高城山へ
 高城山は、剣山から東へ連なる山並みに位置します。頂上近くにあるレーダー雨量測候所の特徴的なドーム状の建物は、東宮山などいろいろなところから見ることができます。メインの登山ルートは、北側にあるファガスの森からの尾根沿いの道のようですが、山頂の南側には比較的近い位置に剣山スーパー林道が走っており、こちらからのアプローチが標高差も少なく、切り立ったところもなく安全そうです。周辺はスーパー林道全線の中でもブナなどの大きな落葉樹が茂っている一番のポイントでもあり、一度山頂まで登ってみたいと思っていました。
 神山から自転車でアプローチしたのですが、途中で挫折すること2回。もうサイクリング&ハイキングは無理かなと半ば諦めかけていたのですが、、今回はできるだけしっかりと余裕をもって予定を立てました。デポ地の神山町役場から土須峠まで20q、一度少し下ってスーパー林道へ入り高城山登山口まで12q。それぞれ所用2時間と踏んだ。そこから山頂まで30分。復路は、それぞれ1時間、帰着後の野良仕事を考え、逆算すると・・・。

高城山山頂
コース 神山−川又−土須峠−剣山スーパー林道−高城山(往復)
走行距離   65q  積算標高 1700m
最高地点   高城山(標高1628m)
走行日   2019年10月27日  天候:晴れ  シクロクロス
 午前7時40分に、神山町役場を自転車でスタートしました。天候は、予想していたほど晴れ渡っていません。山頂に到着するお昼頃には多少なりと回復するかと楽観視です。数q走ったところで、山歩き用のズボンを入れ忘れたことに気づきましたが、引き返すと30分のロスとなるため、まあいいかと先へ進みました。最近、起床時は体が重いことが多いのですが、この日はそれほどでもないように思われました。川又から国道193号線に入って、大中尾谷川沿いになると勾配がきつくなるのですが、何とかこなすと、その後は少し緩やかになります。しかし、速度は10q/hr前後。
 途中、山登りらしいクルマが何台か追い抜いて行きましたが、香川ナンバーが半数を占めていました。土須峠(写真:上左)には、予定よりちょっと早く、9時20分くらいに到着。少し心に余裕ができました。
 南側に下って、いよいよここからが本番です。いつも見上げて、山頂は遥か遠くだなあと思う、スーパー林道に入ってすぐのポイントで一枚(写真:上右)。奥に薄っすら見えるのが、高城山山頂付近です。その直下に、剣山スーパー林道のガードレールが見えます。これから10q以上。
 以前に川成峠方面から進んできた時(木屋平方面からだったか槍戸方面からだったか不明)は下りだけでも苦戦して、路面がかなり荒れていた印象が残っていたのですが、意外にも悪かったのは最初の辺りだけで、その後は比較的走りやすいフラットでした。ただ速度は一気に下がって、予想通りの5〜6km/hr。歩くのと、さほど変わりません。写真撮影という口実で、何度も立ち止まり休憩しながらですが、断念した前2回に比較すると、なんとか登れそうな感じです。「ファガスの森まで○q」という標示を4q手前くらいから見つけましたが、最後1qの表示は見落とし。1qにほぼ10分のペースでした。
 残念ながら紅葉にはまだ少し早かったようです。ファガスの森手前くらいからはブナも多くなってくるのですが、色付きはあまり良くないように思われました。それでも、広葉樹林と時に見られる樅ノ木などの針葉樹の光景は、疲れる体を気持ちからリフレッシュさせてくれます。中には多少なりとも色付いている木はあるのですが、霧のためもあって鮮やかさが全くありません。
 見上げると、高城山の雨雲レーダーが、まだ晴れぬ霧の中に、漸く近く感じられる位置に見られるようになってきました(写真:下右上)。このポイントから登山口まで後2q弱、山頂までの標高差は200mくらいでしょうか。
 左  剣山スーパー林道
 上  紅葉は、もうひとつ
 右上 レーダードームが見える
 右  高城山登り口までもう少し
 その先に進むと、下方から見上げたガードレールの部分(写真:ひとつ上中)に到達しました。今度は、見上げたところを見下ろしてみます。写真:下左の中央下方の谷が、スーパー林道と国道193号線の分岐あたり。雲早山も雲の中です。さらに先へ進んで、徳島のへそ。展望がいい場所なので、天気が良ければ一服のところですが、雲早山から高丸山も雲の中、徳島方面も全く靄っていました。
 そのため、そのまま進んで、登山口には予定通り11時30分に到着。一服して、靴を履き替えて、いざ山頂へ向かいます。ところが、進み始めてすぐのところは、ちょっと道がわかりにくかったです。高城山への登山道はファガスの森からがメインで、こちらのルートは、あまり人が入っていないようです。が、少し前に追い抜いて行ったクルマが一台停まっていたので、その人達もここから登っているようです。少しだけ迷った後は、稜線に出て、道は背の低いクマザサに覆われているものの迷うようなことはありませんでした。途中からは雨雲レーダーへ物資を運ぶために設けられているようなレールの真横い沿って登っていきます(写真:下右下)。
 
 左  登ってきた道を見下ろす
 上  ブナなどの落葉樹
 右上 高城山・南側登り口
 右  レーダー雨量測候所
 登山口に山頂まで30分と書いてありました。自転車で登ってきたこともあってか随分足が重く感じましたが、20分で雨雲レーダーに到着しました。周囲は霧(雲)が立ち込めてきて、周囲の見晴らしが全く効きません。山頂はこの裏手かなと進んでみましたが、何の標示もありません。少し先へ進んでみましたが、道は下っていくようで、先に登っているはずの人の姿も見えません。相変わらず霧(雲)は晴れず、それはそれで幻想的だったのですが(写真:下)、迷ってはいけないと雨雲レーダーまで引き返しました。
 まあ、ほぼ山頂と思われるところまで来たから、これでも良しとするかと、念のためにとスマホを見ると圏内だったので国土地理院地図を確認してみました。すると、なんと山頂は少し西手で、雨雲レーダー付近の標高1632mより4m低い1628mとの記載されていました。で、恐る恐る、もう一度先程途中まで歩いた先から少し下ってさらに進んでみると、人の影と山頂の碑を確認することができました。いや、スマホで確認しなければ、また未遂に終わるところでした。
 まさか、高城山山頂が最高地点ではないとは思ってもみませんでした。山頂には、数人の方が屯していましたが、なんと二人も旧知の方と出会いました。お一人は、吉野川10qスイムマラソンに参加していた時に、ずっとお世話になっていたFさん。もう25年振りくらい。もう一人は、元職場で一緒に仕事をしていたMさん。こちらも20年以上振り。Mさんは、「いやあ、お久しぶり」と声を掛けたら、それなりに対応してくれましたが、最後に一言、「どなたでしたっけ」。「や まですよ」と言うと、ひっくり返りそうな反応でした。私はお二人とも一目でわかったのですが、私は識別できないくらい老けていたということでしょうか。私的には、あまり変わってないつもりなのですが・・・。
 天候も紅葉も、もうひとつでしたが、元気な旧知のお二人の姿を見ることが出来、またFさんとは復路歩きながら近況から始まっていろいろとお話が出来て、とても有難い一日となりました。高城山に登れたこと以上に、この日一番の喜びだったと言っても過言ではありません。帰路は元来た道を引き返しました。徳島のへそでも、往路時より少しだけ雲が晴れていたので、一応写真撮影。条件が良ければ徳島市内方面まで見渡せるはずなのですが、この日はかろうじて識別できる程度でした。

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