三瓶山周辺の道・石見銀山  −1日目−

コース   美郷町−三瓶山周回道路−太田市−五十猛−石見銀山−石見川本−美郷町
走行距離   120キロ
最高地点   三瓶山周辺 (600)  積算標高差 約1800m
走行日・天候   2016年  12月 3日   天候:晴れ   ロード
 前年の信州ツーリングが大変楽しかったので、すーさんから「また行きましょう」と持ちかけられていた、泊りがけツーリング。年末になって、漸く実現しました。これまでに走ったことのない道を中心にいくつかコースを考えましたが、1泊2日となると、行先にはそれなりの制約ができてしまいます。結局、この時期としては少し天候に不安が残ったものの、三瓶山から石見銀山付近を中心とした中国山地から山陰地方を巡ってみることにしました。
 山あり、海あり、川あり、世界遺産あり、といろいろ欲張りましたが、二人共通して一番心に残ったのは、後1年少々で廃線となるらしい川沿いの三江線と赤褐色の石州瓦屋根で統一された美しい民家の集落風景でした。
 
                                                                  (2017年06月25日 記)
走ったコース
           
                                               三瓶山をバックに

 午前4時、徳島出発。瀬戸大橋〜山陽道〜尾道道・三次東ICで下車。そこから、国道54号線〜県道62号線〜国道375号線を走って、デポ地の美郷町防災公園に到着したのは、8時半過ぎでした。尾道道山間部では、霧。気温表示は最低−2℃まで下がりました。高速道路から見下ろす周囲には、屋根瓦の色こそ違え、岡山道周辺にも似た好みの白壁造りの民家が点在しており、これはなかなか期待できそうです。
 9時スタート。県道40号線で、まずは三瓶山方面へ向かいます。気温3℃。霧がかかっていましたが、走り始めると次第と晴れて快晴となってきました。数%ほどの勾配の道をゆっくりと。三瓶温泉との分岐部には、寒桜が咲いていました。

    
美郷防災公園にて 最奥が三瓶山              季節外れのサクラが開花                 三瓶山周回道路を走る

 三瓶山周回道路に入ると、反時計回りに山を3/4周する予定です。観光シーズンが終わっているためか、交通量は極めて少なく快適です。もう落葉姿でしたが、道周囲には新緑や紅葉が期待できそうな広葉樹林が広がっていました。時折、牧草地も広がって、無風だったこともあり、師走の山陰とは思われないのびやかな風景でした。途中、北へ展望の広がるところが1ヶ所だけありました。日本海と北東方向には、出雲から日御碕方面を見ることができました。道は、ずっとほぼ貸し切り状態です。


落葉樹の中を走る 三瓶山周回道路


日本海  遠くに日御碕 

 三瓶山は標高こそ1126mとさほど高くはないのですが、周囲に同じような高い山がないため独立峰のような感じで、標高以上に高度感があり見映えがします。山頂付近はクマザサの草原でしょうか。高木はないようにみえます。山頂からは、きっと360°の素晴らしい展望が楽しめるのでしょう。周回道路を進むと、少しずつその姿を変えて全容を見せてくれました。


三瓶山 北側から
 

三瓶山周回道路から県道30号線へ

 県道30号線に出ると、太田まで一気に下ります。せっかくなので日本海まで出てみようと久手まで進んでみたところ、なんと海岸線沿いの道は崩落で通行止めでした。三瓶山周回道路の展望台から見えた出雲方面も海の向こうに。ズームアップすると、日御碕の灯台が確認できました。海岸線の道を探して迷いながら進みましたが、結局あまり走りたくなかった国道9号線に出ざるを得ない状況になりました。
 交通量が多い国道9号線とはすぐにおさらばして、五十猛から県道289号線で内陸・石見銀山方面に向かいます。交通量は格段と減って、途中からは細い1車線道となりました。サイクリングは、こんな道に限りますね。途中、こんなところにバス停があるなと思ったら、ブラインドコーナーからいきなり路線バスが現れて、びっくり。
 小さな峠を越えて下った久利という集落で、県道40号線にでました。この道は石見銀山への主要道のようで、幅広の2車線道でした。さすがに少し交通量が増えましたが、大型車が行きかう国道9号線のようなストレスはありません。

