鈴ヶ森林道周辺を走る
 
 いつも魅惑的な道を紹介してくださるくにさださん情報。夏に走られた鈴ヶ森林道は、こんなところにこんな道があったのかと初めて気づいた次第でした。この辺り、近くを掠めるように何度か走っているのですが、同じ四国内でも徳島から片道200qを越えており、未走・空白の道が多い地域です。改めて地形図を眺めると、面白そうな道が沢山交錯しています。特に何か特別な見所があるというところではなさそうですが、周辺の四万十川(およびその支流)沿いの道も含めて、楽しめるコースが取れそうです。是非、近いうちに実現してみようと思っていました。道情報を得てから半年後、すーさんを巻き込んで出走となりました。 (2018年12月07日 記)

落ち葉の鈴ヶ森林道
コース   四万十町米奥−県道19号線−大見野奈路−島ノ川川沿い−鈴ヶ森林道−国道439号線−県道322号線−四万十町米奥
走行距離   80キロ   積算標高 約1200m
最高地点   鈴ヶ森林道・峠  標高800m弱
走行日・天候   2018年12月01日  天候:曇り・晴れ  シクロクロス
 
 午前5時、徳島出発。意気揚々と藍住ICに向かったところ、直前で「土成〜川之江東JCT工事通行止め」の表示です。「12月に工事通行止め」の表示は見た覚えがありましたが、確か土日は行っていないと思っていました(朝6時までだったそうです)。ということで、急遽板野ICから高松道周りで高知へ向かうことになりました。四万十町中央ICで高知道を降り、デポ地を探しながら県道19号線を北上します。
 あまり適当な場所がないなあと、とある道端の少し広いところに停めたところ、そこに付近の地図がありました。見ると、目と鼻の先に公園と駐車場があるようです。ということで、その米奥小学校近くの駐車場に移動しました。
 準備が一段落したところで、すーさんが今回随行してきた新兵器・ドローンで撮影です。上空からの映像を見ると、まさに鳥目視線。その動画は、とても新鮮で刺激的です。
 予定より1時間近く遅れて、9時にスタート。まずは、沈下橋である一斗俵橋を渡って、県道19号線を北上します。帰路予定の県道322号線への分岐を過ぎると、それまで2車線だった道路は、旧道らしい1車線になりました。サイクリングには、1車線の鄙びた道がいいですね。
 ここでも、路面に愛媛県で見るとの同じような道しるべ(写真:上左)が書かれていました。先の岡山といい、このマークは全国区になるのでしょうか。
 交通量は、皆無と言っていいほどほとんどありません。すーさんとワイワイ喋りながら、四万十川の流れを横目に楽しみながら走ります。
 四万十川は、比較的直線的に流れる吉野川と異なり、蛇行が凄いです。蛇行のため岬状に飛び出したところでは、ショートカットする県道の根元に峠の名(記録忘れ)が記されているくらい少し登りがありました(写真:下中上)。また山の中に向かっていって、進む道が間違っていないかと確認することも。写真:下左のような川沿いの県道とは思えない杉木立。
 以前に走った時選択した大野見地区中心部への近道は通らずに、県道19号線を進みます。大野見地区中心部の手前・奈路で左折。ここまで横を流れていたのは、四万十川本流でした。
 四万十川支流の島ノ川川沿いに入ると、いよいよ本日のメインロードです。しばらくは、舗装された勾配も極緩やかな快適な道が続きます(写真:下左)。右手に島ノ川川が流れているので時折木立の間から覗き込んでみますが、水量は少な目。少し前に走った穴吹川同様、少雨が続いているためかと思われました。そんな道をしばらく走ると未舗装となりましたが、路面状況は相変わらず上々です(写真:下右上2枚)。多少クルマが入っているようで、小石や枯枝はもちろん落ち葉もほとんどありません。勾配も緩やかなままなので、相変わらずすーさんと冗談を交えながら進める余裕がありました。
 支流に沿った一番奥の島ノ川集落前(写真:下中下)で少し迷うような分岐がありましたが、迷いそうなところは事前に国土地理院地形図で十分確認していたので、一番左手の道へ進みます。ちょうど上から仕事をしていたと思われる小型ダンプが下ってきました。路面状況がいいのは、やはり工事関係の車両などが入っているためのようです。進むと、直前にも雨は降っていなかったのですが、路面は濡れているところや少しぬかるんだところもありました。
 島ノ川集落から1qくらい進んだところに、鈴ヶ森林道起点の表示がありました(写真:上右下)。てっきり既に林道区間に入っているものだとばかり思っていました。ここで、写真:下右のように左右Y字の分岐あり。右手だと思って進み始めたところ下方からトラックがやってきたので、運転手さんに「鈴ヶ森林道はこっちでいいのですか」と訊ねたところ、林道のことはご存じないようで、島ノ川集落で曲がるんじゃないかと言われました。すーさんのGPSと地形図で、ここまでは間違ってないことを確認していました。ここまでの道脇に、「工事現場まで〇q」という小さな表示が2、3ヶ所あったのですが、地元の方ではなさそうな工事関係者への道案内だったようです。進み始めた右側の登り道は行き止まりとのこと。
 左手に進むと、すーさんのGPSと地形図で間違いないことを確認できました。ここからは、勾配は一気にきつくなります。工事車両も先の右手に入っており、ここから先にはあまりクルマが入っていないようで、小石や小枝が路面を覆うようになってきました。写真ではわかりにくいですが、おそらく10%は越えています(写真:ひとつ下左)。
 くにさださんの情報で、まっすぐ進みそうになるという分岐は、迷うことなく右手へ(写真:下右)。ここまでくれば、峠まであともう少し。道両脇は、ずっと常緑樹(スギ、ヒノキなど)の間に落葉樹が残っているというところがほとんど。既にほとんど落葉していて、路面はもう色も抜けてしまった落ち葉で覆われていました(トップの写真)。
 峠には、正午前に到着(写真:下右)。標高は800m弱。ここまで30q弱に3時間。峠は、予想通り、あまり展望はありませんでしたが、西側には落葉した木枝の間に、四国カルストの姿を薄っすらと確認することができました(写真:ひとつ下)。
 下の2枚は、四国カルスト方面。少し靄っていますが、左の写真は姫鶴平付近でしょうか。右の写真には天狗荘と思われる建物が左端に映っています。ここで2回目のドローン撮影。スマホの小さな画面で確認するだけでも、広がる展望に驚くばかりです。
 時間的余裕がなくなってきたので、下りへ。下りも同様、未舗装です。峠から少し下ったところで、真新しい崩落斜面を吹付修復したところがありましたが、こちらもクルマはほとんど通らないようで、小石が散乱。路面状況は最悪というほどではありませんが、スキルがなくCXで苦労する私を尻目に、フルサスMTBのすーさんはあっという間に姿が見えなくなってしまいます。何度か、立ち止まって待ってくれていました。
 6qくらい下って、国道439号線への分岐へ(写真:上右)。いや、ブレーキを握る手が痛かったです。ここからの国道439号線は1980年に走っていますが、当然全く記憶に残っていません。林道から出た分岐部も、舗装された路面状況はいいものの、ここが国道?と疑うような細い道でした。中平という集落までは1車線道。こちらも四万十川支流・北川川に沿って、蛇行した道を極々緩やかに下っていきます。道脇は、相変わらずほとんどが植林された杉。ただ、1ヶ所100本近くあると思われた・まとまった林を始め、いずれももう完全に落葉していましたが、あちこちにイチョウの木が多くみられました(写真なし)。
 お昼過ぎでしたが、薄い雲が広がっていたのと、山影がほとんどだったので、気温はあまり上がっていないように思われました。横を流れる北川川も、水量はそれほど多くありません。唸るような清流ではなかったのですが、条件があまり良くなかったのかもしれません。中平集落で、ぐっと広く新しい2車線道になって、少し進んだ松原地区で左折。ちょうどお堂のような建物があったので、そこで休憩(写真:下右)。梼原で見かけた茶堂と同じようなものでしょうか。
  上  中平付近

