落合峠  (附  竜ヶ峡 水の口峠 松尾ダムへの道)


2012年 初夏
コース  旧三加茂町役場−桟敷峠−落合峠−落合−祖谷・出合−竜ヶ峡−水の口峠−井川−三加茂
走行距離   一周 約115キロ 
最高地点   落合峠(標高約1500m) 桟敷峠(標高約1000m) 水の口峠(標高1000m)  積算標高差 約2800m
走行日・天候   2012年 6月10日 晴れ ロード
 落合峠は、私がこれまでに自転車で走った徳島の道で、名実ともにNo.1と思っているところです。アプローチの道程、周囲(特に標高1300〜1400m前後)の広葉樹林、峠からの眺望、どれをとっても一級品と思います。おまけに、いくつかのルートを組み合わせると、徳島の名だたる他の峠や道も楽しめます。これまでに訪れたのは、ほとんどが新緑か紅葉の頃です。紅葉は、ほんの数日で条件が全く変わってしまうのですが、いつ訪れても「落合峠は裏切らない」というキャッチフレーズに相応しい感動を与えてくれる風景に出会えます。
 初めて訪れた1994年は、深渕から少し進んだところで「これ、本当に道なの」と驚くくらい、川底の岩がそのまま出ているようなところもあった荒れ模様(三加茂側)でした。なんとかそのまま進むと、その先は再び踏み込まれた比較的走りやすい地道になりました。当時から、峠の南側(祖谷側)は既に舗装されていました。北側(三加茂側)も2006年には完全舗装化されてしまったことが、ちょっと残念です。まあ、そのおかげでロードでも全く問題なく走れますが、最近はむしろ祖谷側の道路の痛み具合が激しいです。
 落合峠はあまりに思い入れが強いので、中途半端な記事は書きたくないのと、ここ数年毎年のように訪れ、その度に感激は増えることはあっても減ることなく、記録は増える一方でなかなかまとめられないままになっていました。今年も紅葉の季節が近づいてきました。なんとかその前にと、今後少しずつ更新してアップする予定です。  (2012年10月15日 記)

 2009.05.24  2009.10.31  2010.05.04  2010.10.31  2011.10.23  左記の記録は近日中にup予定
走ったコース
     
                                         新緑の落合峠を走る
 まずは、2012年6月に走った最新の記録からです。
 これまでにも随所で記載しているかと思いますが、私のHP&ブログの師匠であり、仲間とツーリングすることの楽しさを思い出させてくれたHANO氏とのツーリングです。


桟敷峠2kmほど手前、お気に入りの落葉松林


桟敷峠を越えて

 2002年に部署はちょっと異なりますが同じ職場で働いていたHANO氏が、ある日昼飯の席(職場の片隅で店屋物をかきこんでいるのが実際ですが)で一緒になった時「先日MTBを買って山を走ってきたんですよ、楽しかったなあ」なんて話始めたことがきっかけ。前年暮れにMTBを新調していた私も「じゃあ、一度一緒に走ろうか」ということで初めて同行したのが、2002年4月6日。行き先は、今回も後半に走っている水の口峠でした。


新緑の道を


新緑はどこまでもやさしく 1

 初心者とは言え私より10歳以上若いHANO氏がどんな走りをするのか戦々恐々でしたが、結果は他の人と楽しく走るサイクリング再発見、というのが的確な表現の一日となりました。その後、HPやブログについても、いろいろと教えていただきました。
 残念ながら2003年の春に遠方に転勤となってしまいましたが、奥様が徳島県出身とのこともあって年に一度は来徳され、その都度一緒に走るのが恒例となっています。


標高1300m、最も大樹に恵まれている付近


唯一ある小さな橋

 前置きが長くなりました。今年も来徳されるというので、一緒に走ることを計画。いくつかコースを考えましたが、いまやHANO氏との定番となった落合峠、やはりここを外すわけにはいきません。
 早朝、HANO氏に自宅近くまで迎えに来ていただき、旧三加茂町役場まで氏のクルマで移動。車中から2年分(昨年はいろんな事情で一緒に走れず)の話で盛り上がりました。


標高1300m付近を登るHANO氏


新緑の中を

 最近はランニング・マラソンに入れ込んでいるというHANO氏、1年近く自転車はちゃんと乗っていない、ということでした。しかし、お互いの力量を十二分に把握しているので、そんなことはお構いなしで、ワイワイ喋りながらゆっくりと登りはじめました。


