四万十川・足摺岬・大堂海岸   高知県・幡多地区界隈  (おまけ 滑床渓谷)


 1980年・春以来、25年振りに高知県・幡多地区を走ってきました。25年前は、須崎から東津野に入り大正を経て中村へ。足摺から大堂を周った後、宿毛からフェリーで九州へ渡りました(さらに九州中央山岳地帯を南から北へ縦断)。今回はそんな時間的余裕がないので、K氏と車を走らせ、初日はロードで海岸線を、二日目はMTBで山へ、というコース取りを設定しました。実は2週間前に予定していたのですが、天候不良という予報で延期。そのおかげか、二日とも絶好のサイクリング日和となりました。
                          (走行日 2005年4月16日、17日     2010年11月20日更新)

一日目  須崎−窪川−中村−足摺岬−大堂海岸−柏島
     
                                         四万十川の流れ (中村〜口屋内)
 25年前に走った時は全く無名に近い四万十川でしたが、今や「最後の清流」としてその名は全国区。なぜ、四万十川がこれほどもてはやされるのか?

入野松原手前

大岐の浜
 今回走って改めて感じた一番の理由は、周囲に住む人間の数が少ないことでしょうか。川沿いの道は広く改良(自転車ツーリングにとっては味気なく)されつつあるものの、集落以外では人工物があまり見当たりません。山々を縫うように蛇行する川、土手も水際まで木々が繁っており、コンクリートの護岸などはあまりないのか目立ちません。すなわち、川本来の自然な姿が比較的そのまま残っているということでしょうか。徳島県南の清流・海部川も周辺の人口は少ないのですが、流域の広さや周辺の山の高さなどによるのか、四万十川はさらに広々・ゆったりと感じました。桜や菜の花にはちょっとばかり遅かったのですが、萌え出る新緑が美しい季節でした。

四万十川

ご存知、足摺岬
 初日のスタート地点は、須崎市の西外れ。そこから足摺岬方面へと向いました。須崎郊外の国道56号線はそこそこの交通量がありました。が、標高290mほどの七子峠を越え、海の近くと思われるけど大きく迂回した四万十川沿いの盆地・窪川を経由してさらに南西へ進むと、次第に交通量は減ってきます。入野松原では国道を離れて海沿いの道を進みましたが、入野松原を過ぎた県道42号線付近で少し迷走。

足摺岬にて

足摺岬の椿トンネル
 四万十川にかかる最も河口に近い四万十大橋を渡って、国道321号線へ。大岐の浜は、25年前と変わらぬ広く優雅なカーブを描いていました。

樫西海岸にて

大堂海岸展望台から 沖の島
 今回のツーリングでは、ここからの足摺岬、大堂海岸が一日目のハイライトでした。25年前に比べて、道路が格段に改良されていることが一番の驚きでした。しかし、ツーリングには以前からの細く照葉樹林に覆われた一車線の道が趣があります。そんな道も、足摺岬周辺に僅か、大堂海岸の展望台に登る旧道(直下に立派なトンネルが出来ています)が名残をとどめるのみでした。

夕日に輝く柏島全貌

観音岩
 大堂・柏島に近づいた頃には二人とも売り切れ寸前状態でしたが、トンネルは通りたくなかったこともあり、トンネル上を走る旧道へと進みました。幸い勾配は思ったほどではなく、車の通らない照葉樹林に蔽われた道(足摺周辺といい、この雰囲気のある道の写真がないのが残念)を進みました。展望台直前には10%を越える激坂がありましたが、辿り着いた展望台からの眺めは最高。無理をして登ってきた甲斐があったというもの。白亜の断崖と澄んだ海水、それにウバメガシなどの照葉樹林の新緑が、美しいコントラストを見せてくれました。

大堂海岸・展望台から東へ

大堂海岸・展望台から沖の島
 頂上から柏島へ降りる途中にある、25年前もこれが見たくて大堂海岸に立ち寄った、観音岩。今も変らぬ姿でした。

二日目  中村−口屋内−黒尊林道−鬼が城山−滑床渓谷

     
                                  黒尊林道(標高約980m)から宇和海を一望 (最奥の稜線は佐田岬)
 「沈下橋」・・・吉野川では潜水橋と呼ばれ、架け替え等により次第に消滅しつつあるのですが、ここ四万十川ではまだまだ多くが実用されています。中村市から口屋内の20kmほどの間にも気付いただけで数本。今回は、口屋内から支流・黒尊川へと進んだのですが、次の機会には本流をもっと遡る、さらにできることなら、ゆっくりとカヌーツーリング(この日も2艇が流れに任せるように川を下っていました)をやってみたいものです。

