大山寺 と 大山
 大山と大山寺を初めて訪れたのは2002年2月でした。漸く休日の日帰り自転車ツーリングができる時間が時に持てるようになったことと、前年にMTBを新調したこともあって、近場の知らない道を訪れることを楽しみ始めた頃のことです。2003年12月には、友人と一緒に大山から大坂峠・あせび公園まで讃岐山脈稜線の道を、半分以上押しながら走破したことも懐かしい思い出です。気が付くと、それから随分と訪れていませんでした。久々に訪れたのは2015年11月。この時は、ちょうど大山寺のイチョウの黄葉とモミジの紅葉が見頃で、なかなか見応えがありました。それに気をよくして、2018年11月に再訪し、今回が大山は5回目、大山寺は4回目の訪問となりました。 (2020年12月10日 記)

大山寺境内にて (2020.11.20)
 走ったコースは、4回ともほぼ今回のコース(下記・時計回り)と同じです。県道34号線を北上し、右下の地形図では左手の道から大山に登って、大山寺へのジグザグ道を下ります。ちなみに大山は「おおやま」、大山寺は「たいさんじ」と読むらしいですが「おおやまでら」と読んでもいいそうです。神社仏閣には疎いのですが、徳島県内でも最古のお寺だそうです。
 この日は、午後から天候回復の予報でした。朝の小仕事を終えて所用をこなしていたら、午前10時頃には青空が広がってきました。せっかくだからと、そろそろイチョウの黄葉が見頃ではないかと大山寺と地蔵寺を訪れてみることにしました。いつものデポ地・板野田園パークを午前11時過ぎにスタート。それにしても、11月も後半というのに暑いくらいの気温でした。最初から短パン、ウインドブレーカーもすぐに脱いで半袖となりました。
コース  板野−地蔵寺−上板−大山−大山寺−上板−板野
走行距離  30q   積算標高 800m
最高地点  大山 標高690m 天候:晴れ後曇り後雨  シクロクロス
走行日  2020年11月20日  2018年11月16日  2015年11月28日
 まずは四国霊場5番札所・地蔵寺に立ち寄ってみます。1週間ほど前の地方紙に、大山寺のイチョウは見頃、地蔵寺はこれからと記載されていたので、大山寺はもう散っているかもしれないけど地蔵寺はちょうどいいかもと思っていました。ところが、到着してみると見頃にはまだちょっと早いくらい。しかも、以前はもっと大きな樹だったように思うのですが、枝振りが少し貧相になったように思われます。単に思い違いなのか、それとも台風などの被害にあったのでしょうか。
 地蔵寺からは阿讃東部広域農道で、県道34号線の分岐部へ。この交差点の南西角には岡田精糖所という阿波和三盆を作っている建物があります。阿讃山脈を隔てて北側の引田にも讃岐和三盆のお店があって、国道から少し内陸に入ると所々にサトウキビの畑が見られます。この上板周囲では地元産のサトウキビで製造しているそうですが、周辺にサトウキビの姿を確認した覚えがありません。探さないとわからないようなところに栽培されているのかもしれません。
 
 左 地蔵寺のイチョウ
 上 地蔵寺
 右 岡田精糖所
    (2枚とも2015年)
 県道34号線へと右折して北へ向かうと、すぐに「この道は香川県に通じていません」との表示があります。泉谷川に沿って遡っていく県道34号線は、和泉寺というお寺を過ぎるとまもなく1車線の旧道になります。谷筋もぐっと狭くなってきます。クルマはほとんど通りません。2か所ほど石造りに見える堰があります。この日は、これまで訪れた中で一番水量が多いように思われました。進んでいくと、多少緩やかになるところもあるのですが、10%を超えるような坂道が結構続きます。やっぱり記憶通りにきついなあと思いながら落ち葉の道を進んでいたら、スタート時点では一面の青空だったのに、いつの間にか大山山頂付近は雲の中になってきました。午後から晴れ、の予報だったのに。
 上・右 県道34号線
 左   石造りアーチ状の堰
 下、ほぼ毎回写真を撮っているポイント。緩やかな勾配に見えますが、軽く10%を越えています。道周辺は雑木が多いです。徳島県内では当たり前に見られる田舎の山道ですが、私的好みです。上述の和泉寺を過ぎると、少しだけ田畑がありますが、その後は民家はもちろん、田畑もなし。香川県側とも繋がっていないこの道は、山頂にある電波塔の管理道であることが主目的かと思われます。
 上の直線部分を過ぎると、写真:下左端の緩やかなS字カーブの奥には、左手に曲がるコーナーがあって、そこからまた道は左から2枚目のように少し広がります。続いて右コーナーがあって東方向に進むようになるのですが、落葉後となったこの季節でも、木々が成長したためか、以前は泉谷川筋からチラリと見えていた吉野川方面や剣山山系の姿も全く確認することができませんでした。県道34号線終点の標示があるところまでやってきた頃には、稜線付近は雲の中になってきました。
左手が泉谷川 再び少し広くなって 吉野川方面 (2015年) 県道終点の標示
 そこから大山寺への分岐部まではすぐと思っていましたが、もう少しありました。この付近、道路はきれいなアスファルト舗装ですが、路面一面落ち葉に覆われています(写真:ひとつ下右)。途中、吉野川方面(南側)を何度も確認したのですが、木々の隙間からも下右の写真のような光景が見えるところはありませんでした。

