林道程野黒丸線 にこ淵
 2019年・すーさんとツーリングの第一弾。行先は、国土地理院地形図を眺めていて見つけた、早明浦ダム湖奥から国道194号線を結ぶ道です。林道程野黒丸線という道は、林道とはいうものの全線舗装との情報を得たので、ロードバイクで向かうことにしました。 (2019年02月22日 記)

林道程野黒丸線にて
 午前6時、徳島を出発。高速道路で一路西へ向かいますが、何やら怪しい雲行き。時折フロントガラスに雨粒が当たります。曇りの可能性は考えていましたが、雨の予想はしていませんでした。しかし、デポ地に近づくと、路面は乾いていて、西の空には青空が見えてきました。一安心。
 午前8時30分、道の駅・さめうらをスタート。まずは早明浦ダムへ向かいます。この日は、走行距離が80q程度の予定だったので、余裕があると、まずは早明浦ダムに寄り道します。ダム堰堤へと登る道、標高差は約100m。すーさん曰く「ダムの高さを自転車で走って測る物好きもいませんね」。すーさんが恒例となったドローン撮影をしている間に、その辺りをぶらぶら。イラストマップを見たり、ダムの解説を読んだりしていると、この後向かう瀬戸川からトンネル水路で鏡川に水が送られていることを初めて知りました。池田ダムからは香川用水、法皇ダムからは愛媛の東予地区、そして高知市へと、吉野川の水は四国の水瓶であることを再認識しました。
コース 早明浦-南岸-r6-林道程野黒丸線-R194-R439-r6-早明浦
走行距離  85キロ   積算標高 約1400m
最高地点  林道程野黒丸線・峠 標高900m
走行日・天候  2019年 2月17日 晴れ FELT F1
 この日のダム貯水量は60%とのことでした。満水時と思われる植生ラインから、湖面は15m以上下方です。写真:下右、ダムから北北東方面を眺めると、後方の山(鎌滝山・1115m)の中腹当たりに小さな集落が見えます。地形図で確認すると大淵という集落のようです。ダムができる前なら川底からさらに100m上方。四国ならではの光景です。写真が小さくてわかりにくいですが、ほぼ中央の木が途切れている部分です。下左はダムから下流へ。大好きな汗見川は、このすぐ左手に流れ込んできます。
 ダムから西へ向かう道は、北岸(左岸)の県道17号線が主要道ですが、この道は何度か走っているので、今回は南岸(右岸)に沿った県道265号線を走ります。北岸に比べて、南岸のほうが鄙びた雰囲気で、交通量もほとんどありません。ただ、道はダム湖に沿って蛇行し、支流が流入するところでは大きく迂回するので、随分距離が伸びるのは仕方ありません。
 朝日に光るダム湖を眺めたり、おしゃべりしながら走っていると、二人の自転車乗りと対向しました。おふたりとも私より年長の方に見えましたが、何処から走り始めて何処へ向かっていたのでしょう。地形図を見ると、そんな南岸に迫る山の稜線付近にもいくつか集落があるようですが、湖岸の道からは、その気配は全くうかがうことができません。下の写真、走行中は全て南岸・県道265号線。橋は、北岸南岸を結ぶ・柚ノ木橋。通行1台限定との表示がありました。
 
