたところ「下川の一番奥に出るよ」と教えてくれました。で、安心して下り始めたものの、荒れたコンクリート舗装の上に急勾配、ほとんど陽が当たらないようで苔むしていて、おまけに落ち葉と枯れ枝満載に加えて湧水だらけ。とうとう、一部では降りて押す羽目になってしまいました。

切山から下川への下り 分かりにくいけど急勾配

切山から下川への下り
 距離にしたら極僅かだったと思いますが、登りよりも遅いくらいのスピードでした。軽四の方の話通り下川の最奥に出る頃に、やっと普通の道になりました。観音谷林道は以前の記録がなく、もう一度走っておきたいと訪れてみたものの、3度目はないと思いますが、この下川へ下る道も、おそらくもう行くことはないだろうなあ。よほど奇特な方でない限り、あまりお勧めできない道(ロードバイクでは行かないほうがいい)かと思います。

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