しまなみ海道 2016
 1月の高知・幡多地区、2月の高知・香南市周辺ツーリングに続いて、いよいよ月に一度の定番となるか。すーさんとのゆるりツーリング第3弾は、山から海が見える光景をというリクエストに応えて、7年ぶり3度目となるしまなみ海道へ向かいました。島の高所から橋を含めた多島美を楽しもうという魂胆です。当初の予定コースから多少変更となったものの、その期待に裏切られずに楽しめたツーリングとなりました。が、それ以上に驚いたのは、サイクリングを楽しむ人の多さでした。県知事自らの力の入れようもあるのでしょうが、海を渡る複数の橋を気軽に楽しめるという、他にはない地の利が人気を博してようです。  (2017年06月30日 記)

岩城島・積善山にて
コース   今治・糸山−大島・亀老山−大島・カレイ山−伯方島・開山−大三島−生口島−岩城島・積善山−大島−今治・糸山
走行距離   100キロ   積算標高 約1900m
最高地点   積善山山頂 (370)
走行日   2016年 3月24日   天候:快晴   FELT F1
 
糸山公園から来島海峡大橋
 午前5時、徳島出発。7時半頃に今治・糸山公園に到着。駐車場には、自転車を積んだクルマが次々と到着してきます。どうも、地元ショップかメーカー主催の試乗会もあるようです。   
造船所を眺めながら、来島海峡大橋へ
 出走準備をして、糸山公園で来島海峡大橋を背景に記念撮影後、8時にスタート。まずは来島海峡大橋を渡って、最初の展望ポイント、大島・亀老山へ向かいます。今回も、ばっちり快晴・微風の自転車日和です。まだ朝早めの時間でしたが、既に対向する自転車乗りとも、パラパラすれ違います。橋上の光景は、無料になっていることを除けば、ほぼ7年前の印象通り。少しばかり靄っていましたが、橋から眼下に見下ろす海も瀬戸内海とは思えない透明度でした。
  
来島海峡大橋を渡る            橋から大島に下るループ        来島海峡大橋を北側から望む
 亀老山は、前回K氏と登った記憶通りでした。勾配は、そこそこあります。8合目付近まで登ると、東側の展望が広がってきます。この辺りからが見どころです。山頂展望台は時間が早かったためか二人で独占。来島海峡大橋をはじめ、今治市街の遠望を楽しみました。残念ながら少し靄っていて、高縄半島の山々がなんとか薄っすら確認できる程度で、瓶ヶ森や石鎚山などの四国山地までは確認できませんでした。登るスピードも遅く、展望台ではついついゆっくりしてしまい、当初は大三島・宗方からフェリーで大崎上島に渡ってみることも考えていたのですが、この時点で既にフェリーに間に合わないと思われました。亀老山からの下りでは、女性も含めて、10人ほどの自転車乗りが登ってきているのに次々とすれ違って、自転車乗りの多さにまた驚きました。

亀老山へ 東側・燧灘の展望

亀老山展望台から今治方面
 下りきって、未走だった東海岸沿いの県道337号線へと進みます。この道は狭い1車線で、交通量はほとんどなし。若干アップダウンがあるのですが、のんびりツーリングにはうってつけの道でした。途中、志津見という小さな港で気持ちよく走るすーさんを撮ろうとしたところ、カメラが動かなくなってしまいました。折角の好天のもと、写真を撮ることができなくなってしまったとは残念無念。が、幸いにも、ごちゃがちゃしていたら、なんとか再稼働するようになりました。動揺したせいではないと思いますが、その直後、東海岸を進む道を見逃して、国道317号線に出てしまいました(帰路に見逃しポイントを確認)。
  
亀老山展望台・東側への眺め         亀老山を下る・光る燧灘       大島・東海岸の県道337号線
 間違いに全く気付かずに国道317号線に戻ってしまい、また落胆。その後の計画もあったので、仕方なく、そのまま進んでカレイ山展望台へ向かいました。この時間帯になると島内の主要コースとなる国道317号線には、レンタルを含めたサイクリングを楽しむ人が多数。日本人はもちろん、東アジア系と思われる人や西洋人も多数で、7年前だった前回には想像もできなかった光景です。
 宮窪の町に入る手前で左折(標識有)して、カレイ山への登り道に入ります。さすがに、この道に入ると自転車乗りはいなくなりました。辿り着いた山頂展望台からは、これまたいい眺めが待っていました。鳥瞰好きには、たまりません。まず眼下に伯方大島大橋。右手下には、初めて走った時にも気になったいい雰囲気の能島。振り返ると先ほど登ってきた亀老山、行く手には、これから向かう伯方島の開山や大三島から生口島など、しまなみ海道全般が見渡せます。
  
