紀伊半島・山間部の道、龍神  (和歌山県・奈良県)

コース  高野山−龍神スカイライン−龍神村−牛廻越−十津川村−天狗木峠−高野山
走行距離   一周 約170キロ 
最高地点   護摩壇山(標高1280m)、牛廻越(標高約800m)、天狗木峠(標高約1000m)
走行日・天候   2005年 9月 18日  晴れ  ロード
 ずっと以前(サイクルツーリングを始めた頃)から、十津川村、龍神村といった紀伊半島の山間部に在する・ちょっと秘境めいた地名が気になっていました。そこには深山幽谷と失われつつある日本の山村風景が残っているのではないかと、根拠の無い勝手な想像をかき立てられ、いつか是非訪れてみたいと思っていました。
 高野山を起点に反時計回りに、龍神スカイライン〜龍神村〜十津川とまわるコースを計画したのは、もう7年近く前のことになりました。呼びかけに応じて参加していただいたのは、ま〜し〜さんすーさんしおんさんの3人。 (2012年 8月12日 記)

この日の客観的データ

        高野山−護摩壇山−龍神村−牛廻越−十津川村−猿谷ダム−天狗木峠−高野山
時間(時分)  8:15-----10:15----11:00---12:00----13:45----16:45------17:20----18:00
距離(km)    0-------34-------53-----70------100------145-------155------170
標高(m)    800-----1280-----400----800------160------410------1000------800
走ったコース
     
                                   国道425号線 小又川に沿って
 午前4時過ぎ(中秋の名月前夜の月明かりのもと)、徳島を車で出発。淡路島、阪神高速経由で大阪市内を(生駒山から昇る日の出に歓声をあげながら)人間ナビでなんとか迷わずに通過することができました。堺で高速を降りたものの、ここから河内長野までは信号が多く、予想外に時間がかかりました。紀見トンネルを越えて和歌山県へ。橋本からは国道371号線の山道を一路・高野山に向けて登っていきました。


護摩壇山付近から高野山方面


龍神スカイラインにて

 午前8時、まだ静かな高野山の町(標高800mほど)を出発。程なく、龍神スカイライン・龍神温泉の標識を見つけて右折。しばらくはやや下り基調の道を快走しましたがが、数km走ると護摩壇山への登りとなりました。護摩壇山までは登り基調でしたが、標高900〜1000mの間で100m前後をアップダウンで繰り返すこと数回、標高差以上に結構堪えました。途中、話題の世界遺産「熊野古道」の標示を見かけました。それ以外にもスカイラインを横断するように、いくつかの林道や古道が交錯していました。
 スカイライン(観光以外はあまり意味はないと思われます)は、奈良・和歌山県境の尾根を縫うように走るコースですが、標高がそこそこのためか驚くほどの展開はなく、眺望も期待していたほどの感激するような場面はありませんでした。西方へは紀淡海峡、さらには徳島の地も望めるかと思ったのですが(条件が良いと徳島・眉山から和歌山が見えるので)、ぼんやりと低く流れる山々が見えるのみ。おまけに、走り始めはほとんど通らなかった自動車・オートバイが、時間とともにどんどん増えてきました。コース上最も標高が高い護摩壇山付近でも、さほどの眺望は得られませんでした。


トチノキの大樹


落葉大樹も

 護摩壇山から龍神村までは、標高差800mばかりを一気にダウンヒル、日高川に沿っての下りです。途中、高速ダウンヒルにもかかわらず、思わず足を止めてしまう程のとても立派なトチノキがあり、しばし休憩(写真上、小さな写真ではその圧倒的な量感がわかりません)。
 十津川村と並んで楽しみにしていた龍神村は、温泉街をトンネルでパスしてしまった(行き止まりかと思ったためそちらへ進まなかった)ためか、期待していた風情には程遠く、肩透かしを食った感じでした。


牛廻越から大台ケ原方面


写真を撮りながら・・・(和歌山・奈良県境)

 龍神村からは、国道425号線を奈良県・十津川村に向けて走りました。日高川の支流・小又川に沿って、始めは緩やかに登って行きます。ちょっと、ヤレヤレ峠西側・海部川支流・玉笠川に似た雰囲気。浅い川底を横目に走る国道とは名ばかりのやや荒れた1車線道。しかし、今回のツーリングでは、最も趣のある道でした。たまたまなのか、小又川の流れはやや濁っていました。
 「和歌山・奈良県境まで00km」という標示が随所にありました。しばらく走ると、勾配がぐっときつくなって川底は一気に眼下へ。ちょうど正午に県境に到着。しばし休憩していたところ、一台の自動車が。車を止めて降りることもなく窓から写真を撮っていたのは、若い女性の一行。私達を見て「頑張ってくださ〜い」と一声。この一声に過剰反応を示したのは誰でしたっけ。