 南岸の道はダム湖から瀬戸川沿いに入っていくのですが、一番奥にある七尾橋の一つ手前・県道265号線の南川橋で左岸に渡ることにしました(写真:下左))。下右の写真は、南川橋から瀬戸川上流へ向けて撮ったところです。この付近は、まだまだダム湖で泥水に近い色。両河岸には、貯水量の差によってつくられたと思われる造形が続いています。橋から振り返ってみると、手前の山の向こうに冠雪の頂(写真:上右上)。工石山辺りでしょうか、それもと白髪山?
 その後は、県道6号線で瀬戸川に沿って遡っていきます。集落がぽつぽつ見られますが、人の気配はほとんどありません。道は極緩い登りで、いつの間にかダム湖から流れる川に変わっていましたが、水量は少なめ。木々も繁っていて、川面を見る機会はあまりません。途中で右岸に渡った辺りから民家はなくなり、勾配もややきつくなりましたた。周囲は、写真:下左のような鬱蒼とした杉林であることが多かったです。時に川面を覗き込んでみますが、あまり興味をそそられる光景はありません。
 この道、2004年3月に稲叢山や長沢林道などを走った時、稲叢山から下ってきて気づかないうちに逆方向に走ってしまったところです。当時は、もう少し開けた川沿いで水も多かった気もするのですがが記憶は定かでありません(記録では瀬戸川の流れが美しかったと記載しています)。写真:下中上は、その間違った分岐部です。その時は奥の道から走ってきて、本来左手へ走る予定だったのですが、全く気付かずに右手(今回走ってきた方向)へ進んでしまったのです。
 この分岐を過ぎると一気に登り道となって、1q弱で、林道程野黒丸線への分岐に出ました(写真:上中下・上右下)。2004年時は、もう少し先まで走って、林道程野黒丸線の南に位置する芥川奥の谷林道を走っているのですが、この分岐部までの登り道を含めて、写真:上右上の黒丸集落も、ほとんど記憶に残っていませんでした。
 林道程野黒丸線は、当初未舗装路かと思っていましたが、上述のように全線舗装との情報を得たのでロードバイクでやってきた次第です。瀬戸川沿いでも道脇に見かけましたが、路肩に凍った残雪がチラホラ(写真:下左)。写真:下右、前方に見える山は稲叢山でしょうか。
 地図を眺めただけではそれほど急勾配ではなさそうと思っていましたが、短いながらも意外ときついところ(写真:下左・14%の表示、下中上12%)もありました。大分登ってきたぞ、稲叢山方面への分岐部にある黒丸集落(写真:下右の青い屋根付近)も随分下方になったと思ったものの、林道分岐部からの走行距離は3qほどであることを確認して、あまりのペースの遅さに二人ともがっくりです。どちらを向いても山また山。
 さらに登り続けると日蔭では路肩の凍った雪が増えてきました(写真:上中下)。2ヶ所ほどのコーナーでは、ほぼ全面凍結していて、慎重に。それでも、峠近くは日当たり良好です。最後の12%(写真:下左)を登りきると、切通しの峠。
 