カレイ山展望台からの眺め 伯方大島大橋        能島               伯方島〜大三島  
 ここで、時間的に宗方から大崎上島に渡ることは完全に断念しました。その後の予定は、次に向かう開山山頂で相談することに。カレイ山を下って、伯方大島大橋を渡り、3ヶ所目の展望台、伯方島・開山へ。伯方島・開山は標高150mほどの小高い丘程度です。山頂には立派な展望台ありました。
 一休みしながら、その後の行程を再度すーさんと相談です。予定では、大崎上島がダメでも大三島の鷲ヶ頭山に登ろうと思っていました。しかし、結局、フェリーにも乗ってみたいというすーさんの意見を尊重して、当初は全く考えていなかった岩城島へ渡り、積善山に登ることにしました。帰路は岩城島からフェリーで大島・友浦に渡り、往路に失念した道を確認するという行程に決定です。すーさんがスマホでフェリーの時刻も確認してくれました。ひとりだと、こうはいかず。アナログ親父は相変わらず紙地図のみ。しかも、予定コースだけしかコピーしてこなかった上に、およその距離をマップした予定表も何処かに置き忘れてきてしまう始末。
  
伯方・大島大橋を渡って伯方島へ           路面に行先表示        伯方島・開山登り口手前から大三島橋
 開山の標高は上述のように150mしかないのですが、展望台からは360°に近い展望が見られます。西に伯方大橋、北には多々羅大橋。多々羅大橋の向こうは、すぐ本州です。東には、これから向かう予定の岩城山・積善山が端正な姿を見せています。振り返ると、先ほど走ってきたカレイ山と亀老山が見えます。展望も良いのですが、ここにはサクラ(おそらくソメイヨシノ)が沢山植えられており、満開時(この10日後くらい?)には海と島の光景に、まさに花を添えることになりそうです。後述の岩城島・積善山同様、ぜひ満開の時に再訪したいものです。
 
カレイ山から 大三島橋      多々羅大橋 向こうは本州
 
カレイ山から 岩城島       大島方面
 開山を下って大三島橋を渡り、大三島へ渡ります。写真:左下は、開山から見た大三島・鷲ヶ頭山方面です。当初の予定・鷲ヶ頭山に登った後に走ることを考えていた山道が、山腹の上方をトラバースしているのが確認できます。この道も、また要再訪ですね。実際に走ったのは、海岸線沿いの最短コースで、道の駅・多々羅しまなみ公園へ。
  
開山から、大三島・鷲ヶ頭山方面              大三島橋          道の駅・多々羅しまなみ公園にて
 道の駅・多々羅では、休憩中の自転車の数がクルマより多いくらいでした。写真に写っている自転車は、一部です。ちょうど正午だったので、昼食休憩。いつの間にか「サイクリングの聖地」という看板まで出現しました。その名に負けず、以前に訪れた時より自転車乗りが格段に増えていたことはもちろん、橋無料化や行き届いた施設や道表示など、愛媛・広島両県とも随分と力がはいっているようです。しまなみ海道走行中、こんなところにもと驚くくらい、随所に自転車ラックが設置されていました。
 多々羅大橋の手前にある展望台にも立ち寄ってみました。この後の岩城島・積善山も含めて、展望台5か所。すーさん曰く 「一日でこんなに展望台に登ったのは、初めて」。

多々羅大橋 展望台から
 
道の駅・多々羅には自転車多数  多々羅大橋を渡る自転車乗り達
 多々羅大橋を渡って、生口島へ。岩城島へ渡るため、東海岸の洲江を目指します。フェリーの時間が午後は30分に1本なので、ギリギリで間に合いそうな便を目指してすーさんがペースアップ。途中、すーさんが大声。何かと思ったら、キジが道路を横断中でした。フェリーの出航には、なんとかうまく間に合ったものの、道脇にたわわに実っていたレモンを撮り逃してしまいました。
  
多々羅大橋を渡って、生口島へ
 驚いたのは、このフェリーにも、私達の他にも自転車乗りが数人いたことです。対岸の岩城島・小漕港は目と鼻の先、10分ほどで到着です。島を一周するらしい他の自転車乗り達を見送って、島の中心にある積善山へ向かいます。この山、標高370mだそうですが、小漕港から見た感じからは、それほどの標高があるように見えません。すーさんと 「眉山より100mも高いとは思えないなあ」とは一致した見解でしたが、目の錯覚?でしょうか。
 
生口島〜岩城島間のフェリーにて
 
フェリーの甲板          岩城島のレモン
 積善山山頂まで5qほどだったので、平均勾配は7%ほどです。道は写真のような細い1車線、クルマはほとんど通りません。途中からはサクラの木が増え始めてきました。積善山はサクラの見所として有名で、前年4月にうまく都合がつけば訪れようと思っていたところです。今回は、まだ開花には早いと思っていたので、当初は予定に入れていませんでした。開山で訪れることを決めた時にも、次回のための予習にと理由づけです(この2週間後に再訪を狙ったのですが・・・、没)。
 
