高仙山、女体山・矢筈山周辺の道  (附 林道長尾谷鈴竹線)
 高仙山には何度か訪れていますが、何故かいつもこの9月から10月初めの季節です。県道148号線から分岐して山頂に至る道は急勾配の連続ですが、山頂から讃岐平野の眺望は登りの疲れを癒して余りあるものです。一方、女体山・矢筈山初訪は、かれこれ10年以上も前・立春の午後。香川県というので予想もしていませんでしたが、標高400mを越えると雪と氷の世界となり、特に下りとなった北面の道路は凍結のため半分以上乗って走れませんでした。しかし、山頂付近からの高松、瀬戸内海方面の眺めは、高仙山同様予想を遥かに越えた素晴らしい眺めでした。今回、記憶を新たにする&より正確で新しい情報を把握することも目的に、2012年9月22日・29日に高仙山・女体山近辺を再訪してきました。下の地図は9月29日のものです。 (2012年 9月30日 記)

高仙山山頂から北へ、左に屋島、右に五剣山、奥は直島 (2006年9月)
コース  板野−大坂峠−引田−中尾峠−高仙山−女体山−カメリア温泉−星越峠−大坂峠−板野
走行距離   約125キロ   積算標高 2300m
最高地点   女体山山頂付近(標高約750m) 高仙山(標高620m) 
走行日   2003年2月4日 MTB、2005年10月9日、2006年9月2日、2010年10月2日、2012年9月29日 ロード 
 この日は、高仙山と女体山、それにその周辺の田舎道の再確認を、という目的で走り始めました。定番の県境大坂峠を越えて、引田から県道40号線〜国道377号線、途中から白鳥温泉方面・中尾峠(ここも雑木林の中を走る好みの道です)を経て大窪寺へ。竹屋敷で国道を外れ、力石で再び国道377号線へ出て少し後戻り。高仙山の道路標示がある県道148号線へと左折し北上します。高松方面へ抜ける峠少し手前(南側)の小さな集落と水田があるところで、高仙山に向って左折(西方向へ)します。道の反対側にある小さな表示を見逃したら、分岐部は初めて訪れる人にはわかりにくいかと思います。

山頂へ向う道は凍結 (2012.02.18)

山頂から北東へ、海の向こうは小豆島 (2006.09.02)
 ここからは、一気に勾配がきつくなります。入口付近に凍結注意の看板がありますが、事実2012年2月に訪れた時は、山頂への分岐部から凍結で断念したことがありました。距離はさほどでもありませんが、県道148号線広野から県道263号線へ抜ける道は、その峠手前で20%弱の勾配。峠を少し越えたところから山頂に向う道に右折するのですが、これまた20%弱の勾配のところがあり、大部分は14%前後となかなか手強い登り坂です。

山頂から北へ、高松市街と女木島方面 (2006.09.02)

山頂から北西へ (2006.09.02)
 途中の展望は、ほとんどありません。しかし、山頂(小さな公園とキャンプ場、それに季節には営業しているらしい「うどん」の表示のあるお店と管理事務所があります)を越えて少し北側に進んだところからは、讃岐平野から備讃瀬戸の大展望が広がっています。靄がかっている時が多く、なかなかすっきりした日には廻り合えないのですが、2006年に訪れた時は比較的いい条件でした。上の写真のように高松市街は手に取るように、讃岐平野一望は当然、東は播磨灘を経て赤穂方面(本州)、その手前には小豆島、北は備讃瀬戸の向こうに鷲羽山から水島工業地帯も手に取るように見えました。西へ転じると、五色台から城山、讃岐富士・飯山、遠くは大麻山から庄内半島・紫雲出山まで可視。鳥瞰大好きの私にとっては、たまらないポイントです。

県道148号線沿いのため池にて (2010.10.02)

県道148号線沿いにて (2010.10.02)
 上述のように、高仙山を訪れるのはなぜかこの季節ばかりですが、おそらく夏の暑い時期にはとても登れたものではないでしょう。今回も比較的気温が上がらず(最高気温24℃)快適でした。季節柄、いたるところで彼岸花が満開。萩の花も咲き始め、どこからかキンモクセイの香りが漂ってきました。県道148号線も263号線も随所で改良拡張工事が行われていますが、交通量はほとんどなく、旧道の残っているところは勾配も緩やか、周囲の農村風景も穏やかでサイクリングにはもってこいの道です。昨日は刈入れの終わった水田を一頭のイノシシがノンビリと歩いていました。

