信州ツーリング 2010 晩夏

 2010年の夏は、猛暑を通り越して酷暑と言うほどの厳しい暑さでした。大きな計画はしていなかったので、細切れの夏休みを取る予定にしていましたが、次々と入ってくる仕事の都合で没々続き。折角休みが取れるのだからと、9月21日、22日に遅い夏休みをいただき、天候具合を見て、その前後で信州をツーリングすることとしました。
 紅葉にはまだ早く、新緑や盛夏には遅いこの季節、何か得るものがあるか?見所も直前になって計画したので、あまり綿密なリサーチは出来ていませんでした。手持ちの古い雑誌や地図、それによく訪問させていただいているHPやブログを参考にコースを考えてみました。その中でもmasaさんのブログは大変参考にさせていただきました。ただ、走った後に再度その信州紀行を読んでみると、事前にはかなりいい加減にしか読んでなかったことと、やはり毎日とても凄い行程をmasaさん風に言うと淡々と走っておられるのに改めて驚嘆。当方は、と言えば・・・。            (2010年10月 記)

   1日目

コース   道の駅・ほっとぱーく浅科−国道299号線−十国峠−県道124号線−ぶどう峠−小海−道の駅  
走行距離        130キロ
最高地点     ぶどう峠(標高1500m)  ロード  天候:曇り        
Ptologue
 前日からロードとMTBをSTEP WGNに積み込んで、午前1時に徳島を出発。深夜で渋滞も全くなく午前6時に岡谷ICを降り、和田峠を越えて佐久方面入り。ところが、和田峠を下った辺りから路面が濡れ始め、最後の小さな峠を越える手前からは小雨。
 1日目のデポ予定地・ほっとぱーく浅科には予定通り午前7時に到着したものの、予想もしなかった小雨と霧に覆われて全く視界の望めない周囲の状況で、気持ちは一気にしぼんでしまいました。天気予報を確かめたところ、なんとか午後からは天候が回復しそうです。まあ、いいか、天気が回復するまで仮眠なり読書なりしていようと、車の座席をフラットにして、ノンビリ足を伸ばしていました。
 しかし、ほどなく雨は上がって路面も乾いてきました。当初の予定では、大河原峠を中心とした登り降り、そして時間的余裕があれば内山峠から神津牧場へ回ってみようと思っていたのですが、大河原峠は雲の中だったので早々に断念。では、どうするかとちょっと思案。おそらく標高の高いところは何処も雲の中で展望も得られないだろうと考えたのと、南方面は少しでも天気がいいだろうと、今回のツーリングには全く予定していなかった十国峠とぶどう峠を回ってみることにしました。

  
                                    2日目  今回のハイライト・渋峠手前から白根山方面
 午前9時過ぎに出発、まずは佐久市へと向いました。佐久市から南へ向う国道141号線は、ずっと以前に走っていることと、きっと交通量が多いと思われたので、千曲川の右岸・県道2号線を走ることにしました。この2号線、交通量は少なく、結構曲がりくねった旧道さながらの道で、予想以上に自転車で走るのには趣がありました。傍らには小海線も平行して走っています。

 海瀬というところで国道299号線に右折、十国峠へと向いました。手持ちの地図では、通行止めになることもありとの表示。結構荒れているのかと思っていましたが、古谷ダムを越えた辺りまでは幅広い2車線の緩やかな道でした。ここで一人のサイクリストとすれ違い。思わずニッコリ挨拶(クロスバイクの白人の方でした)。ダムを過ぎて少しすると道は1車線となり、勾配は一気にきつくなってきました。しかし、道脇には清流が流れ(この後走ったどの道沿いにも、かなりの水量を持つ流れが併走していました)、盛りを過ぎたとはいえ繁った広葉樹林が道路を両側から覆って、曇天でしたが秋が近づいてカラッとした天候だったこともあり、登りでも爽やかでした。

