高梁市・成羽町界隈を走る
 以前にま〜し〜さんが岡山県高梁市近辺を走られてブログにアップされた時、これは何処で見られる景色なのだろうと、とても気になっていた写真がありました。はっきりさせないまま月日が過ぎていっていたのですが、少し前にくにさださんが同じところの写真をアップされて、ルートラボでコースも紹介してくれました。それを参考に日帰りツーリングを考えていたのですが、その後コースの近くが豪雨により甚大な被害がでたため、しばらくは見送ったほうが良さそうだなあと思っていました。今回、たまたま以前から知り合いの高知のMさんが東京に転勤されるので送別会という名の飲み会をしましょうと岡山在住のくにさださんからお誘いをいただき、予定コースは被害地から少しだけ外れていることもあり、せっかく岡山へ行くので気になっていた羽山渓を含む道を走ってくることにしました。   (2018年11月20日 記)

県道300号線、羽山渓第二トンネル北口
コース  矢掛−県道35号線−成羽−県道300号線−吹屋−広兼邸−夫婦岩−国道313号線−県道77号線−県道408号線−県道45号線−矢掛
走行距離  90キロ   積算標高 約1400m
最高地点  吹屋付近 標高560m
走行日・天候  2018年 9月23日  天候:曇り  スポルティフ
 自宅出発は、午前6時過ぎ。高速道路を比較的ゆっくり走って、デポ地の矢掛町運動公園には8時過ぎに到着。準備をして、8時半にスタートしました。矢掛町の街中を走っていると、愛媛県で見かけるのと同じような表示を路面に確認しました。ブルーラインはありませんが、表示の大きさ、形、色使いも全く同じように思われました。
 災害から復旧なった井原鉄道・矢掛駅を越えたところで県道35号線に入り、北上します。立派な2車線道路で、そこそこある交通量は予想外でしたが、進むにつれて往来は次第と減ってきました。鬼ヶ岳ダム湖を過ぎると、道幅はやや狭くなって、交通量も随分と減ってきました。鬼ヶ嶽付近は、道両側にモミジの木が連なっています。紅葉の頃は、また違った光景を見せてくれるものと思われました。緩やかに登って切通しの峠を越えると、同じように緩やかに下って、成羽町中心部付近の少し交通量の多い国道313号線を西へ進んだ後、高梁川支流・成羽川を古びた橋で渡って、今度は県道300号線を北上です。
 ところが、成羽の町外れまで進んだところ、道路脇に「この先道路崩壊のため全面通行止め」との表示がありました。横には「吹屋方面はこちら、広域農道経由」と臨時ではなく、常設の表示があります。今回、メインにも考えていた羽山渓は、確か県道300号線を進んだところにあったはずです。広域農道といえば、阿讃中央広域農道を除いて、およそ道はきれいな2車線であるものの7〜8%前後のアップダウンが繰り返し、しかもあまり周囲の光景は楽しめない道が多いと思っています。ここも、右手に行く道は一気に登っています。その周囲には、この辺りではあまり見かけないような斜面上の集落がありました。東枝・西枝という地区らしいです。
 ブルーライン? 鬼ヶ岳ダム  県道35号線の峠   成羽町の総門橋
 通行止めはこの先3qと書いてあったので、とりあえず進めるところまで走ってダメなら引き返そうという魂胆で、そのまま進むことにしました。しばらくは、表示は見間違えかなと思うような路面もきれいな道が続きました。その後は狭い1車線となりましたが、道は緩やかに登っていきます。途中、2台のクルマが追い抜いていったので、なんだ通れるのじゃないかと思いましたが、1台は途中にある集落に向かっていたようです。もう1台は、道が柵で封鎖されたところで停車していました。そこには、通行止め以外の情報は記されていませんでした。日曜日なので、工事の人などはいないだろうと、そのまま進みます。
西枝・東枝地区 通行止めの表示 再び、通行止めの表示 県道300号線
 さすがに、そこからはクルマが全く入っていないようで、濡れた路面に小枝や落ち葉が散乱しています。しかし、自転車で走るのには問題なし。むしろ、クルマがやってこないので安心して走れるし、両側から緑に覆われた道は、予想外にどんどん標高を重ねていく(事前に計画するルートラボでは、いつも総距離と積算標高を確認するくらいで細部はそんなに確認していません)ものの、走っていてとても快適な道です。
 大分進んだところで、目指していた羽山渓付近に到着。気になっていた光景は、羽山渓第二トンネルというそうです(写真:上下)。いや、こりゃ凄い。写真では見知っていたものの、頭上にオーバーハングする崖とその下のトンネルは、かなりの迫力です。北側の出口は、トンネルというより、崖の下が自然に口を開いているよう。自転車をもう少しトンネル出口寄りに停めておけば、その対比で大きさがより良く分かったかもしれません。前後通行止めなので、今崩落があったら誰も気付かず助けにも来ないな、とあまりゆっくりする気にもならず、先へ進みます。
羽山第二トンネル内部 羽山第一トンネル南側 羽山第一トンネル北側
 第一トンネルの北側にもオーバーハングの崖下を通るところがあります(下の写真)。まだ大永山から別子山村への県道が貫通する以前(高校生の頃だから40年以上前)、行き止まりだった県道47号線・六森ダム上流がこんな感じだったなあと思い出します。
 結局崩落なんてないじゃないかと思いながら進んでいたところ、突然眼前に道を塞ぐ土砂が現れました。ああ、通行止めの原因は、これだったのか。クルマは通行不能ですが、自転車なら担いで余裕です。
 で、そのまま進むと、まもなく広域農道との交差点に出ました。やっ、ここは記憶があるぞ。初めて来た時に、迷いながら進んできた広域農道を、表示を見つけて吹屋方向に曲がったところです。当然広域農道から羽山渓に入る(進行方向では出る)ところにも、全面通行止めの表示と柵がありました。
 それにしても、この県道300号線は、羽山渓第二トンネルはもちろん、道周囲を含めた雰囲気がサイクリングには最適のコースと思われます。クルマでは狭くて走りにくいでしょうが、一度はやって来る価値があると思えます。道の分岐前後には、羽山渓の案内板くらいあってもいいのになあ、もっと有名になってもおかしくないところだと思います。
 広域農道との交差点からは、前回と同じ県道300号線を通って、元仲田邸を横目にちょっと見た後、吹屋へと向かいました。元仲田邸は、前回同様、道からチラリと眺めただけですが、比較的新しいと思われる向かって左手の家屋。よく見ると、壁に切子硝子のような嵌め込み細工が見えます。正方形のようですが、それぞれデザインが異なるようです。内部から見たら、どんな感じになっているのでしょうか? 後で調べると、宿泊もできるようですね。
 吹屋は4年ぶりの訪問でしたが、集落手前に広い駐車場ができていて、一瞬何処か違う道に入ったのかと思ったくらい南側入り口の雰囲気が異なっていました。道沿いの家屋も、以前は手前のほうにあまり手入れのされていない家屋が何軒かがあって、それはそれで風情があったのですが、今回はその付近も小綺麗になっていました。お昼前だったので、通りを歩く観光客も20人くらい。さすがに初めての時ほどの感動はなく、人も多かったので先へと進みます。板塀造りの校舎が端正な姿を呈している旧吹屋小学校も全面工事中でした。残念。
 上の2枚は吹屋の集落少し手前にある数軒の家屋。下の2枚は、吹屋集落中心部。独特のベンガラ壁が写っていません。石州瓦も、その色がうまく出ていません。
   
