大川嶺・笠取山  上林峠、四国カルスト
大野ヶ原〜四国カルスト〜笠取山・大川嶺  2013
 5年振りに大川嶺・笠取山を訪れてきました。欲張って一緒に回ってきた四国カルストも、もっと頻繁にやって来ていると思っていたのに4年振りでした。3連休の中日、天気は全く心配ない予報でしたが、前日やや靄っていたので、この日も遠望はあまり期待できないだろうと思っていました。ところが、予想に反して大気の状態は良好だったようで、四国カルストからも大川嶺・笠取山からも絶景を楽しむことができました。瓶ヶ森林道より劣ると前述(下記)したのは撤回です。距離こそ短いものの、360°の大展望は瓶ヶ森林道と比べても全く遜色なし。前回は霧のため、その良さをどれほども体感できていなかったようです。今回は、前回と逆コースで回りました。  (2013年10月25日 記)

笠取山山頂手前から東へ、左手奥が石鎚山、中央やや右手最奥が瓶ヶ森
 
コース 美川−大野ヶ原・四国カルスト−笠取山・大川嶺−美川
走行距離  100キロ   積算標高 2600m
最高地点  笠取山 (標高1525m)  
走行日  2013年10月13日  天候:晴れ  FELT F1
 早朝出発の予定が高速道路に乗ったのは午前6時20分過ぎと随分出遅れてしまいました。川之江からは片側2車線なので快走、松山ICを午前8時前に通過。この分だと午前8時30分くらいに走り始められるかと思いましたが、甘かった。デポ予定の美川までは、そこからさらに40kmほどもあったので、スタートは午前9時10分過ぎとなってしまいました。
 まずは、国道33号線を高知方面へ柳谷まで。柳谷は40余年前、初めてのサイクルキャンピングツーリング時に地元の方に大変親切にしていただいた思い出深いところです。カルスト方面への道は、ループ橋の新道に変わって当時の面影は皆無。幸いループ橋もその後のトンネル内も心配していたほどの勾配はなく、比較的気持ちよく走れました。それにしても来る度に道は新しくなっていて、地芳峠下はトンネルで高知県へ抜けられるようになっていたし、クルマで走った三坂峠も高規格道路のトンネルが抜けていました。

このポイントを過ぎると、大野ヶ原

大野ヶ原、県道383号線分岐部
 地芳峠への分岐部からは、国道440号線を右折して県道36号線を野村町方面に向かいました。このコースを辿るもの、なんと9年振り。大野ヶ原手前のこの道、途中からずっと広葉樹林が広がっていたとの記憶はいい加減で、そんなところは大野ヶ原の手前2kmばかりでした。それより手前は大部分が植林されたやや暗い道で、あまり見所はありませんでした。
 それでも、最後の2kmほどは右手に広葉樹林の中を仁淀川の支流・高野川が緩やかに流れていきます。谷沿いの道からつづら折れを3つほどこなして左上の写真ポイントを過ぎると、一気に広々とした草原風景に変わりました。毎度のことながら「ああ、やってきて良かったなあ」と思う光景です。その草原状の高原牧草地を、ノンビリと走りました。県道36号線から県道383号線への分岐まで、スタート地点から約34km、積算標高1000m、ちょうど2時間でした。

源氏ヶ駄馬への道

源氏ヶ駄馬から、西へ野村町方面
 そこから、いつも素通りしていた源氏ヶ駄馬方面へと向かってみました。山頂付近に建物が見えるので、そこまで走っていけるものと思っていたのですが、一般車は途中までで進入禁止でした。山頂まで登れば南側の展望も広がるだろうと思っていたので、ちょっと残念。しかし、大野ヶ原全体を一望はもちろん、その向こうには石鎚山も見え、西側には野村町方面への展望も広がり、これから向かう予定の五段高原方面も一望と、やはりちょっと登っただけで眺めは一変しました。

源氏ヶ駄馬から東、四国カルスト五段高原

大野ヶ原、遠くに石鎚山
 源氏ヶ駄馬から下って少しばかり登り返すと、後は地芳峠まで緩やかな下りです。この区間は尾根南側を走ることになるので、高知方面の展望が広がります。条件がいいと土佐湾も見えると思いますが、この日この時点では確認することができませんでした。高知の山々の重なりも、際立った峰があるわけではありませんが、青い墨絵を思わせるなかなか落ち着いたいい雰囲気でした。地芳峠からは、再び登りです。振り返ると走ってきた道が随分と下方に見えました。

