林道下名大田口線   野鹿池山
 谷間豊永林道を走った時、吉野川対岸の高い位置に道があるのが確認できました。「対岸の道も魅力ありそうだな、何処から登るルートがあるのだろうか」と思ったのは、もう4年も前のことです。2013年の春に一度目指したのですが、そこまでの道程に時間切れ・脚売り切れで未走のままとなっていました。一方、野鹿池山は山頂近くにシャクナゲの群落があるらしいことや地図上から眺望も良さそうに思え、以前から行ってみたいところでした。今回、鎖骨骨折から1か月半・リハビリ中の身でやや不安・難ありでしたが、帰徳中のtakaさんに同行・介助をお願いし、4年越しの思いを実行することができました。走るに先だって、コースは国土地理院地図で再確認しました。GPSを使いこなせば便利な時代になりましたが、アナログ親父は、まだまだ紙地図に頼っています。  (2015年06月15日 記)

野鹿池山山頂直下から、北へ
 午前6時に徳島出発、大歩危までクルマで移動です。準備をして、道の駅・大歩危を午前7時45分にスタートしました。国道32号線を2qほど走ったところで、地図で確認していた道へ右折します。標示には、林道下名大田口線とありました。いきなり10%超の坂で、ギアは最初からインナーXロー、行く先が思いやられます。
 
コース 大歩危−下名大田口線−大豊−立川−野鹿池山−大歩危
走行距離  約70キロ   積算標高 約2000m
最高地点  野鹿池山山頂直下 標高1200m
走行日  2015年 5月 6日 天候:晴れ  スポルティフ
 予想では、この道に入ればほとんどクルマは通らないだろうと思っていたのに、いきなり後方から軽トラが数台+消防車(何か行事があったようです)が追い抜いて行きました。さらにその直後、上方から丸太木材を満載したトラックが降りてきて意外とクルマも多いのかなと思いましたが、結局この後交通量は大田口までほぼ皆無でした。

道の駅・大歩危付近の吉野川

林道下名大田口線、下名側登り口
 林道(全線舗装)に入って1q少々登ったところで下名の小集落、ちょうど数名の方が新茶を手摘み中でした。おひとりが、
  「何処へ行くの?」
  「大田口で〜す。」
  「?・・・・。大田口? ちょっと、大田口って抜けれた?崩れてなかった?」 と他の人に聞いてみてくれます。
 ちょうど、その場に来合わせたカブで何かを配達しているらしい人にも声をかけてくれます。配達で道情報は一番詳しいようです。
 その人いわく、
  「大田口?崩れとって抜けられんよ。戻って国道を行ったらいいよ。まあ、途中まで行って帰ってきたら・・・。」
 今回の大きな目的のひとつであったこの道が抜けられないとは!初っ端からガツンとやられた感じでしたが、まあ行けるところまで行ってみようと、お礼を言って先に進むことにしました。

茶摘み中

 林道下名大田口線、下名付近 背後の山は対岸
 で、緩々と先へ進みました。そこから先も勾配は少し緩くなりましたが、それでもまだまだ登っていきます。吉野川はどんどん下方へ、そして対岸には時に谷間豊永林道沿いの民家を見ることができました。道は一番高いところで標高730mほど、すぐ横を流れる吉野川は標高200m弱で、かなり急な斜面上にあるのですが、ほぼ全長にわたって吉野川側の左手には木々が繁っており、吉野川の川面はもちろん、対岸の風景を見渡せる部分も意外とありませんでした。谷間豊永林道から見た時は、こちらの道筋が確認できたので、もう少し展望があるかと思っていたのですが。 しかし展望の広がるところでは、北東(後)に国見山、左手には三嶺方面の山々(後に地図で確認)を見ることができました。

北東方面へ、左奥・国見山

展望が広がるところは、意外と少い 中央は三嶺方面
 路面は比較的新しいアスファルト舗装で良好でした。後に、そこが最後だったと思われる民家を過ぎると、路面には杉などの葉や小石がだんだんと多くなってきました。分岐から8qほど走ったところで斜面崩落あり。距離にして20m弱くらい。クルマは当然通行不可ですが、自転車なら問題なく通行可でした。その後、こんなところが次々とあって最後は断念せざるを得ない大崩落があるのかと危惧していましたが、崩落部を過ぎると路面状態は小石の落石もないくらい良好となりました。どうもクルマが入ってきているようです。地図で確認すると、崩落部は高知県に入った付近と思われました。
 それから少し進んだところに、一軒の民家(林道の出入り口どちら側からもかなり離れていた)があり、新しい軽トラが止まっていました。ここから先に道が通じていることは間違いないと思われ、安心して先へ進むことができました。

崩落場所

奥は梶ヶ森
 進んでいくと左前方(南東)に梶ヶ森が見えてきました。梶ヶ森が見える付近になってくると、道沿いの民家も増えてきました。ちょうど田植え前の代掻き中。対岸梶ヶ森の麓斜面にも、棚田が広がっているのが見えます。進むとさらに民家が増えてきて、間もなく大田口へと下り始めました。繁った木々のため、期待していたほどの大展望の連続とはなりませんでしたが、1ヶ所の崩落以外は路面はきれいでクルマはほとんど通らず。ガードレールはほとんどなく、サイクリングには極上の道でした。
 大田口まで下り、国道32号線を少し戻って、穴内駅手前まで国道を外すつもりで右岸へわたりました。ところが、国道に復帰手前で、またまた大崩落・通行止めです。幸い休日で工事は行っておらず、崩落跡もほぼ片付けられていた(距離100mほど)ので、柵の横を通って乗車で通り抜け可能でした。当初は、ここから吉野川本流に沿って県道5号線に出る予定でしたが、ちょうど11時前。takaさんが前週行きそびれたひばり食堂へ寄り道することになりました。辿り着くと開店まで30分ほどありましたが、開店時には長蛇の列(詳細はtakaさんのブログで)。