 峠には、ちょうど正午に到着。ここまでまだ40q弱なのに、すでに3時間半経過。
 峠の西側、日当たりのいいところで、ちょっと一服(写真:上)。
 標高900mの峠からは、西南方向にだけ少し展望が広がっていましたが、手前の雑木の枝が邪魔をしたり、これから下っていく途中にあるグリーンパークほどのの施設の一画らしい山肌などが手前に大きくあって、後方に連なる山並みの眺めもあまり楽しめません(写真:下左)。 登り道の状況から、下り道も凍ったところもあるのではないかと心配していましたが、山の南斜面に当たるためか日当たり良好で、残雪の姿は全くありません。軽快に下って、グリーンパークほどの付近へ(写真:下右)。以前から地図などで目にしていたグリーンパークほどのですが、建物はいくつかあるものの、ほとんど人影はありません。営業しているのでしょうか?
 そこからは、下りながら余裕があれば左手の山を仰ぎ見ていました。地図を見ても滝の表示があり、確か2004年3月に芥川奥の谷林道を下って国道194号線に出て、北へ遡っていた時、右手前方遠くに大きな滝が見えた記憶があったので、この付近になるのかと思っていたからです。
 実際、グリーンパークほどのの少し下方には、写真:上左のような滝の案内図がありました。谷筋の下方からでは、見られないようです。
 上方の山ばかり気にしていたところ、道脇ににこ淵の表示(写真:上右)を見つけました。そして、これまで全く見かけなかった人の姿も。
 仁淀ブルーという言葉とにこ淵という地名は見知っていましたが、もっと西にある安居渓谷付近のことだとばかり思い込んでいました。まさか今回のコース上にあったとは。全くノーマーク。道脇から淵まで鎖もある急な道を20mほど下っていくのですが、上方から木々の合間に見えた水面の色を見ただけで、びっくり仰天。
 これまで、四万十川はもちろん、仁淀川も上流に遡っても、吉野川の支流には全く敵わないと思っていたのですが、放言撤退。実際は、この写真よりずっと深く碧がかった澄んだ色合いです。PLフィルターなら、反射のない肉眼に近い透明感が出せたかも。おそらく数m以上の深さがあると思われましたが、底まで透き通っています。夏なら迷わず飛び込んだでしょう。上述のように、ここまでほとんど人の姿は見かけなかったのに、入れ替わり立ち代わり人がやって来ます。家族連れ、若者のグループ、カップル、おひとり様の女性からおっさんまで。登る途中で擦れ違った、まだ幼稚園くらいの小さな男の子が、上方から水面を見て「わあ、きれい」と発した言葉に、ここの素晴らしさが凝縮されていると思います。ただ、この川筋で、本当にここだけ・ワンポイントの場所です。前後には、ちょっとした見頃の淵もなく川底の浅い流れのみ。
 次々と人はやって来ますが、みなさん一目見て満足して帰ってしまいます。すーさんと二人、椅子があってお酒でもあれば、ずっと見ていれる光景だなあと話しながらしばらく見入っていましたが、まだ後があるの後ろ髪を引かれながら撤収。少し走ると国道194号線。緩い下りの国道194号線を快調に走って、国道439号線の分岐部へ。その後は国道439号線を東進。ここは、2005年7月にK氏と400q/日の時に走って以来。あの頃は元気でしたね。緩やかに登っていく国道439号線は、完全に幅広い2車線道に造り変えられており、旧道は民家の周りに残っているだけです。ヨサク・与作と親しまれた佇まいはありません。トレーニングには適していると思いますが、ツーリングコースとしてはあまり面白くありません。まあ、交通量が少ないことには救われます(写真:下左)。
 ここですーさんの膝が不調になったため、すーさんは郷ノ峰トンネルを抜けて国道439号線を真っ直ぐデポ地へ。私は予定通り旧道で郷ノ峰峠を越えて峰石原方面から西石原方面へと下り、平石川沿いの道で迂回して国道439号線に復帰し、デポ地で合流することとしました。
 郷ノ峰トンネル手前(写真:上中)を旧道に左折すると、すぐにまた杉木立の道となります(写真:上右)。路面は非常に良好とは言えないものの、クルマはそこそこ通っているようで、まずまず。途中、2、3軒の民家がありましたが、人が住んでいるかどうかははっきりしません。進んで、県道6号線との交差部。写真:下左の右奥手から進んできました。左手に進むと高知市方面、右手前へと進みましたが、この手前の道をずっと進むと、林道程野黒丸線に曲がった瀬戸川沿いに戻ります。
 
 峠から少し走ったところに位置する峰石原の集落は、南側に少し開けて日当たりが良いです。まだ暮らしている住民もそれなりの人数がいるようでした。写真:上中の左手が県道6号線、右手を下っていきます。下っていくと、左の写真。遠くは早明浦ダム湖畔の北にある工石山とは別の、南側にある工石山方面です。
 下って国道439号線旧道に出た西石原ですぐに左折して、町道へと進みます(写真:下左、奥に続く道へ)。道は、写真:下中のような感じです。横を流れるのは、吉野川支流・平石川。透明度は高いのですがが水量は多くなく、陽が差し込まない山影なので、写真を撮ろうと思うほどの光景には出会いませんでした。途中、小綺麗な小学校の建物(写真:下右)、平石集落です。校庭には、数名の親子がボール遊びをしたり、一輪車に乗ったりしている姿を見かけました。通常の日曜日だったので、何処かから遊びに来たのではなく、地元の人達だったのでしょうか。
 この日走ったコース上、集落はあるもののあまり人影は見かけず、住んでいるとしても、現住の方がいなくなればおそらく消失してしまうだろうと思われるところが大部分と思われましたが、この平石集落はどうでしょう。
 距離的に長く、峠への登りもあったので、デポ地にはすーさんより絶対到着は遅くなると思っていたので、国道439号線に復帰してからは走ったことのある道であることもあって、残っている力を振り絞って走りました。ところが、デポ地に到着してみると、すーさんの姿が見えません。1本道のはずなので、まさか間違うことはないだろうと思っていたら、しばらくして連絡があって到着。15時半くらいでしたが、膝の調子が相当悪いようだったので、もうひとつの予定は諦めて、のんびりと帰路につきました。

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