四国カルスト・五段高原が近づいてくる

振り返ると、走ってきた道
 地芳峠から姫鶴荘まで、3kmほどで標高差200mの登りです。姫鶴荘付近は、3連休中日とあって観光客多数。それでもすれ違うクルマはさほど多くはありませんでした。五段高原にある2基の風力発電風車、東側の1基はこの日点検中だったのか巨大なクレーン車が横付けされていました。通常よりも遥かに大きなその作業台に乗った人の姿と比較すると、周囲の広大さでわかりにくい風車の巨大さが再認識できました。その下を走る尾根沿いの道路、前回はまだ1車線だったのに、今回は大部分が2車線化されていました。

風力発電風車とクレーン車

五段高原から、笠取山・大川嶺方面
 しかし、緑の草原に点在するカレンフェルドの白い岩が映えるカルスト風景は、なんら変わることがありません。ここから北には、これから上る予定の大川嶺・笠取山が、谷ひとつ隔てたところに、カルスト以上に広そうに見える平らな草原風景を呈していました。

五段高原途中から西へ、源氏ヶ駄馬(中央最奥)

眼下には、高知県側の山村集落
 さらに進んで、五段高原の最高地点に近づくと展望はさらに広がります。近くの草原では、牛たちがノンビリと草を食べています。南側直下には、小さな山村集落がふたつほど見えました。その南の尾根には、梼原の風力発電の風車群が並んでいます。さらに東側には、高知市から野市方面と思われる海岸線がうっすらと見えましたが、写真ではいずれもはっきりしませんね。大気や光線の条件が良ければ、室戸方面まで見えるのではないかと思われました。

ちょっと確認しにくいが、尾根には梼原の風力発電風車群

写真ではわかりにくい、高知・野市方面と土佐湾
 五段城付近のピークから振り返るとカルストから大野ヶ原方面を一望することができます。個人的四国カルスト一番のお気に入りポイントです。四国カルストには5回目の訪問なのですが、これまでで一番展望に恵まれました。

五段城付近から、西へ
 五段城のピークを過ぎると、西側の展望はなくなります。天狗高原手前には、一面ススキの草原。ここからは下りとなりましたが、途中の天狗トンネル、短いものの中は真っ暗でした。何度か通っているはずですが、これほど暗かったという記憶が残っていません。大野ヶ原から尾根沿いの道を走りながら、ずっと北東方向に見え続けていた中津明神山と石鎚山。方向と距離の関係から東に進むとだんだん二つの峰が近づいてくるだろうと思っていた通り、天狗高原手前で、ほぼ二つの峰が並びました。その後、大川嶺・笠取山方面からも、この二つの山は方向を変えて見続けることができました。

姫鶴荘付近から、五段高原

石鎚山(左手奥)と中津明神山(右手中)
 天狗高原からは県道303号線で国道440号線・高野方面まで一気にダウンヒル。再び国道440号線に戻って少し下ったところから、県道328号線へと左折です。この道は5年前に下ってきているのですが(下記)、山頂直下の広葉樹林が素晴らしかったという印象ばかりが残っていました。しかし、反対側から登ってみると、こんなにもきつかったかなあ、見晴らしもないなあ、木々も植林の杉ばかりだなあ、という道が10km余にわたって続きました。この日の走行距離は、ここまででまだ65kmほどしか走っていなかったのですが、既に疲れて時速6km前後のヨタヨタ走行でした。そんな中、横を流れる仁淀川支流・茗荷谷川の時に見える澄んだ流れが、唯一の清涼剤でした。

茗荷谷川の流れ

山頂までもう少し、漸く広葉樹林が現れた
 県道328号線の分岐から少し走ったところで、大川嶺まで14kmの表示がありました。しかし、一桁ヨタヨタ走行のため、なかなか距離が縮まりません。結局、笠取山までの標高差ほぼ1000mに、当初は1時間半くらいで登れるかと思っていたのに、2時間近くを要しました。後4km付近から、漸く記憶に残っていた広葉樹林が広がってきました。紅葉にはちょっと早かったのですが、ブナなどの大樹が折り重なる光景は、疲れた心と体に一抹の元気を与えてくれました。

空には、上弦の月

南には、鳥形山
 よく知れ渡って観光客の多い四国カルストと異なり、大川嶺・笠取山はマイナーなのか、この14kmほどの登りですれ違ったクルマは3台ばかりでした。しかし、後日松山在住の知人と話したところ、いずれもなかなか人気がある山なので人が多かっただろうと言われました。おそらく山頂付近到着が15時過ぎだったので、ほとんどのハイカーは帰宅の途に着いた後だったのかもしれません。見上げると、東南の空には、上弦の月がうっすらと。振り返ってみると、登ってきた道の向こうには、白く真平らの山頂が特徴的な鳥形山が姿を現していました。それにしてもこの鳥形山、四国カルストのすぐ隣なのですが、カルストからはほとんど見ることができません。天狗高原の山影になるのでしょうか?

