信州ツーリング 2015


 もう10年来の友人となるすーさんとは、会う毎に「泊りがけツーリングに行こう」と話しているのですが、彼は超多忙のためなかなか休みが取れません。なんとか休みを作って、一緒に信州を走ったのは2013年でした。約2年ぶりのツーリングを予定していた2015年5月は、私の鎖骨骨折のため延期となり、秋になって漸く実現することができました。2泊3日、鈴蘭から乗鞍を登り30数年ぶりの旧安房峠を越えて上高地を巡るコースをメインに、伊那路付近と聖高原周辺を走るコースをと、欲張って予定していたのですが・・・。
                                                                        (2016年2月20日記)

  保福寺峠と聖高原

コース    旧四賀村−保福寺峠−青木村−修那羅峠−麻績−聖湖・聖高原−大岡−麻績−西条−風越峠−旧四賀村 
走行距離    一周 約105キロ    積算標高差 2400m
最高地点    聖高原(標高 約1100m)          
走行日など    2015年10月10日    天候:晴れ    ロード

 1010日午前4時、徳島を出発。道中、3日間の予定相談や四方山話をしながら、一路信州へ向かいます。当初、初日は松川ICで高速を降りて、伊那路と秋葉街道の以前K氏と一緒に走った北側を70q程周回する予定にしていましたが、どうも翌11日が雨の確立大。急遽2日目か3日目に予定していた保福寺から聖高原に回るコースに変更しました。ということで、中央道から長野道に進んで豊科ICで下車。以前になかやんと一緒に美ヶ原前日に走ったコースをかすめて、国道143号線へ進みました。旧四賀村境のトンネル手前にあった広い道路脇にデポして、今回の信州ツーリングは始まりました。

走ったコース
     
                                      保福寺峠西側から北アルプス展望


 午前11時頃スタート。まずは旧四賀村から保福寺峠へ向かいます。日本の原風景のような家族総出で稲刈り中の集落を通り抜けると、道は狭くなって味のある旧道になりました。交通量はほとんどなく勾配も緩やかで、まだ紅葉には少し早かったものの、周囲は明るい雑木林という旧道ならではの心地良い道でした。ちょうど正午前に保福寺峠に到着。


国道143号線、城山手前にデポ

収穫期の旧四賀村を走る

 峠も含めて、あまり眺望のない道筋でしたが、峠の手前からワンポイントで北アルプスの大展望を見ることができました。この日一日、雨の心配は全くない晴れマークだったのですが、なぜか春霞のようなすっきりしない様相だったので、こんな光景に出くわせるとは思ってもいませんでした。いや、もうこれだけで、今回のツーリングにやってきた甲斐があったというもの。


保福寺峠への登り

常念岳(左手前)・槍ヶ岳(中央奥)、保福寺峠手前から

 峠からは東側に下りましたが、道は西側より落ち葉や枯れ枝が多く、やや荒れていました。しかし、ガードレールなど余分なものが一切なく、周囲の雑木林の樹木も大きく、西側以上にツーリングとして魅力ある道でした。残念ながら写真なし。保福寺峠を越えるには、東側から登って、峠を越えたところで北アルプスの絶景に出くわすルートを取ったほうが、より感動が大きいかと思います。


保福寺峠

青木村方面


 下って青木村で国道143号線を西へ。この道も30数年前に走っているはずですが、さすがに記憶は全く残っていません。少し走ったところから県道12号線に右折し、峠をひとつ越えて麻績村(おみと読む)へと進みました。この修那羅峠を超える道は新しい2車線道路でしたが、勾配が思いの外きつくて体力を消耗してしまいました。麻績からは国道403号線で聖湖へ。この道も、交通量はさほど多くないものの、400番台国道とは思えない整備された広い道でした。あまり周囲の光景は楽しめるものもなく、微妙な勾配がまたまた脚に堪えました。