 吹屋からは、ベンガラ館の横を通って広兼邸方面へ向かいます。この道も、雑木林に覆われた気持ちのいい道でした。
 
 小さな峠を越えて軽四が精一杯くらいの細い道を下っていくと、いきなり広兼邸の城壁のような石積みの下に出でました(写真:下右)。こんなところに出てくるとは、ちょっと驚き。それにしても、広兼邸は、高く精緻な石垣といい、その上に鎮座する家屋群といい、圧倒的な存在感を持っています。
 ←・↓ 正面入口付近
 その後、広域農道を経由して、県道435号線へ向かいます。ところが、ここでも進む予定の備中方面へは通行止めの表示が出されていました。予定を変更して、県道436号線で成羽方面に向かうことも考えていたところ、「夫婦岩」の表示が目の端に入ってきました。これって、ひょっとしてま〜し〜さんが羽山渓と一緒にアップしたいたところ? 上述の道の勾配同様、予定ルート上の見所さえ押えられていません。折角なので、夫婦岩まで行って、ダメなら引き返そうと走ってみました。
 長屋の集落で少し遠回りしてしまったものの、表示とスマホのGPSで確認(今回何度か利用、アナログ親父も文明の利器の恩恵をあずかる)して、夫婦岩に到着。河岸段丘と思われる高梁川支流・成羽川の断崖上に屹立する二つの岩は、川面との高低差が存在感を高めています。
 ちょうど二人の自転車乗りがいたので道のことを聞いてみると、備中側(成羽川方面)から登って来たとのこと。登り口にも通行止めの表示があったものの、多少路面が荒れているものの崩落などはなく、問題なく登ってこれたとのことで、そのまま県道435号線を下ることにしました。道は切り立った斜面を下っている筈ですが、川側にも雑木が繁っていて、斜面恐怖症を案ずることはないばかりか、ここも個人的にはサイクリングに非常に適していると思う道でした。
 写真:上2枚は県道435号線。下り切ったところに、通行止めの表示。