    
久手の漁港近くで                日本海 この先通行止め                遠くに日御碕

 5qほど極緩やかな登り道を走ると、県道31号線の分岐部に着きました。道路地図を見ると、石見銀山はここからすぐの分岐から入るようですが、分岐部には何の表もありません。世界遺産なのに、ちょっと意外。見落としたのでしょうか。ここがそうだろうと分岐してすぐの道を左手に進んだところ、間違いなし。まずは、代官所跡の立派な建物が迎えてくれました。
 北側に並走する旧道に入ってみました。大森という町並みだそうです。中山道の宿場町にも似た造りの建物と通り。土曜日の午後だったのですが季節外れのためか、観光客は予想に反して疎らだったので、ゆっくりと走ることができました。
 
    
石見銀山 入り口 代官所跡                                大森の町並み

 緩やかな坂道を登って、今回のツーリングにあたって唯一事前にチラッと見た写真から、ここは是非歩いてみようと思っていた龍源寺間歩へ向かいました。代官所跡辺りにレンタル自転車店があったので、こんなところで誰が乗るのかと疑問に思っていたのですが、代官所跡から奥の龍源寺間歩入口まで約3q。歩いている人もいましたが、間歩までやってくるにはレンタル自転車(すべて電動アシスト、それなりの登り道なので納得)でないと結構大変そうでした。
 

大森の町並み

  
大森の町並みから、銀山へ

 辿り着いた龍源寺間歩の入口は間口1mほどで、高さは少し屈まないと頭を打つくらいです。所々に照明が施された坑内の長さは、200〜300mくらいだったでしょうか。事前に情報収集がほとんどできておらず、おまけに歴史に疎い二人にとって、石見銀山は勉強不足で猫に小判だったかもしれません。1時間ほどで足早に通り過ぎてしまいましたが、周辺の観光施設なども含めると、一日を要する場所だと思います。

      
龍源寺間歩

 石見銀山を後にして、県道31号線を走って石見川本で江の川に出ました。途中、緩やかな登りがありましたが、最高地点は峠という感じはなく、しばらく平坦に開けたところが続くという中国山地ならではの地形でした。この道も広い2車線ですが、相変わらず交通量は僅かでした。
 石見川本からは、三江線が並走する江の川の左岸を走りました。その理由は、直前に三江線が後1年余で廃線になるらしい話を目にしていたのと、地図を見ると蛇行した川を横断しながら走る三江線と道路の関係が、四万十川と予土線にも似た様相を呈していて、楽しく走れるのではないかと予想したからです。県道40号線に入ると予想以上に交通量が減って、快適。
 まずは、道沿いに見つけた竹駅に寄ってみました。線路沿いを走っていたら、何処かで列車と遭遇するかも。できることなら、ある程度予測できていたほうがいいかと思ったので、道に沿った小さなプラットホームに上がり、バス停ほどの小さな駅舎に入って時刻表を見ると、なんと列車運行は一日に5往復のみ。朝夕に2本、昼間1本。こりゃ、どうみても走っている間に列車と遭遇する可能性はありません。
 

県道31号線 交通量少ない
 
  
竹駅にて

 列車を見ることは諦めて、先に進みます。石見簗瀬駅(写真:下中)を過ぎると、県道40号線は対岸に渡ります。しかし、左岸には三江線に沿ってそのまま直進する道があったので、そちらを進みました。
 道はさらに細くなりましたが、交通量皆無で、これまた貸し切り状態。右手に並走する三江線、左は江の川。ちなみに江の川の水は、吉野川水系を見慣れている目には、さほど美しいとは感じられません

    
  江の川 左岸を走る

 しかし、ロケーションは抜群です。山陰の初冬としては穏やかな一日でしたが、新緑の頃はきれいでしょう。
 誰もいない、列車も来ないので、明塚駅ではプラットホームに自転車と一緒に上がってみました。昼下がり、風もなく暖か。コーヒーか紅茶でも飲みながら、本でも読んでいたい雰囲気です。
 