十国峠 群馬側から

矢弓沢林道と県道124号線の合流部
 十国峠には11時に到着。峠には櫓様の展望台があったので登ってみましたが、霧というか雲の中なのか、残念ながらほとんど展望はありませんでした。案内図の表示では、前橋や高崎まで見えるようです。そう、ここは群馬県でした。
 峠で補給休憩の後、下り始めたところで今度はサイドバックを備えたサイクリストとすれ違い。そのまま299号線をぶどう峠へ向う県道124号線との合流部まで下るつもりしたが、途中で矢弓沢林道というのを見つけてそちらへ進みました。ちょっとショートカットになるこの道は、1車線の全線舗装。道の状態も良好で、ロードでも全く問題になりませんでしたが、逆走するとかなり急な登りが続きそうです。

ぶどう峠への道、群馬側

ぶどう峠から、信州側
 下りきると、右折して県道124号線に。ここで、御巣鷹という表示を目にしました。この時まで全く知らなかったのですが、ぶどう峠はあの事故現場近くのようでした。御巣鷹方面に向かう分岐部までは、十国峠への登り始め同様、幅広い2車線の道でしたが、分岐部からは1車線の細い道となりました。路面状況は大分くたびれていましたが、これまた十国峠への道同様、横手には清流が流れています。神流川・利根川支流でしょうか?水量は豊富で、流れも澄んでいてなかなかきれいです。時折、渓流釣りをしている方も見られました。周囲の山肌も十国峠同様、広葉樹林に覆われて、新緑や紅葉の時期はさぞ美しいことと思われました。勾配は時に10%くらいがある、緩いということもずっときついと言うこともない道。ここでは、やたら下ってくるオートバイが多かったです。
 期待していたほどの展望はないなあ、と思いながら到着した峠も、展望も趣きもあまりなし。ちょっと肌寒いくらいだったので、早々に下り始めました。信州側は、群馬側と一転して明るい落葉松林が続いていました。また、群馬側は渓に沿った最後の小さな集落から峠までそこそこの距離がありましたが、信州側ではほどなく広い畑を持つ集落が現れました。
 県道2号線に合流して小海まで出ると、再び千曲川の右岸を下りました。海瀬からは、往路と同じ県道2号線を佐久まで引き返しました。佐久に到着したのは14時半過ぎ。まだ少し時間があるようなので、ちょっと迷った末にコスモス街道との表示があった内山峠方面へと向いました。
 佐久の町を抜けて国道254号線に入ると間もなく、道の両側にコスモスが満開。ただ、時間が遅めであったにもかかわらず観光客が多く、しかも道は大型トラックがビュンビュン通ります。どうも写真を撮るタイミングがないまま、疲れた足で緩い上り坂を向かい風に向って走りました。これまたコスモス畑があるらしい神津牧場(ここもmasaさんが訪れていました)まで行きたかったのですが、完全に売り切れ状態。明日のこともあるので、デポ地へと引き返しました。

   2日目

コース    県道94−地蔵峠−県道59−草津−渋峠−信州中野−須坂−菅平−県道4−スタート地点  
走行距離        160キロ
最高地点     渋峠 (標高 2172m)  ロード 天候:晴れ        
 さて2日目、この日が今回のツーリングのメインです。コース取りはいろいろ考えたのですが、走ってみたい道を繋げるとちょっと強行軍かな、というコースになってしまいました。まあ、時速15kmで走っても10時間少々か、と構えてみました。
 結果的には、朝方雨が残るかもとの予報も何処へやら、終日晴れに恵まれました。加えて、草津から渋峠に至る国道292・志賀草津道路は、予想を遥かに上回る壮大な景観を楽しむことができました。

  
                                            渋峠にて

 当初は、道の駅・くるみの里にクルマをデポする予定でしたが、現地に到着したところ、至る所に「クルマを置いて道の駅から出ることを禁ずる」旨の表示が。駐車場も広いし、平日なので邪魔にはならないだろうと思いましたが、さすがにこれだけ書かれていると気が惹けました。仕方なく、走行予定の県道94号線方向に向いました。
 県道94号線に入ると、いきなり10%を越える急勾配です。最後にまたこの坂を上る力が残っているだろうかと不安になりながら進んだところ、程なく路肩がクルマ数台分広くなっているところを見つけてデポ。ちょうど霧が晴れてくるところで、ボンヤリした太陽の白光と霧の中のソバ畑や稲刈り前後の田がいい感じだったのですが、デポ地を探している間に撮影のタイミングを失ってしまいました。
 実は、これも帰宅後に確認したのですが、masaさんもこの道を登っておられ、しかもおそらくこの付近と思われる地点で写真を撮られています。振り返ると千曲川周辺は雲海で、その向こうに八ヶ岳連峰の姿がうっすらと見えました。