新緑はどこまでもやさしく 2


木々も最も美しい季節

 この季節ならではの新緑を堪能することはもちろん、HANO氏との話も弾みます。仕事の話、職場の話、家族の話、そして共通の友人の話などなど、話は尽きません。暑くなく寒くなく、気象条件も最高でした。


落合峠まであと僅か


落合峠から三嶺方面

 肝心のサイクリングは言うまでも無し。写真は、ほんの一部。新緑の季節にも何度か訪れているつもりの落合峠でしたが、来る度に新鮮さがあります。余談ですが「落合峠は裏切らない」というキャッチフレーズは、当方が何処かにあった「・・・は裏切らない」から転用したと思っていましたが、最近自転車乗りに落合峠を案内する某パンフレットに、このフレーズが載っていたとかいう話を耳にしました。私以前に、語っていた人がいたのでしょうか?


いつかは、あの嶺に


手植えで田植え中、落合にて

 なんだかんだ言いながら、意外と早く到着してしまった感じの落合峠。いつもながら、三嶺方面の展望は雄大でした。ただ矢筈山方面の眺めは、やはり色彩豊かな紅葉シーズンがベストかと思われました。


山肌斜面に広がる 落合の集落


祖谷渓、谷底まで百数十m

 落合峠からは、祖谷方面へと下りました。落合集落付近では、ちょうど田植え中。近頃平地ではなかなか見られない手植えでの光景を見ることができました。山腹に点在する落合周辺の集落を遠望・満喫した後は、吉野川支流・祖谷川に沿って下りました。


中央の急勾配ケーブルカーがわかりますか?


有名な小便小僧、谷底まで200m弱

 かずら橋は人出が多いので、例に寄って素通り。この後、出合付近までの祖谷渓は、道路から川底までが200m近くと、なかなか迫力があります。県道45号線開通後は、かずら橋への主要道はそちらに移ったので、県道32号線は交通量も少なく快適です。この道を初めて走ったのは、1973年の夏。香川県から猪ノ鼻峠を越えてかずら橋まで往復。ハンガーノックになってヘロヘロになった記憶は、40年近く経った今でもつい先日のことのように鮮明です。


竜ヶ峡


竜ヶ峡沿いの県道140号線を走る

 祖谷渓を下って出合からは、県道140号線で竜ヶ峡・松尾ダム方面経由で水の口峠を目指しました。この道は2、3度走った記憶があると思っていましたが、道々HANO氏と話たところ、なんと2002年4月に初めてHANO氏を走った際に、水の口峠を越えた後、こちらに降りたとのことでした。私は、すっかり忘れていました。
 平面地図上では分かりにくいのですが、出合から松尾ダムまでは結構な標高差があります。竜ヶ峡は、切り立った断崖がとても迫力あるのですが、どうしてもその魅力を写真で捕らえることができません。ここもやはり紅葉のシーズンがよりいいかと思います。


水の口峠への道


新緑はどこまでもやさしく 3

 松尾ダムへの分岐から水の口峠までは、むしろ勾配が緩やかになります。特に後半は右手に緩やかな小さな水流があって、周囲の雑木林とともに川の源流を思わせる、四国ではあまりお目にかかれない景観かと思います。この付近も私のお気に入りの道です。


水の口峠手前にて


井川町、水の口峠から降りてきた付近の集落

 水の口峠からは、2002年のj記憶を辿るかのように県道265号線経由で井川へと下りました。途中に見られる山村風景は、2002年と遠目にはほとんど変わることなく映りました。

2008年 秋
コース   貞光−三加茂−桟敷峠−落合峠−落合−出合−竜ヶ峡−水の口峠−三加茂 (10月19日)  
走行距離   一周 120キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)  
走行日   2008年10月19日 晴れ ロード   2008年11月3日 小雨 MTB  (2008年5月4日 晴れ ロード)
 10月19日
 紅葉にはちょっと早いかと思われましたが、ベストと思われる翌週に諸事情で走れないま〜し〜さんK氏平キンちゃんの4人でこの年も秋の落合峠を走ってきました。サクラの花と同じように、紅葉も見頃は1週間程度。何度か訪れている落合峠ですが、なかなかベストと思われる時には遭遇できません。


