落合峠 2012 初夏  (附 竜ヶ峡 水の口峠 松尾ダムへの道)
 落合峠は、私がこれまでに自転車で走った徳島の道で、名実ともにNo.1と思っているところです。アプローチの道程、周囲(特に標高1300〜1400m前後)の広葉樹林、峠からの眺望、どれをとっても一級品と思います。おまけに、いくつかのルートを組み合わせると、徳島の名だたる他の峠や道も楽しめます。これまでに訪れたのは、ほとんどが新緑か紅葉の頃です。紅葉は、ほんの数日で条件が全く変わってしまうのですが、いつ訪れても「落合峠は裏切らない」というキャッチフレーズに相応しい感動を与えてくれる風景に出会えます。
 初めて訪れた1994年は、深渕から少し進んだところで、「これ、本当に道なの」と驚くくらい、川底の岩がそのまま出ているようなところもあった荒れ模様(三加茂側)でした。なんとかそのまま進むと、その先は再び踏み込まれた比較的走りやすい地道になりました。当時から、峠の南側(祖谷側)は既に舗装されていました。北側(三加茂側)も2006年には完全舗装化されてしまったことが、ちょっと残念です。まあ、そのおかげでロードでも全く問題なく走れますが、最近はむしろ祖谷側の道路の痛み具合が激しいです。落合峠は思い入れが強いので、中途半端な記事は書きたくないのと、ここ数年毎年のように訪れ(2009.05.24 2009.10.31 2010.05.04 2010.10.31 2011.10.23)、その度に感激は増えることはあっても減ることなく、記録は増える一方でなかなかまとめられないままになっていました。今年も紅葉の季節が近づいてきました。なんとかその前にと、今後少しずつ更新してアップする予定です。  (2014年10月26日 記)

新緑の道をいく
 これまでにも随所で記載しているかと思いますが、私のHP&ブログの師匠であり、仲間とツーリングすることの楽しさを思い出させてくれたHANO氏とのツーリングです。 彼との出会いは2002年。部署はちょっと異なりますが同じ職場で働いていたHANO氏が、ある日昼飯(職場の片隅で店屋物をかきこんでいた)で一緒になった時、「先日MTBを買って山を走ってきたんですよ、楽しかったなあ」なんて話し始めたことがきっかけでした。2001年暮れにMTBを新調していた私も、「じゃあ、一度一緒に走ろうか」ということで初めて同行したのが、2002年4月6日。行き先は今回も後半に走っている水の口峠でした。
コース 三加茂−落合峠−祖谷−出合−竜ヶ峡−水の口峠−三加茂
走行距離  約115キロ   積算標高 約2800m
最高地点  落合峠(標高約1500m) 水の口峠(標高1000m)
走行日  2012年 6月10日   天候:晴れ   FELT F1
 初心者とは言え私より10歳以上若いHANO氏がどんな走りをするのか戦々恐々でしたが、結果は他の人と楽しく走るサイクリング再発見、というのが的確な表現の一日となりました。その後、HPやブログについても、いろいろと教えていただきました。残念ながら2003年の春に遠方に転勤となってしまいましたが、奥様が徳島県出身とのこともあって年に一度は来徳され、その都度一緒に走るのが恒例となっています。前置きが長くなりました。2012年初夏も来徳されるというので、一緒に走ることを計画。いくつかコースを考えましたが、いまやHANO氏との定番となった落合峠、やはりここを外すわけにはいきません。

桟敷峠2kmほど手前、お気に入りの落葉松林
 早朝、HANO氏に自宅近くまで迎えに来ていただき、旧三加茂町役場まで氏のクルマで移動。車中から2年分(前年はいろんな事情で一緒に走れず)の話で盛り上がりました。最近はランニング・マラソンに入れ込んでいるというHANO氏、1年近く自転車はちゃんと乗っていないということでした。しかし、お互いの力量を十二分に把握しているので、そんなことはお構いなしで、ワイワイ喋りながらゆっくりと登りはじめました。
グリーンシャワーの中を走る
 この季節ならではの新緑を堪能することはもちろん、HANO氏との話も弾みます。仕事の話、職場の話、家族の話、そして共通の友人の話などなど、話は尽きません。暑くなく寒くなく、気象条件も最高でした。もちろん、道周辺の新緑の瑞々しさは、言うまでもありません。
標高1200〜1300m付近
 写真は、ほんの一部。新緑の季節にも何度か訪れているつもりの落合峠でしたが、来る度に新鮮さがあります。ところで、「落合峠は裏切らない」というキャッチフレーズは、当方が何処かにあった「・・・は裏切らない」から転用したと思っていましたが、最近自転車乗りに落合峠を案内する某パンフレットに、このフレーズが載っていたとかいう話を耳にしました。私以前に、そう語っていた人がいたのでしょうか?
標高1400m付近
 なんだかんだ言いながら、意外と早く到着してしまった感じの落合峠。いつもながら、天狗塚方面の展望は雄大でした(写真:下2枚)。ただ矢筈山方面の眺めは、やはり色彩豊かな紅葉シーズンがベストかと思われました。
 落合峠からは、祖谷方面へと下りました。落合集落付近では、ちょうど田植え中。近頃平地ではなかなか見られない手植えでの光景を見ることができました。山腹に点在する落合周辺の集落を遠望・満喫した後は、吉野川支流・祖谷川に沿って下りました。
 かずら橋は人出が多いので、例に寄って素通り。この後、出合付近までの祖谷渓は、道路から川底までが200m近くと、なかなか迫力があります。県道45号線開通後は、かずら橋への主要道はそちらに移ったので、県道32号線は交通量も少なく快適です。この道を初めて走ったのは1973年の夏。香川県から猪ノ鼻峠を越えてかずら橋まで往復。ハンガーノックになってヘロヘロになった記憶は、40年近く経った今でもつい先日のことのように鮮明です。

谷底まで200m弱

中央の急勾配ケーブルカーがわかりますか?
 祖谷渓を下って出合からは、県道140号線で竜ヶ峡・松尾ダム方面経由で水の口峠を目指しました。この道は2、3度走った記憶があると思っていましたが、道々HANO氏と話たところ、なんと2002年4月に初めて一緒に走った際に、水の口峠を越えた後、こちらに降りたとのことでした。私はすっかり忘れていました。平面地図上では分かりにくいのですが、出合から松尾ダムまでは結構な標高差があります。竜ヶ峡は切り立った断崖(写真:下中上)がとても迫力あるのですが、いつもその魅力を写真で捕らえることができません。ここもやはり紅葉のシーズンがよりいいかと思います。進むと、落合峠を登る時には東側から見る烏帽子山が西側から正面に見えます(写真:下中下)。

水の口峠手前にて
 松尾ダムへの分岐から水の口峠までは、むしろ勾配が緩やかになります。特に後半は右手に緩やかな小さな水流があって、周囲の雑木林とともに川の源流を思わせる、四国ではあまりお目にかかれない景観かと思います(写真:上右)。この付近も私のお気に入りの道です。

井川町、水の口峠から降りてきた付近の集落
 水の口峠からは、2002年のj記憶を辿るかのように県道265号線経由で井川へと下りました。途中に見られる山村風景(写真:上右)は、2002年と遠目にはほとんど変わることなく映りました。

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