鳥取・岡山県境の道   新庄・出雲街道
 10月6日、7日と米子に出張でした。その翌日からは三連休です。うまい具合に天候に恵まれそうだったので、米子にもう一泊。蒜山高原をスタート・ゴールとして、岡山・鳥取県境付近の道を走ってきました。この付近、自転車で走るには大山周辺がベストだと思いますが、以前に走ったことがあるので、今回は蒜山高原から西方面周回としました。できるだけ国道は避けて交通量の少なそうな道を選択したのですが、なんと3ヵ所も通行止めに遭いました。
 大山周遊に比較すると、その雄大さにはとても敵いませんが、新庄の街並みや以前から気に入っている点在する中国地方山間部の民家、思いも寄らなかった自然の流れが残っている大井野川沿いのコースなど、十分に楽しめた一日でした。

新庄の街道筋 がいせん桜通
コース  蒜山−新庄−大佐ダム−千屋−桑平峠−石見東−黒坂−二郎−根雨−江尾−内海峠−蒜山 
走行距離   約120キロ(上記コースで105km)   積算標高 約2500m
最高地点   県道111号線・桑平峠 (標高 約800m)
走行日   2011年10月 8日   天候:晴れ   FELT F1
 午前6時半過ぎに米子を出発し、7時15分頃に蒜山高原、道の駅・風の駅に到着しました。7時半にはスタートできるなあと思いながら自転車を下ろしたところ、なんとあれだけ出発前に確認していたのに後輪がパンクしています。予備のチューブは使い古しのあまり信頼の得られないのが2本。最初から先が思いやられました。チューブを交換して、祈るようにして走った一日でしたが、結局その後はトラブルなしでした。
 まずは西進してすぐ県道58号線を新庄方面へと向いました。気温は7℃、指きり手袋では少し寒いくらいでした。この日最初の峠となる野土路峠(新しいトンネルが峠下を抜けている)は峠から大山の眺めがいいらしいこともあり、当然旧道へと進みました。ところが分岐から100mも進まないところで、通行止めの標示と柵。自転車なら何とかなるさ、そのまま強行突破することも頭を過ぎりましたが、まだ先は長い。しぶしぶトンネルへと進路変更。トンネルは新しいためか、結構明るく(最後にどうしてもトンネルを走るコースだったので、電装装備済み)、クルマも少なくあまりストレスなく抜けることができました。

野土路峠手前東側から、大山方面

新庄の少し北にて
 峠には登れなかったのがちょっと残念でしたが、その分、今回の旅の目的地のひとつであった新庄に早く着くことができました。新庄までの県道58号線は、2車線の広い道で、交通量も少なく快適でした。
 到着した新庄は、まだ午前9時前ということもあって、観光客はもちろん、休日のためか地元の方もほとんど姿が見えませんでした。写真・トップのように、1本の直線道を挟んで両側には民家が並んでいます。道と民家の間には、桜並木とその足元には幅数10pほどの水路が流れています。

新庄の街並み

新庄・がいせん桜通
 多くの民家の軒下には、この水路から水を取り入れ、池が構えられていました、そこには錦鯉がゆったりと泳いでいました。桜並木の幹が立派過ぎて折角の民家が半ば隠れてしまうことと、写真では写っていませんが、在住の方のものと思われる自家用車が沢山民家前に止められているのが、ちょっと残念でした。ペダルはSPDに変更していたので、ゆっくり歩いて散策です。桜が満開の頃は、また全く別の様相を呈していることでしょう(しかし、早朝でもない限り、人出が多いこと間違いなし)。

水路から引き込まれた軒先の池には錦鯉

がいせん桜通両脇を流れる水路
 新庄の街から国道181号線をわずかばかり走った後、すぐに再び県道58号線を南下することになります。国道から分岐してすぐは野土路峠付近同様2車線の広い道だったのですが、最後の民家の手前からは一気に1車線の細い道に。おまけに、勾配も10%近くになりました。同じ58号線なのにこの違い。最初はどこかで間違ったのかと思ったくらいです。中国山地の道は四国よりも緩やか、という印象も、この道では覆されました(その後の桑平峠でも)。
 結局坂路峠(標高750m)を登って下り、県道112号線の合流地点まで、ずっと細い1車線の道でした。そのためか、出会ったクルマは皆無。写真:下の2枚はいずれも峠より南側でのもの。実際は、もっと暗く、鬱蒼という言葉の一歩手前といった感じでした。北側はさらに細く、農道のような感じでした。

県道58号線、新庄大佐間

県道58号線、実際はもっと暗い
 県道58号線・定藤?というところで県道112号線に左折。この分岐には、とても大きな民家がありました。ちょっとしたお城といってもいいほど。○○林業とかいう立看板がありましたが。写真:下左は、その南隣の家で、これも写真のように相当に立派な家屋ですが、○○林業さんちは、この5倍くらいありそうな家でした。県道112号線に入って少し走ると、いつの間にか大佐ダム湖の湖畔に出ていました。直前にトンネルがあって、ダムは直視できなかったようです。