  左上 国道439号線

  左  茶堂?にて
 ここから、この日二つ目の峠への登り、県道322号線です。道は久保谷川に沿って比較的緩やかに登っていきます。途中、3ヶ所ほど小さな集落がありましたが、いずれも少し平地が広がったところでした。ちょうど広い庭先で農作業中だった方が私達に気づいて、会釈で挨拶。その後も、急勾配はほとんどなかったのですが、次第に堪えてきて、歩く+α程度のスピードになってきました。
 事前に、西側・松葉川温泉に出る途中には、かなり荒れた地道があるとの情報も得ていたので、結構身構えていたのですが、結局峠まで完全舗装、広くはないものの比較的新しい舗装でした。その上に、落ち葉が多数。周りは、これまでの道同様、常緑樹の間に落葉樹が散在するというパターンです。新緑やもう少し前で葉が残っている時なら、もう少し雰囲気は変わるのかもしれません。写真:下中、峠には春分峠との立派な道標がありました。
 写真:上左は、峠手前から国道439号線の下流に向かって伸びる中津川林道の分岐部。事前の情報では、こちらの道の方が峠付近より状況はいいと把握していのに、分岐部の荒れ具合を見て、その後が不安になったものです(杞憂に終わりましたが)。
 峠までで出会ったのは、工事関係と思われる連なった2台のバンのみでした(その後下りでも皆無)。
 峠から西側は、直ぐに未舗装となりました。上述のように、かなり荒れていることを覚悟していたのですが、鈴ヶ森林道に比較したら、よほど踏み込まれて走りやすかったです。それでもフルサスのすーさんの姿はあっという間に視界外へ。なんとか後を追って、舗装路へ出ました。。
 後は、緩やかな下りの舗装路。花見に来る人がいるのだろうかと思う、桜が何本も植えられた公園や、予想外に大きかった松葉川温泉の建物を横目に、デポ地に到着したのは、16時も回ってからでした。15時までに帰着できたら、特別展を開催している海洋堂ホビー館へ立ち寄ろうと計画していたのですが、とてもそんな余裕なし。しかし、予想通り、これといった見所があるわけではありませんが、全長に渡り自転車で走ることを楽しめる道でした。走行距離80qで9時間余、時速10q以下。

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