剪宇峠、再び
 いつだったかはっきりしませんが、昨年のことだったと思います。ボンヤリをGoogle mapを眺めていたら、あれっこんなところに道が繋がっていたっけと思わず見直したのは、前回到達することのできなかった剪宇峠前後付近県道259号線、穴吹から剣山に向かう国道492号線と貞光から剣山に向かう国道438号線の中間付近を結ぶ道です。開通したという噂も聞いていないし、ちょっと調べてみましたが、やはりどうも未通のようです。Google mapの写真でも、東側は峠まで後一歩、西側は少し下方で道が終わっているように見えます。確認すると、前回に訪れたのは2004年末のこと。前回は標示(今回は訂正されていた)で騙されて旧道へ進み、峠に到達することができませんでした。いつかリベンジをと思いながら、もう16年。まあ、ダメ元で行ってみるかと、今回の企てとなりました。多少の予備知識を頭に入れて、今回は正しい方向の記載があった分岐点も納得しながら進みました。結局、東側の県道259号線は、まさに峠の一歩手前まで通じていましたが、峠から西側を覗くと急斜面の山肌に歩き道があるようなないような状況で、とても自転車を担いで降りれるような状況ではありませんでした。諦めて登ってきた道を引き返したのですが、まあ峠には到達できたので良しとしましょう。  (2020年1月28日記))   前回の記録は、こちら

峠の少し手前から東へ 北又集落の民家と登ってきた道  後方左は半平山、右奥は東宮山?

今回のコース

県道259号線・剪宇峠付近アップ
コース  穴吹−古宮−剪宇峠−口山−支納−穴吹
走行距離  60q  積算標高 1200m
最高地点  剪宇峠 標高860m
走行日・天候  2020年 1月19日 晴れ シクロクロス
 雲一つない快晴の空に満足しながらクルマで西へ向かっていたら、いつの間にか外気温が1℃に下がっていることに気づきました。市内では、そんなに冷え込んだと感じられなかったのですが、眺めると剣山山系には標高800mくらいから雪が残っていましたし、穴吹に近づくと家々の屋根は霜化粧、駐車中しているクルマのフロントガラスも凍っていました。県西部は、結構冷え込んでいたようです。
 午前8時10分くらいに穴吹をスタート。国道492号線を穴吹川に沿って遡っていきますが、高越山の影になることもあって陽が当たらず寒い。穴吹川の水は、透明度はとても高いのですが、陽が差し込まないので見た目はもうひとつでした。18qほど走って古宮で県道259号線へ。分岐手前で、出迎えてくれたのは2頭のシカです。前年に生まれた幼獣でしょうか、少し上方の山肌で立ち止まって、しばらくこちらを見ていました。。
 県道259号線へと右折して進むと、内田・杖立方面と北又方面への分岐には比較的新しい「国道438号線には抜けられません」の立て看板が設けられていました。私のように、Google mapに騙されてやって来る人が他にもいるのかもしれません。当初は、当然貞光側へ抜けるつもりだったので、この時点で引き返すか、ちょっとだけ迷いましたが、そのまま進むことにしました。ここからは古い記憶通り、いきなり勾配がきつくなります。
 しばらく走ったところに掃除・手入れの行き届いた太子堂がありましたが、この建物は前回の記憶に全く残っていませんでした。この後、時にあるのは廃屋ばかりでしたが、傍らにあるお墓は何処もきれいに掃除されていました。人が住んでいる気配はありませんが、定期的に誰かは訪れているようです。太子堂付近だけ勾配は少し緩やかですが、この後、これも記憶(写真があると)に残っている20%ほどの急勾配区間が続きます。34X30で蛇行しながら登ると、写真:下の左手上に、記憶に残ってないさらにきつい坂がまだしばらく続いていて、思わず立ち止まり休憩。
 そして、前回、峠の標示が左手だったので迷わずそちらに進んだ分岐部。前回から数年たった頃だったと思いますが、平キンちゃん(現在自転車活動お休み中)から、「その分岐・逆ですよ」と聞いた覚えがありました。そのため、今回は国土地理院地図やGoogle mapで、峠への道は逆の右方向であることを確認していましたた。到着してみると、今回は表示(これも比較的新しかった)も峠は右方向になっていました。
 ここから少し急坂を登ると、W字のつづら折れ。勾配は少し弛みます。15年前でも人が住んでいる家は1軒あるかなと思われた程度でしたが、今回はほぼ皆無と思われました。こんなところにソメイヨシノの並木がと思ったら、袂に何かの事業(名称記録忘れ)で植えられた碑が立っていました。住む人がいなくなっても、季節になると満開のサクラが迎えてくれるのかもしれません。写真の左奥、ソメイヨシノと左手の杉、稜線が重なる付近が峠かなと思いましたが、その後間違っていないことを確認。
 左上: 大師堂
 上:  旧道との分岐部
 左:  急勾配のつづら折れ区間
 右:  さくら並木
 W字4回の折り返しの後、西方向への分岐には、これも比較的新しい剪宇峠まで3qの表示がありました(写真:下左端)。おや、この分だと峠まで道がついているか(杖立との分岐からほぼコンクリート舗装)と楽観論も出てきました。ここから道は山肌をトラバースするようになって、随分緩やかとなります。登ってくる途中、下から見上げる位置にガードレールが見えたところにやってきました(写真:下左から2枚目)。路肩には雪が残り始めました。トップの写真は、この位置から東方面に向かって。下方には登ってきた道が見えます。何軒かある家屋には、人の住んでいる気配はありません。左奥は特徴的な崖から、杖立・綱付山からも見えた半平山、右奥の三角錐状の山は、穴吹川の谷筋との関係から東宮山付近でしょうか。剣山は手前の杖立から綱付山の後方に隠れて見ることができませんでした。
 路面はそこそこの状態が続きます。分岐から少し進んだところで、写真:下右から2枚目のような手入れの行き届いた杉林がありました。おそらく林業関係の人が仕事で定期的に入っているので、路面状況もいいのでしょう。先へ進むと道を横断する倒木。Google mapのストリートビュー(凄い時代になったものです)では、ここで止まっていたような記憶です。
 