県道58号線・112号線分岐部にて

大佐ダム湖
 ダム湖が途切れる辺りで、県道112号線から左手・県道317号線・大井野方面へと進みました。ここからしばらくの大井野川沿いは、地図上からは予想していなかった清流と併走です。川底からは道まで高さが1mもない程度で、周囲には落葉樹が多く目立ちました。以前走った小田深山にもちょっと良く似た感じです。県道58号線同様道幅は1車線でしたが、緩やかでサイクリングを楽しむには絶好の道でした。

県道317号線沿い、道脇の清流

県道317号線沿い、広葉樹も多い
 大井野では小さな集落があって、写真:下左のように立派な家が散見されます。この付近、茶色の瓦と黒の瓦の民家が半々くらいでした。写真のように、この家は母屋が黒瓦で蔵が茶瓦でした。大井野の集落はずれで、県道443号線への分岐があります。こちらへ進むことも多少考えていたのですが、317号線を進むこととしました。ところが、すぐにまた「落石のため通行止め」の標示&柵。たまたますぐそばに地元の方らしき人がいたので、尋ねると「そうらしいなあ、でも自転車ならなんとかなるだろう」との返事。
 その言葉を信じたわけではないのですが、まあ、なんとかなるだろう、だめなら戻ってきて443号線に回ればいい、と思いながら先に進みました。勾配は、ややきつくなって、少し土砂が流れた後も見かけられましたが、峠を越えるまで走行不可能なところは全くなし。ほぼ下りきって引き返すのだけは免れたいものだと思っていたところ、まもなく再度全面通行止めの標示&柵。落石ではなく、5mほどにわたっての路肩崩落でした。自転車には全く問題なし。

県道317号線沿い、大井野付近にて

県道111号線沿い、土壁の民家
 千屋というところまで下ってくると、国道180号線に右折して北上です。さすがに、交通量はやや多くなりました。道は幅広い2車線となり練習にはいいコースでしょうが、サイクリングには味気ない道でした。5kmばかり国道を北上し、成地というところで県道11号線へと左折。ここから桑平峠までの道が、この日一番の激坂でした。距離はさほどないものの、平均で10%くらいでしょうか。まあ、のんびりとのぼります。峠で一服。右手・北側に花見山のスキー場を見ながら、西に向って下ります。前方には大倉山が大きな三角錐を描いており、少し開けたところには相変わらず上塗りの美しい瓦の民家が点在してました。

県道111号線、大倉山を背後に

県道210号線沿いにて
 下りきると、今度は県道210号線を北上します。この道は、どんどん改良されているようで、一部を除いて広い2車線でした。どうも、この付近、南北に走る道が改良?が進んでおり、それに対して東西に走る道は、旧道のままのところが多い印象でした。あまり登っていると思わなかったのですが、桑平峠から下りきっていなかったようで、緩やかに少し登った後は黒坂まで一気に下り。写真:下右で左手付近にまっすぐ見えるのがその道。全く踏まなくても軽く60km/hでした。

県道46号線、黒坂の街並み

県道46号線、矢倉峠手前から日野川と黒坂の街
 黒坂は伯備線の小さな駅があり、線路と平行して走る旧道と思われる直線道は、遠目にはいい雰囲気でした。が、一軒一軒の民家は、昭和後期と思われる建物で、歴史を感じさせるほどではありませんでした。ここからは、県道46号線で矢倉峠を越えます。この道も峠付近を除いて、2車線の広い道と改造されつつあるようでした。曲がりくねった旧道はクルマにとってはストレスが多いでしょうが、自転車にとっては緩やかであることもあり、有難いのですが。

県道46号線・二郎付近のソバ畑

県道35号線・間地トンネル
 朝7℃だった気温も20℃近くまで上がって半袖短パンで全く問題なしです。県道46号線を二郎というところまで下って、折り返すように県道35号線を南下しました。この道も2車線です。国道でもないのに、なぜか大型トラックが頻繁に(と言っても平均して1分に1台程度ですが)通り、同じような二桁県道でも随分違いがあるものだと認識しました。前述のように、当初からここだけはトンネルを免れないと思っていたところです。北側少し手前に、旧道のような分岐を見つけましたが、すぐに荒れたダートだったので進むのは諦めました。トンネルは、野土路トンネル同様明るかったです。トンネル南側には、舗装された1車線の道がありましたが、ちゃんと峠道があるかどうかは確認できていません。

国道181号線、江府町・武庫付近から大山

下蚊屋の街
 県道35号線を下った根雨からは国道181号線を走り、武庫から県道113号線で内海峠へ向う予定でしたが、ここでも通行止めの標示です。かなりしっかりした標示内容から無理は禁物と判断し、江尾まで進んで国道482号線で内海峠へと向いました。この道は予想外に交通量が少なく、走りやすかったです。随所で改良工事が行われていましたが、大山の広い山麓の一端を走っているようで、周囲の風景もおおらかです。途中、割と新しいと思われるロックフィル方式のダムがありました。そのやや上手にある下蚊屋の小さな街並みは、482号線から少し外れているのですが、黒塗りの屋根が重なる姿は、私の好きな中国地方の街並みそのものでした。
 内海峠を越えて、道の駅・風の家には14時過ぎに到着。まだ少し時間と体力の余裕があったので東方面へ少し脚を伸ばしてみましたが、中途半端であまり見所はありませんでした。

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