奥の山、左手は天狗塚方面、左手は梶ヶ森

大田口手前から、吉野川と土讃線
 ひばり食堂で食べ過ぎたおなかを癒しつつ県道5号線へ向かいます。立川川の流れは2010年に走った時の印象が良すぎたためもあってか、もうひとつでした。立川までは勾配が緩やかで追い風とあって、思いの外いいペースで走れました。そうそう、県道5号線の入り口に「愛媛県側で崩落のため通行止め」の表示がありました。自転車でも無理なのか不明。走る計画のある方はご注意を。行かれた方は情報提供、お願いいたします。
 立川で番所跡に立ち寄り、浦の谷平林道へ。すーさん初めて走った時は、ちょうど高知道の4車線化の工事中だったなあ、と確認してみたら、なんと11年も前でした。

立川番所跡

浦の谷平林道、崩落場所
 そこそこの勾配をノンビリ登っていたところ、とあるコーナーを回ったところに突然通行止めの柵です。本日3ヶ所目。立川の分岐部には一切表示がなかったけどと思って進んでみると、道路が数mにわたって崩落。幸い仮設の木橋があったので、なんなくクリア。この道走るのは、2004年、2010年と今回で3回目と思うのですが、以前には気付かなかった崖側に路面が割れて落ちかけているところが、何ヶ所もありました。大雨や台風が直撃すれば、長期通行止めになることが危惧されます。

浦の谷平林道、後方は野鹿池山

浦の谷平林道から東南方面、高知道はこの谷底
 登りながら振り返ってみると、野鹿池山と思われる山が背後に聳えています。斜面に淡いピンク色何ヶ所か見えました。アケボノツツジにしてはやや色が薄いようです。どうも桜らしいと思っていたら、すぐ先に桜が同じ色で咲いていました。
 再び西側斜面に出てくると、高知道が遥か眼下に。西側には仁尾ヶ内林道が通っている白髪山方面、北北西方向には、笹ヶ峰トンネルへとつながる県道5号線を見ることができます。今回、仁尾ヶ内林道に繋がる南側からの道の入り口を確認しておきました。近いうちに走ってみたいものです。峠から少し西側の2010年に広い裸地だった部分は、雑草や灌木が生い茂っていました。

浦の谷平林道にて

浦の谷平林道から県道5号線(山腹・皆伐箇所の上を横走)
 記憶に残る峠と思われるところとよく似た道周囲の状況に2回騙され、漸く峠に到着。少し下ったところから野鹿池山方面への道となるのですが、ここでも入り口に通行止めの表示。第一の目的であった下名大田口林道が完走できたので、もう後は通行止めでもいいや、とりあえず走れるところまで行こうと先へ進みました。
 しばらく走ったところに工事中の標示があり、その先に10mほど道路が路肩に向かって道幅5分の4くらい崩れかけているところがありました。残っている部分は1mほどあって、自転車なら余裕。その先は、崖側から小規模な崩落が随所にありましたが、走行には全く問題なし。そうそう、ここは地道だと思っていたのに、完全舗装。その後下った林道澤谷線もネットから印刷した案内図では未舗装となっていたのに、ここも舗装されており、結局今回地道は全くありませんでした。

野鹿池山へのトラバース路

野鹿池山山頂少し下、ほぼ中央右手が国見山、その右が中津山
 道は稜線の北側をトラバースするように走っているので、さほど勾配はありません(距離5qで標高差250mほど)。頂上方面へと向かう道が分岐していたので、takaさんと相談の上、進んでみることにしました。結果的にはこれが大正解。1q少々で100mほど登るので結構きつかったのですが、視界展望はそれまでより格段と広がりました。登らずに後で知ったら、悔やむこと間違いなしの展望です。
 方向がはっきりしないので、確かだったのは国見山と中津山程度。塩塚峰さえ、手前の山かその奥なのか不明。少し霞んでいたのですが、法皇山系・翠波高原もあれかな?と思うものの確認できませんでした。しかし、いずれにせよ北側180°の展望は最高(最終地点でちょうど標高1200m)でした。塩塚峰より高いので、香川方面も見えていたのかもしれません。

自転車・クルマ通行可能最終点から、山頂への道

 湿原手前のシャクナゲ
 一服した後、少し登ったところに湿原があるらしいので、階段を登ってみました。湿原というにはやや乾燥していて、コケ類は繁茂していのですが、水面は確認することができませんでした。有名なシャクナゲ群落があったのですが、上部のほうだけ少し咲いていただけでした。満開には早いと思っていたのですが、盛りは過ぎていたのか、これも不明です。山頂へ向かう道は笹が繁っており、短パンで入るのは躊躇われたので引き返しました。
 30分ほどノンビリして、後は上述の林道澤谷線を下って、県道272号線へ。横を流れる藤川谷川も、2010年時には随分魅されたのですが、今回は夕方で下りということもあり、ほとんど素通りするように下りました。

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