色付き始めたばかりの山肌

笠取山への道
 県道328号線から笠取山へ向かう分岐点に到着したのは、15時頃。ここからデポ地までは下りだけなので、まだ少し時間的余裕があると思われました。そこで、前回は霧で断念した笠取山へ向かってみることにしました。進んでみると、いや、もうこれが大正解、絶景の連続でした。標高差は僅かでしたが、それでも登るに従ってどんどん展望が広がっていきます。振り返ってみると、たった今走ってきた草原地帯の向こうに、石鎚山系の山々が鎮座しています。

笠取山から、四国カルスト・五段高原

左手奥・石鎚山、右手奥・瓶ヶ森
 尾根の南側を走る道は、先ほど四国カルストから高原状に見えていた辺りです。さら進むと、左手には先ほど登ってきた四国カルスト・五段高原が、ちょうどカルスト側からと反対の条件で見えました。大きな風力発電風車はもちろんのこと、姫鶴荘の建物まではっきりと確認できました。東南方向には、中津明神山が独立峰然として聳えているのがみえます。ここはまだ未踏なので、近いうちにぜひ一度登ってみたいものです。

石鎚山

笠取山から、中津明神山
 笠取山までの道は尾根の南側ちょっと下方を走っています。山頂手前には広場があり、山頂はすぐ目の前でした。残念ながらロードシューズだったので、歩いても10分少々と思われる山頂まで登ることは諦めざるを得ませんでしたが、尾根筋まではなんとか登れそうだったので進んでみました。すると、予想通り、北側には瀬戸内海・伊予灘方面の海が見え、浮かぶ島の向こうには、おそらく柳井付近と思われる本州もうっすら見ることができました。山頂まで登れば、さらに西側の風景が広がったと思われるだけに、歩き用の靴準備、もしくはMTBシューズでやってこなかったことを後悔しました。

上林峠方面? 奥は高縄半島の山々

北北西には伊予灘、柳井方面まで見えた
 さらに北東方面には、上林峠を下ってきた辺りでしょうか?山間の少し開けた谷に、畑や集落が見えました。奥に見えるのは高縄半島の山々と思われます。ほぼ360°どちらを眺めても飽きない展望でした。特に東方向の眺めが、個人的にはお気に入り。東方面に続く山々には、剣山山系も含まれているのではないかと思われました。何の予備知識も持たずに全く地図で山頂付近まで道がついているようだというだけでやってきた5年前(下記)も、霧で視界が悪かったものの、いいところだなあと思ったのですが、天候が良ければここまで素晴らしい展望が広がっているとは。

大川嶺付近から、四国カルスト

笠取山、全景
 上述のように、県道328号線から笠取山への道は、距離こそ3q弱と短めですが、瓶ヶ森林道にも決して劣りません。なだらかに広がるクマザサにススキを混じえた草原のなだらかな山容も、開放的な空間をさらに演出していました。上述のようにハイキングなどの歩いている人も数人のみで、この広大な展望をほとんど独り占めしたような気分でした。そんな素晴らしい山容、どこをどう撮ったら、その広々した様相を伝えることができるかと様々にカメラを構えて見ましたが、全くだめ。上に載せた写真は、この日100枚ほど撮影した一部ですが、本物の良さは1/10000も伝えられていません。この記事を見て、行ってみようかと思われた方、百聞は一見にしかず、ぜひ足を伸ばしてみて下さい。ちょっと四国離れした光景に、必ず満足していただけることと思います。
 本当に見飽きない光景でしたが何時までも留まっているわけにもいかず、後ろ髪を引かれる思いで笠取山を後にしました。後は美川方面にデポ地まで、10数qを一気に下って、一日が終了しました。あっ、その後230qほどクルマで走って帰宅で、本当の一日終了。

上林峠〜大川嶺〜小田深山  2008
 いつだったかはっきりと記憶していませんが、地図を眺めていて、なんとなく独立峰に近い感じで山頂近くまで道が通っており眺めが良さそうだと気付くまで、大川嶺の存在は全く知りませんでした。それから間もなく、盟友・K氏を誘って当地を目指すことになりました。
 結論から言うと、想像していたよりずっと広々とした視界が広がり(当日はやや靄と雲がかかっていましたが)、ほとんど何の情報も持たずに訪れたのですが、思ってもみなかった展開に大満足でした。前後に走った道も穏やかな山村風景に加えて交通量も極めて少なく、みなさんにお勧めのコースがまたひとつ増えました(愛媛在住の方には定番かもしれませんが)。愛媛には知らない、いい道・場所がまだまだ沢山ありそうです。

