県道6号線(六地蔵峠)県道4号線(東山峠) (附:財田里山ビオトープの青いスイレン・箸蔵寺)
 県道4号線と県道6号線は、それぞれ国道32号線・猪鼻峠の東西で阿讃山脈を越え香川・徳島県境を跨ぐ道です。これまでに何度か走っています。今回、ちょっとした寄り道を含めて、県道4号線から県道6号線へと回ってみました。このコース取りは初めてだと思っていたのですが、記録を確認すると、初めて訪れた2003年にほぼ同じコースを走っていました。県道4号線は以前に記載していますが、2013年ともう7年も前の話。これまでアップできていなかった県道6号線とともに、今回過去の写真も含めて改めて振り返ってみました。  (2020年 9月 2日 記)

県道6号線 六地蔵峠(2019.08.25)
コース  三野−県道4号線−財田−宝山湖−県道6号線−箸蔵寺−三野
走行距離   110q   積算標高 1600m
最高地点   東山峠   標高630m
走行日   2020年 8月22日  天候:晴れ  GIANT TCR
 記録のある限り確認したところでは、初めて走ったのが 2003年1月25日。その後、2010年8月11日と 2013年2月10日(いずれも県道4号線のみ)、さらに 2019年8月25日(県道6号線のみ)。そして今回と、なぜか真夏と真冬ばかりです。
 三野町の吉野川北岸河川敷からスタート。交通量が多い県道12号線は避けて裏道を通って西へ。10q程走ると吉野川に沿う県道12号線以外の道はなくなるので、仕方なくそちらを進みます。昼間小学校の三叉路で右斜め方向に進みますが、すぐに再度右折して県道4号線の登りになったとの記憶は間違いで、曲がり角まで1q弱ほどの距離がありました。斜め方向に入って南側・民家の屋根の向こうに土讃線の吉野川橋梁と徳島道の高架が見える光景が、ちょっとお気に入りです(写真:下左、2010年)。さらに右折すると、すぐ土讃線を越えていきます(写真:下右、2013年)。今回走ってみると、夏場で木々が繁っていたためか、こんなに線路が見えませんでした。列車が通るところを撮れたら良かったのですが、いつ通るかわからないので先へ進みます。線路の下方に細い道があるように見えますが、今回ここに新しい2車線の道ができていることを確認しました。走っていくこちら側も一部2車線化されているのですが、向こう側(西側)が主道になるようです。旧道のままの部分を進むと、西側からの道に合流しました。
 自転車で走るには旧道のほうが勾配も緩くて味もあることが多いのですが、2車線化された部分では、それまで木々で覆われて見えなかった吉野川支流・小川谷川の川面をチラッと眼下に見ることができました。ちょっといい光景だなと思ったのですが、写真は撮らず仕舞。今回、このようにHPにアップするつもりがなかったので、県道4号線も県道6号線も、ほとんど写真を撮らないまま走ってしまいました。
 写真:下左の廃校となっている東山小学校手前の右カーブを越えると、道は完全に旧道となります。カーブ手前に阿讃サーキットの表示があります。1997年にそこで三好町自転車耐久選手権という催しがあり、クルマで向かったのが県道4号線に足を突っ込んだ初めての時です。行けども行けども山の中で、こんなところにサーキット場なんてあるのかと不安になりながら進んだものです。写真:右下のコーナーには聖森荒神社という小さな祠がありますが、それより大きな杉の木が目立ちます。写真は2013年のものですが、2020年現在も変わりありません。
 さらに登って、新田神社の手前から登ってきた方向を振り返った眺めが下の写真。見晴らしがあまりない県道4号線では、ほとんど唯一の展望ポイントです。写真は2010年。山肌の中腹斜面の田畑の中に点々と家屋が散在する光景は、阿讃中央広域農道などでも見かける徳島ならではの山村光景かと思います。この光景も、遠目には10年後の今もほとんど変わらないように見えましたが、人が住まなくなった家もあるのかもしれません。