県道34号線から剣山方面 (2018年)
 なんだか怪しい雲行きになってきたので、山頂(条件が良くても展望がない)には立ち寄らずに、そのまま大山寺方面に下ろうかと思ったのですが、次はいつ来られるかわからないからと進んで見ることにしました。写真:下上は山頂方面と大山寺方面への分岐にあるイチョウ。ここはちょうど見頃でした。
 分岐部から山頂までの距離は短い(100m少々くらい)のですが、急勾配で路面もかなり荒れています。これも記憶通りだったのですが、最後に電波塔のある山頂へは細い歩道が数mほどあった記憶でしたが、クルマが十分入れる道となって電波塔横には数台駐車可能なスペースができていました。あまり高くない電波塔ですが、その先端は雲で隠れるくらいの状況になってきました。好天でも香川方面の展望はほとんどないので、山頂の標示で写真を撮って、すぐに下り始めます。
山頂の電波塔 山頂の標示・標高691m 広場からの細かった道(2018年) 山頂から分岐部への道
 分岐部から大山寺までの道はコンクリート舗装がなされているように見えますが、一部未舗装の部分があるのかもしれません。落ち葉に覆われていて識別不能(下の写真)。写真ではわかりにくいですが、かなりの急勾配が続き、滑りそうなくらいで、登りと変わらないようなスピードしか出せません。カンティブレーキでは手が痛くなるくらいです。
 それはそれで楽しい道ですが、あまり余裕はありません。下右4枚の写真は、2015年時のものです。途中から吉野川や眉山(右上)、眉山を越えて伊島方面(中下)まで見えるところがあったようなのですが、今回は余裕がなかったためか、それとも県道34号線同様木々が成長して視界がなくなったのか、確認できる場所はありませんでした。
 慎重に下って大山寺に到着、本堂の後方から境内に進みます。モミジの紅葉には少し早かったようですが(写真:下右)、下ってきた境内から大山山頂方面に続く道は、一面モミジの落ち葉で覆われていました(写真:下左下)。予想通り、大山寺のイチョウはもうほとんど散っていましたが、境内はトップの写真のように見事な黄色い絨毯と化していました。
 下の4枚の写真は、いずれも2018年のものです。その時の記録には、地蔵寺同様大山寺のイチョウも枝振りが2015年よりも疎になったように思われると記していますが、写真を見直すと2018年のほうが条件が良かったようです。おそらく初めて黄葉の時期に訪れた2015年の印象が強かったためでしょう。
 このイチョウの東側、山門からみると左手(南側)には数本の大きなモミジがあり、こちらは裏手のモミジよりも色付いていました。写真:下左は今回、下右は2018年です。鮮やかさの違いは、気象条件とカメラ(左はコンデジ、右はデジイチ)の差でしょうか。境内には、写真を撮りに来たらしい初老(私もか)の男性二人とご婦人がひとり。
 写真を撮りながら、のんびりと一服していたら、まさかの雨粒が落ちてきました。見上げると、空は真っ暗です。大急ぎで下り始めます。コンクリート舗装で路面の状態はそこそこですが、コーナーも少なくクルマも県道34号線同様ほとんど通らないので、スピードを上げます。そんな中でも、途中何処か見晴らしのあるところはないかと目を光らせていたつもりですが、ここでも写真:下右(2015年時)のような吉野川を見渡せるところを確認できないままでした。
 左・上 大山寺境内の紅葉
 右   大山寺からの下り、南方面
      (2015年)
 再び阿讃東部広域農道まで出たところで本降りとなってしまいました。具合悪いことに、ちょうど雨宿りする建物がありません。仕方なく常緑樹が繁った下で20分ほど雨宿り。しかし、なかなか止まず、西手の空には重く黒い雨雲が立ち込めたままです。とうとう常緑樹の間からも雨粒が滴り始めたので、小降りになったところで思い切って再スタート。多少濡れたものの、ずぶ濡れにはならずに13時過ぎにデポ地へ帰還することができました。

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