吉野川・物部川分水嶺付近の道  谷相林道・松尾越、矢筈峠・祖谷山林道、京柱峠、梶ヶ森
 以前から、是非一度走ってみたかった吉野川と物部川の分水嶺を廻る峠コース。2002年9月(下記)に計画して谷相林道入り口まで訪れたものの、崩落通行止めで急遽行き先を梶ヶ森に変更した経緯のある因縁のコースです。
 結論を先に言ってしまうと、谷相林道はダートがしっかり残っており、なかなか登り応えのある林道でした。峠・松尾越から梶ヶ森の遠望も絶景。それに比較して、今回のメインと一番期待していた矢筈峠は、眺望もなく期待外れ(おそらく登山道をちょっと進めば素晴らしい景色を目の当たりに出来たのでしょうが・・・)。しかし笹川からの登り、祖谷林道のダートは走ってみる価値が十二分にあり。最後の京柱峠は20年振り。前回訪れた時は、あまり感激した記憶が無かったので、その後訪れた友人やHPで「とても良かった」と言うのを耳もしくは目にする度に、「そうかなあ?」とちょっと疑問に思っていたのです。しかし、今回は天候が良かったこともあってか、眺望はこの3峠の中で最高。友人やHPの感想に納得でした。
谷相林道・松尾越  矢筈峠・祖谷山林道谷相林道

祖谷山林道のダートを下る  奥は天狗塚・三嶺
コース  大豊−谷相林道・松尾越−県道49−矢筈峠−祖谷山林道−国道439・京柱峠−大豊 
走行距離   100キロ    積算標高2400m
最高地点   松尾越(標高1170m)、矢筈峠(標高1258m)、京柱峠(標高1157m)
走行日   2005年 6月12日  MTB  天候:晴れ   (同行者 K氏H氏
        大豊−−松尾越−−永野−−笹温泉入口−矢筈峠−国道439−−京柱峠−−大豊
時間(時分)  9:00----11:00-----12:00------13:00-----15:00----16:00-----16:40----17:30
距離(km)    0-------16---------33---------48---------66---------75---------82------100
標高(m)   400----1170-------260--------420-------1258------880-------1157------400 
 大豊・定福寺近くからスタート。ほどなく国道439を右折して谷相林道を目指します。いきなり急勾配の坂をしばらく走ると、梶ヶ森への道との分岐点に到着しました。3年前(下記)は、ここに「道路崩壊・通行止め」の標示&封鎖があり断念。もちろん今回は何も無く通過できました。少し走ったところでダートになりました。それも結構荒れています(王滝と同じくらい)。しかも7〜10%近い勾配が続きます。二日酔い&車酔いで絶不調の私は、ついつい遅れがちに。しかし、有難いことに、しばらく走ると、写真:下のような素掘りのトンネルや切り通しなど立ち止まりたくなるような場面に出くわし、結果的に、二人は私を待ってくれることになり、随分助かりました。

梶ヶ森への道との分岐点

谷相林道こちら、の道標
 左手には、それこそ吉野川の支流が流れているのですが、繁った新緑と谷の深さで、さほどその姿は見ることができません。最終の小橋を渡って左岸に出ると、アスファルト舗装となりましたが、これがまた急勾配。結局、15キロ走るのにちょうど2時間(途中休憩含む)で峠・松尾越に到着。そこまでに出合ったのは渓流釣りの人ひとりのみで、自動車は皆無でした。

切り通しのダート

素掘りのトンネル
 峠の東には、3階建て鉄筋コンクリートの廃墟がありました。ちょっと不気味な雰囲気でした(後日、高知在住の方から、無線電波中継所の跡とのご指摘を頂きました)。峠の南側からは、木立の間に、野市付近・高知平野東端が垣間見え、薄ぼんやりと太平洋が見えました。

物部川を渡る
 峠で大休憩の後、物部側に下りました。すぐにダートとなりましたが、こちらは良く踏みしめられたダートで走り良かったです。少し余裕も出来て3人で自転車を乗り換えて、それぞれの乗り心地を味わったりしながら下りました。夏前とあって、私の大嫌いなニョロニョロも時々遭遇。一度など、マムシも。先行していたK氏は、何するものぞとばかりにマムシ相手にMTBの前輪で持て遊ぶ!

 かなり降りたところで、谷相と永野への分岐点に到着。後半の予定も考え、永野に向かって、道を左へ進みました。
 永野まで降りてくると、もわっと気温が上昇。ここから大栃まで国道195を走り、西熊別府林道を走った時と同じ道を進みました。当初、ダム湖北岸を走る予定で吊り橋を渡ったのですが、地図に載っている道と異なり山奥へと進んでいく(後で見ると楮佐古林道への道だった)ようだったので、引き返して南岸を走りました。

物部川上流・笹川の流れ

手入れされた杉木立が続く
 笹温泉の標識(これも危うく見逃すところでした)から左手へ、いよいよ本日のメイン・矢筈峠を目指して県道49を進みました。物部川支流の笹川に沿って、始めこそ緩やかに登って行きましたが、笹温泉を過ぎたあたりから勾配は7%前後に。ちなみに、笹温泉には自販機くらいはあるだろう、と思っていたのに何もなし。ただ温泉は、なかなか雰囲気の良さそうな建物でした。