桟敷峠2kmほど手前、落葉松もまだ緑


標高1100mを越えると
 
 この時も、桟敷峠手前では落葉松並木もまだまだ緑色でした。桟敷峠を越えて下った深渕付近も同様でした。かろうじてサクラの大樹が色づき始めた程度でした。しかし、標高900m付近がまだと言っても、標高を稼ぐに従って紅葉が見頃となっていく可能性は大です。


標高1300m付近、落葉大樹もちょうど紅葉


落ち葉と紅葉を楽しみながら

 予想通り、標高1200m前後辺りからは、次第と紅葉した木々が増え始めました。烏帽子山山頂付近は、緑の山肌に紅葉した木々が点在して色彩豊かで鮮やかでした。


標高1300m、最も大樹に恵まれている付近


黄葉、紅葉

 私の最もお気に入りの標高1300m付近は、これまで訪れた秋・紅葉でベストと思われました。ほんのちょっと早かったかな、くらい。幹まわりは3m以上くらいあると思われる大きな樹が多く見られるので、これまで走る度に紅葉真っ盛りはどんな様相だろうと、いつも期待していました。しかし、今回この時期に訪れてみて分かったのは、この付近の大樹は、真っ赤に紅葉する種類ではないように思われました。


標高1400m付近にて


もう少しで峠

 そんな紅葉を楽しみながら、またワイワイ喋りながら、時速は一桁でゆっくりと上りました。天候も暑くなく寒くなく、風も穏やかで絶好のサイクリング日和でした。麓の三加茂町から約3時間で峠へ。


峠直前付近にて、上方は森林限界


矢筈山山頂方面も紅葉

 峠では昼食補給を兼ねて大休憩。あわせて下りに備えて着込みましたが、風が無いので立ち止まっていると、この季節としては珍しく暑いくらいでした。その後水ノ口方面へ回り、竜ヶ岳の紅葉も楽しもうと欲張っていたので、そこそこで祖谷・落合方面へと下り始めました。


落合峠から南へ、矢筈山山肌


落合峠から落合方面への下り

 落合峠から南への道は、いつものように小石が浮かんでいるような状態でした。路面にも随分気を使ったのですが、何より驚いたのは、この南側山肌の紅葉。北側のような大きな落葉樹が無いので、これまであまり気にも留めていなかったのですが、周囲の山肌に繁っている木々の紅葉が、予想外に見事でした。クマザサの薄緑色の山肌に、針葉樹の緑と赤〜橙〜黄と紅葉した落葉樹が立体感を伴ったグラデーションを呈していました。予想もしていなかっただけに、随分と得した気分でした。


矢筈山山肌の紅葉


クマザサと針葉樹の緑に黄葉・紅葉が映える

 その後、祖谷・落合まで下り、国道439号線から県道32号線経由。出合いから県道140号線、149号線で水ノ口峠を登り、出発地の旧三加茂町役場へと戻りました。これまた期待していた竜ヶ峡付近の紅葉には、未だ少し早かったです。やはり標高差の違いは大きいようでした。


緑の針葉樹と黄葉・紅葉の落葉樹が混在


立ち止まっては紅葉狩り&撮影、の繰り返し


 11月3日
 上述のHANO氏が来徳するというので、一緒に走ることになりました。行き先は、2週間前に走ったばかりの落合峠。前回は紅葉真っ盛りにちょっと早く、今回はちょっと遅いと思われましたが、迷うことなく決定です。


小雨に濡れた落ち葉道を登る

 当日早朝、表に出てみると、なんと小雨です。年に一度のHANO氏とのお楽しみツーリングもお流れか、と氏にメールを送ったところ「こちら(市内より20kmほど西)は降っていませんよ、行きましょう!」との返事。


深渕、水量は少なめ


小雨の紅葉道を登る

 予定より30分ほど遅れてスタート。毎年のように訪れている落合峠ですが、紅葉の時期に2回続けてというのは今回初めての経験でした。


最盛期はやや過ぎた感のある道


落葉大樹林

 登りながら、いつものように、お互いの近況、仕事、家族、自転車などなど話題は尽きません。ツーリングを楽しむことと同等におしゃべりにも花が咲きました。


まだまだ残っている紅葉もあり


終日小雨が降ったり止んだり

 この日は、残念ながら、時折小雨という天候のため、当初から落合峠往復の予定としました。同じ道を戻ってくる、というのはあまり好きではなく、滅多にやらないことなのですが・・・。