県道12号線 修那羅峠

麻績からの国道403号線

 なだらかな峠様のところを超えると、そこが聖湖。14時に到着。一見人造湖のようにさえ見える整然とした湖畔ですが、湧水の自然湖とのことでした。
 そこから県道501号線で大岡方面へと北上したのですが、ルートラボでも拡大で標高差などをしっかり確認していなかったのが失敗のもとでした。道を間違ったかと思うくらい標高が上がっていきます。国土地理院の拡大コピーを持っていたのですが、そこまでの疲れのためか地図上と実走の走行感覚が全く異なっていました。途中、左手に折れる道あり。予定より時間が遅れていたのと脚も売り切れ状態だったのでショートカットしようと進んだところ、また怪しい雰囲気になって引き返し。来た道を引き返すのも嫌だったので、予定通り北方向へ進みました。そこからも、すぐに下りになるだろうとの予想は悉く外れ。辿り着いた三和峠は、地図上では聖湖からどれほども進んでおらず、標高差も登った感覚ほどなく、如何に二人とも疲れ果てていたかを再確認する羽目になりました。


聖湖

聖高原・三和峠

 大岡方面へ下ると県道12号線を登り返し、聖湖に向かい始めた麻績まで引き返しです。この道も西側に北アルプスの山々が眺められるはずらしいのですが、靄っていて、???状態でした。もし見えていたら、もう少し元気がでたかもしれません。

 麻績からは国道403号線を先程と反対方向へ。緩い下りでしたが、交通量が一気に増えました。西条からは当初県道277号線で峠を越える予定でしたが、もう夕暮れが近くなってきました。県道403号線を進むと登りは少ないかもしれませんが、かなり大回りで交通量が多そうです。すーさんと協議のうえ、県道303号線へ進みました。この道は予想に反して幅広い2車線。交通量はほとんどないだろうと思っていたのに、ぱらぱらあり。二人ともヘロヘロ状態で、やっとやっと前に進む体たらく。西の空は、明日の予報が嘘のような鮮やかな夕焼け(1730分頃)でした。なんとか峠に辿り着いた時には、もう薄暗くなり始めてきました。今回ライトが必要な走行はトンネル以外はないと思っていたので非常用だけでしたが、下り道も路面状態がきれいだったので助かりました。


聖高原から大岡方面への下り

県道303号線、風越峠手前で夕暮れ

 下りきったところで、辺りはもう真っ暗になってしまいました。現在地と方向を見失って地図を確認していたら、軽四に乗った青年が「道、迷ったの」とわざわざ停車して声をかけてくれました。的確なアドバイスをいただき、最後の力を振り絞ってデポ地へ。地獄で仏ではありませんが、この方の登場がなければどうなっていたことやら。真っ暗の中、フラフラ状態で18時過ぎになんとかデポ地に帰還。
 宿に辿り着いて汗を流した後は、栄養補給とアルコール補給を満喫。疲れ果てても、なんとか無事終了すれば、いい思い出だけです。

  後山集落と有賀峠

コース    辰野・荒神山公園−もみじ湖−後山集落−有賀峠−辰野・荒神山公園 
走行距離    約40キロ   積算標高差 約800m
最高地点    後山〜有賀峠間 (標高1100m)  
走行日など    2015年10月11日    天候:雨のち曇り    ロード
 2日目。朝、宿の窓から外を見ると、予報通り本降りの雨。しかも風も強そうで、空には分厚く黒い重い雨雲が覆っています。午後からは多少回復するらしいとの予報を信じて、相談の上、当初の1日目予定第2案(2コース考えていました)をさらに短縮したコース設定とし、午前10時過ぎ出発でデポ地に向かいました。

走ったコース
     
                                      県道442号線 もみじ湖から後山へ


 デポ予定の辰野荒神山公園に到着したものの、まだ断続的に雨が続きます。まあ時間はあるさと、ちょっと早めの腹拵えです。すーさんのスマホで蕎麦屋をチェック。ナビまでできるとは、本当に便利です。しかし、1軒目がどうしても行き当たらず、デポ地近くの2軒目へと向かいました。小さなお店は開店前から既に一杯でしたが、ほどなく案内されて、美味しく蕎麦をいただきました。
 正午も過ぎて、ちょうど雨も上がってきました。天候回復予定の翌日・メインの乗鞍コースに備えて、この日の予定走行距離は40qと計画したので、13時過ぎにのんびりと出発です。


まずは、蕎麦を

雨上がりの辰野からスタート

 路面は濡れたままでしたが、県道19号線から箕輪ダムに向かう県道442号線に左折すると、多かった交通量が一気に減りました。リンゴ畑を横手に見ながら、ゆっくりと登ります。到着した箕輪ダム・もみじ湖畔前後には、その名の通りモミジが多数植えられていて、紅葉の頃(今回は少し早かった)は、さぞ見事だろうと思われました。