 勾配が急なところもあったような記憶だったのですが、旧道ならではの緩やかな道が続きます。道周囲は雑木林やあまり育っていない杉林、そして竹林と、以前にも記載している通り、大川山への登りとよく似た雰囲気です。途中、2か所ほど左手(西手)に向かって分岐があるのもよく似ています。異なるのは、大川山のほうがずっと勾配がきついこと。二本栗キャンプ場という場所も以前から目にしていましが、今回その分岐がこれまでになくしっかり表示されていました。施設が刷新されたのかもしれません。そんな道を走りながら、予想していたより随分と楽に峠に到着できました。これといった見どころがあるわけでもなく、また周囲の植生も目を引くほどのものはありませんが、旧道ならではの走る楽しみがある道です。この日、稜線付近は雲の中。湿度が高かったためか大気も霞んでいました。写真:下左は今回、下右は2010年。以前アップしている2003年時の大川山方面の展望は、木々が繁ったためか天候のためか、今回は全く確認できませんでした。
 写真:下は、峠から香川方面に下って、最初の谷筋にあるヘアピン(2020年)。覗いてみても水は流れていませんでしたが、この谷が私の生家のすぐそば(100mほど)を流れる財田川の源流です。下っていく道沿いには、香川には珍しく雑木林が続きます。が、横手の谷の水量はほとんどなし。同じ山から発するのですが、徳島側ではそれなりの水量が認められたのは、南側斜面と北側斜面の違いでしょう。
 交通量がほとんどない道を快適に下ると、写真:下左、右手下方に見えてきた最初の集落が塩入集落(2010年撮影)。ここも、遠目には10年後の今回もほぼ変わりないように見えました。さらにその下方にある野口ダム。ダム湖の水量は、かなり減っていました。
 さて、もう少し早い時期ならまんのう町のひまわり畑に向かうのですが、この日県道4号線・東山峠へと向かったのは、淡路在住の知人・ゴンさんが教えてくれた宝山湖の奥に咲いている青いスイレンを見るためでした。高知・北川村にあるモネの庭で、青いスイレンと blue bee が見られることを少し前に報道で見聞きしていましたが、ちょっと遠い。宝山湖ならと向かった次第です。ロードレースも開催されている宝山湖は、比較的新しく造られた香川用水の調整池(ため池)。ここをデポ地に荘内半島方面を走ったことがありますが、スイレンが咲くようなところがあったかなと思っていたら、Google map で財田里山ビオトープという表示を見つけました。ここかなと向かってみると・・・。
 休耕田を利用したらしい細長い池に沢山のスイレンが花を咲かせていました。6〜7割方が青い花。写真よりももう少し青色が強く、涼し気で爽やかな上品さ。池の形や周囲の雑然とした感じは、少々趣に欠けていますが、スイレンの凛と咲く美しさが補っています。私的好みの青い花が大多数ですが、それ以外に咲いているパステル調のイエローや少し濃い目のローズ色もきれいです。ビオトープと称しているので、観照的美観は二の次なのかもしれませんが、もう少し工夫すればとも思います。まあ、ひっそりとあまり有名にならないほうがいいのかもしれません。この日も、少し離れたサッカー場では子供の大会が開かれていたようで多数の人出で賑わっていましたが、すぐ裏手のビオトープにはカワセミを狙っているという探鳥家(結構年配の方)と私を含めて5名ほどだけ。スイレン目的でやってきたのは私だけのようでした。
 帰路は県道6号線へ向かいます。宝山湖からも未走の細い道を選んで山本町に入り、県道6号線へ。前年に走った時は西側から林道五郷財田線を走ってもう少し峠寄りで県道6号線に入ったのですが、今回県道6号線に入った上河内地区からしばらくは2車線の広い道、こんなに広い道だったかなあと少々驚きでした。お昼近くになって、気温が上がってきました。雷雨でも来そうな雲行きに見えていたのに、いつの間にかすっかり晴れて、2車線の道は強い日差しが降り注ぎます。五郷財田線とクロスする部分からは、1車線の旧道です。走力ある知人が最近走って結構きつかったとコメントされていたので身構えて臨んだのですが、半ばあたりの南へ向かう部分がきつい以外は比較的緩やかな部分も多く、また少し曇ってきたことや木陰もあって、ゆっくりならなんとかやり過ごせました。途中、薬師峠に立ち寄ってみましたが、霞んでいるのと手前の木が邪魔になって、あまり展望はありません。写真:下左は2003年。故郷・観音寺の町、三角山は江甫山、右の木の枝の後方は、すっかり有名になった高屋神社のある稲積山です。燧灘も薄っすら見えています。
