須崎〜布施坂往復
 2月始めの土曜日に高知市へ出向く所用がありました。日曜日の天候が良ければ所用後1泊して何処か高知の道を走ってこようと、地図を眺めながら計画したのが今回のコースです。できるだけ走ったことのない道を繋ぎ短めとし、終了後は3度目の海洋堂ホビーセンターへ向かうことにしました。(2019年03月28日 記)

県道378・377号線分岐部から布施坂方面
 午前8時前、道の駅・かわうその里すさきをスタート。その前に、地元では有名らしい・たけざきの玉子焼を購入。国道56号線をできるだけ回避するために、旧道らしき道へ向かいます。200mほど進んだところで、これかなと思う脇道へ。当たりです。1車線の細い道ですが、クルマは多少入っているようです。
 はじめは、ちょっと鬱蒼した林の中を進みます。写真:下中上は、国道56号線角谷トンネルの上付近から。スタート前から、ブルべらしき自転車乗りが次々と走っていくのを確認していましたが、棕櫚の葉の下に小さく一人の自転車乗りの姿。そこを過ぎると、海岸線沿いの山肌斜面を走る道となりました。ガードレールのないところも結構あります。陽もあたって暖かく、勾配は緩やかで、クルマも全く通りません。快晴のもと、土佐湾の穏やかな光景を眺めながら、こんな道が一番いいなあと一人悦に入っていました。
コース 須崎-七子峠-大野見-r377-布施坂-r19-r317-須崎
走行距離 75キロ  積算標高 約1100m
最高地点 布施坂  標高470m
走行日・天候 2019年 2月10日 晴れ FELT F1
 安和からは、ほぼ7年振りに海岸線沿いの道を走るつもりでしたが、分岐部に全面通行止めの表示。仕方なく、焼坂トンネルへと向かいます。トンネル手前で、ブルべらしい自転車乗りに挨拶して「何qですか」訊ねると、400qとのこと。なんと前日200q、翌日も200qと合計800q走るらしい! 下り切って少し進んだ先で左折していったので、7年前に私が走った道に似たコース取りだったのかもしれません。
 七子峠の登りにも地形図には旧道らしき道が並走していますが、Google map では途中から状況が怪しいようです。ということで、ほぼ40年ぶりに国道56号線で七子峠へ向かいます。予想外に交通量は少なく、勾配も緩やかなので快適でした。途中、四万十町に伸びる高速道路の高架橋が見えます(写真:下左)。右手前にガードレールが見えますが、これが地形図に載っていた旧道と思われます。遠目にもかなり荒れていて(倒木もあり)、ロードではまず無理、MTBでも乗車できないところがありそうです。さらに登ると、東には土佐湾の向こうに室戸方面。岬まで見えましたが、写真:下右は安芸付近でしょうか。
 峠を越えても、さほど下らないことに40年前は驚いたものですが、窪川付近は海の近くにあるように見えて標高が200mもあることを知ったのは、その随分後のことです。四国ではあまりない海岸線に近いながら標高のある平地です。愛媛の旧宇和町付近が、ちょっと似た地形でしょうか。いずれも大きく蛇行した川(四万十川・肱川)の上流。今回は峠から直ぐのところで右折して、県道41号線で中土佐町大野見方面へ向かいます(写真:下左から2枚目)。いきなり広い2車線道で驚きましたが、程なく1車線の旧道に。しかし、国道56号線に反して意外とクルマの往来が多かったです(予想より)。またトンネル手前は、10%くらいの登りあり。トンネル手前で、まだ9時過ぎでしが、たけざきの弁当をいただきました。写真:下右端は、トンネルの横にあった案内板。後述の、沈下橋などの情報を得ることができました。
 下って大野見・音羽地区。7年前に利用したYショップは、閉店しているように見えました。写真:下左の橋は、クルマ通行禁止、歩行者自転車専用です。ここからは、四万十川本流に沿って県道19号線をしばらく走ることになります。
 写真:上・右は、四万十川本流で上流から2本目の沈下橋・久万秋の沈下橋。ちょうど、この西手に先日走ったばかりの鈴ヶ森林道へ向かうために走った道が確認できました。
 県道19号線は概ね1車線道が続き、交通量はほとんどありません。写真:下左は、久万秋の湧水というところです。四万十川は道の左手を流れていますが、川幅も狭く水量も少なく、手前の河岸には雑木や背の高い草が密に生えていて、川面はほとんど見ることができませんでした。県道19号線を北上して大野見・寺野地区へ。寺野橋から見た四万十川、透明度は高く、50cmくらいのコイが3匹泳いでいました。ここで県道317号線に右折して、またすぐに左折して県道377号線へと進みます。写真:下右上の橋手前には、廃校らしい小学校の建物がありました。写真:下右下、左手の県道377号線へと進みます。この後、再びここに帰ってきて、右側へと進みました。
左  久万秋の湧水
上  寺野橋から四万十川
右上 右折して県道317号線へ
右下 左折して県道377号線へ
 県道377号線も1車線の交通量がほとんどない道です。周囲も展望が広がるわけではなく、これと言った見所もなく、四国の田舎ではどこでも見られるような光景が続きます(写真:下左端)。布施坂まで分岐はないと思っていたら、ちょっとだけ迷う分岐がありました。写真:下左から2枚目、左手・船戸方面へと進むのが正解です。ピークは、あまり峠らしくない、両側とも柑橘類(種類は何かわからなかった)の畑の広い切通でした(写真:下右端)。先の分岐部を始め、この切通の手前にも民家があり、その他道沿いに見られた小集落でも、廃屋は比較的少ないように思われました(写真:下中2枚)。