県道442号線へ、道横はリンゴ畑

箕輪ダム・もみじ湖

 箕輪ダム・もみじ湖を過ぎると、道はさらに狭くなって多少荒れてきました。が、勾配はそれほどきつくなく、道両脇には自然林が残っていて、むしろ雨上がりの道はしっとりとしていて、とてもいい雰囲気を醸し出していました。保福寺峠前後とともに、今回のツーリングで最も気に入った道のひとつです。道脇には、天竜川支流・沢川の小さな流れ。稜線近くまでこんな道が続くのかなあと思っていたら、驚いたことに標高1000m付近で谷が広がり農作地が現れました。その先に小さな集落。戸数は20軒以上あったでしょうか。


いい道でした

標高1000mとは思えない光景

 後山という集落は稜線の西南側ですが、山向こうの諏訪市に属しているようです。分水嶺からみると、登ってきた箕輪方面域のように思われますが、その後走った峠越えの道が主要生活道と思われました。周囲は、稲刈り後の水田と、おそらく収穫直前と思われるソバ畑。廃屋はほとんどなく、よく手入れされた民家周辺では仕事をする人の姿がそこここに見られました。


後山集落内を走る

後山集落遠景

 後山集落を過ぎると、もう少し登りが続いて稜線と思われる道筋へ。ところで、このコースを選択したのは、稜線付近の何処かから諏訪湖が眼下に見下ろせるかと予想したのに、すーさんが是非その光景を見てみたいとのことで決めたのでした。しかし、有賀峠はもちろん、それまでの道(後山集落から峠間の標高が最も高い)からも、木々が繁って諏訪湖方面を見下ろせるポイントは全くありませんでした。


有賀峠

有賀峠北のゴルフ場手前から、諏訪湖を見下ろす

 有賀峠から少し諏訪湖方面に下ってみたものの、やはり大きな樹が繁っていて展望はありません。すーさんの期待に応えることができないか、と有賀峠から北側にあるゴルフ場に向かって進んだところ・・・。なんとか見えました、諏訪湖。すーさんの願いもかなって、後は下るだけ。県道50号線は予想外に交通量が多かったのですが、ありがたいことに下り時には路面がほとんど乾いていました。
 16時過ぎにデポ地に帰還。クルマに自転車を積み込んで、この日の宿泊地・乗鞍高原へ。

  乗鞍エコーライン

コース    鈴蘭−畳平−鈴蘭−蛭窪トンネル−鈴蘭
走行距離    約50キロ   積算標高差 1500m
最高地点    乗鞍・畳平(標高2700m)
走行日など    2015年10月12日    天候:晴れ・曇り   ロード

 今回のツーリングでメインと考えていたコース。このコースを走る(楽しむ)ためにやってきたので、2泊3日の間で一番天候のいい日に、このコースを走ろうと計画していました。前日の雨も、この日のためにはちょうどいい休養日と考えていたくらい。本当に久しぶりの安房峠と上高地を訪れること(すーさんはいずれもお初)をとても楽しみにしていたのですが・・・。

当初の予定コース
     
                                     乗鞍エコーラインを登る(左奥:松本盆地と八ヶ岳)


 午前7時に朝食。食堂では、宿の御主人が乗鞍や上高地の情報や今日の天候などをネット情報も加えて詳細に説明してくれました。畳平も快晴のようです。「おおっ、夕方まではバッチリの天候だ。天気図も問題なし。」と二人のテンションは最高潮です。逸る気持ちを抑えながら、準備をして、まずは出発地点・鈴蘭のバス乗り場付近まで移動しました。


山頂は既に雲が

紅葉黄葉の中を走って

 午前8時過ぎに出発。マウンテンサイクリング IN 乗鞍のコース・乗鞍エコーラインを進みます。ところが、山頂方向を見上げると、つい先程のネットでは快晴だった乗鞍山頂付近が雲の中に隠れてしまっていました。あれっとは思ったものの、この時点ではそれほど重大視していませんでした。まあそのうちに雲もなくなるだろうと、ゆっくりペースで、風景を楽しみながら進みました。