積善山を登る

サクラ並木が続く
 登るにつれて、道沿いのサクラは大きな樹が目立つようになってきました。道両側から覆いかぶさるようで、満開時にはサクラのトンネルが、さぞ見事でしょう。ここでも驚いたのは、登り途中など何ヶ所か目新しい立派なトイレが設置されていたのですが、そのいずれにも自転車用ラックが併設されていたことです。また下り時には、単独やグループの自転車乗りが何人も登ってきていました。しまなみ海道人気は、やはり半端じゃないようです。

積善山、山頂少し手前にて

積善山から北へ、中央の海峡をフェリーが結ぶ
 頂上直下の小さな駐車場から山頂展望台までは、急勾配の坂道を押し上げます(MTBでも乗車は無理っぽい)。到着した展望台、さすがに本日のチマ・コッピ。標高はさほどでもありませんが、360°の展望は、この日訪れた展望台中で最高でした。これでサクラが満開だったら・・・、とは贅沢ですね。西には、ここに来ることを決定した伯方島・開山から大三島橋と大三島。北西には先程渡ってきた多々羅大橋、北方向には、生口橋から因島。その向こうは向島から尾道です。そして、東には生名島・佐島・弓削島から燧灘の水平線上には、うっすらと荘内半島を見ることができました。写真ではほとんど確認できませんが・・・。
 
伯方島・開山と大三島橋、大三島       多々羅大橋
  
生口橋と因島         生名島・佐島・弓削島
 積善山山頂からの展望を十二分に堪能した後は、登ってきた反対方向の東側に下りました。こちらの道も、登ってきた道以上に狭いくらいで、下って出てきたのは、港街中の細い街路。こちらから登ろうとしたら、登り口発見に迷うこと必至かと思われました。岩城港に到着して帰路のフェリー時間を確認すると、1時間半以上待ち時間がありました。ということで、島を時計回りに一周してみることにしました。

展望台から東へ、岩城港が直下に見える

岩城港にて ここにも自転車ラックあり
 海岸一周はアップダウンがほとんどなく、ほぼフラットでした。ここでは、すーさんのGPSを参照に最も海岸線に沿った道を進みましたが、そこでも自転車用と思われる青い誘導ラインが分岐部に記されていて、わかりやすかったです。 唯一、小漕港への道と交差部分で、高縄半島でも見た路面に記された自転車用の標示が、小漕港は左折、一周コースが直進となっていて、そのまま直進すると畑道で行き止まりでした。これは直されたし、ですね。造船所には新造船が2隻。すーさんによると大きなほうは喫水線のメモリから赤い喫水線?の部分だけでも20mはあるとのこと。写真では、船の大きさがわかりにくいです。
 
海岸線の道と、唯一迷った道路標示の部分

造船所の横へ
 ゆっくり回って、再び岩城港まで戻ってきました。ちょうどもう一人自転車乗りが休んでいたので話をしたところ、高松からとのこと。しかも、なんと自走! これだけでも驚いたのに、さらに自走で帰るとのこと。絶句、考えられん。その方が言われるには、会社で自転車クラブを立ち上げたものの誰も付いてきてくれないとぼやかれていましたが、まあ当たり前ですよね。

ほぼ平坦だった海岸線沿い一周の道
  
長江のフェリー乗り場        そろそろ港へ
 港に帰ってきて一服していると、ランドナー乗りのカップルが登場。男性はブリジストン・ユーラシア(懐かしい)、女性はグランボア製でした。船には乗らなかったので、島に宿泊されたのでしょうか。待つこと30分ほど。やってきたのはフェリーではなく客船です。自転車は、後部の狭いデッキに。約30分で大島・友浦港に到着です。17時前。今日のうちに帰宅できるかという高松の方を見送って、東海岸を南下します。途中、往路に見逃した志津見の分岐を確認しました。
 
カップルのランドナー2台     自転車は後部デッキに

大島・友浦港に到着 乗ってきた船を見送る
 そのまま東海岸を進んだところ、なんと先日の淡路ツーリングに続くチェーン切れです。前回の教訓は生かされず、またチェーン切持参なし。後10qほど、またケンケン・キックバイク状態かなと覚悟しましたが、すーさんが手持ちの工具と石を使って、なんとか仮修理! その後は、インナー・ローで負荷をかけず、横方向の力を避けるため変速なしの固定で、おそるおそる走りました。

日の入り前の来島海峡大橋

来島海峡を進む船
 しかし、このロスのおかげで、来島海峡に到着した時には、ちょうどいい具合に日没前になりました。立ち止まって、日没まで、しばし西の空を眺めて、のんびり。今治方面に向かう自転車乗りはまだまだ多く、みんな同様に立ち止まっては夕焼けの写真を撮っていました。

西には暮れゆく太陽

東の空には 月
 相変わらず予定変更やハプニングがありましたが、天候芋恵まれ、早朝から夕暮れまで、しまなみの光景・当初の目論見通り高所から海と島を楽しんで一日終了。次は、是非、満開の桜の時に、が合言葉です。

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