三江線、道路、江の川 並走


明塚駅にて

 明塚を過ぎると、あと少しで川を渡ってデポ地に到着です。と、川を渡る予定の橋の手前にある鉄橋を見て、すーさんが一言 「鉄橋の横、渡れるのとちゃう」。どうも、鉄橋脇が生活道路を兼ねているようです。鉄橋前後の道は、畦道と思われる幅1m程のコンクリート舗装です。世界遺産・石見銀山を差し置いて申し訳ないけど、歴史に疎い二人にとって、この日一番の絶景ポイントとなりました。 

    
粕淵駅手前(江津側)の鉄橋 横に歩道が随伴

 鉄橋を渡るとすぐにデポ地・美郷町防災公園です。まだ少し時間的余裕があったので、再び川の左岸に渡って数qほど上流まで遡り、再度右岸に渡りデポ地へ戻りました。

    
デポ地から少し上流に遡った                             宿の夕食

 その後は、宿泊地の三瓶山麓にクルマで移動。温泉で疲れを癒して、美味しい食事をいただいた後は、部屋で二次会。たらふく飲んで(私だけですが)、いつの間にか沈没。

 三瓶山周辺の道・石見銀山  −2日目−

コース   道の駅グリーロード大和−三江線沿い−口羽−高原−八色石−道の駅グリーンロード大和
走行距離   50キロ
最高地点   県道31号線 (350)  積算標高差 約550m
走行日・天候   2016年  12月 4日   天候:曇りのち雨   ロード
 2日目、目覚めると外はまだ青空でしたが、午後からかなりの確率で雨の予報です。まずは、江の川・三江線沿いの道を走って、途中から西方面の山手を回る予定でしたが、天候次第で予定変更としました。
走ったコース
      
                                            江の川、左岸を走る

 朝食をいただいて、午前8時過ぎに宿を出発。この日のデポ地、道の駅・グリーンロード大和に到着したのは8時半過ぎ。ここで、GPSを充電したまま宿に忘れてきたことに気づきました。前日、ちょっとわかりにくいところにコンセントがあったので、忘れないようにと思っていたし、出発前には忘れ物がないか確認したつもりだったのに。引き返すと往復に約1時間。午後は降雨が確実と予想されるので、午前中勝負。少しでも早くスタートしておきたい。ということで、忘れ物は走行後取りに引き返すこととして、まずはスタートです。9時前。国道375号線を少し走ったところで、都賀大橋を渡って、川の左岸・県道194号線に。コースは当初の予定より大幅に短縮しました。

    
都賀大橋を渡って、左岸・県道194号線へ

 道は、前日と同じく、ほとんどクルマが通りません。左手に江の川。少し走ると川を渡る鉄橋が見えてきました。前日、デポ地まで走るクルマからも、鉄橋以外にも渡る道路橋が、実に様々な様式で造られていることに感心していた二人ですが、この日も同じ。トンネルから出てすぐ鉄橋となり、渡り終えるとまたトンネルへと入っていく。鉄橋の手前で立ち止まり、真下で立ち止まり、行き過ぎては振り返ってみる、そんな繰り返しでなかなか先に進みません。

     
道路と交差する鉄橋を仰ぎ見ながら                           宇都井駅に到着

 トンネルに入って、しばらく姿を見せなかった三江線が再び眼前に出てくると、そこは、龍源寺間歩とともに、今回のコース上でもうひとつだけ事前予習できていた宇津井駅。ひと際太く見える橋脚が、プラットフォームに登る階段棟です。トンネルとトンネルの間にある高架橋上の駅には、100段を超える階段を上がらなくてはなりません。エレベーターはなく、脚が不自由な人やお年寄りには利用しにくそうです。
 プラットフォームから下を見下ろすと、余部鉄橋ほどではありませんが結構高度感があります。時刻表を見ると、ここに停車する列車も本数が少なく、列車通過を待つには時間があり過ぎて、先に進むことにしました。

    
宇都井駅にて 階段の途中からホームを眺める      ホームから周辺の民家を見下ろす             プラットホームにて

 宇津井駅からのトンネルを出て三次側で江の川を渡る鉄橋は、トラスの天井を線路が通っている構造でした。上述のように、道路橋の造りも実に様々で、橋の見本市でも見ているかのような感じでした。
 道は上流に向かっているので、微妙に登りです。おまけに緩やかな向かい風で、ペースはゆるゆる。対岸を走る線路は、一部で川面から大分高所に持ち上げられていていました(写真なし)。

