高越山
 高越山は、吉野川中流・山川町にある標高1133mの山で、見る角度から別名・阿波富士とも呼ばれています(香川育ちの私から見ると、讃岐富士・飯ノ山ほど富士らしくないと思うのですが)。頂上には高越寺があるのですが、それ以上に船窪のオンツツジ群落が有名です。      (2010年4月7日更新)

直線距離で30km離れた徳島市内から見た高越山
(最後方の稜線 2008.08.22)
コース 川島町−ふいご温泉−高越山−三ツ木−川井峠倉羅峠−川島町(2003年5月4日)
走行距離  一周 100キロ     積算標高 2500m
最高地点  船窪つつじ園(1040m) 三ツ木峠(800m) 川井峠(730m) 倉羅峠(標高800m)
走行日  2003年5月4日 MTB 天候:晴れ  2002年2月23日 MTB  2007年 5月23日 ロード
 初めて訪れたのは、2002年の早春。ほぼ山頂近くまで続いている県道248号線で山川町からふいご温泉をかすめて、山川少年自然の家を目指しました。少年自然の家は標高800m弱。この日、下界は春を思わせる陽気でしたが、少年自然の家を過ぎる頃から半ば凍った雪が姿を見せ始め、頂上までもう少しの標高1000mを過ぎるとほとんど全面凍結状態の雪(アイスバーン)となり乗車走行不能となってしまいました。なんとか辿り着いたオンツツジで有名な船窪ツツジ園も、さすがに2、3人のハイカーを見かけただけでした。
 船窪ツツジ園からほぼ稜線沿いに、立石峠という名ばかりの峠を越えて、高越寺の駐車場へ。手持ちの地図では、この駐車場から穴吹方面への道が記載してあったので、雪の中方角だけを頼りに進んだのですが、これがまたとんでもない道でした。薄暗い林中の道は、路面にごろごろ石が転がった地道で、両側からは枯れ枝が多数覆い被さっていました。本当に穴吹に出られるのか半信半疑で下りました。山頂付近に工事中・全面通行止めの小さな看板があったのですが、いつものように自転車なら大丈夫だろうと下っていったところ、よくこんなところまで上がってきたものだと感心するほど大きなクレーン車が、中腹辺りで道幅いっぱいに止まって作業中でした。作業員の人が私を奇異の目で見ていました。ほぼ中腹で牧場に出ましたが(ここから舗装道路)、放牧にはもちろん季節はずれでした。
 
2003年5月4日
 2003年5月は総勢8人で高越山を登ってきました。8月に行われる「マウンテンサイクリング IN 乗鞍」参加者予定者の顔見世&練習会という名目でした。練習会の後、ちょっと回り道もしてきました。
 集合時刻に30分ほど遅れてしまった私は、頂上まで一人旅を覚悟でスタート。わずか一年ばかり前の記憶は曖昧なものです。登り始めは、「あれっ、こんなに緩やかだったっけ」と思ったのですが、ふいご温泉から3キロばかり登ったところから一気に勾配が急に!ここから2キロばかりは、平均でも約10%くらいの激坂でした。途中、満開の桐の群生や、新緑の美しいところもあったのですが、先を急ぐべくパス。

平坦のように見えますが、結構急勾配

後方にはうっすらと吉野川
 標高約500m地点で、先陣のみんなが休憩してくれていたのでなんとか追いつくことができました。そこからは、みんなのペースに併せて、ワイワイしゃべりながら登りました。頂上には、オンツツジの群生で有名な船窪ツツジ園があるのですが、見頃にはまだちょっと時期が早く、追い抜いていく車はおそらく正確な開花情報を知らないのだろうと思われる香川県ナンバーが半分くらいを占めていました。
 標高800m、少年自然の家を過ぎると視界も広がって、吉野川が一望できるようになります。そこまで来ると、山頂も目線の高さになって、ああ随分登ってきた、もう少しだ、と思わせてくれます。一人で登るとしんどい坂も、みんなでワイワイしゃべりながら登ると、いつのまにか山頂駐車場に到着。

船窪ツツジ園到着

1本だけ満開のオンツツジ
 オンツツジは、まだ大部分が蕾でしたが、なぜか一本だけ満開の木がありました。また駐車場からツツジ園までの間は、右手に満開のハクモクレンが杉木立の中に点在し、暗い杉木立に明るさを与えていました。一方左手は、落葉松の並木が続いており、徳島ではあまりお目にかかれない針葉樹の新緑を楽しめました。オンツツジは5月半ばから後半にかけてが見頃のようですが、週末はきっと大変な渋滞になりそうです。
 公園からはちょっと霞んでいましたが、剣山や三嶺など四国を代表する山々の姿を見ることが出来ました。帰路は、母衣暮露滝方面へ下り(ちょっと路面が荒れている)、三ツ木峠から木屋平へ出て川井峠を越え神山町へ、さらに倉羅峠を経て川島へと周りました。
2007年5月23日
 前回から早くも4年が経ちました。今回も当初はMTBで走るつもりでしたが、前日フロントリムの炸裂のため、高越山3回目にして初めてロードでの走行となりました。しかし、前週の那賀川センチュリーランの疲れもあって、当初から全くのサイクリングペースと設定。背中にはリュック、その中には頂上で歩くことを想定して運動靴も持参しました。

