林道杖立線と綱付山
 林道杖立線を初めて走ったのは、2002年5月のことでした。前年末にMTBを手に入れたことと、公私の状況から20年ぶりくらいに日帰り一日ツーリングが可能となった最初の頃だったので、今でも印象が強く残っています。4回目となる今回は、初めて穴吹側からの登りです。峠からは、西へ伸びる林道を走って、綱付山へのハイキングを追加するプランとしました。 (2018年12月05日 記)

綱付山への道から、北東方面 半平山と土井久保集落付近
コース   穴吹-古宮-林道杖立線-杖立峠-綱付山ハイキング-林道杖立線-林道森藤線-木屋平-穴吹
走行距離   75キロ   積算標高 約1500m
最高地点   綱付山 標高1256m
走行日・天候   2018年11月24日   天候:快晴   シクロクロス
 午前8時前に穴吹をスタート。気温は3℃、この冬最初の冷え込みです。まずは走り慣れた穴吹川に沿った国道492号線を遡ります。いつもなら川を覗き込むことの繰り返しですが、山影になって陽が当たらないこと以上に水量がこれまで見た中で一番少ないように思われ、ほとんど立ち止まることなし。場所によると、いつもは見ることがない澱みも見られるくらいでした。
 穴吹川の流れが、遡ると南北から東西に変わる地点・古宮橋のところで左折します。すぐに剪宇峠方面への県道259号線と分かれた直後に、内田方面へとの分岐があって、いずれも左方向へ進むことは事前にチェックしていました。そこからが林道杖立線です。木屋平・太合に繋がるこの道、今回3回目だと思っていたら4回目でした。ただし、これまでの3回は全て木屋平側から。穴吹側から登るのは初めてです。いつも下り時に、随分きつい坂だし距離も長いので、こちらから登るのは難儀だなと思っていました。
 記憶通り、最初から急勾配が続きます。登りになったら暑くなってくるだろうと思っていましたが、手足・特に足先は全く温まりません。途中、唯一の田野内集落では、屋根や畑に霜模様。前方に、綱付山方面かと思われる稜線がチラリと見えました(写真:下右)。
  左上 国道438号線からの分岐

  上   県道259号線と分岐

  左   内田方面との分岐
 道はもっと荒れているかと予想していましたが、全く杞憂に終わりました。途中、工事中1ヶ所あり。写真:下中上、喜来という集落への分岐部で写真を撮っていると、何やら上から下って来る大きなエンジン音がします。立ち止まって待っていると、大型ダンプが3台続けて降りてきました。その後も2台のダンプが降りてきましたが、何処で工事をしていたのか、その後峠まで走っても不明でした。勾配がきついのは、記憶通りです。特に、喜来への分岐前後がきつかったように思います。
 その後も、これも記憶通り、あまり展望のない道が続きます。相変わらず山影で、ほとんど陽が当たりません。道両脇は、ほとんどが植林された杉林。比較的よく手入れされているところもあって、そんな林は杉木立であっても比較的明るく感じます(写真:下左)。途中、阿讃山脈が見えるポイントがありましたが、写真を撮らずに通過。また見えるポイントはあるだろうと思っていたのですが、走りながら記憶を辿ると、初めてやってきた時も下りながら北への展望があったは1ヶ所だけだったことを思い出しました。内田方面からの延長した道が繋がる直前のような道が、この林道から伸びていることを地形図で確認していました。何処かなと思いながら走ったのですが、最初にこれかなと思ったところは荒れ放題でとても進めそうにありません。峠から少し手前(写真:下中下)に、迂回路の表示が出ていた道がそうなのでしょうか?
 後半になって勾配は少し緩やかになったようにも思われましたが、全く力が入りません。3度くらい足つき休憩。峠の手前、右カーブのところで左手に伸びる荒れた林道を見つけたので、少し進んでみました。北側の展望が望めるかと思ったので。予想通り、落葉した木の間から少しだけ展望ありました(写真:上右下)。
 スタートから2時間半ほど(約26㎞・登り8㎞に1時半)かかって、漸く峠に到着しました。峠手前には、落葉した照葉樹が陽光に照らされた明るく暖かい感じのところもありましたが(写真:下右)、周囲のほとんどは植林された杉であることは、これも記憶通りです。峠には、開通記念碑がありました。見てみると、着工昭和48年(1973)、竣工が平成5年(1993)とあるので、なんと20年もかかっているのですね。おまけに延長15㎞余で、経費は20億円だそうです。心して、走りました。
   