標高1300m付近、前方が大川嶺
コース 東温−上林峠−久万−大川嶺−小田深山−広田−東温
走行距離  125キロ   積算標高 3200m
最高地点  大川嶺(標高1525m)
走行日 2008年 9月23日 天候:曇り時々晴 PINARELLO PARIS
 午前4時半起床で、出発。途中乗車のK氏から前週に行われたマスターズの話(K氏、年代別優勝です)を聞きながら、松山道を西へと進みました。デポ予定地の東温市役所に到着して、午前8時に走行開始となりました。

 まずは上林峠を目指します。この年3月、ちょっと立ち寄った道ですが、凍結のため途中で断念しました。その際にデポ地は東温市役所駐車場が適当だと決めていました。上林峠までの道、その時はあまりきつい勾配だったという印象が薄かったのですが、以前の記憶が当てにならないのはいつものこと。思っていたよりきつく、途中の右折ポイントも忘れていました。
 K氏は「徳島の山道と比べて愛媛の道は格段にきれい」と、しきりに感心します。確かに道路の舗装状態は徳島の山道よりずっと良く、山斜面の田園風景も、山がずっと急峻な徳島と比較すると、なんとなく余裕があるように見えました。二人とも体調はあまり良くなかった(K氏曰く、マスターズ優勝は全く予想外だったとのこと)ため、スピードは10km/h前後でワイワイ喋りながら登りました。峠のトンネルには予定通り1時間半(16km・標高差800mほど)で到着しました。トンネル手前からは、上林付近の棚田や松山市内を見ることができましたが、靄がかっていて海まで確認することはできませんでした。

上林峠への途中から、整備された畑と道

上林峠トンネルにて
 トンネル(比較的明るかった)を抜けると陣ヶ森山頂に向けての道がありましたが、完全な地道だったのでパス。久万高原町へと下りました。この久万高原町の山村風景がまたとても情緒があって良かったです(写真なし)。ちょうど稲刈り前後でしたが、水田と純日本風の農家・冬に向けて軒下に積み重ねた薪の姿など、まだまだ一昔前なら当たり前にあった日本の風景が身近に残っていることに、ちょっとばかりうれしくなりました。またこの辺りだけを巡って、ゆっくり再訪してみたいと思います。中野村でちょっと迷った以外は、ほとんどクルマが走っていない県道153号線を快調に南下して国道33号線に合流。ここから数キロ、やや下り基調の道を、不調というK氏が40km/hで快走するのをなんとか追走しました。
 御三戸嶽を過ぎてすぐ「美川スキー場」の表示にしたがって右折すると、再び登りになります。登りになった途端、再びサイクリングモード。時速10km/h前後でゆっくり。登り始めから7〜8%前後の苦手な勾配が続きます。途中、大谷集落付近では一時的に緩やかになりましたが、後半もそこそこの勾配でした。最終的には、17kmで1100mの標高差だったので、6.5%くらいです。美川スキー場があるためか、道は2車線区間が多く広く良好ででした。交通量はほとんどないといっていい状態でした。おそらく東方向には石鎚山が見えるはずなので、何度も振り返ってみましたが、残念ながら靄で遠望は効きませんでした。

大川嶺、山頂近く

漸く少し緩やかに
 標高1300m辺りでは、ほぼ稜線に近づいてきました(トップの写真)。周囲の状況は、森林限界とはちょっと異なるようですが、放牧場があることが示すように、高木の無い草原地帯となりました。
 大川嶺から笠取山付近一帯は、塩塚峰の一面のススキ原でもなく、四国カルストには広大さと独特のカレンフェルドにかなわず、瓶ヶ森林道にも劣りますが、独立峰に近い180度の展望はなかなか魅力があります。残念ながら、この日は靄と写真のように雲もかかっていて遠望は効きませんでしたが、いい気象条件に恵まれれば、素晴らしい展望が広がることと想像できました。私同様、全く事前知識なしに訪れたK氏も十分に満足していただけたようでした。登る途中には、アサギマダラ数匹が滑空するのに遭遇。また道端には自生のリンドウが可憐な花を咲かせていました。昼食休憩の後、最も標高の高い笠取山方面への道へ向ってみましたが、どんどん雲が流れてきて雨の心配が出てきたので、持ってきた服を全て着込んで下りへと向いました。

