津山界隈 うろうろ
 その週末は移動性高気圧に覆われて好天が期待できそうだと思われました。できることなら信州まで脚を伸ばしたかったのですが、所用で無理。しかし日帰りならなんとかなりそうだったので、前夜までいろいろコースを考えましたが名案が浮かびません。で、やはり走ったことのない道をということと、以前るみちゃんのブログで紹介されて気になっていた津山付近を訪れてみることにしました。主な立ち寄り処は、津山市にあるらしい古い町並み地区と因美線の駅舎です。 (2017年10月15日 記)

因美線・美作河井駅にて
コース  建部−美作やまなみ街道−津山―因美線・美作河井−越畑−印庄−大垪和−建部
走行距離  140キロ   積算標高 約2000m
最高地点  越畑 (580) 
走行日  2017年 9月30日  天候:快晴  FELT F1
 前夜珍しく寝つきが悪く、結局午前6時過ぎに自宅出発。瀬戸大橋経由、山陽自動車道を岡山ICで降りて、国道53号線を北上。いつものように google map で事前に確認していた建部の旭川河川敷にデポ。スタートは、8時半。
 まずは県道484号線を東進。緩やかに登る道は、すぐに1車線の旧道となりました。7qほど走ったところで、左折。広域農道中部台地区で津山方面へと向かいます。
 広域農道は、どこも山を強引に切り開いた結構急勾配のアップダウンが連続する道が多いと思います。総じて展望はあまりなく面白みに欠けることが多いので、ツーリング時には避けることが多いのですが、この日は敢えてこの道を選択。東西に平行するように走る国道・県道は、どうも交通量が多そうだったためです。
 案の定、後半は美作やまなみ街道と名付けられているこの道、10%弱のアップダウンが連続します。2車線の幅広い道ですが、交通量は少ないものの、クルマはほとんど通らないのではという予想に反して、時々走っていきます。信号もなく交通量も少ないのでスピードがでていて、追い抜いて行かれる時はあまりいい気持がしません。展望もやはりなし。一ヶ所だけ、ちょっと離れたところに田畑と民家の見えるところがあっただけ(写真:上右端)。数度のアップダウンを経て平地に下ってくると、吉井川の橋を渡って、まもなく国道53号線に突き当たりました。驚いたのは、4車線の道と予想外のクルマの多さ。もっと田舎かと思っていたのですが。
 西方向に、城跡らしい小高い丘を見つけたので、交通量の多い国道53号線を西進。確か、お城の南側付近に昔の街並みっぽいところがあったはずと、城跡方面に向かいます。ちょうど城跡下に案内図があったので、そちらと思われる方向に走ってみます。小さな川を越えたところで、間違ったかなと思っていたら、そこにも案内図があって、目的の通りは、目の先でした。そこここにうだつのある家が並んでいる通りには、なかなか由緒ありそうなしっかりした造りの家もあるのですが、全体としては、少しまとまりに欠くように思えました。生活の場であるので仕方ないのでしょう。もっと行政の力などが入ってしっかりしたプランニングが行われたら、随分と見映えも増すと思うのですが。脇町や内子のほうが、全体として、いい印象を持つと思います。それでも、一軒の比較的整ったお宅から出てこられたご婦人が、如何にも観光客然とした自転車姿の私を見て、極自然体で「こんにちは」と挨拶してくれただけで随分と印象が良くなりましたから、やはり住んでいる人の心が一番なのでしょう。
  
 そのまま旧道を東進して吉井川支流の賀茂川に沿うように右折。さらに再び国道53号線に入って3qほど進んだところから、左斜め方向に県道6号線を北上します。この道は交通量も少なく1車線の田舎道だろうと思っていたのに、幅広い2車線で交通量もそこそこあったことも予想外でした。しばらく走ったところで、因美線・美作滝尾駅を遠目に眺めます(写真:下左)。横に流れる賀茂川には、川の中で直角になっている堰を見つけました。流れに対して斜めに切られた堰は時々見かけますが、こんな直角の堰は初めて見ました。どんな理由・効果があるのでしょうか。
 さらに進んで、三浦駅(写真:下右)。この辺りだったでしょうか、道端に「この先、通行止め」との標示を見つけました。よく見ると9月30日まで、なんと今日まで。しかも場所は周回コースと考えていた一番北側の物見峠となっているではないですか。手書きのいい加減そうな表示だったので、本当?と疑問です。そちら方向へ向いた交通量もまだまだ多いです。まあ、ともかく先へ進んでみました。
  