牛廻越


牛廻越

 国道らしくない425号線を下って(途中滅多に擦違わない車を避けたま〜し〜さんがパンク)国道168号線に出ると、今度は熊野川の支流である十津川に沿って北上。これまた龍神とともに期待していた十津川は、ニ津野ダム、風屋ダム、猿谷ダムによって寸断されており、所々で流れをみるのですが、総じて美しい自然を残した川とは言い難い状況でした。点在する集落もさほど味は無いように思われました。蛇行する川を無視してトンネルで直進する道は、自動車にとってはいいかもしれませんが、自転車乗りにとっては苦痛のみ。ただ交通量がさほど多くなかったことは幸いでした。
 今回のハイライトのひとつであった、「谷瀬の吊り橋」。全長290m・川面からの高さ50mの全容は、さすがに圧倒的でしたが、三連休の間とあって大勢の観光客(一度に20人以上は渡らないでとあるのに、どうみても50人以上が橋上に・・・)で賑わっており、ちょっと興醒め。一休みで早々に通過することになりました。


谷瀬の吊り橋

 谷瀬の吊り橋から20kmあまり、大塔を越えて猿谷ダム湖で左折、県道53号線を高野山へと向いました。本日いよいよ最終の登りです。地図上では、十津川支流に沿って緩やかに登って行く、しかし最終的には標高1000m近くまで登ると思っていたのに、いきなり結構きつい勾配でした。標高400mから600mまで一気の登り。この分だと1000m登るようになっているのもなんとかこなせるかと思っていたら、弱冠の下り坂の後に平坦な道が出現しました。


谷瀬の吊り橋を歩く


谷瀬の吊り橋 遠景

 野迫川村役場までの標示を見ても、1000mまで登るのは間違いだったかなと思ったのですが、何の事は無い。野迫川村役場への道と高野山へ道の分岐点からは、とんでもない坂道・急勾配でした。正確には測定していませんが、おそらく3km弱で標高差400m弱。平均勾配は軽く10%を超えていたと思われます。すでに走行距離は150kmを越え積算標高差も2000mを軽く超えてヘロヘロ状態。自動車が通らないのをいいことに、道幅一杯蛇行して登るのが精一杯でした。なんとか17時20分に天狗木峠に辿り着き、日のあるうちに高野山まで帰りつくことが可能と一安心。
 天狗木峠からの下り道では、高野山を一望できる場所があるだろうと期待していたのですが、結局何処にもそんな所はないまま、突然高野山の街中に降りてきました。かろうじてまだ薄明るいうちに、スタート地点に帰着できました。


天狗木峠への登り


天狗木峠にて

 ところで、せっかく有名な高野山を訪れたのに、4人とも勉強不足で、沢山の由緒ありそうな建造物を、誰一人として解説できませんでした。高野山界隈だけでも十分一日を過ごせる魅力のありそうな街であったのですが。南海電鉄でミニヴェロなんかを輪行して、高野山一体の歴史散策、なんてのもいいかもしれません。
 帰路はさすがに淡路島を運転して帰る気力も失せて、和歌山港からフェリーに乗船。明石大橋開通以来フェリーを利用することはほとんどなかったのですが、久しぶりの船旅を満喫することもなく全員早々に沈没(決して船の話ではありません)でした。


高野山・金剛峰寺山門


高野山にて

あとがき 
 今回は、20数年振り(レースを除く)の本州ツーリング。コースも今まで心に暖めていた、紀伊半島の尾根づたい、龍神、十津川とかなりの思い入れと期待していたところがあったのが事実です。ところが、先にこのコースを走っていたマリンピアンさん(本来なら同行するはずでしたが、急な転勤でキャンセル)から、事前情報(ツーリング後に改めて読みなおすと、これがまた実に的を得た内容でした)にと頂いたメールの最後に「・・・四国の(徳島の)トレイルの素晴らしさを再認識してください・・・」とあり、ツーリング前に読んだ私は???でした。
 しかし、ツーリング後に読み直すとマリンピアンさんの言わんとすることがよくわかるような気がしました。単純に紀伊半島より四国が素晴らしいと言いたいのではありません。あまりに期待しすぎたところがあったのと、やはり当日の天候や季節の状況も大きな要素と思われます。紀伊半島にもただ一回のツーリングでは把握できない素晴らしさがあると思います。今回のコースでも、全線にわたって広葉樹林が多く、おそらく新緑さらには1ヶ月あまり後に訪れる紅葉の頃は素晴らしい風景であるだろうと思われました。このコースをツーリングしようと思った方は、そんな季節に走ってみることを是非お勧めしたいです。ツーリングではなく、ロードレースの練習にと思われる方、とてもいいコースです、お勧めです! 

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