 倒木をくぐって、さらに進むと、路面には小石や枯葉枯れ枝が多くなってきましたが、CXで走るには全く問題ない程度でした。道端には野生なのか、ミツマタが沢山の蕾を膨らませていました。結局、杖立方面との分岐(2枚目の写真)を過ぎてから、路面はほとんどコンクリート舗装でした。分岐からそろそろ3qだなと確認しながら進むと、稜線のすぐ手前で、突然道終了。鞍部なので、ここが峠でしょう。少し手前から気付いていましたが、雪の上に新しいタイヤの跡が残っていました。自転車を置いて、奥に見える斜面をゆっくり上がってみると・・・。

自転車の向こうにミツマタ

引き返した轍の奥を登ったところが峠
 大きな杉の根元に、お地蔵様。そして、その右手には大師像(下の写真:左右)。最後の分岐まで剪宇峠までの距離表示があったので、峠にも何らかの表示があるだろうと思っていたのですが、何の表示もありません。まあ、ここが峠には間違いないでしょう(帰宅後、いくつか検索して確認)。北側に登る稜線には、友内山への登山道らしい階段が確認できました。当初は、峠まで辿り着けたら反対側にも登山道はあるだろうから、乗車できるところまで担いで降りようと思っていました。が、上述のように、ちょっと進んでみたところ、急な斜面をトラバースする道の谷側が崩れてはっきりしません(写真:下右の左手)。SPDシューズだと自転車を持っていなくても下るのが躊躇われる状況だったので、迷わず諦めて引き返すことにしました。確か上述の平キンちゃんは担いで下ったように聞いた記憶です。
 少し戻った陽当たりのいいところで、補給休憩。古宮の分岐から峠までは約8q。1時間半くらいかかりました。その後、下っていたところ、大きな四駆が登ってきました。林業関係の方ではなさそうで、登山?こっちも驚いたけど、向こうはもっと驚いたこどでしょう。その後の下りは、ブレーキングで手が痛くなって休憩が必要なくらいでした。
 古宮からは、陽が差し込み始めた穴吹川を覗き込みながら下りました。口山で多少時間的余裕があったので、左折して、久々に県道255号線(端山調子野線)へ向かいました。峠から小島方面への尾根沿いの道は走ったことがあるので、その東側の道を走ってみようと思ってです。ここを口山側から登るのも十数年振り。遠い記憶通り急坂が続き、剪宇峠を走った疲れで距離間隔が微妙に狂っていたようです。林道・支納梶山線の分岐で右折して進んだものの、途中で分岐を間違えたようで、何処へ出るのかなあと楽しみに下り切ると、なんと先程通った県道255号線に戻ってきてしまいました。その後は、登り返す元気もなく、そのまま国道429号線でデポ地へ。
 左:梶山付近の茶畑
 上:県道255号線林道支納梶山線分岐
 右上:林道支納梶山線起点
 右:県道255号線・支納への分岐部

口山〜梶山〜支納〜口山
 ところで、口山でいわゆるママチャリに乗った若者が元気よく「こんにちは」と挨拶してくれました。県道255号線を少し登ったところで道を確認していたら、ぎーこぎこと登ってきます。一応アシスト付きでした。お昼前後で気温が上がってきたとはいえ、素手に薄手のセーター姿。前かごに入れた小さなリュックの軽装です。何処へ行くのと聞いたら、英語で日本語わかりませんとの返事。英語で何処から来たのと聞くと、スペインとのこと。ペースが少し異なったので、それだけで終わってしまいましたが、観光だったのでしょうか?何処へ行こうとしていたのかなあ?
 ひとつ上左の写真は、調子野〜梶山付近。北又と異なり、この付近にはまだまだ人の姿も多く、茶畑やミツマタの畑もよく整備されたところがありました。県道255号線界隈には、まだ走っていない道があるので、近いうちに再訪しようと思っています。

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