 写真:右は、夫婦岩のところから川対岸の切り立った崖上に見えた小さな集落。崖の岩盤が硬く、地震や台風などの自然災害にもびくともしないのでしょう。 でも、なんだか滑り落ちそうで、とても崖には近寄れませんね。
 下り切って、そのまま左折。成羽川の左岸(写真:下左)を少し走ったところで、小さな橋を渡って県道31号線へ。県道31号線を走っていると、左手・川の対岸にも急峻な崖(写真:下右)が見えます。用瀬之岳といい、フリークライミングで有名な地だそうです。国道313号線にぶち当たるT字路で右折。そのまま国道313号線を南下しますが、横を流れる川は上流へ向かっています。高梁川は南・瀬戸内海に流れ込んでいるので、一瞬進む方向を間違えたかなと思いました。大きく山を回っている支流のようです。三桁国道ですが広い2車線、交通量は多少ある程度でした。
 これも事前確認不足のことですが、国道313号線は緩やかながらも高梁市と井原市の境までずっと登り続け、市境を越えたところで県道77号線へ左折。美星町の中心部からは県道46号線で矢掛町まで一気に下って、15時過ぎに終了。

金甲山へ

金甲山から瀬戸内海の眺め
コース  玉野・道の駅−県道405号線−県道45号線−県道74号線−小串−貝殻山−金甲山−県道74号線−宇野駅−玉野・道の駅
走行距離  60キロ  積算標高 約1000m
最高地点  金甲山 標高403m
走行日・天候  2018年 9月24日  天候:曇り  GIANT TCR
 上述の高知のMさん送別会で、くにさださんと3人で未明まで飲んでいたため、翌朝は午前7時過ぎに起きだすのが精一杯。外は、前日と同じような、もうひとつはっきりしない曇天でしたが、雨の兆しはないようです。折角岡山にやってきているので、少し走って帰ることにしました。井原市から北への周回コースも考えていましたが、前日とよく似た状況(通行止めも含んで)が予想されました。二日酔いまでとはいかないものの元気もなかったので、岡山の自転車乗りの間では有名そうな金甲山へ行ってみることにしました。問題はデポ地を何処にするかでしたが、玉野市街手前に道の駅の表示を見つけました。中に入ってみると、深山公園と併設の広い駐車場があったので、そこにデポしました。
 どんよりとした天気のもと、午前中の予定で、8時半過ぎにスタート。時計回りに、県道405号線、県道45号線を走っていきます。途中、宇野みなと線が並走、その向こうに児島湖(元児島湾)。県道45号腺をまっすぐ走っていたら、トンネルを抜けて児島湾大橋に入ってしまい、引き返しです。県道74号線で小串まで走り、そこから貝殻山へ向かいます。交通量はほとんどなし。期待していた南・瀬戸内海側、北・岡山市方面に展望が広がるところは2、3ヶ所とあまりありません。ピーク少し手前で、ほぼ同じスピードで前方を走る人を発見。小串までは対向する20人以上の自転車乗り(ソロから数名のグループまで、みなさん気持ちよく挨拶してくれます)にすれ違いましたが、貝殻山前後の道で出会ったのは、この方を含めて2名だけでした。
児島湾大橋から西へ 貝殻山から北へ
 下り切った交差点で、前方・金甲山へ向かう道に。前日に続いて、また通行止めの表示があります。ちょうど先を走っていた人が一休みしていたので訊ねたところ、路面は荒れていて、崩落があるものの走れないことはないとのこと。自転車ではなくてもメジャーな観光地(徳島なら眉山くらい)と思っていたので、まさか通行止めとは予想していませんでした。次は何時来ることができるかわからないし、せっかくなので進んでみました。
 勾配は、貝殻山への道よりは少し緩いくらいです。路面は、もともとの舗装状態が荒かったのですが、話に聞いた小石などはほとんどなく、崩落も片側車線だけで、走行には全く問題がありませんでした。
 到着した山頂には、二階建ての展望台がありました。瀬戸内海方面は一望できるのですが、残念ながら靄っていて小豆島さえ確認できません。北側はテレビ塔が建っていて、期待していた児島湾の干拓地や岡山市街もすっきりと見ることはできず、残念(写真:下左・瀬戸内海側、下右・児島湾方面)。
 山頂からは西側へ直接下る道もあるようでしたが、確認しないまま元来た道を戻って、南側に下り海沿いの県道74号線を走って玉野へ。ずっと以前(最後の利用記憶は1983年)本州に渡るのに必須だった宇高連絡船の宇野駅と宇野港にも立ち寄ってみました(写真:下左)。連絡船は何処に到着して、どう移動して列車に乗っていたのか、今では全くわかりませんでした。ちょうど到着した山吹色の列車からは、大勢の大きなスーツケースやザックを担いだ外国人が多数(数十人は下らない)降りてきました。瀬戸内芸術祭関係の方達でしょうか? 
 
 宇野港から県道30号線でデポ地に戻ろうとすると、途中に西谷橋というループ橋がありました(写真:上右)。このループを周りながら登って、少し走って予定通り正午過ぎにデポ地に帰着。

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