赤橋

佐田の沈下橋
 2日目のメインは、口屋内から分れる、四万十川・支流の黒尊川に沿う黒尊林道。この道の情報はあまり無く、高知県の情報には絶大な信頼を寄せているM氏から教えていただいた「カブと山のページ」を参照させていただきました。また、以前から愛読する野田知佑氏のエッセーから、黒尊川の美しさ・素晴らしさを散々吹き込まれていたので、その清流にも期待していました。

沈下橋を渡る

佐田の沈下橋  遠望
 しかし、結論からいうと、私の観点からはちょっと期待外れ。もっと大きな支流を予想していたのに、想像していたより小さな流れ。確かに水は澄んで美しかったのですが、川底の石が赤茶を交えたような白っぽい岩&石。吉野川水系の青石に馴染んでいる目には、もうひとつしっくりきませんでした。

口屋内橋を渡る

口屋内までに 5つばかりの沈下橋
 口屋内から滑床への林道分岐部まで、約25kmで標高差はほぼ1000m。道は全線一車線・完全舗装、今回はMTBでしたがロードでも通行可能です。加えて自動車がほとんど通らないので、快適そのもの。途中、食事休憩や写真撮影などを含めて、ゆっくり約3時間の道程。

黒尊渓谷序盤

標高800m付近から、黒尊渓谷を振り返る
 前半は緩やかで、時折小さな集落(なかなかりっぱな造りの家が多い)がありますが自販機や食料調達可能な商店は一切ありません。後半になると、黒尊川は次第に谷底へと離れて勾配が増してきます。10%を越えるような部分はほとんどありませんが、かと言って平坦な所も無く、前日180kmほど走っていたため、結構堪えました。
 この道を中心として、何本かの林道が交錯しています。いろいろと別なコース取りも楽しめそうです。

標高900m付近 稜線を走る

標高900m付近から、八面山
 標高900mまで登ると、道は稜線の西側に出ます。ここから宇和島市街が見えると耳にしていたので、鳥瞰好きの私はちょっと期待していたのですが、それが想像を遥かに超えた圧倒的スケールで、K氏とともに感嘆することしきり。
 直下に宇和島市街はもちろん、西北には佐田岬半島(写真:二日目のトップ)、南西方向には津島町あたりの入り組んだ海岸線と点在する島々、さらには九州・佐賀関付近!までが見渡せました(写真:下中、ちょっと小さいですが)。春霞でちょっと靄っとしていて、これですから、条件がいいと素晴らしい展望でしょう。稜線西側をトラバースする道を進みながら、この大展望が堪能できます(別の情報によると、北東には四国カルストも遠望できるらしい)。

九州が見える! (左奥の島影)

黒尊林道から滑床へ
 黒尊林道から、まっすぐ北へ進むと、国道320号線を経由して宇和島へ通じるようですが、今回は鬼が城山を北へ廻ったところから滑床への林道へと進みました。高知県の情報源・M氏からの情報通り、林道の入り口には進入禁止の柵がありました。横には「・・・危険につき許可無く進入するべからず・・・」という標示がありましたが・・・。確かに、滑床への林道に入ると全くのダート。総じて、王滝以上に荒れている感じ。2ヶ所ほど中等度の崩落箇所もあり。そんな道を、K氏は楽々とスピードに乗ったまま下っていくのですが、私はへっぴり腰であっという間に差が開いてしまいました。

黒尊林道から滑床への地道

滑床渓谷
 黒尊林道とは峰を隔ててひとつ北側の谷を降りていくことになりますが、その峰の北側斜面は、常緑樹が多かった南斜面と一転して落葉樹が大部分でした。四万十川では、新緑が萌出る季節でしたが、さずがに標高の高いここでは、まだまだ新芽の姿はありませんでした。しかし、新緑や紅葉の頃はさぞかし見応えのある山肌になるだろうと思われました。

雪輪の滝
 さて、滑床です。ここも高校生の頃から、一度は訪れてみたかったところ。ところが、同じ四国とはいえ徳島からは随分と遠い。時間だけで言えば、東京や札幌へ行くよりも遠いのです。これまで見た写真から、いろいろと想像をかきたてていた滑床ですが、あまり事前調査をしていなかったので、徒歩で片道2時間近くかかるほど広い範囲だとは知りませんでした。
 自転車で到着した後は、ゆっくりと散策を。と思っていたのですが、時間的余裕と体力的余裕が無くなってしまい、十分に堪能することが出来ませんでした。今回のツーリングで唯一の思い残しです。
 渓流は登りながら見るのが降りながら見るのよりずっと良いと言われています。今回は、遊歩道から少し離れた山側の道を自転車で下ったので、渓流は垣間見たのみとなってしまいました。 ただ、「雪輪の滝」は、想像していたより遥かに大きな規模で、見応えがありました。この滝ひとつ見ただけでも、滑床に来た価値があるというものです。渓流を形作る岩盤は、黒尊川と同じような、やや赤褐色気味の白っぽい色調でした。
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