 補給休憩の後、峠から南へすぐのところから分岐する道を西進。分岐部には手書きの綱付山の表示(写真:上中下)があったので迷わず進めました。ここからは、短いものの初めての道です。コンクリート舗装(の上にも落ち葉や小石、小枝多数)と時に未舗装。総じてCXなら乗車可能。ただ、かなり勾配のきつく見えたコンクリート舗装部分と、ちょっと勾配がきつく路面が非常に荒れていた2ヶ所は、迷わず押し。まだまだ杉林が続きますが、幹も太く、手入れの行き届いたところも多かったです(写真:下左)。快晴の一日でしたが、この道も稜線の北側で陽が当たらず、気温は低いようでした。放射冷却現象でしょうか、水たまりは氷結(写真:下右下)。バリバリと音をたてながら進みます。
 途中、一ヶ所道横に広場があって、そこから北への展望が広がっていました。この日唯一の絶景展望ポイントでした。阿讃山脈をトラバースする阿讃中央広域農道が見えます(写真:下右上)。北東方向手前に見える急峻な崖は半平山でしょうか(トップの写真)。斜面に張り付くような民家の光景は、四国ならではのものでしょう。その後方、阿讃山脈のさらに背後に、うっすらと小豆島も確認できました。快晴で気温も低かったのですが、少し靄っていたのが残念。
    
 道の終点には東屋が設けられており(写真:下中下)、ここで運動靴に履き替えて綱付山へハイキング開始。途中まで木材利用の階段道がつけられていましたが、至る所で倒木が右から左から道を遮っています(写真:下左下。階段がなくなると、東西の稜線い沿って落葉した雑木林の中を山頂へと至ります(写真:下右)。頂上付近は、新緑や紅葉期の楽しみがあるように思われます。山頂からの展望は情報通り全くありません。少し東へ下ったところから展望があるとの情報を得ていたので向かってみると、落葉した木々の向こうに剣山が見えました。冷え込んだので、白っぽく見えるのは樹氷でしょうか。右手前は丸笹山だと思います(写真:下左上)。
  
 展望もさほどないので、長居せずに引き返します。下り時には、階段のところも上から見るとよくわからないところが多かったです。東屋から来た道を戻ります。道の平均的な路面状況は、写真:下左のような感じです。正面に見えるのは、正善山でしょうか。往路時にはあまり気にしていなかった、落葉松が並んだところが林道から分岐してしばらくのところにありました(写真:下右)。落ち葉で道全体が覆われていますが、この部分はコンクリート舗装です。
   
 再び林道杖立線に出て、木屋平方面に下ります。所々で紅葉を終えようとしている落葉樹も見かけましたが、大部分は杉林です。途中、中尾山が西南方向に手に取るような近くに見えるところもありました(写真:下左)。背後の山、中央付近は一ノ森で、右手が剣山でしょう。
 そのまま下っていったところ、事前にチェックしていた川井地区方向へトラバースする分岐を確認(写真:下中上)。通行止めの表示はなく、結構しっかりした道のようだったので、安心してそちらへ進んでみました。ここも短いながら初めての道。周囲は、ここまでで一番立派に成長した杉林が続きました(写真:撮り忘れ)。
 この道、木屋平川井地区の対岸付近まで続いているように思っていたのは間違いだったようです。途中で林道森藤線の分岐(写真:上右上)があったので、GPSで確認したところ、どうもそこから下るのが正解のようで、国土地理院地形図にも、その先は繋がっていません。ということで、右手へ進みました。林道森藤線の表示があります(写真:上右下)。下っていくと、森藤という地区なのでしょう、10軒ほどの民家が点在していました。いずれも庭先まで手入れが行き届いており、日当たり良好です。枝垂れ桜が庭先に植えられているところが多く、満開の頃は長閑な山村風景が見られるのかもしれません。写真:下左は、そんな一軒の屋根越しに、天神丸方面。
 下り切って国道438号線に合流した場所は、木屋平小中学校の少し下手でした(写真:ひとつ上中下)。そこからは、国道438号線でデポ地まで。帰路も、いつもなら穴吹川を覗き込むために立ち止まるのですが、午後の山影と往路時にあまり条件が良くなかったことを確認していたので、途中停止なしに下ります。逆に、いつもは下(川)ばかり見ているのですが、この日は上(山)を確認。トップの写真だと思われる付近を国道492号線から撮ったのが、写真:上右。これまで何度も通っているのですが、初めて見上げたような記憶です。

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