思わず立ち止まってしまう周囲の風景


標高1000m前後では、まだまだ紅葉が残っていた

 ところが、今回は落合峠であったためもあるのか、復路では往路で気付かなかった点もいくつか発見できたりして、往復ピストンもなかなかいいものじゃないか、とさえ思う結果となりました。


モミジ類も、まだ紅葉には早かった


深渕から少し上流にて

 肝心の紅葉は、やはり最盛期を過ぎていましたが、標高1000m付近などでは黄葉が真っ盛りであり、まだまだこれから紅葉すると思われるモミジ類も見かけました。また小雨に濡れた木々・路面はしっとりとして、晴天時以上に鮮やかさを増していたと言ってもいいくらいでした。やはり「落合峠は裏切らない」、この言葉がピッタリの一日でした。

2007年 秋
コース   貞光−三加茂−桟敷峠−落合峠−半田−貞光  
走行距離   約60キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)  
走行日   2007年 11月11日    天候:曇り   ロード
 この年は、しっかりと計画して落合峠を目指すことができなかったような記憶です。11月11日、貞光の河川敷をスタートしたのは、10時40分といつもより随分遅めでした。天気予報も確認しないままで、西の空が重い雲に覆われているのを気にしながら、まずは三加茂へと向いました。 


桟敷峠2kmほど手前、お気に入りの落葉松


深渕にて、松尾ダム湖に映る紅葉

 桟敷峠への登りは、いつものように標高600m付近の10%を越える急坂辺りから一桁走行となってしまいました。おまけに、ポツリと雨粒が落ちてきましたが、結局この日は最後まで曇天のままでした。道周辺の紅葉具合は、麓付近の色づき始めから、高度を稼ぐにしたがって次第に盛りとなってきました。
 桟敷峠へは、ほぼいつものペース、三加茂から1時間半で到着。峠手前の落葉松は程よく黄葉していて、これを見ただけでもやってきて良かったと思いました。桟敷峠から下った深渕もまずまずの紅葉具合でした。が、ここがちょうどいいと言うことは、峠付近はもう遅いだろうと思いました。松尾ダム湖の水量は少なく、やや澱んでいました。


紅葉の道を


落ち葉降り積む

 深渕からは、大好きな落合峠への緩やかな登りです。5月に走った時点で200m足らず残っていた未舗装区間も、真新しい舗装がなされており、ついに全線舗装となってしまいました。
 深渕川に沿って登る付近の紅葉は、ちょっと遅いかと思われましたが、まだまだ十分楽しめました。左へ270度カーブする烏帽子山登山口付近からは、路肩に落ち葉が堆く積もり始めました。


黄葉も輝いて


落ち葉さえも鮮やかに

 時折差す陽光に輝く黄葉や、曇天の下やや靄って見える紅葉(紅は数少なく橙程度が多い)した雑木林の重なり、路肩に積もった落ち葉も美しかったです。天候の怪しさと時間の都合で桟敷峠で終了することも頭を掠めていたのですが、そんな道を走りながら、桟敷で止めずに良かったとつくづく思いました。


標高1300m付近 うまい具合に見頃だった紅葉


道端は、ずっとこんな具合

 瓶ヶ森林道のような壮大な展望は峠付近に僅かにあるだけですが、様々な姿・形・色の雑木林を縫うように走る峠道は、本当に自転車で走ることを満喫させてくれます。という状況で、瓶ヶ森の時と同じように少し走っては立ち止まる繰り返し。何度もシャッターを切るのですが、なかなかその良さを伝える写真が撮れないのは、毎度のこと。


クルマもほとんど通らず


峠手前から、腕山方面

 桟敷峠から落合峠までは約12km。標高と共に周囲の風景は変わってきます。標高1200mから1400m付近にかけては、その前後にはあまり見られないブナなどの巨木が林立しています。
 しかし残念ながら、新緑には早過ぎたり、紅葉には遅過ぎたりで、なかなかベストの時季に申し合わせたことがありません。それでも本当に見応えのある周囲の風景です。展望の良いところでは、振り返ると北西方向には腕山・水ノ口峠、そしてその向こうに讃岐山脈が見え、右手には特徴的な形の烏帽子山山頂が次第に目線の高さに近づいてきます。そんな近景・遠景を楽しみながら、これまた1時間半ほど要して漸く峠に到着。