千曲川沿いは雲海に覆われる、向こうは八ヶ岳

地蔵峠から北側、県道94号線沿いの渓流

 この県道49号線は上田側から登るとかなり急勾配。平均で10%弱が数キロ続きます。勾配が急であるだろうと言うことは多少予測していました。このひとつ東側にある車坂峠をコースとしたヒルクライム大会があるのですが、一度どこかなあと確認した時に平均勾配が随分きついので、こりゃだめだ、と思ったことがあったからです。この車坂峠を登って尾根沿いに走る道を経由して地蔵峠に至ることもチラッと考えたのですが、その後の行程を考えると余裕なしと判断し諦めました。
 急勾配にヒイヒイ喘いでいると、道端に「熊目撃情報」が。最近出没したので注意とのことですが、もし遭遇したら下るしかないか、なんて思いながら登りました。交通量は少なかったのですが、とにかく急勾配の連続です。前半は千曲川周辺を見下ろすことができましたが、後半はあまり展望もありませんでした。
 地蔵峠までの10kmに1時間以上かかってしまいました。峠はスキー場などがあってまったく趣き無し。展望もないので、小休憩の後下りへ。快適に下っていましたが、右手にまた川が流れているのに気付きました。ちょっと開けたところで近寄ってみたところ、これまた美しい渓流です。しかも周囲は大小様々な雑木林で、これは新緑や紅葉の頃は最高だ(十国峠やぶどう峠よりずっといい)と思われました。この地蔵峠、走るなら絶対に北側からゆっくりと流れを楽しみながらがお勧めです。


国道144号線 嬬恋付近にて

県道59号線沿いのキャベツ畑

 下っていると、メロディラインとあります。「時速40kmで走ると雪山賛歌が聞こえます」とのこと。??。40kmで走るとセンサーが感知して音楽がかかるのかなあ、と一瞬思いましたが、道路に横線が沢山刻んであります。どうもタイヤの走行音が奏でるようです。下りだったので40kmで走ってみましたが、ロードの細いタイヤではウンともスンとも言わず。MTBなら奏でられるかも。 
 国道144号線まで一気に下りました。下りきった交差点付近を中心として、山肌には広大な高地野菜畑が連なっていました。嬬恋の高原野菜は有名です。ちょうどキャベツの収穫時期のようで、大きなトラクターが走り回っており、舗装上には土ぼこりでいっぱいでした。この県道144号線も30余年前に上田側から長野原まで走っていますが、記憶無し。
 国道144号線を少し下って万座・鹿沢口から県道59号線へと進む予定でしたが、右手(南)・軽井沢方面から合流する道があったところで勘違いして、5kmほど手前で59号線の道が見当たらないとウロウロ。しばらくして勘違いに気付いたのですが、鹿沢口まで3時間近く要して、その後の行程が大いに不安になってきました。

 漸く確認できた鹿沢口からの59号線も、いきなり急勾配で登っていきます。手持ちの地図は14万分の1という大縮尺だったので、細かな勾配は全くわかりません。多分途中まで登って国道292号線合流部手前では少し下るのだろうと思っていましたが、その時まで草津温泉が標高1000mの高さにあるということを全く知りませんでした。
 道の周囲はもちろん、振り返ると広大な浅間山の裾野にも高原野菜用と思われる畑が広がっています。ちょっと北海道をも思わせる風景ですが、起伏が大きいですね。そんな景色をゆっくり楽しむ余裕も、足が重くてあまりありませんでした。
 ここででしたか、またまたメロディラインが登場。今度はさすがにご当地、草津温泉音頭とあります。ちょうど何台かのクルマが追い越していったのですが、「草津よいと〜こ〜・・・」と見事に草津温泉音頭を奏でています。思わず笑ってしまいました。掛け合いの部分までちゃんとあります。クルマに乗っている人にも同じように聞こえているのでしょうか?
 国道292号線との合流地点のコンビニ・ここからが本番と言う手前で、既にへばって大休憩。全く行く先が思いやられました。そこから交通量が増えた急な道をなんとか登りきって少し下ると、そこが草津温泉街でした。温泉街をウロウロする時間的余裕も精神的余裕も無く、そのまま志賀草津道路・292号線を進みました。


