富山 2019  県道34号線
 2019年のゴールデンウィークは10連休と騒がれましたが、私は間に仕事が入ったため前後半に分散した連休となりました。後半の4連休、すーさんと何処か泊りがけツーリングをしよう、と以前から話をしていました。考えた末に、北陸から信州を回ることとしました。初日はおにゅう峠周辺を走った後、福井へ移動。2日目は、午前中に、これも今回の目玉にしていた小松にある日本自動車博物館に立ち寄った後、能登半島・穴水まで移動しました。前年期待しながらも見ることが出来なかった、富山湾を隔てて冠雪の立山連峰を見ることが出来たらいいなとの願いからです。 (2019年6月12日 記)

県道34号線から富山湾を隔てて立山連峰を望む
 午前中に日本自動車博物館を見学後、早めの昼食を済ませて、前年も走ったのと里山海道を北上、一路能登半島・穴水を目指します。途中、右手に見える白山は、昨年とよく似た状況で少し霞んで見えました。今回は千里浜も素通り、前回下車した羽咋市も通り越えて、渋滞もなく穴水へ。
コース  穴水−国道249号線−鵜川−県道34号線−穴水
走行距離  40キロ   積算標高 約350m
最高地点  国道249号線・曽山峠 標高130m
走行日  2019年 5月 4日  天候:晴れ FELT F1
 デポ地は、中居湾ふれあいパーク(写真:下左端)。14時過ぎにスタートです。まずは国道249号線を北へ。海岸線沿いを少し走ると、直ぐに緩やかな峠道となりました。
 交通量はそれほどなく、のんびり進みます。まだ、桜が咲いているところもありました。曽山峠という峠の標高は130mほど。(写真:下左2枚)。下る途中、この地方で昨年もよく見た黒瓦・板壁の大きな民家を見かけます。平地まで下ってくると、ちょうど田植えが始まったばかりのようでした(写真:下右2枚)。
 海岸にまで出る手前で、廃線跡らしい鉄橋を見つけたので(写真:下左端)、国道を離れます。写真:下左から2枚目、切通様の上を線路が通っていたようです。鉄橋の上にも、おそらく線路はもう撤去されているのでしょう。その道の雰囲気が良さそうだったので、予定の県道34号線を少し外れて、そのまま鵜川集落内の道へと進みました。活気があるとは言い難い様相でしたが、ここも手入れの行き届いた板壁の大きな民家が並んでいます(写真:下右から2枚目)。小さな町をあっという間に通り抜けると、海岸線沿いに出ました。集落の外れで県道34号線に戻りましたが、ほどなく道は1車線になりました(写真:下右端)。
 海岸線沿いを走る県道34号線は、アップダウンもなく、クルマもほとんど通らず、とてもいい感じです。すーさんとふたりして悦に入り、速度はポタリング。海岸線というのに、防潮堤もありません(写真:下左)。まさに海沿いの道です。道は、その後ずっとほぼ1車線でした。所々に集落があり、いずれも海のすぐ傍らとは思われない、田園地域と同じような板壁黒瓦の大きな民家が多く見られます(写真:下右)。四国で見る海沿いの家屋という概念から随分と離れています。潮風の影響はないのでしょうか。
 進んでみると、その後もやはり防潮堤がほとんどありません。日本海というと荒波のイメージが強いのですが、南東方向を富山湾に面したこの地域は、冬でも比較的穏やかなのかもしれません。その証拠に、写真がありませんが、海岸線のすぐ横まで水田が設けられているところも多く、やはり防潮堤がないのです。地下の塩害もないのでしょうか。進んでいくと、右前方に見えていた雲の合間に、どうも雪山らしい姿が見えているようです(写真:下左)。進むにしたがって、だんだんとはっきりしてきました。昨年は、ぼんやりした光景を、あれがそうだろうかと何度も目を凝らしたものの確認することができませんでした。が、今年は間違いなく雪山です。カメラでズームアップすると間違いありません(写真:下右)。
 この海岸線コースを選んだのは、上述のように、ひょっとしたら昨年みられなかったこの光景が見えるかもと思ってでしたが、午前中の大気具合からそれほど期待していませんでした。それだけに、1年越しの思いを達成できて、二人とも大喜びです。その上、道自体も走っていて、とても楽しいし。
 それにしても、とにかく能登半島は大きいです。穴水から輪島に抜けて一周すると160qにもなるので、丸一日走るとしてもあまり余裕がありません。ということで、計画段階で早々に断念。もう少し先にある珠洲から半島先端を回っても100qあります。こりゃ午後だけでは厳しいと、その手前の海岸線を走ることとしたのですが、県道34号線の雰囲気は滅茶苦茶いいし、念願の冠雪の富山連峰も見ることが出来て(もっといい条件で見られることも多いのでしょうが)、もう言う事なしでした。
 ところで、このページの名前、富山としましたが、よく考えると走ったコースは全て石川県内でした。
 再びズームアップ。雲の上に頂きを出すのは、剣岳と立山辺りでしょうか。山を眺めてばかりで、なかなか先へ進めません。
 振り返ると(写真:下左上)、半島の先の方が見えます。この海岸線沿いには港らしいところは全くなく、写真:下中上のような入江状になったところに、小さな船が繋がれているところを見かけただけでした。途中でちょっと県道34号線を外してみると、丘状になったところには田植が行われたばかりの水田が広がっていました。写真:下中下は、かなり南まで下ってきて、曽良という集落付近だったと思います。左手の建物の裏手は、直ぐに海です。写真:下右は、曽良の手前の甲という集落付近だったでしょうか。これから進む先の向こうに、立山連峰が見られます。
 
 写真:下左、行く手前方・カーブミラーの奥に薄っすら見えるのが、この日もうひとつの案として考えていた能登島です。ここを1周するだけでも50q余あるのです。こちらを選択していても、おそらく鄙びたいい感じの海岸線や雪の立山連峰を見ることができたのでしょう。写真:下中は、曽良の集落を振り返って見たところ。能登島の向こうに、立山連峰の姿。後半は、ずっとこんな風に海の向こうの雪山を見ながら、すーさんとふたり、極楽気分でした。冬場は厳しいかと思われるのですが、道の状況や家の造り具合から想像すると、意外と過ごし易いのかもしれません。
 中居湾ふれあいパークでも見られた鯔見の櫓(写真:上右、前者は観光用らしいですが、こちらは数少なくなったと記載されていた実用物と思われます)が見えてくると、小さな峠を越えてデポ地へと戻ります。40qばかりのポタリングでしたが、遠景も近景も予想を遥かに上回る光景が見られ、大満足のコースでした。
 その後は、クルマで宿泊地・高岡へ移動です。穴水ICでは渋滞のように見えたので、七尾まで国道を走って能越自動車道へ。ここでも、トンネルを抜けて富山湾側に出ると、また海の向こうに立山連峰が見えてきました。自動車道は停車できなかったので、七尾大泊ICから昨年走った国道160号線へ下ります。2ヶ所ほどで停車して写真撮影。夕方の斜光線のほうが、もっと陰影が強くなるか、さらに赤みが増すのではとも思われましたが、期待したほどの条件にはなりませんでした。しかし、海岸からほぼ3000mの落差、圧倒的です。麓に広がる扇状地の町も、ぼんやりと見ることができました。

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