第十堰にて

学島橋から高越山
 吉野川の南岸土手をゆっくり(25km/hr程度)のんびりと遡ります。阿波麻植大橋大橋の東側にある潜水橋(学島橋・数年前の台風時に破壊されていた)が復旧されていました。すぐ横に阿波麻植大橋があるので、きっとそのまま廃止だと思っていたのですだが・・・。一度潜水橋まで降りてみましたが、小雨のため水量は少なく流れもやや淀み気味でした。ちなみに高越山は、この付近からが最も富士山に似た容貌を呈しているとのことです。

新緑 標高800m付近

船窪ツツジ園 
 国道193号線と192号線の交差点のコンビニで休息。ここまで20km、ちょうど1時間。ここから193号線を倉羅峠に向けて2km弱走ったところで、高越山の表示に従って右折。少し下った後、本格的な登りとなます。上述のように、しばらくは比較的緩やかな上り坂ですが、ほどなく急勾配となります(麓からほぼ山頂にある船窪ツツジ公園まで15kmで約1000m標高差・平均でも7%程度)。標高500m付近までは10%近い坂が続き、38X25で10km/hr以下で走行。ツツジが満開のこの季節、普段はほとんど交通量がないのすが、クルマが続き対向で詰まることが度々ありました。
 青少年の家あたりから勾配はやや緩やかになり、2003年でも書いたように眼下に山川方面の展望が広がります。また道路沿いには広葉樹林が随所に見られ、美しい新緑の中を気持ち良く走ることができました。

オンツツジ 満開

船窪ツツジ園
 13時前に到着した頂上手前の大駐車場は8割方クルマで埋まっていましたが、船窪ツツジ園は、心配していた程の人込みではありませんでした(土日はそういう訳にはいかでしょうが)。ほぼ1時間半かけてゆっくりと登ってきましたが、満開のオンツツジ群落はその労を十分にねぎらって余りあるものでした。過去2回登ってきていますが、2回目は一本だけ満開であったもののほとんどは蕾もない木々だったので、この満開の状態はそれからの想像を遥かに上回る絢爛さでした。若干多い人込みもあまり気にならない程度でした(weekday のためか大部分はリタイアされたと思われる年齢層)。

立石峠からツツジ園遠望
 靴を履き替えて小休止・補給の後、ちょっと迷った末に高越寺方面へ足を伸ばしてみることにしました。4年前は未舗装であったと記憶していたのですが、結局高越山駐車場まで簡易舗装となっていてロードでも十分に走行可能でした。ツツジ園から先は行き交う人もぐっと減り、時にクルマ、ハイキングの人とすれ違う程度。尾根沿いのやや急な道を登ると立石峠。ここから振り返ると稜線を辿って船窪ツツジ園を遠望することができます。ツツジ園の後方には奥野々山、さらに後方には高城山がうっすらと見えました。

高越寺への参拝道

いたるところに落葉大樹
 立石峠から少し下ると、高越寺の駐車場。2002年に穴吹方面に下った道とは呼べないような道を(上述)を横目に、1.1km、徒歩20分と表示のある寺への参拝道を、これまたどうしようかと、少し迷った末に進むことにました。自転車はもちろん乗れるような道ではなく、押しまたはちょっと担ぐのも必要な山道。駐車場からすぐはかなり狭く「やっぱり引き返そうかな」とも思ったのですが、せっかく来たのだしこれからもなかなか来る機会がないだろうと、当初の予定通り前に進みました。

新緑の広葉樹

山頂から穴吹方面
 駐車場には10台以上のクルマが止まっていたので、時折ハイカーもしくは参拝?の方とすれ違いました。道は緩やかなアップダウンが続きますが、MTBであれば6割程度は乗車可能と思われます。林間なので展望は全くありませんが、周囲の新緑がとても美しくて、ゆっくりと歩くのには最高の道でした。
 立ち止まっては、しばし木々を見上げること多々。知識がないので正確な名称はわからないのですが、葉の形から鑑別できるだけでも10種類ほど。いずれも陽光に透き通った緑(それぞれに微妙な違い)が爽やか。満開のオンツツジ群落もなかなかのものでしたが、この新緑の道はそれ以上に気に入りました。やはり山は自転車より歩きでしょうか?

旧美郷村 石積みの風景

掘割峠から吉野川
 燈明杉と名付けられた大きな杉の幹元を過ぎると高越寺に到着。境内の端から穴吹方面がチラリと見えました。境内からさらに急な階段が続いていたので、ちょうど降りてきた方に「上に登ると展望がありますか?」と尋ねたところ、10分ほど登ると穴吹方面が見えるとのこと。ということで、自転車を置いて登ってみました。数分で高越山山頂に到着。山頂にも落葉大樹が茂っています。北側方向の木が一部分切られており、穴吹・脇町方面および吉野川が眼下に。大滝山をはじめとする讃岐山脈もうっすらと見えます。このところ晴天が続いていたため残念ながら霞んで眺めはもうひとつでした。ベンチに座って一服しながら、青少年の家から歩いて登ってきたという人とちょっと話。
 再び新緑の山道を引き返し、船窪ツツジ園を横目に見ながら、帰路は母衣暮露滝方面へ降りました。県道250号線で旧美郷村へ出て、これまたお気に入りのひとつ掘割峠を越えて帰途に着きました。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

ツーリング徳島へ戻る  TOPに戻る

inserted by FC2 system