 美作加茂駅に立ち寄ろうと、旧道沿いに入りました。ちょうどお昼だったので、駅で休憩。もう一度地図を確認。物見峠が越えられないとしたら、智頭側へ出られないので予定変更です。いずれにしても、折角だからと美作河井駅までは行ってみることにしました。美作加茂駅からは往復になるかもしれないので、まずは旧道を進みます。知和駅の手前で、県道6号線に復帰。この付近では、やはり通行止めのためか、ほとんど交通量がありませんでした。知和駅に立ち寄り。駅舎内に入って時刻表を見ると、もうすぐ智頭方面行きの列車がやって来るようです。美作河井駅まで行ってみて、何処かで列車を待つことにしました。
  
 途中、松川橋梁という鉄橋を見かけました。横を流れる加茂川の水は結構澄んでいます。まもなく美作河井駅に到着。時刻表を確認すると、後15分くらいで美作河井駅に到着です。まずは全国でも残っている数が少ないという手動の転車台を探して、駅舎から少し離れた山際へ向かいます。事前に確認した写真では、もう少し整備されているように思っていたのですが、周囲の状況といい、なんとなく放置されているような感じでした。ちょうど周囲の山や木々の影にもなって、うまく写真が撮れず。
 美作河井駅で列車を待つのもいいなと思いましたが、少し時間があったので先程の松川橋梁まで戻って鉄橋の上を走る列車を待つことにしました。5分ほど待って、ガタンゴトンと列車のやって来る音が聞こえてきました。どんな列車がやってくるのか楽しみでしたが、やってきたのは一両編成。登り勾配に加えて駅手前のためか、随分とゆっくり走っていたので、3枚ほど写真を撮ることができました。
 放置されたままのようでちょっと残念でしたが、転車台も見ることができたし、知和駅や美作河井駅の駅舎も覗けたし、目的を達して、美作加茂駅付近まで引き返し、帰路も考えアドリブで選択した県道75号線へと向かってみました。県道75号線に入ると、漸く田舎っぽい道になってきました。岡山県北部でよく見る黒塗りに瓦屋根はもちろん、茅葺きの家があったのには驚きました。道は緩やかな登り坂ですが、最後にちょっときついところがあって峠。そこからは、こんなに登ったのかな、と思うくらい下り坂が続きました。
 林の中の狭い下り道を進むと、平地になった辺りからは県道さえも外して進んでいくと、途中から工業団地のようなところに迷い込んで、さらに進むと院庄で国道179号線に当たります。付近は全国チェーン店がならぶ地方都市郊外でよく見られる光景です。道は4車線道。交通量も結構多く、これもちょっと予想外でした。その国道179号線を2qほど西進して左折、交通量の多い道を脱出です。ここからは県道70号線。この道は、前年4月に大垪和からの帰路に峠から西側を走っています。まさか、1年そこそこでまた来るとは。建部へ戻るには、この道が一番近く、また交通量も少ないと思えたからです。道は2車線の広い道ですが、交通量は少なく快適です。途中、満開のソバ畑もありました。
 前回走った大垪和への分岐までやってきました。少し時間的余裕がありそうだったので、大垪和に回ってみることにしました。おそらくもう稲刈りも終わっている、ヒガンバナも枯れ始めているだろうと予想されましたが、折角だからと寄り道。到着すると、幸いまだ一部でしたが刈り取り前の田が見られました。前回走った棚田北側の道から、今回は南側の道に回ってみました。
 大垪和からは県道70号線に戻らずに、未走の県道373号線へと進みました。ところが、しばらく進んだところで、分岐があって道がはっきりしなくなりました。道なりだと180°左カーブしていくのですが、その道を進むとすぐに行き止まり。まっすぐの道は、通り抜けられるのかどうかわからないような鬱蒼とした森の中へと進んでいて、畦道をやや広くした程度で路面もかなり荒れていました。もちろん表示は何もありません。ええいとばかりに進んでみましたが、勾配もかなり急な下り坂です。
    路面状況も悪く、曲がりくねっているのでスピードも全く出せません。もし崩落などで引き返すとなったら大変だなあと思いながら進んでいたところ、若い男女が乗った軽自動車が登ってきました。
 なんとか抜けられそうです。ほっとしたのは、おそらく私だけではなかったはず。その後、しばらくしてやっと一息つけるような道になりました。後で地図で確認すると、やはりこの道が県道373号線に間違いないようです。
 旭川ダム湖畔に出ると、県道30号線。前回県道70号線から北上した道を南下します。途中、ダム付近にはトンネルが3つほどあったのですが、全く記憶に残っていませんでした。まもなく国道53号線に出て、デポ地・建部の河川敷に帰着。いつも以上に下調べなしに向かったのですが、やはり初めての道はワクワクします。因美線は片道輪行も楽しいかも。予想よりずっと広い道や交通量の多さは意外でしたが、最後に廃道かなと思うよう県道に出会ったことも、またいつまでも記憶に残る出来事になりそうです。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

ツーリング中国地方に戻る  TOPに戻る

inserted by FC2 system