志賀草津道路、殺生河原付近

志賀草津道路から草津温泉方面

 幸いなことに、草津温泉からの勾配は比較的緩やかでした。連休の谷間とは言え平日であったためか、交通量もさほど多くはありません。路肩は広いとは言えませんが、両側の落葉樹が木陰をつくってくれて、疲れた足でも気持ちよく走れました。時折見える温泉街は、少しずつ眼下へと遠ざかっていきます。
 しばらく登り続けると、落葉樹は見られなくなってきました。森林限界ではなく、噴出する硫化水素?などの影響かと思われました。masaさんも書かれていた「風向きによっては濃度が高くなるので立ち止まらないでください」との表示を見つけました。が、当然立ち止まって写真を撮りました。しかし、やはりちょっと怖いので、早々に離脱。
 そこからはずっとそんな危なっかしいところが続くのかと、ちょっと心配しましたが、その後は全くなし。逆に展望がどんどん広がっていきました。なだらか気味の山肌を縫って走る道は、周囲が低木しかないこともあり、見晴らしが良好です。遠方は少し霞んでいましたが、登ってきた道や草津温泉街のパノラマが楽しめました。平日でしたが何人かの自転車乗りが下ってくるのにもすれ違いました。みんないい顔をしていました。


弓池から草津白根山

山田峠付近から渋峠方面

 疲れた足のことも忘れるほどの景観を見せてくれる道を、ノンビリと登っていくと、大きな駐車場に到着しました。草津白根山の登山口と湯釜への起点となっているようで、駐車場には沢山のクルマがとまっていて、大勢の人が湯釜へと思われる方向に歩いていました。
 実はこの道、30数年前・高校の修学旅行で通っていると思われます(バスですが)。発哺温泉に宿泊した記憶と、草津白根山の湯釜をバックに撮っている写真が残っています。その時は小雨交じりであまり天候が良くなかったのですが、ちょうど紅葉の時期で、ここにいたる前に通った千曲川沿いのある意味・日本の秋を象徴するような風景も含めて、いつか是非自転車で走ってみたいコースだと思ったものでした。


渋峠から、白根山方面を振り返る

渋峠から太平湿原・草津温泉を鳥瞰

 湯釜に立ち寄ることなく(時間的余裕もなかったのですが)人が多いのは苦手なので、そのまま先へと進みました。
 万座方面への分岐部を過ぎると少し下った後、再び緩やかな登り道となりました。ここまでの草津温泉方面への展望も広大で素晴らしいものでしたが、ここからの山岳コースはさらに圧巻でした。masaさんのブログにも素晴らしい、とは書かれていましたが、やはり百聞は一見にしかず。とにかくスケールが大きい。何枚か写真を挙げましたが、実際はこんなものじゃありません。
 山田峠では、おそらくあの付近が渋峠だろう、と思われる地点で写真撮影。乗鞍は確かに別格だと思いますが、この志賀草津道路もそれに負けるとも劣らない景観が続きます。
 渋峠には、草津からのんびり走っても2時間ほどで到着しました。峠と言うには、ちょっと無理があるような地点です。幸い、到着した時は誰も居らず、補給休憩しながら、ゆっくりと眺めを堪能しました。直下には太平湿原、その向こうに草津温泉の街が見えます。白根山方面の展望も、雄大です。ノンビリしていると、クルマやバイクに乗った人が次々とやってきたので退散。


横手山直下から、走ってきた白根山方面

横手山直下から万座峠方面

 渋峠から横手山直下までも、雄大な景観が続きます。ブレーキをかけないといくらでもスピードが出るのですが、足早に駆け下りるのはもったいない光景が続きます。万座方面に向かってみるのも、次回の楽しみです(いつになるか?)。
 つづら折れの道を快適に下っていると、何人かの自転車乗りが登ってくるのとすれ違いました。結構年配の方が多く、女性もおいでました。自転車は様々でしたが、雰囲気からマイペースで登られる同じグループの方々のようでした。草津方面から登る時にすれ違った自転車乗りと同様、登りにもかかわらずみんな爽やかないい笑顔をしてました。挨拶をしながら、交通量も少なく道幅も広いので、快適にダウンヒル。途中、これもちょっと考えた県道66号線の分岐も確認しました。今度は、万座やこの66号線、さらには北へ延びる奥志賀高原栄線などをぜひ走ってみたいものです。

