野根山街道・界隈   蛇谷林道、野根山街道、須川林道、大平舟場林道
 この年の年末年始は、雪景色ばかりのツーリングでした。と言うことで、冬場はやはり南へ、室戸周辺の林道を探索することになりました。当初は海南町から笹無池ヶ谷林道をも含めるコースをも考慮していたのですが、どう考えても一日では無理と判断。上記コース設定としました。同行はお馴染み・K氏
 竹屋敷林道は、ほぼ2年半振り。大平舟場林道に至っては、約15年振りでした。メインの蛇谷林道は、走り安い地道でとても楽しい道でした。四国の道「野根山街道」も本来はウォーキングの道ですが、部分的には自転車でもそれなりに楽しめる道でした。さらに、蛇谷林道終点・電波塔付近からの眺めは絶景です。室戸に通算1年半ほど住んでいましたが、近くにこんなところがあったとは当時全く知りませんでした。いつの間にか、もう5年も前の話になってしまいましたが、印象が強かったためか、意外と細部まで記憶に残っています。   (2010年11月 8日更新)

蛇谷林道・最高地点付近にて、雪の剣山が後方に

蛇谷林道、野根山街道についてはやや不正確です
コース  宍喰−竹屋敷林道−蛇谷林道−野根山街道−須川林道−大平舟場林道−宍喰
走行距離   約135キロ(ダート約45キロ)  積算標高 約2500m
最高地点   蛇谷林道最高地点 電波塔(標高1080m)、大平舟場林道峠(標高400m)
走行日   2005年 2月20日  MTB  天候:快晴  実走時間  約8時間30分

                  宍喰−久尾−吹越トンネル−蛇谷入口−電波塔−須川林道−大平舟場峠−宍喰
          時間(時分)   8:25-----------10:05-------10:55----13:00---14:30------16:45----18:00
          距離(km)    0-----8---------26-----------42--------56-------65--------100-------135
          標高(m)    0----165------565---------200------1080-----500--------400---------0 

 宍喰
から久尾を経て、2年半振りの竹屋敷林道へ。今回は前回と逆走です。林道入り口には「工事中・通行止め」の看板がありましたが、自転車ならなんとかなるだろうと、いつものように前に進みました。結果的には、十分走行可。久尾から竹屋敷まで全線地道で、今コース・地道の中でも最も荒れた区間(と言っても一番荒れたところでも王滝以下)でしたが、同行K氏とワイワイしゃべりながら登れる程度。当然の如く、出合った車はゼロ。2、3ヶ所ほど小さな崩落箇所がありましたが、通行に差し支えるようなところは全くありませんでした。

竹屋敷林道入り口、通行止め

吹越峠トンネル
 竹屋敷から蛇谷林道入り口までは緩い下りの快走コース。MTBですが、平均30km/h以上で飛ばしていきます。ここで、前回の記憶・印象と異なっていたのが、奈半利川支流・小川川の風景。前回は、雨不足のためか水量が少なく水質もあまり良くなさそうであり、流れも谷間の小さなものという印象が強かったのです。が、今回走ってみると結構広い川筋であり、前回ほとんど民家が無いと思っていたのに竹屋敷はそこそこの集落であり、それより下流にもぽつぽつと民家が見られました。また川原も意外と広いところがあるのにも気づきました。初夏に川を遡った前回と下る今回とでは、そんなに印象が異なるものか?、天候や体調、季節の影響もあるのかもしれません。川原の石がやけに白っぽいのが、吉野川系の青石に馴染んだ目にはちょっと趣がないように思えました。

奈半利川支流・小川川

国道493号線、蛇谷林道起点
 さて、いよいよ本日のメイン・蛇谷林道に突入。国道493号線からの入り口は、イラストマップもありすぐにわかりました。ただ林道に入って少し走った所で、唯一迷った分岐が一ヶ所ありました。その後は、ひたすら一本道の登りです。地道ですが、そこそこ踏み込まれた道で路面状況は上々。しかし、脚を休めるような平坦な箇所がなく、淡々と標高を稼ぐ道です。登り全行程13kmほどで、結局ツーリングのオートバイ一台に出合ったのみでした。2月とは思えない暖かな天候のもと、同行のK氏と四方山話をしながら、ゆっくりペースで地道を楽しみながら登りました。

蛇谷林道・標高400m付近

蛇谷林道・標高700m付近
 途中、大きなT字分岐が一ヶ所あり「左・岩佐関所跡1.8キロ」という表示がありました。そちらへ寄ることもチラッと考慮しましたが、その時点では時間的余裕が不明であったので先へと進みました。天候は上々で登っていると汗ばむくらいでしたが、やはり冬、ちょっと日陰になったり風が吹くとあっという間に冷えました。

北方面への展望 最奥には牟岐大島・出羽島

蛇谷林道・標高800m付近
 標高900mあたりになると北側(道が曲がりくねっているので、当初は西側で土佐湾かと思っていた)の視界が開けて、牟岐大島出羽島などの徳島県南の海岸線が望め始めました(写真下左、肉眼ではもっとはっきりと大島や出羽島が見えます)。
 さらに、標高を稼いでいきます。事前に地図をあまり詳しく調べていなかったので、最高地点はおそらく800mくらいと思っていたのですが、結局、野根山街道・装束峠近くの電波塔付近では標高1000mを越えていました。

蛇谷林道最高地点へ、後少し

蛇谷林道最高地点から、剣山方面
 この蛇谷林道・須川林道合流地点付近からの眺めは最高。峠(小さな切り通しがある)からは、北へ上述の徳島県南の海がさらに良く見えます。峠を南に少し下り電波塔への登りに入ると、今度は南西・土佐湾を一望。さらに、登り時には気付かなかったのですが、振り返ると重なる山並みの最奥には冠雪の剣山山系の姿が・・・!