峠手前から、烏帽子山


標高1400m付近にて

 峠には、いつものように山登りの楽しむ方のクルマ数台が停まっていました。登る途中も思っていたほどの交通量はなく、訪れる人も少なかったようでした。峠からは、南へ、三嶺は山頂を雲の中に隠したままで、落合方面も靄がかったままでした。時折雲の隙間から差す陽に山肌が一瞬明るくなりましたが、昼過ぎであったためか印象的な光線もなし。


峠から南へ


峠から、矢筈山斜面

 峠で大休止の後、持ってきた服を全て着込んで(冬用手袋、耳宛、オーバーシューズ装備)下りにかかりました。下りでも名残惜しく所々で立ち止まってはカメラを構えてみました。深渕から桟敷峠までは2km弱・標高差100mの登りなのですが、右手に小さな流れがあります。ちょっと水ノ口峠南側の流れに似ています。いずれも小さいながらにもなかなか趣があり、気に入っています。こんな流れも、いつか納得する写真を撮ってみたいものだ、と思いながら走り続けました。


桟敷峠から風呂塔への途中にて


風呂塔方向から半田の町と吉野川

 桟敷峠からは、三加茂に下らず風呂塔方面から半田へと進みました。風呂塔分岐部手前では、落葉松の黄葉と雑木林の紅葉を楽しむことができ、こちらへ進んだことが正解であったと自己満足です。稜線を回って風呂塔分岐部を過ぎると今度は東に高越山、南方面には石堂山方面が、そして北東方向には吉野川を挟んで讃岐山脈が遠望できました。

2007年 初夏
コース   貞光−三加茂−桟敷峠−落合峠−小島峠−保賀山峠−杖立峠−穴吹−貞光  
走行距離   一周 100キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)  
走行日   2007年 5月 3日    天候:晴れ  ロード    (2006年 5月28日 blog) 
 新緑の落合峠を初めて訪れたのは、2006年5月のことでした。盟友K氏を含む4名で、落合峠を含めた4峠走破を目指そうとスタートしたのですが、度重なるパンクで時間ロス、予備タイヤもなくなったことから途中挫折となりました。この年から以降は、2005年秋の状況からロードで十分と判断し、ロードで訪れることとなりました。
 翌2007年5月、今度は単独で5峠走破を目指しました。ただ5峠走破と大上段に構えたというよりは、とにかくゆっくり・長く・沢山登ろうとのスタンスです。予定は平均時速15km/hr、約10時間としました。もちろん毎度のように補給食たっぷりのデイバックを背負っての出発となりました(三加茂から祖谷・落合まで、お店はもちろん自販機も皆無です)。


新緑の落葉松林を行く 桟敷峠への道


深渕にて

 この時は、新緑の写真を撮りながらのツーリングと考えていましたが、峠各区間での距離・勾配もおおよそで測ってみました。いつも思うことですが、その日の体調や天候で、同じ道を走っても印象が随分異なることがあります。客観的な数字は、ひとつの参考になるかと思います。というこで、手元の高度計とCCで距離と高度差を測定してみました。最近はGPSやルートラボで簡単に詳細なデータが手にはいりますが・・・。


ヤマザクラも散り際


標高1300m付近 新緑にはまだちょっと早い

 桟敷峠の勾配がきついことは、みなさんご存知と思いますが、計測してみると(GPSではないので大雑把です)三加茂から桟敷峠まで約13kmで標高差1000m弱、平均勾配7.7%と結構きついです。特に標高600m付近からの2kmほどが10%を越える急坂が続き、最もきつい部分だということを再認識しました。
 紅葉の時期には、あまり魅力のない桟敷峠までの道程ですが、この時期は新緑に桐や藤の薄紫色、ツツジの薄桃色が映え、ヤマザクラもちょうど散り際で予想外に楽しめました。


標高1500m、落合峠直下にて


標高1400m付近から、腕山・水の口峠方面

 桟敷峠から標高差で100mほど下った深渕から落合峠までは、平均勾配5.7%と緩やかです。5月はじめのこの日は終日好天でしたが、登りでもアームウォーマー着用でちょうどいい気温でした。
 ただ、残念ながら落合峠はもちろん、登る道沿いの広葉樹の新緑は、まだまだ蕾。新緑の見頃は5月後半と思われました。