矢筈太郎兵衛林道から大窪寺方面 (2012.09.22)

矢筈太郎兵衛林道、カメリア温泉方面分岐部 (2012.09.29)
 県道263号線を南下すると、清水峠のすぐ北側で国道193号線に合流です。交通量の多いこの道をすぐに左折して国道377号線に戻り、大窪寺まで。ここからは先週に続いて矢筈太郎兵衛林道を登りました。
 写真:上右の分岐部からは、先週は左方・女体山・矢筈山方面へ進みましたが、今回は右手・カメリア温泉(門入)方面へと下りました。いつのことか記憶が定かでないのですが、K氏らの練習会に初めて参加させていただいた頃、門入ダムから細い田舎道を進んで南下すると、ここへ出たことがあります。女体山のこの道は既に知っていたので2003年以降ですが、2012年の早春に門入側からこの道を目指したところ、カメリア温泉の南で直進する道はすぐに荒れ果てた地道でとてもロードでは走れそうにない。右手には2本に分かれる道があったのですが、記憶はまっすぐに進んだようにしか残っていなかったので引き返しました。 

矢筈山登山口下から、北東方面 (2012.09.22)

矢筈太郎兵衛林道から北へ下る道にて (2012.09.29)
 今回は、カメリア温泉の表示に沿って逆方向に進んでみました(長尾谷杖立林道との表示がありました)。地図上では、門入から直進の道は繋がっておらず、手前で大きく西側に迂回しています(結局、地図上の道を進んだ)。下り始めると、下記・長尾谷鈴竹林道の分岐と思われるところを確認。そこを左折して下っていきましたが、クルマはほとんど通らないと思われ、路面には落ち葉や小枝、小石が散乱していました。路面状況はともかく、周囲は結構大きな樹もある雑木林で、なかなか気に入る雰囲気がありました(写真:上右)。途中で、今度は一匹のウリ坊と遭遇。
 下りながらどうも地図上の西方向へ進んでいるようだと思っていると、間もなくカメリア温泉右折の表示(帰宅後地図で確認すると小倉という付近)。また道が登っています。予想外に山腹をトラバースする道です。やはり昔の練習会の時の記憶には全くない道でしたが、みんなについていくのが精一杯で記憶に残っていないのかもしれません。カメリア温泉までの距離も出ているので間違いないだろうと、もうひとつ小さな峠を越えて降りたところは、春先に撤退した分岐部・右手北方向、3本のうち一番違うだろうと思っていた道でした。

南川・医王寺付近にて (2012.03.10)

県道2号線から県道264号線 峠にて (2012.03.10)
 ちょうど門入に出たところで、予想より早く雨粒が落ち始めてきました。ここからは小さな田舎道(医王寺方面〜県道264号線〜県道2号線・八幡神社〜水主)横走の予定でしたが、医王寺まで走ったところで本降りになってきたので、予定変更。そのまま県道10号線へと出て、星越峠経由で帰ってきました。写真:上の2枚はいずれも2012年早春に走った時、今回の予定とは逆走です。八幡神社からの道は、やや急勾配。数件見かけた家屋は、ほぼ全てが廃屋でした。交通が途絶えた道は、かなり荒れていました。峠の切り通しを越えると、少し北方面への展望が広がる部分もあり、こちら(峠の西側)にはかなり奥まで民家があり、現在も農作業などが行われていました。

高仙山山頂 北の展望台にて (2005.10.09)

高仙山山頂 北の展望台にて (2005.10.09)
 ところで、改めて確認したところ、高仙山への初訪は2005年10月のことのようでした。この時は、みんな集まってのサイクリングというより練習会に近いものでした。大窪寺までコースは決まっていたのですが、その後は未定だったので以前から気になっていた高仙山を訪れることを提案し、みんなに了承していただけた次第です。おそらく全員初めての道だったと思います。高仙山への登りは上述の通りきつかったのですが、山頂からの眺めは疲れをふっ飛ばしてくれました。

 女体山を初めて訪れたのは、2003年2月。この日は、五名ダムから少し東に下ったところからスタート。まずは、国道377号線を大窪寺に向かいました。五名ダムから国道377号線でなく五名に至る山道を確認していたので、そちらを走るつもりだったのですが「工事中・通行止め」でした。後日、その道を進んでみたのですが(2009年2月8日)、後述のように五名ダム側は崩落もひどく、おそらく現在では完全な廃道となっていると思われます。
 また鈴竹というところから、地図上では女体山方面へ林道らしき道があるようだったので、注意しながら走ったのですがよくわかりませんでした(2005年12月に再訪、下記)。 大坂峠という標高300mくらいの小さな峠を越えると、右折して五名トンネルを抜けます。そこからしばらく、最近までは一車線の田舎らしい道でしたが、随所で拡張工事が行われ、先日はトンネルも開通して味気ない道になりつつあります。