眼下に田野町、そして土佐湾を一望

北東方向への展望
 それにしても標高1000mというのに快適といっていい気温(この日徳島市内では雪が舞っていたとのこと)。やはり冬は南に向うに限る、と思った一日でした。電波塔直下が最高地点ですが、周囲に雑木が茂っていて見晴らしはほとんどありませんでした。ちょっと西へ進んだ所に「四国の道・野根山街道・装束峠」への連絡路があったのでそちらへ進んでみましたが、とても乗車できそうにない道であったので引き返しました。眺めのいいポイントまで戻って大休止。

野根山街道・装束峠付近

宿屋杉・自転車と比較で大きさがわかりますか?
 今度は、引き締まった須川林道の地道を快調に下ります。まもなく「宿屋杉」の標示を見つけ、林道から笹の繁った山道を半ば担ぎで「四国の道・野根山街道」へと向かいました。程なく「宿屋杉」に到着(写真↑↓)。事前にHPで調べたり、前週に走ったと言う高知のM氏からのメールで宿屋杉の存在を知り、ここへは是非訪れてみたいと思っていました。解説によると昭和9年の室戸台風で上部の幹が折れてしまったとのこと。案内板の裏には、在りし日の大木とともに大勢の人が並んだ写真が掲示されていました。推定樹齢1000年と屋久杉並み。写真のように、幹の根本は空洞になっており、4、5人はゆっくり出来る広さ。実際、その名のとおり一夜の宿とも利用されていたそうです。なんとかその大きさを伝えられる写真を、何枚か撮ったのですが、いまいちばかり。

宿屋杉、手前も左手も同じ木

野根山街道・照葉樹林間を走る
 宿屋杉に「四国の道・野根山街道」および須川・野川林道の地図があり、野根山街道と須川林道が交わる地点があることを確認。K氏としばし協議の末、その交差点まで野根山街道を走る(担ぐ?)こととしました。毎度のことですが、K氏とのツーリング時のアドリブコース取り相談は、いつも概ね意見が一致、そしてハズレがありません。
 ところが、街道は海に向かって下り基調だろうと思っていたのに、標高800m前後で結構アップダウンがありました。また随所に階段や枝打ちされた杉の小枝(時には倒木も)散乱していたりで、乗車率は50%以下。それでも、落ち葉に蔽われた平坦な部分(写真上右)もありました。旧藩所有林付近では、宿屋杉には比較にならないものの、なかなかの杉巨木が散見されます。また苔生した幹がとても美しかったです(そのいい写真を撮れず・・・)。苔もちょっと見ただけで数種類以上。いずれも微妙に異なる緑のトーンと小さいながらも様々な形態が目を楽しまさせてくれました。シクロクロスもこなすテクニックとスタミナを持ち、加えてフルサスのK氏に比べて、リジッドで技量も無い私は度々落車。何度か膝、脛を打つ羽目になりましたが、なんとか須川林道合流地点に到達。須川林道もほぼダ地道でした。ところが、こちらは日曜日にもかかわらず木材運搬のクローラーが数ヶ所に入っており、前日の雨のせいもあるのか結構な距離に渡ってドロドロの泥状となっており、ちょっと閉口しました。舗装路に出ると一気に土佐湾・須川まで下りました。

野根山街道・三里塚付近

大平舟場林道西口・吉良川から室戸岬方面
 須川から室戸市・吉良川までは国道56号線を追い風に乗って、快調に走りました。しかし、私はややエネルギー切れで、35km/h以上で突っ走るK氏からは遅れる一方。それにしても土佐湾は春らしい明るさでした。
 吉良川・東の川から、左折して大平舟場林道を登りました。10数年振り、といっても前回の記憶はほとんど無し。かろうじて峠付近に産廃用と思われる広場があったのと、峠を含めてあまり見晴らしも良くなかった印象が残っているくらい。実際に走ってみると、東の川に沿って緩やかに登る道でした。民家も記憶していた以上に結構奥までありました。交通量はほとんどなく、走りやすい道です。しかし、走行距離も90キロを越え疲労もかなり蓄積していたので、ペースダウンで淡々と登りました。追い風のおかげで、なんとか標高差400mを登って峠へ。10数年前峠付近は地道だったと記憶していましたが、道は結局全線舗装となっていました。

大平舟場林道 峠

大平舟場林道から佐喜浜を望む
 佐喜浜からスタート地点・宍喰までは25キロ余。ほぼ平坦道ですが、冬型の気圧配置から正面もしくは左前方からの向かい風を覚悟していました。しかし、どう言う理由か、弱い追い風。ここでも疲れを知らず快調に飛ばすK氏に遅れをとりましが、なんとか日没前に出発地点にゴールすることができました。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

ツーリング四国へ戻る  TOPに戻る

inserted by FC2 system