大窪寺  太古の森
 大窪寺は四国霊場八十八ヵ所の結願寺としてよく知られていますが、境内に植えられているモミジやイチョウの紅葉も有名です。見頃の週末は、本来のお遍路さんの姿が確認できないくらい紅葉狩りの人出で賑わいます。一方、太古の森は大窪寺の北東方向、南北に細長い三木町のほぼ中央部に位置しています。メタセコイアが沢山植えられていて、ほぼ同じ頃に紅葉するのですが、いつも観光客はほとんどいません。しかし個人的にはお気に入りの場所で、いつも周囲の道を含めて一回りで訪れることが多いところです。 (2020年 3月 3日記)

大窪寺 (2018.11.11)
コース 市場−大窪寺−高仙山−県道30号−太古の森−日下峠−市場
走行距離  80q  積算標高2000m
最高地点  高仙山付近 標高約500m
走行日  2019年11月23日 天候:晴れ GIANT TCR  他
 上述のように紅葉見頃の週末は、少し時間が遅くなると混雑といえるくらいの人出になるので、最近は近くまでクルマで行って、10qくらい手前から自転車で走っていくことが多くなりました。午前9時前だと、まだ若干人出が少なめです。
 2019年11月23日も、大窪寺には9時頃に到着。この日は午後から晴れる予報でしたが、女体山や矢筈山は雲の中です。プロの写真家にとって、紅葉は曇天のほうがいい色が出せるのかもしれませんが、腕がない私にとっては晴天のほうがいいように思われます。下の6枚は2018年のものです。イチョウの樹も3本ほどあり、奥にある大イチョウは、毎年モミジが紅葉する頃にはほとんど落葉しています。トップの写真のように、この年もほぼ同じ状況でした。
  自転車を置いて、境内をちょっと散策します。午前9時前だと、写真を撮ることを主目的に来ている人が多いように思われます。小さな子供連れの家族も含めて、スマホで撮影している人はほとんどいなくて、みなさん立派なデジタル一眼レフカメラを構えています。フルサイズや大きなレンズを装着している人も多く、あっちへ行ったりこっちへ来たり、いろいろアングルを考えているようです。
下の写真まで、2018.11.11 撮影
 境内は広いと形容するほどではありませんが、なかなか立派なモミジの樹が多く、近くでいた人が、「京都まで行かなくても十分に見応えのある紅葉だね」と話していることにも納得です。2018年は海外からの観光客も多くみられましたが、2019年は少し減っているように思われたのは、ご時世かもしれません。同じ場所に植わっているモミジですが、樹毎、そして同じ樹でも枝によって紅葉の具合は異なっており、見上げると緑から朱色へのグラデーション。
 一通り見終わって離脱しようとしていたところ、「や まさ〜ん」と聞き覚えのある声。masaさんでした。前年に続いての大窪寺での遭遇です。こうやって偶然知人と出会えて近況などを話せることも、大窪寺の紅葉があるからではのことかもしれません。滞在するのはいつも30分にも満たない程度ですが、その間にもどんどん紅葉狩りの観光客は増えていきます。少し時間が遅くなると、西側の進入路には駐車場待ちのクルマの列ができるほどです。
 左右 2019.11.23 撮影
 大窪寺だけではもったいないので、いつもその周辺のお気に入りの道を繋いで走っています。立ち寄るひとつに、三木町の太古の森があります。三木町・太古の森の存在を知ったのは、いつ頃のことか記憶が定かでありません。おそらく道路地図を眺めていて、太古の森という名とメタセコイアの表示から、結構大きなメタセコイアがあるものとばかり思い、気になっていました。もう半世紀も前の話ですが、通っていた小学校の校庭に1本の大きなメタセコイアがありました。4、5年前に統合されて廃校になってしまいましたが、1960年代のことです。二階建ての校舎より遥かに高く大きな樹で、教師からメタセコイアという古代の珍しい樹であると聞いていたので、印象に強く残っていたのです。
 初めて訪れたのも記憶が定かでありません。近くをウロウロ迷いながら到着してみると、メタセコイアの姿は多数見られるものの、どれもまだ幼木といっていいくらいの細い幹ばかり。私の印象に残っている小学校の樹はもちろん、徳島中央公園にあるメタセコイアより遥かに細く、樹高もさほどありませんでした。
 てっきり、古木があるのだろうと勝手にしていた想像は、完壁に裏切られました。公園の由来を知ったのは、訪れた後でした。メタセコイアという植物を1939年に和歌山の化石から発見したのが三木町出身の植物学者・三木茂博士であること、絶滅していると思われていたメタセコイアが1946年に中国四川省で発見されたことや、日本に入ってきたのはそれより後であることも初めて知りました。現在、日本で沢山見ることができます(滋賀県・マキノのメタセコイア並木は特に有名です)が、古い樹でも私の年齢とほぼ同じのようです。小学校の時の不確かな刷り込みから、メタセコイアはずっと以前からある生き残った長寿の樹だとばかり思っていたのです。
 結構多く植えられているようですが、その数なんと2700本とか。今後順調に大きくなっていくと、ちょっと間隔が狭すぎて、間伐が必要になるようにも思えますが、数十年後の姿(見ることができませんが)が楽しみです。春の新緑、秋の紅葉、そして冬の落葉した姿と、どれも魅力的です。古代からの種であることを思わせる葉も独特です。そんな姿に魅せられて、新緑や紅葉の頃に、近くの場と組み合わせて、ちょくちょく訪れています。
 上述のように、紅葉時期の大窪寺は遅くなると大混雑するので、最近は市場町の県道2号線沿いまでクルマで移動することが多いです。上の2枚は、県道2号線でのもの。左は、中尾峠(白鳥温泉方面)への分岐部にある境目のイチョウです。右は、県道2号線沿いの光景。県道2号線は吉野川支流日開谷川に沿って南北に走っていますが、川の対岸にも細い生活道がある部分が多くみられます。谷沿いなので広くはないのですが、畑の姿がここかしこに見られ、民家も点在しています。大窪寺や太鼓の森が紅葉に染まる頃、この県道2号線沿いにも里山のような木々の黄葉が見られ、お気に入りのひとつです。

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