標高700m付近にて

女体山展望台入り口
 前置きが長くなってしまいましたが、女体山方面へは、大窪寺(四国霊場88番)から北へ矢筈太郎兵衛林道に入ります。大窪寺の背後に座する矢筈山・女体山は北面から見ると、かなり切り立ったよう岩肌に登っていく道路が所々で確認できます。道は崖にへばりつくようにあるのかと思われましたが、そうでもなく展望が広がる部分もさほどありません。勾配は2.6kmで標高差200mほど。
 この日は、標高を稼ぐに従って日陰となるコーナーでは所々に雪が残っていて、一部凍結して降りて押さなければならない箇所が出てきました。始めのうちこそ楽しんでいたのですが(南国育ちなので、未だに雪を見ると心が弾んでしまいます)、次第に雪の切れ目がなくなってきて・・・。標高700m付近になると、道路は完全に雪に覆われてしまいました。「山頂まで600m」の表示を見つけたので、押してでも十分登れると確信して押しの一手となりました。こんな道ですが、自動車の通った轍に加えて、ハイカーでしょうか?人の足跡がいくつかついていました。さすがに自転車のタイヤ跡と思われる轍はありませんでしたが。

女体山展望台への歩道

標高700m付近から北東方面
 表示通り、約600mで女体山展望台入り口に辿り着きました。展望台までは標高差20mくらいでしたが、上の写真のように急な階段の上、積雪10cmほどであったので徒歩で登りました。
 頂上の展望台は、南側(阿讃山脈)が見渡せる第二展望台と北側(瀬戸内海)が見渡せる第一展望台の二つが約50mほど離れてありました。もう少し気象条件が良ければさらに見晴らしが良かったのでしょうが、それでも特に北側、讃岐平野と瀬戸内海の眺めは予想以上のものでした。上の4枚の写真は、2003年2月のものです。
 今回(2012年9月29日)再訪して確認してきましたが、カメリア温泉との分岐部以降は山の北面を走るとばかり記憶していたのですが、一部何面を走るところがありました。また女体山山頂からは矢筈山の登山口にかけて緩やかに下った後は、上述のように冬場は凍結も多いと思われる北面の谷沿い。急勾配です。大窪寺からこの北面の道を下って県道3号線に前山ダムの上流で合流するまでのこの道は、交通量が少ないため、路面はそこそこ荒れています。

五名旧道・峠のトンネルにて

五名ダム側は随所で崩落
 上の写真2枚は、五名JAの建物やや大坂峠寄りから右折して、五名ダム方面に抜ける旧道?です。2009年の2月に訪れました。以前から地図では確認して興味があったのですが、いつも通行止め。日曜日だったので、誰もいないだろうと進んでみました。五名JA側からは、緩やかな登りで、峠のトンネルまでは乗車可能でした。しかし、五名ダム側は一変。東方向に展望こそ少し開けるのですが、道は荒れ放題の上に何ヶ所か崩落。かろうじて通ることができましたが、途中に民家もなく、おそらく修復されることもなく廃道になるのではないかと思われます。

林道長尾谷鈴竹線にて

まだまだ道の条件がいいところにて
 上の2枚の写真は、林道長尾谷鈴竹線。日下峠を下ってきて、国道377号線を香川大坂峠に登り始める手前で西へ伸びています。この道も地図で女体山方面に通じているように確認していたので、2005年12月に進んでみました。国道には路肩にもほとんど積雪を見なかったのに、谷沿いの林道に入ると、上記のように深い雪。おまけにかなり荒れていました。冬場だったので枯れているものの草木が道の両側から容赦なく立ち塞いでいます。もう進むのはやめようか、いや地形からはもう少しで女体山への道に合流するだろうからと、なんとか気持ちを奮い起こして進んだところ、後少しというところで大崩落。道の向こう側は確認できず、担いでもとても通れそうにありませんでした。ここまで進んだのに残念でしたが、無念の引き返し。2012年9月29日、女体山側から合流部を確認しましたが、合流部から荒れ放題。おそらくこの道も修復されることなく、廃道になるものと思われます。

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