 この道をほぼ下りきった道の駅・やまのうち近くのコンビニで補給休憩。その後のルートを再確認しましたが、結局信州中野に出て国道403号線を走ることにしました。かなりへばっていたのですが、403号線では幸い追い風が助けてくれました。途中、小布施付近では、昔の町並みが保存された地区があるようで、大勢の観光客がそぞろ歩く姿を見ました。スピードを緩めてキョロキョロしながらゆっくり走りましたが、やはり人が多いところは苦手で、そのまま走り過ぎました。
 またこの付近では、りんご畑とその直売所を多数見かけました。南国育ちの眼には、たわわに実ったりんごの木は、なんとも魅力的に映ります。


菅平にて

県道4号線・上田市外にて

 須坂からは国道406号線に入り、いよいよ今日の最後の難関と予想していた菅平への道へと進みました。もう1ヶ月も前となってしまって記憶が薄らいでいるのですが、菅平までの道も交通量は比較的少なく走りやすい道でした。ただ、もう余力がほとんど無くなってきていて、とにかく最後の登りだと思うことだけがよりどころでした。途中一ヶ所工事中で時間通行止め。その後、大きなつづら折れが一ヶ所。そこを少し過ぎたところで、道脇に溢れていた湧き水を頭から浴びてリフレッシュ。峠と思われるところを過ぎると、そこはもう菅平の端でした。菅平も県道182号線を走ったほうが、いかにも菅平といった風景に出会えるらしいことを地図で確認していましたが、如何せん、日の入り前にデポ地に到着するのが危うくなります。最悪の場合を考え、電装装備はしていたのですが、やはり暗くなって走るのは苦手。菅平のコンビニで補給休憩をして、国道144号線を一気に下りました。

 上田手前で途中から県道4号線に入りました。デポ地にはショートカットかと思われましたが、山麓を走るこの道は予想通りアップダウンの繰り返し。最後の力を振り絞って、デポ地へと向いました。デポ地の近くには、海野宿があります(30年ほど前に立ち寄ったことあり)。久々にここにも再訪したかったのですが、千曲川沿いの海野宿まで下って再び登ってくる体力的余裕がありません。また周囲も既に薄暗くなり始めていました。
 なんとか暗くなる直前に県道94号線の交差点に到着。また10%の坂が登れるだろうかと不安でしたが、距離が短かったのでなんとかデポ地に到着。自転車を手早く収納して、折角だから訪れてみたかった海野宿を目指したのですが、暗くなったためか国道18号線を走りながらその表示を見つけることができませんでした。まあ、明日もあるさと、この日もアルコールと補給食をたっぷり仕入れて、宿泊地へと向いました。

   3日目

コース    川上村−大弛峠−川上村  
走行距離        55キロ
最高地点     大弛峠 (標高 2360m)  MTB  天候:晴れ        
 前夜、ビールを飲みながら3日目のプランについて思いをめぐらせていたのですが、結局結論がでないまま就寝。
 当日朝、天気図&予報から、なんとか昼過ぎまでは雨の心配はなさそうと判断。しかも初日同様、南のほうが天気が崩れるのが遅いようでした。初日予定していた大河原峠に登ることもちょっと未練が残っていましたが、国道最高地点に登ったからには、次は自動車でも通れる最高地点(乗鞍を除く)と言われる大弛峠を目指すこととしました。