 峠状の部分を越えると、布施坂に向かって下っていきます。途中、木々の間から、少しだけ国道197号線方面が見えました(写真:下左)。真っ直ぐに伸びるガードレールが国道197号線。畑状に見えるのは、茶畑のようです。後方の山は、地形図を見ると鶴松山(かくしょうやま:標高1100m)かと思われます。進行方向右手・木々の合間に新庄川の谷筋がずっと先まで見通せるのですが、小枝が邪魔をしてすっきりとは写真に撮れません。そのまま、県道378号線への分岐まで下りました。ちょうどこの分岐部から東方面の見晴らしが開けました(写真:下右)。新庄川の谷筋北側に連なる山々の稜線には、風力発電の風車が並んでいます。くにさださん情報で知ったこの稜線の道も、後日走行しました。
 この分岐部の道の駅・布施ヶ坂方面には茶畑が広がっていて、県道377号線はその間を蛇行して登って来ます。茶摘みの頃なら柔らかい新芽の緑がきれいでしょう。国道197号線・布施ヶ坂トンネルの上まで緩やかに登る県道378号線には、坂本龍馬脱藩の道の表示がありました。同じ表示を四国カルスト付近でも何ヶ所かで見た覚えがあります。道はトンネル上が最高点で、少し下るとトンネル西側出口に出ます。ここも短い距離でしたが国道を外して旧道を進み、県道19号線に入って、再び大野見・寺野地区へと向かいます。
布施坂の茶畑 県道378号線へ 布施坂付近の茶畑 龍馬脱藩の道・標示
 県道19号線も最初こそ幅広い2車線道でしたが、直ぐに旧道らしい1車線の道になりました。しばらく進んだら、また幅広い2車線になったので、旧道と思われる四万十川沿いの道を進みます。写真:下中上は、再び新道と合流する少し手前にあった廃橋。水は澄んでいますが、川底や川縁など川全体の印象は吉野川水系のほうが好みです。写真:下中下・下右は、四万十川本流の最上流にある沈下橋・高樋橋(たかひはし)。昭和40年架橋とのことなので、意外に新しいです。ちなみに上述の久万秋橋は、昭和39年架橋だそう。
 さらに県道19号線を南下すると、ほどなく大野見・寺野地区に再びやってきました。往路は、写真:右から2枚目・奥の道路標示の右手からや進んできました。そこを直進して、5段目・写真:右下の県道317号線と377号線の分岐部までが、今回のコース上で8の字の重なる部分です。そこからの県道377号線沿いにも、まだ民家が点々と見られ、いずれも廃屋はほとんどないように思われました。そのため路面状況もまずまず。横を流れる四万十川支流・下ル川川は、水量が少なく、所々で伏流していました。
 ゆるゆると登って切通の峠。峠手前では道脇の広場で工事をしているようでしたが、先の分岐部から出会ったクルマはゼロ。この日、大野見・音羽地区から新庄川に出るまでの50q弱で、出会ったクルマは数台くらいでしたが、いずれも細いところだと必ず停車するくらいまでスピードを下げて狭い道を脇に避けてくれました。切通にはブルーシートが見えますが、見上げると左手は崩落しそうな感じでした。
県土19号線・寺野地区 往路は右手の道から奥へ 県道377号線の橋 県道377号線・峠
 峠は全く見晴らしがないのですが、少し下ったところから東方面に土佐湾まで見えるところがありました(写真:下左)。その後も、これまで通りの1車線道。ガードレールもなく、道中央は苔生しています。写真:下中は、道脇が雑木林ですが、大部分は杉木立が鬱蒼と繁る中を下っていきます(写真:下右上)。
左 峠少し東から、土佐湾が見える
上 県道377号線の下り
右上 県道377号線、杉が多い
右下 床鍋、廃校跡のお店
 ほぼ下り切ると、新庄川支流・依包川に沿っていきます(写真:下左)。地形図で、鳥形山から石灰岩を運ぶ鉱石ベルトコンベヤーの直線表示が近くにあるのを確認していましたが、写真:下中は、かなり新庄川に近づいた依包集落にて。これより上流でも、廃校の小学校跡を利用していると思われるお店のある床鍋集落の奥にもベルトコンベヤーが見えるところがありました(写真:上右下の右奥)。
 最後は新庄川沿いの国道197号線に出て、デポ地・道の駅へ。河口に近い付近でも、川水の透明度はかなり高いです(写真:右)。ご存じのように、新庄川は日本で最後にカワウソが確認された川です。
 振り返って、走ってきた山の方向を見てみましたが、布施坂付近でもそうだったように、四国カルストまでは見ることができませんでした。
 その後、もうひとつの目的であった海洋堂ホビーセンターへ向かいました。目的は、この日までの予定だった特別展に惹かれたためです。打井川駅の少し手前にデポして、10qばかり走っていきました。3度目ともなると、さすがに初めて訪れた時ほどの強烈な印象はありませんが、常設展だけでも何度行っても魅力があります。幼少時に親しんだものはもちろん、それ以外も造形としての美しさや超絶技巧に感嘆するばかりです。
 1時間ほど滞在、心満ちて帰路へ。往路時に立ち寄った打井川駅。列車は2〜3時間に1本なので、今日は見ることができないだろうと思っていましたが、ちょうど宇和島行の列車がやって来る5分前でした。しばらく待って、やってきた列車を一枚。ホームの片隅でいると運転手さん(ワンマンカー)がわざわざ降りてきて「乗らないの?」と確認してくれました。連休だったためか、車内には乗り鉄、撮り鉄らしいカメラを構えた乗客が数人いました。

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