    
江の川 左岸を上流へ

 伊賀和志駅上手にある鉄橋は、灰色に塗られて、またちょっと異なった造り(構造には詳しくないのでわかりません)。鉄橋巡りだけでも、十分に楽しめる道です。その鉄橋をくぐり蛇行する江の川に沿って大きな右カーブをまわると、ちょっとした集落・口羽に出ました。ここから三江線と離れて、県道7号線で西進します。口羽駅は、久々に見た複線化された駅でした(それまでの駅は、ほとんど単線の脇に申し訳程度の小さな駅舎があるのみです)。

    
伊賀和志駅上流にある鉄橋                                  口羽駅

 県道7号線は、予想外に幅広い2車線道路でした。しかし、相変わらず交通量はほとんどありません。阿須那というところは、盆地状の開けた地形に学校や公共施設が集まったそこそこの規模でした。周辺の民家は、みんな赤褐色の石州瓦屋根で統一されています。集合住宅や公共施設の中にも、同じような屋根を構えているところが多かったです。そうそう、もうひとつ気になったのは、表に人の姿がほとんど見えなかったことです。外出禁止令でも出ているのかなあ、と思うくらい。
 この頃には、もう青空は見えなくなって、南から黒い雨雲が空を覆い始めてきました。が、相変わらず少ない交通量の穏やかな町の光景の中を走っていると、すーさんが「ここにはきっといい人ばかりが住んでいるのだろう」と言うのにも納得。40年ほど前の早春、津和野周辺の石州瓦の民家が立ち並ぶ、なだらかな中国山地を走っていて、なんとも穏やかな気持ちになったことが思い出されました。

      
県道7号線沿いの光景

 そんな光景の中で、もうひとつ気づいたこと。日本中何処ででも嫌というほど見かける様々な広告の看板がほとんどなかったのです。何か地域内で規制か条例でもあるのでしょうか。目障りなものがないことが、より一層見映えのある風景を醸し出していました。写真:右上、赤褐色の色が出ていませんが、民家の瓦屋根。屋根の途中になんだか取手のようなものがついているなあと思ったら、積もった雪一度に落ちないようにするための滑り止めだと、すーさんが教えてくれました。
 前日と異なり朝の冷え込みも少なかったのですが、高原という集落で、とうとう雨粒が落ち始めました。予定では県道7号線をまだずっと西進するつもりでしたが、ここで県道31号線へと右折・北上することにしました。降り始めたのがショートカットを設定できる地点で、不幸中の幸いでした。

      
県道55号線、峠を少し降りたところから、都賀方面

 本降り一歩手前で、路面もしっかり濡れてきたので、小さな峠のところで雨合羽を着ました。下ったところから県道55号線へと右折。そこからは緩やかな登りと小雨のために二人とも無口になって、ただ淡々とデポ地を目指しました(写真もなし)。国道375号線まで○qという表示が何ヶ所かありましたが、GPSを宿に置き忘れた私に続いて、すーさんは充電し忘れで、走行距離は感覚のみ。
 登り切って下りに入ると、それまでの2車線道が一気に細くなって、しかも曲がりくねった道になりました。そういえば地図でもくねくねしていたな、と思っていたら、いきなりスタート直後渡った都賀大橋が眼下に出現しました。だらだら登っていたので気が付かなかったのですが、それなりに標高は登っていたようです。ズームアップしてみると、ここでも石州瓦屋根の家々(写真:右上)。


石見都賀駅から見た町


石見都賀駅にて

 濡れた細いくねくね道を慎重に下ると、再び都賀大橋を渡って、石見都賀駅に立ち寄ってみました。前後の勾配の関係からか、水害防止のためなのか、こうした平地様のところでも、線路は結構高架になっている区間が多かったです。この石見都賀駅も同様で、プラットフォームは階段を上って周囲の民家の屋根より少し高いくらいの位置でした。
 待っても列車が来るわけもなく、しばらくぶらぶらして、再び走り始めると、すぐにデポ地。到着するとまもなく、本降りになってきました。かろうじて、びしょ濡れは免れました。
 2日間のツーリングは、雨のために少しばかり不完全燃焼のところもありましたが、中国地方の新たな魅力も発見できて、実りの多い旅となりました。

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