峠から矢筈山方面


落合方面、芽吹き始めの新緑

 落合峠からは祖谷側に下って、菅生からは小島峠に登りました。前年のような崩壊はなく、比較的楽に登れました。平均勾配は6.3%。しかし一宇側から登ると、距離も長く標高差もあってなかなか大変です。川又からは保賀山峠を越えて、木屋平に降り切る手前で杖立峠へと向いました。いずれも5年振りでした。前回は比較的楽に登れた記憶でしたが、今回は4つ目、5つ目の峠ということもあってほとんど一桁走行でした。保賀山は平均7.2%、杖立峠は平均7.9%と体感以上にきつい勾配でした。


保賀山峠付近にて


杖立峠にて

 今回、連休の一日と言うこともあって、クルマが多いと予想される見ノ越を避けたこともあるのですが、ほとんどクルマが通らない道ばかり、当然信号も皆無で非常に気持ちよく気楽に走ることができました。パンクさえなかったこともラッキーでした。
 新緑こそまだ早かったものの、落合峠は北側斜面の落葉大樹林と峠から見る三嶺から天狗塚方面の眺めは、何度来ても飽きることのない素晴らしさ。他の4つ峠もそれぞれに味があるのですが、落合峠の前では霞んでしまいます。

2005年 秋
コース   貞光−三加茂−桟敷峠−落合峠−桟敷峠−松尾ダム−日の丸林道−三加茂−貞光  
走行距離   一周 100キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)  
走行日   2005年 11月23日    天候:晴れ  MTB
    この日の客観的データ
            貞光−三加茂−桟敷峠−落合峠−桟敷峠−松尾ダム−日の丸林道−三加茂−貞光
    時間(時分)  9:20----------11:15----13:00----14:15---15:10--------15:50-------------17:00
    距離(km)    0-----12------25-------39------53------62----------66-------80-----100
    標高(m)    40-----50----1000-----1520----1000-----910--------1000-------50------40
 2年ぶりに走ってきました、落合峠。当初は紅葉を楽しむべく11月6日予定でしたが、当日荒天のため延期。地球温暖化のためか年々遅くなるような気がする紅葉ですが、さすがに今回はちょっと遅すぎました。しかし、微風・快晴で絶好の自転車日和、落合峠はやはり最高のツーリングコースでした。今回の参加は、5−ちゃんリョウさんK氏けんさんすーさんま〜し〜さんゴンちゃん、私の総勢8名。背中にたっぷりと補給食を持って出発です。


桟敷峠2kmほど手前、お気に入りの落葉松も黄葉


桟敷峠手前から東方面、落葉松黄葉

 三加茂から桟敷峠への登りは、そこそこの急勾配ですが、ゆっくりペースのため、ペダリング以上に良く回る口でワイワイ・ガヤガヤ話しながら楽しく走行。途中、黄葉した落葉松林や三加茂の町から吉野川・讃岐山脈を俯瞰しながら標高を稼いで行きます。峠のやや手前で、本日帰路のコースとなる松尾ダムへの分岐点を確認しておきました。
 桟敷峠からは、一旦標高差で100mほど下って深渕へ。ここは松尾ダム湖の最奥地に当たります。ここまではなんとか黄葉が残っていました。


桟敷峠手前から三加茂の町、後方は讃岐山脈・大川山


深渕 僅かに黄葉が残っていた

 深渕から落合峠への道は、訪れる度に舗装路が延長しています。1994年、初めて訪れた時は全線未舗装でとんでもない悪路だったのですが、2002年には約80%が舗装されていました。その時もまだ僅かに残っていた昔ながらの川底のような岩そのものの路面は今回全く見られなくなっており、残った2kmばかりの地道もアスファルト舗装直前といった感じでした。厳しいけど楽しく味のある地道が無くなるのは、ある意味とても残念です。おそらく今年度(2005年)中には全線舗装となる様相でした。次回はMTBではなくてロードでの探訪になるかもしれません


標高1100m付近


標高1200m付近

 冒頭にも述べたように、ここから先は残念ながら完全に落葉した後でした。途中、すーさんがパンク。ちょうど日当たりのいいところだったので、みんなで小休止。その後もマイペースでゆっくりと登りました。三加茂側から登るのはこれで3回目ですが、一番短く感じました。落葉してしまっていても、やはり標高1300〜1400m付近の樹林がとても素晴らしく、しばらく立ち止まって見ていたいくらいでした。