 薬師峠から六地蔵峠までも、勾配がきつくなる部分があったのではと恐れながら走りましたが、緩やかなままで峠に到着。トップの写真は2019年、上右の写真は2003年。下の写真は2019年、峠を越えて少し下ったところ。いつものことですが、徳島側の路面は結構荒れています。この付近は落葉雑木林ですが、少し下ると植林らしい杉林のところもあります。ほとんどクルマは通らないので、ある意味快適。ここも好きな道のひとつです。そんな道を1qばかり下ると、雲辺寺へ向かう県道268号線への分岐に出て、道は少し広がり路面も普通のアスファルト舗装になります。ここからは、いつもなら迷わず交通量が少なく南方面への展望が良好な西山方面に向かうのですが、これも Google map で坪尻駅展望ポイントという表記を見つけていたので、そちらへ向かってみました。
 県道6号線を進んで国道32号線に出ます。途中、新猪鼻トンネルの工事現場が見えました(写真:下中下)。余談ですが、新トンネルが完成すると旧道はどうなるのでしょう。クルマが通らなくなって自転車天国になればいいのですが、現在のトンネル前後には民家も側道もないので一気に荒れ果てて閉鎖ということもあるのでしょうか。分岐を見逃さないようにとゆっくり500m程下ったところで、斜め左上方向へ進むポイントを確認。地形図にも記載のない(google map にはあり)山肌の道を50mも登ると、迷わず展望ポイントに到着。小さな展望台が設けられていて、確かに坪尻駅が見えます(写真:下)。遠目に見ると、高低差がわからないこともありますが、このレイアウトでどうしてスイッチバックなのかなと、その時は疑問に思っていました。後で調べてみると、私が思っていた豊肥本線・立野のスイッチバックではなく、駅に進入するためのスイッチバックのようです。X状の左下から右上へが本線だそうで、特急はここを素通り。登り普通列車は左下本線から駅に入って、スイッチバックで右下に戻り、右上の本線に進むそうです(下りは逆)。ちょっとだけ待ってみましたが、残念ながら列車の通過は見えず。
 気温が上がってきましたが、この機会を逃すと次はいつあるかわからないと、その道を進んで箸蔵寺へと向かってみました。写真:下左、下方に見える白い屋根は国道32号線沿いの廃業したドライブイン。その右手上方にチラリと見える道路が坪尻駅展望台付近。そこから標高150mほど稼いで写真撮影地点。奥の山は、方向から中蓮寺峰でしょうか。さらに登って舟原という集落を過ぎると道は細くなりましたが、勾配は緩みます。周囲には寺が近いことを示すかのような大きな杉も含む鬱蒼とした道をしばらく進むと、箸蔵寺に到着。箸蔵寺、幼少時に訪れたことがあります。おそらく5歳以前、もう50年近く前です。麓に住む叔父の家を訪ねた時に登ったようです。あやふやな記憶ではケーブルカーに乗ったように思っていましたが、今回調べてみると1960年前後にはケーブルカー(1941年に廃止)もロープウェイ(1971年竣工)も通っていません。親達が小さいのに良く登ったと言っていましたが、麓から参道を歩いて登ったようです。ところで、道はロープウェイ山頂駅の横に到着したのですが、ここは本坊だったようです。この上にさらに階段を上って本殿があるようですが、全く気付かず。自販機でのどを潤して、一服しただけで満足。そのまま引き返しました。写真:下右上は、ロープウェイの鋼線と吉野川。
 下りは、舟原集落(写真:上中下)から南側へ下る道へと進みました。まだ高速道路ができる前、国道32号線をよく通っていたのですが、ロープウェイ麓乗り場の少し北側に斜めに登っていく道があって、これを登れば箸蔵寺まで自転車でいけるのかなと思っていました。結果的に下って国道32号線に出たところがそうだったのですが、箸蔵寺に向かう道は坪尻駅展望台方面・西側からの道がメインのようです。南側の道は西側に比べて道も細く、路面も多少荒れていました。木々は繁って見晴らしはありませんが、それなりに面白い道です。
 下りきって、徳島道の側道を走って、三三大橋を渡って南岸へ。加茂の大クスへ寄り道(写真:上右下)。いつ見ても圧倒される大きさです。写真が小さいのでわかりにくいですが、左下に停車している軽トラとの比較で大きさがよくわかるかと。クスノキはあまり好きな木ではないのですが、これだけは別です。巨樹というのは、やはり魅力があります。さらに、ぶぶるパークへも回ってみましたが、こちらはよく整備された芝生と高木が適度に植えられた明るい公園という好印象が、夏の疲れでしょうか、なんだか少し元気のないように見えました。

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