峠手前から土佐矢筈山山頂

矢筈峠にて
 笹温泉からしばらく走ったところで、庭仕事をしていたご夫婦を見かけたので、声をかけて水を頂きました。「昨年秋に、やはりお水を汲んで行った自転車の人がいたけど、あなた達じゃないよね」と言われました。ぽちぽち登っている人が他にもいるのだなあ。竹屋敷林道でも書きましたが、物部川流域はここ笹川でも同様、川石が吉野川と異なり白っぽい。空梅雨のためか水量も少なく、道端には滴る水の流れがあちこちにあるだろうと思っていた予想は完全に裏切られました。矢筈峠への道は、前半こそ比較的急勾配ですが後半は緩やか。土佐矢筈山の山頂を左前方に見ながら登るのですが、残念ながら期待していた展望はほとんどありませんでした。

祖谷山林道と国道439号線の分岐部

祖谷林道の下り
 矢筈峠からの祖谷林道(〜祖谷山林道)は、これまた谷相林道に勝るとも劣らぬ荒れたダートでした。下りのダートは滅法遅い私と、滅法速いK氏との差は開くばかり。それにしても、これまた分水嶺を越えた途端、ダートにばら撒かれた?小石も、なぜか吉野川水系でお馴染みの青石だったのは驚きです。途中、前高方に天狗塚のなだらかな稜線が。その後方に三嶺がチラリ(写真トップ上)。走る右手の谷は、登ってきた物部川・笹川側より、遥かに大きく深い。また、時折、新緑の美しいトンネルの道となりましたが、ダートを下るのに精一杯。同行の二人はどんどん先に進んで行ってしまうので、写真を撮る余裕もほとんどありませんでした。

参考までに  
谷相林道については、HP「やっぱりバイクが好き!」に写真入りのツーリングデータがあります。
京柱峠
 そうこう走るうちに、突然、国道439へ出ました。K氏は国道だからもっと広い道だとばかり思っていたとのこと。ここから、K氏がTTよろしく、アタック!比較的緩やかで、走りやすいこともありましたが、MTBで 18km/h 前後の速度で登って行くので、私も途中まで併走したもののプッツン。しかし、しばらく走ると予想以上に長い峠までの道に、K氏も一服中。やや遅れていたH氏も追いついて、ゆっくりと左前方に見える京柱峠を目指しました。勾配は緩やかであったため、すでに二つの峠を越え、かなり疲労が溜まっていたのだがなんとか走れました。辿り着いた峠で大休止。

峠から西南西へ、奥の高い山が梶ヶ森

峠から北へ、落合峠方面
 冒頭にも述べたように、京柱峠からの眺望は、予想に反して本日一番のものでした(事前の予想では矢筈峠の眺望が素晴らしいと思っていました)。西南西には、南小川(吉野川支流)の谷に沿って、山の中腹に集落が散在する日本の古き良き時代を思わせる山村風景の背後に梶ヶ森が鎮座しています(写真:上左)。北方向には、東祖谷山村を経て、落合峠から寒峰〜鳥帽子山方面が一望(写真:上右)。東側には、天狗塚の背後に三嶺が見えました(写真:下左)。360°の展望とは言えないものの、それに近い眺望でした。

峠から東へ、手前のなだらかな峰が天狗塚、奥は三嶺

京柱峠にて
 峠からは、20キロ弱のダウンヒルです。国道とは言え、「与作」とも呼ばれる439号線。3級国道であるがゆえか、大部分が片側1車線ですが、舗装状態は峠東側(祖谷側)より遥かに良く、快適に下れました。
 Diary (05.06.12)でも書いた様に、この前日、自転車仲間の飲み会で、飲み過ぎ。二日酔いの上、池田から大豊までの国道で車にも酔ってしまい、散々な体調でした。同行の、K氏H氏には余計な手間を取らせてしまいました。しかし、いいコースでした。同じ地域にある楮佐古林道を中心に、是非機会を作って走ってみようと思っています。
梶 ヶ 森
コース   大豊町豊永−梶ヶ森−大杉・大田口線−大豊町豊永
走行距離   約50キロ
最高地点   梶ヶ森 (標高 約1400m) 
走行日   2002年 9月15日  MTB  天候:晴れ
 この日、当初は大豊から谷相林道を越えて物部川へ出て、折り返し楮佐古小檜曽林道を越えて帰ってくる予定でした。しかし、谷相林道を登り始めるや、いきなり工事中・全面通行止めとなっていました(前方に進んでみたところ大崩落を確認)。そこで、やむなく急遽、梶ヶ森へと目的地を変更しました。山頂の写真を見たことがあったので一度は行ってみたいところのひとつでしたが、こういう形で来ることになるとは。ちょうど連休だったこともあってか、狭く急な道を意外なほど多くの自動車が通っていました。

ちょうど棚田の稲刈り時期 棚田と茶畑

標高1350m付近・頂上直下を登る
 最初は棚田(ちょうど稲刈りの時期でした)と茶畑の混在する山村を縫うように登り、その後は植林された杉林と落葉広葉樹林の中を進みます。中腹の滝(龍王の滝)で一休み。この水も吉野川の流れとなるのです。さらに登ると標高1000mを越えたあたりから周りの風景は一変して、まばらな低木と草原になります。ここまで12、3kmほどで登るので勾配もなかなかのものです。
 南東方向遠くには、本当なら行く予定であった谷相林道の峠の切り通しが見えました。条件がよければ太平洋もきっと見えると思います。山頂付近は一面の草原でちょっと四国離れした風景、突如変更にもかかわらず、十分に満足した一日でした。

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