  
                                          大弛峠への道にて

 6時過ぎに宿を出発。昨夕時間切れで訪れることの出来なかった海野宿へ回ることも考えましたが、ちょっと遠回りになるので次回の楽しみと諦めました。小諸の市内をウロウロ走っていたら、たまたま国道141号線の表示を見つけたので、先へと進みました。この141号線、佐久市周辺では片側2車線の立派なバイパスに置き換わっていて、クルマで走るには実に快適でした(自転車にはちょっと・・・)。
 ほどなく片側1車線の旧道となりましたが、ツール・ド・八ヶ岳の舞台ともなる麦草峠への分岐(これも国道299号線)などを横目に南へと快適に向います。途中、コンビニで食料調達の予定でしたが、まだあるだろう、と思っているうちに野辺山へ向う登りとなってしまいました。確かこの途中で、川上村・県道68号線への分岐があるはずです。まもなくjその表示を見つけて左折しました。ところが、この道が予想外に曲がりくねった細い道。自転車で走るには、もってこいですが。あれっ、道を間違えたかな、と思うような小さな峠もありました。かれこれ30年以上前に秩父から三国峠を越えてここを走ったはずなのですが、当然全く記憶は残っていません。
 小さな峠を越えてしばらく走ると、T字路に当たって、清里・右の表示。帰路にわかったことですが、こちらが現在の主要道のようでした。三国峠方面へ向って、町外れのちょっと道路が広くなったところ(周囲が大きな雑木に覆われていて木影だったこともあり)にクルマをデポ。大弛峠を登るために持ってきたMTB出動です。


県道68号線を右折、新田付近から大弛峠(最後方稜線の左端)方面

大弛峠への道・川上牧丘林道

 7時40分に川上中学校近くのデポ地をスタート。この時点で、大弛峠を越えて山梨県に入り信州峠越えで戻ってくるという周回コースは諦めていました。理由は簡単、まず2日間で足の余裕が無くなっていたことが第一、まだあるだろうと思っていたコンビニが無くて補給食料が調達できなかったことが第二、また天候も午後からは崩れることが予想されたこと、そして最終日・自転車走行後500km以上の帰路が控えていることなどなど。
 川上村の中心部付近は、広々としていて明るい農村、と言った感じです。ただ、大きなトラックがどんどん通ります。向う先はダートの大弛峠かこれまたダートの三国峠しかないはずなのにと不思議に思っていました。どうやら、高原野菜の出荷のトラックのようでした。前日の嬬恋付近では、キャベツが多かったですが、こちらではハクサイやレタスも多く見られました。南国・四国では、この時期にこれらの葉野菜を露地で収穫することは考えられません。しばらく走ると、信州峠への分岐あり。この道途中からも野辺山へ向う広い道がついていることを後で確認しました。トラックは、この道を往復して走っているようでした。

 居倉という集落を過ぎて、「廻目平・こちら」の表示を見つけました。地図で確認すると、大弛峠はそちらのようです。そこを直進すると三国峠を越えて、秩父・埼玉県です。


上の写真を撮った新田方面を見下ろす

新田方面から奇岩に見えていた稜線のもうひとつ奥にも同様の岩山

 大弛方面へと進路を取ると、しばらくは2車線の広い道でしたが、すぐに1車線となりました。周囲は葉野菜畑が広がります。そして、その向こうには奇岩とも思える切り立った稜線が見えてきました。遥か後方に見える山肌に、道筋らしいラインを見て取ることができました。大弛峠はもっと奥だろうと思っていたのですが、登った後から省みるとその道が大弛峠の一歩手前だったと思われました。
 一度ちょっと下った後は、最後までひたすら登りです。ふれあいの森、というところからは川上牧丘林道となって完全に1車線の山道となりました。道は結構急勾配です。MTBのギアでもあまり余裕がありません。最初こそ舗装されていましたが、間もなくダートとなりました。しかも勾配は一向に緩む気配無く、10%近い道が続きます。幸い、周囲は雑木林が繁っており、まだ朝早いこともあって、登りであっても暑さを感じることはありませんでした。しかし、休むことができる緩やかな部分が全くありません。おまけに路面も結構荒れています。巨木は見られませんでしたが、様々な落葉樹や落葉松などの周囲の景色が、疲れを多少なりとも紛らさせてくれました。
 しかし、峠への道も半ばを過ぎると、やや道は緩やかになってきました。当初見えていた奇岩の尾根筋も、いつしか同じ目線から眼下に下っていました。