後方に見えるのは、腕山・水の口峠、さらに奥は讃岐山脈


標高1500m、落合峠直下・後方は矢筈山方面

 頂上付近では、ちょっと日が翳ってきました。しかし、相変わらずの素晴らしい展望です。今回は特に北側、腕山はもちろん讃岐山脈も随分とはっきり確認できました(これまで見えた覚えがありません)。さらに、讃岐山脈の背後には讃岐平野に点在する山々も肉眼ではうっすらと見えました。方向からすると、七宝山もしくは紫雲出山(その昔、紫雲出山から南方向に雪を抱いた山並みを讃岐山脈の南背後に見た記憶がありますが、落合峠付近だったようです)あたりでしょうか?条件がよければ、瀬戸内海はおろか、中国地方まで見えるのではないかと思います。
 落合峠は、東に矢筈山から石堂山、西に落合山から鳥帽子山のクマザサに蔽われた稜線が一望に出来ます。いつかこれらの山々をちょっとハイキングがてらに登ってみたいものです。それから南には祖谷川を挟んで三嶺が鎮座しています。こちらも、いつか登ってみたい名峰です。


左奥の山は腕山切れ込みが水の口峠、奥は讃岐山脈


落合峠にて、下りに備えて着込む

 落合峠を後にして、再び桟敷峠へ戻りました。桟敷峠から少し下ったところで、登り時に確認していた松尾ダムへの道と思われる三叉路で右折。いきなり道はダートとなります。実はこの道、ほとんどの地図では松尾ダムに繋がっていません。ところが畏友・高知のM氏から、道が通じている情報を得ました。今回は、高知のM氏・秘蔵の道?のひとつであるこの林道を訪れることが、もうひとつの目的でした。


桟敷峠北面直下から松尾ダムに抜ける林道


桟敷峠北面直下から松尾ダムに抜ける林道

 しばらく走って稜線に出ると後は下りと思っていたのに、その後も標高1000m前後でアップダウンが続き、桟敷峠・落合峠を登った足には結構堪えました。私の道路状況の把握が大雑把であった(稜線に出たら後は下りと吹聴した)ため、同行のみんなからは非難の声が・・・。しかし、距離は数キロですが、落合峠でも無くなりつつあるダートが残っていました。また、木々はそれほど大きくはなく既にほとんど落葉してましたが林道周囲には広葉樹林が残っており、新緑や広葉はさぞ美しいだろうと思われました。さらに落合峠方面や鳥帽子山などが遠望することができました。


今回唯一のダートを走る


松尾ダム、後方は烏帽子山

 松尾ダムからは、県道149号線の合流地点までもう少し下りがあると思っていたのに、標高900mくらいで合流。これはくたびれた足には助かりました。ここから水の口峠までは記憶ではそこそこ勾配があると思っていたのですが、思いの外だらだら坂でした。加えて峠手前はさらに緩やかになり、雑木林の中を流れるせせらぎを横手に見ながら、心地よく(ただし今回は時間的余裕が次第になくなってきていた)走れる道でした。
 水の口峠の手前で右手へ、日の丸林道方面へと進みました。これもまた、M氏と一緒に走った思い出の道。稜線を越えて北面に出ると、西日に照らされた腕山から井川の町を越えて讃岐山脈が一望です。ここでは、所々にまだ色づいた木々が残っており、斜光に輝く様はなかなかいいものでしたが、如何せん、日没が迫っていたので立ち止まることなく通過。多美農園からの下りでは、前回は夏場・霧雨とブヨに悩まされて気付かなかったのですが、吉野川が北側に垣間見えました。さらに井内地区の山村(これも古き良き時代の山村風景を残していてなかなか風情でした)のつづら折れを下り、三加茂の町へ。夕暮れの国道192号線を追い風に助けられて、なんとか暗くなる前に貞光に到着。


松尾ダムから水の口峠へ・県道149号線


日の丸林道・背景は讃岐山脈

 ところで、今回のツーリングで再認識したのは、ふたつの川の流れでした。ひとつは深渕から落合峠への道に沿う渓流・深渕川。これは松尾ダム湖に流れ込むのですが、ダムからは松尾川から吉野川への水となります。前2回の走行時には、この渓流の水量が少なかったのか、あまり印象に残っていませんでした。もうひとつは、水の口峠手前・雑木林の中を緩やかに流れる小さな流れ。これもまた松尾川に合流して吉野川へ流れていくのです。後者のような源流近くで緩やかに流れるせせらぎは、急峻な山から流れ始める四国の川では珍しい形態かと思われます。
 いずれにしても、何度走っても味のある落合峠。次回は是非新緑の頃に訪れたいと思っています。