最高地点の少し手前にて

笠取山方面
 ここから柳谷方面に向かって下る道の周囲が、また見所満載でした。横手に沿う茗荷谷川の流れも爽やかですが、周囲が落葉大樹林です。これは峠の東側とは全く異なっていました。木々は大きいものが多く、徳島では落合峠の1400m付近や剣山スーパー林道の高城山付近にも匹敵すると思われました。残念ながら、その姿を十分お伝えできる写真がありません。紅葉や新緑を想像するだけでも楽しくなってきます。このコース、今回私達が走ったのと反対に回られることをお勧めします。久万側には柳谷側にはない展望はありますが、このような樹林は全くありません。道路は1車線ですが、交通量が相変わらずほとんどないので、とても走りやすいです。スタートしてから、ここまでの40kmほどで、出会ったクルマは数台、信号は皆無でした。

大川嶺西側に広がる広葉樹林

小田深山渓谷
 下りきると国道440号線に合流、そこから1kmばかり走ると右折して県道52号線を黒川に沿って遡ります。この道は、以前にK氏平キンちゃんほうじが峠を越えて下ってきたこともある小田深山渓谷に繋がります。しばらくは5%程度の登り坂が続き、二つのピークを走った後では結構堪えましたが、その後は3%程度の緩やかな快走路となりました。この道も、これまで同様、ほとんど交通量が無く、横を流れる黒川の水と周囲の緑が美しく、やはり新緑や紅葉の頃に是非再訪したいコースです。以前走った時にも気付いていましたが、落葉時に混ざって大きな針葉樹も繁っています。川沿いを離れると杉などの植林がなされていますが、こちらもよく間伐され手入れが行き届いていました。
 営林署で、ほうじが峠との分岐。ここから左方向・小田深山スキー場方面へと向いました。本日3つ目のピーク獅子越峠です。道とともに黒川も分岐して二つの支流に分かれ水量は減りましたが、川床は道路面より1m程度しか低くなく、緩やかな流れに落葉樹林が水辺から植生する姿は、あまり四国ではお目にかかれない風景でした。獅子越峠・スキー場手前では少しばかり勾配がきつくなりますが、この道もサイクリングにはぴったりのコースです。獅子越峠からは、これから下っていく予定の小田の町並みが眼下に一望できました。下り始めてすぐ、河辺方面へ向う道の分岐(地図で事前に確認しており、余裕があればこちらへ進むことも考えていた)を見つけましたが、結構荒れており「通行止め」の表示が出ていたので、素直に小田へと下りました。標高差800mほどを12kmで一気に下り、道の駅で小休憩。

獅子越峠から、小田町中心部を見下ろす

県道241号線・旧上尾峠
 道の駅から数km走ったところで、右折。国道379号線で松山方面へと向いました。肘川支流の田渡川に沿って遡るこの道は、K氏によると10数年前愛媛センチュリーランで走ったことがあるそうです。現在は集落を回避するように道が拡張され、当時の面影があまりないとのことでした。登り基調ですが、緩やかなのでへたりきった脚でもなんとかそこそこのペースで走れました。
 広田村のとあるところで、自転車乗りが3人休憩していたので声をかけて通り過ぎたところ、K氏が「あれっ、Hoさんだ」と叫んで引き返しました。私も何度か一緒に走ったことのあるHoさんは、転勤で松山在住(その後再び徳島に転勤されていました)。いやあ、やはり四国は狭い?
 さて、この日最後の峠・上尾峠へと進みます。勾配は緩やかで、旧道が随所に並行して走っています。いよいよ峠が近づいてきたところで、K氏と意見一致、トンネルを跨ぐ旧道へと進路を取りました。旧道は使用されなくなると一気に荒れてくるのですが、ここは土砂採掘場と峠に民家があったため往来があるようで、道もそれなりに維持されていました。峠付近からは、右手上方の高所に道が見えます。サレガ峠と思われました。思わず走ってみたくなるような光景だったです。またいつか走ってみたいと思います。峠から下ると新道に合流。道は広くなり、国道33号線と合流すると片側2車線となり交通量は一気に増えました。砥部で右折するとさらに交通量が増え、この日唯一のストレス区間となった県道23号線をゆっくり走って、出発地に戻ったのはちょうど17時でした。

 まだまだ、未踏の道が多い愛媛県西部。今回走ったのはほんのその一部ですが、地図上の想像を遥かに上回る景観に加えて、交通量は少なく、道もいい具合に整備されていて、とても魅力のあるコースでした。同じ四国内でありながら、徳島からだと京阪神より遠い地ですが、機会を作っていろんなコースを走ってみたいものです。

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