大弛峠にて

大弛峠の南側から、八ヶ岳方面

 そうそう、MTBにはサイクルコンピューターが取り付けられていませんでした。標高や勾配はもちろんのこと、峠までどれくらいあるのか、これまでにどれだけ走ったのか、ということさえ全くわかりません。中盤は少し勾配が緩やかだったのですが、後半は疲れたからそう感じたのかもしれませんが、また勾配がきつくなってきました。結局、この登りで出会ったのは、バイク2台、クルマ1台でした。

 なんとか峠に辿りついたのは、11時30分でした。峠には、山登りに来た人のものと思われる10数台のクルマが止まっていました。峠(多少なりとも期待していた峠の情緒は全くなし)付近をウロウロしてみたのですが、「大弛峠」という表示をとうとう見つけられませんでした。峠から、山梨県側は、情報どおり荒れたダート長野県とは異なり、完全舗装でした。山梨側に少し下ると展望が広がると地図に書かれていたので進んでみましたが、それほど展望はなし。あまり下ると、登るのが大変なので、すぐに引き返しました。


大弛峠を下る、この辺りは比較的整った道

川上村から八ヶ岳方面

 この日もう1泊するのなら、なんとか信州峠に回ることができたかもしれませんが、もう十分に満足できたので、登ってきた長野県側へと下りました。下ってみると、登ってきた時ほど急勾配には思えませんでした。また、路面状況も登り時にはかなり荒れていると思っていたのに、下りではそれほどとは思われませんでした。やはりかなりへたっていたようです。言葉にして書いてみると、記憶が薄れているせいもありますが、たったこれだけのことですが、いや、なかなか登り甲斐のある道でした。

Epilogue
 大弛峠から山梨側へ降りて、信州峠を周回してくるコースを完走できなかったのは、ちょっと心残りでしたが、3日間十分に楽しめました。デポ地に戻った後は、再び500Km強の帰路が待っています。
 朝来る時に確かめていた川上村の中心部から野辺山方面へとクルマを走らせて、まずは野辺山の蕎麦屋でちょっと遅めの昼食休憩。帰路の段取りを検討。清里から県道28号線をまっすぐ南へ降りて須坂から高速道路に乗ることも考えましたが、小淵沢手前の道の駅に温泉があることを確認したので、八ヶ岳高原道路を通っていくことに決定。
 清里から小淵沢に至る八ヶ岳高原道路は、2007年のツール・ド・八ヶ岳参加時にも逆走しています(クルマです)。その時に自転車で走るには最高、八ヶ岳と富士山、そして南アルプスの眺めが抜群だった印象が強かったのですが、今回も春先の雪を抱いた山々を見たその時ほどの強烈さは無かったものの、交通量も少なく信号も無く快適でした。


八ヶ岳高原道路から、大弛峠のある金峰山方面

八ヶ岳高原道路から、富士山

 道の駅に併設されていたスパティオ・小淵沢延命の湯は、料金も安く(600円だったか)、昼間だったので人も少なくてゆっくり出来ました。疲れで眠くならないかと心配もしましたが、暗くならないうちに中央高速から名神高速に。
 ところが、この頃から西の空は真っ暗になり、稲光が絶え間なく続く状況。なんとか雨が降る前にと思っていましたが、ちょうど暗くなった愛知岐阜県境あたりでポツポツ雨が降り始めたと思った途端、まさにバケツをひっくり返したような豪雨。それまでも80km/h程度とゆっくり走っていたのですが、全く見通しがとれなくなって40km/h以下に。前後のクルマも見えなくなってしまいました。こりゃ、とても進めないと思ったところ、2km先に養老SAの表示を見つけたので、緊急避難。
 いや、良かった、とりあえず朝まででも待つしかない、と思って仮眠のつもりだったのですが、1時間もしないうちに小降りになりました。天気予報からは、その後まだまだ悪くなることが予想されたので、少しでも進んでおこうと再出発。
 滋賀県東部では、短時間でしたが3度ほど激しい豪雨に見舞われましたが、いずれもすぐに小康状態となりました。いつまた土砂降りになるだろうと危惧しながらでしたが、滋賀県南部からはほとんど降らず、四国に近づくにつれ路面も乾いた状況となりました。なんとか事故無く無事帰還したのは、ちょうど出発から72時間後でした。
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