2003年 秋
コース   三加茂−桟敷峠−落合峠−東祖谷・落合−祖谷−池田−三加茂
走行距離   一周 約100キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)
走行日   2003年 10月26日    天候:快晴  MTB
 2003年も落合峠を走ってきました。前年は霧でほとんど何も見えなかったのですが、この年は天候に恵まれ、また標高1000〜1200m付近は、紅葉がちょうど見頃でした。とにかくあまりの紅葉の見事さに、少し走っては立ち止まって見物で前に進まない始末。


深渕から落合峠へ


最奥には腕山、水の口峠からの道が見える

 写真も何枚も撮ったのですが、案の定、これはという物がありませんでした。実物はこんなものじゃないので、みなさん是非訪れてみてください。もちろん自転車、もしくは徒歩でですよ。クルマで通ってしまうのにはあまりにもったいない道です。 


紅葉もまずまず


落合峠にて

 標高1300mを過ぎると、紅葉も終わりかけていました。四国ではあまりお目にかかれない落葉大樹もご多分にもれず、上の写真のような状態でした。ただ、初めて訪れた時よりも若干大きな樹が減ったような気がしたのは、見慣れたせいでしょうか? 


峠より三嶺方面


ついつい足を止めてしまう

 峠から南側は木々が小振りになるのですが、それでもそこ・ここに紅葉の見所があり、ついつい足を止めてしまいました。写真:右上、ガードレールの傍に立ち止まって、しばし紅葉見物している(小さくで分かりにくいですが)のは、同行の平キンちゃん。

2002年 初夏
コース   貞光−小島峠−東祖谷・落合−落合峠−桟敷峠−半田−貞光  
走行距離   一周 約100キロ
最高地点   落合峠(標高 約1520m)
走行日   2002年 9月22日  1994年11月(三加茂−桟敷ー落合峠・往復)  いずれもMTB
 落合峠の存在を知ったのは、1994年のことでした。職場に回ってくる営業の方に山登りをする方がいて、どこか自転車では走れるいい山道がありますかと尋ねたところ、落合峠を教えてくれました。初めて訪れたのは、その話を聞いてまもなくの1994年晩秋。旧三加茂町から桟敷峠を越えて、北面から登りました。桟敷峠の勾配のきつい坂も記憶に残っていないくらい、深淵からしばらく走ったところの荒れ具合が強烈でした。営業用のバンでも大丈夫を聞いていたのですが、とんでもない川底のような大きな岩があちこちに露出しており、本当にこれが道?と疑うような道でした。何度も道を間違えたのかと思ったくらいでした。
 が、しばらく走るときめの細かい走りやすい地道になりました。勾配もやや緩くなり、何よりも登るにつれて周囲は樹齢を重ねた落葉大樹の林となり、眼を楽しませてくれました。紅葉にはやや遅かったのですが、四国離れした風景でした。四国内でここに匹敵するコースは、瓶ヶ森林道、剣山スーパー林道ファガスの森付近、四国カルストくらいでしょうか?残念ながら、1994年当時の写真はありません。


国道438号線から県道261号線、小島峠への分岐点


小島峠にて

 そんな強烈な印象で是非再訪しようと思っていたのですが、仕事の都合やら諸事情でなかなか実現できず、2回目の走行となったのは8年後の2002年。この時は、まず小島峠を越えて、落合峠は南側・祖谷側からアプローチしました。また全員のメンバーを記憶していないのですが、8名ほどでのツーリングでした。
 落合からは、みんなでワイワイ喋りながら登りました。到着した峠は、残念ながら下の写真のようにほとんど霧の中で展望はありませんでした。しかし写真をみると、この峠の風景は10年たった今でも(2012年現在)全く変わっていませんね。


満開の蕎麦の花 (落合地区・眼下は祖谷川)


落合峠にて あいにくの霧の中

 峠から北側はずっと霧の中でした。時折見える落葉樹や針葉樹の大木が霧の中に幻想的な姿を見せてくれましたが、みなさん結構飛ばして下っていくので、写真を撮る余裕がありませんでした。また、舗装部分が随分と増えていました。例の川底のようなところもこんな程度だったのかなあ、と拍子抜けする程度でした。
 落葉樹林は峠の北側に比較すると南側は大木があまり見当たりません。昨今のトレッキングブームのせいか、峠には小型バスなどでやってきたツアーを始めとしてハイカーが大勢いました。

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