上高地乗鞍スーパー林道方面を眺めながら

スキー場付近

 今回のツーリング、時節柄紅葉もひとつの楽しみでした。しかし、信州は四国とは随分異なるので、どんな状況か全く把握できていませんでした。結論からいうと、乗鞍高原では少し早いくらい、位ヶ原手前ではもう完全に落葉といった状態でした。その途中で素晴らしい紅葉を楽しめたかというと、実はそれほどでもありませんでした。赤く色付く樹木は少ないようで、落葉松など黄色く色付く木々が多いようでした。その年の条件によるかもしれません。


紅葉は、そこそこ

以前はターンバイクだったコーナー

 しかし、紅葉がなくても、このコースはやはり最高です。一般車通行止めの交通規制も、自転車乗りにはとても有難いものです。マウンテンサイクリング IN 乗鞍大会前だと、もっと沢山のローディが走っているのでしょうが、オフシーズンも近づいたこの日は、私達同様、のんびりツーリングと思われる人・グループがほとんどのようでした。初心者のように思われる人も多いようで、随所で立ち止まって休んでおられる方も多数いました。


位ヶ原山荘手前付近

本来なら左手奥方面に穂高連峰が見えるのですが

 位ヶ原山荘前辺りでは、もうほとんどの樹が落葉していました。そこから森林限界域に入ってくると、今度は気温がどんどん下がってきました。一度は脱いだ上着を、再び着る始末。登りなのに寒いくらいです。登るにつれて、東方向の展望がどんどん広がってきます。眼下に乗鞍高原はもちろん、遠くには松本市街、その向こうに八ヶ岳連峰、さらに奥には、おそらく浅間山と思われる山容が確認できました。


森林限界付近

ほぼ落葉

 最後の右鋭角カーブの手前より上方は、下から見上げていた通り、雲の中に突入です。ちょうど、その手前で、4サイドバック装備に人に追いつきました。ポーランドからやってきたそうで、日本一周かと訊ねたら、東京から長崎へ向けて走っているとのことでした。山岳地帯縦断コースかな?


左手奥は、八ヶ岳連峰

最後の右カーブ付近にて

 最後の直線になると、もう視界が50mもありません。スタートから2時間あまりかけて辿り着いた長野・岐阜県境に立つと、それまで稜線で遮られていた冷たい強風が一気に吹きつけてきました。朝、宿の情報で畳平・風速15mと出ていて、何かの間違いかなと思っていたのですが・・・。気温はほぼ0℃。周りの岩には樹氷様の氷雪が付着していました。予定では、岐阜側に下って旧安房峠越えでしたが、とても西側へ進めるような状況ではありません。迷うことなく撤退です。


長野・岐阜県境、強風

気温 0.6℃

 位ヶ原山荘まで下ってくると、やっと少し生きた心地がしてきました。ちょうどお楽しみ派と思われる数名のグループが休んでいました。割と軽装仕様だったので、畳平はとんでもない風と寒さで、視界もないので、行かないほうが良いよ、とアドバイスです。


位ヶ原山荘から少し下方を下る

スキー場付近で、他の自転車乗りの方たち

 予定変更・超短縮コースとなったため少し時間的余裕ができたので、、鈴蘭まで下った後、本当はそちらから戻ってくる予定だった上高地乗鞍スーパー林道を、次回の参考のため最高地点まで登ってみることにしました。そこは2007年に走った上高地乗鞍スーパー林道・奈川〜鈴蘭区間とよく似た雰囲気の道でした。蛭窪トンネルまで登って引き返しました。


鈴蘭−蛭窪トンネル間

蛭窪トンネル

 デポ地に戻って、帰る準備。帰路は、この時間帯だと一番早いだろうと、県道26号線で藪原から国道19号線、中津川から高速道路というマウンテンサイクリング IN 乗鞍参加時にいつも利用するコースを選んだのですが、中津川手前で事故のため国道19号線通行止めの表示。通行止め区間の手前から地図を頼りに木曽川左岸の細い道にエスケープして、なんとか回避しましたが、普段はほとんど交通量がないと思われる道が、大渋滞でした。そのため出発時間が早かったのに、帰宅は21時頃になりました。
 まさかの天候で、予定コースが完走できませんでしたが、それはそれでいろいろと楽しめた3日間でした。翌年、絶対再訪して、予定コースを走りきろうとは、二人の一致した願望・決意です。

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