内子〜卯之町〜八幡浜
 今回のツーリングは、前年末にすーさんと飲みながらツーリング談義をしていた時に、私が未走の八幡浜付近の海岸線沿いを走ろうと思っているという話したことから立ち上がりました。折角なら、内子・卯之町・八幡浜・大洲の少しばかり残っている古い街並みにも立ち寄って、できるだけ走っていない道を繋いでコースを設定しました。当初の予定から2回ほど天候不良で延期となりましたが、久々のけんさんも交えて、好天のもと漸く実現しました。結果は、準備不足もあってタイムオーバー。予定通りのコース完走とはなりませんでしたが、早朝から夜まで(まさかの日没後ランまであり)楽しめた一日となりました。 (2017年05月30日 記)

法華津峠・展望台にて
コース   内子−荒間地隧道−白鬚トンネル−肱川−卯之町−法華津峠−明浜−三瓶−八幡浜−大洲−内子
走行距離   約150キロ   積算標高 約2000m
最高地点   法華津峠 標高420m 
走行日   2017年 2月25日   天候:快晴   FELT F1
 午前5時半過ぎ徳島を出発。高速道路を一路西へ。デポ地の内子まで225q、3時間弱。デポ地と考えていた道の駅は狭かったので、急遽肘川支流・小田川対岸のキャンプ場のようなところへ変更しました。
 出走準備をして、9時前にスタート。まずは、内子の町を散策です。朝まだ早い時間だったので、観光客は皆無。民家を利用したお店もまだ閉じたままでした。町並みの通りを走っていると、地元の人が挨拶してくれました。

内子の町並み

内子の町並み
 前回、何故か立ち寄らなかった内子座も、街並みからすぐのところにあったのに見逃して内子駅まで行ってしまいましたが、後戻りして確認。こちらも、ちょうど雨戸を開け始めたところでした。

内子座正面

内子座 入口
 内子からは、肱川支流・小田川に沿って南下しました。左岸の県道32号線は以前に走っているので、走っていない右岸・県道229号線を選択しました。右岸は、予想通り川を左手に眺めながらの交通量も少なく走りやすい道でした。肱川本流合流地点近で、大川橋を渡って県道44号線へ向かいました。この道は8年前にK氏と屋根付橋を訪れた時に少しばかり逆走しているはずですが、ほとんど記憶には残っていませんでした。できるだけ走っていない道をということで、7qばかり進んだところで、小さな峠を越えて県道441号線へと合流する道へと進んでみました。細い山道と思ったいたら、道は広い2車線だったことに加えて、民家がかなり奥まであったことも予想外で、ちょっと驚きました。

県道44号線から441号線への道、民家が続く

 県道441号線、大洲方面への展望
 荒間地隧道というトンネルを超えると、少し下って県道441号線に合流し左折。白髭トンネルまでの短い登りでは、大洲方面への展望が開けているところがありました。ここも、結構奥深いところまで民家が見られました。廃屋はなく、どの家も庭先まできれいに手入れされていました。
 峠の白髭トンネルで小休止後は、再び肱川沿いとなる県道29号線まで、緩やかな下り道を快走。この県道441号線もずっと広い2車線で、ほとんどないと思っていた交通量も、多少ありました。さすがに県道29号線に出ると、交通量は一気に増えました。ここから卯之町までも一度走っているのですが、やはり記憶がほとんど残っていませんでした。卯之町手前からは、結構強い向かい風となり、けんさんがひとりで先頭を牽いてくれました。

白鬚トンネル手前

 卯之町、街並み保存地区
 卯之町には、午前11時半くらいに到着。この町を走るのは2回目ですが、前回は何も知らずに八幡浜に向けてそのまま通過しただけでした。今回、この周辺を走るコース設定にあたり、四国の道に詳しいくにさださんの走行記録を参考にさせていただいたところ、卯之町の街並み保存地区や法華津展望台の存在を知ったので、迷わずコースに組み込み寄り道しました。

卯之町、街並み保存地区

卯之町、街並み保存地区
 まずは国道56号線から通りひとつ東側へ入った街並み保存地区へ。格子と白壁の対比が美しい家が並んでいる通りをのんびり散策。通りに面した二階の窓脇に設けられた、欄干付きの縁側?のある家が目につきました。続いて、通りの奥まったところにある開明学校。今から135年も前に建てられた小学校跡だそうですが、モダンな造り。さらに北東奥まったところにある、開明学校の後に宇和小学校として使用されていた校舎を利用した米博物館を訪れました。米博物館と言ってもピンと来なかったすーさんけんさんですが、長い廊下の雑巾がけレース(Z-1グランプリと呼ぶそうです)で有名らしいよ、と言うと二人ともよく知っていたようです。

開明学校

旧宇和小学校・米博物館
 無料の表示のある引き戸を恐る恐る?開けるけんさん。と同時に黄色い歓声ならぬ、元気な歓待の声。二人のお姉様(誤解なきよう、お二人とも我らオヤジ3人組より遥かに若い)の出迎えです。一歩中に入ってみると、いや、長い! それに天井は高く、内廊下ですが明るい。窓枠は当然アルミサッシではなく木枠のガラス窓ですが、教室内の保全状態も含めて非常に良好に保存されています。今すぐ教室として使用できそうなくらい。肝腎の米博物館の展示はそこのけで、3人でワイワイしゃべりながら、109mあるらしい長い廊下を往復しました。もちろん、雑巾がけではありません。

ぞうきんレースが行われる廊下

雑巾がけ視線
 ちょうど正午となったので、近くのうどん屋で昼食休憩後、旧法華津峠を目指して交通量の多い国道56号線から斜め左の旧道へと進みました。旧道に入ると、クルマは皆無。旧道故の程好い勾配の道をのんびり登ります。道周囲は杉林で展望もないのですが、サイクリングにはクルマのいない道が一番。下方のトンネルで山を抜けるようになるまでは、この道が国道だったようです。登り切った峠には、傾いて朽ち果てつつある法華津峠の標示板。標高400m余の展望台は、そこから少し南へ下ったところにありました。展望台からの眺めは少し靄っていましたが、くにさださん情報通り、南宇和の海と入り組んだ海岸線を一望できる絶景でした(トップの写真)。

法華津峠

 山肌を蛇行して海へ下る道
 展望台から西方向の山腹には、蛇行しながら下っていく道が見えました。これから下る道かと思われましたが、下る予定の道は稜線の北側を走っていたので、どうもみかん畑を繋ぐ農道のようでした。
 展望台から引き返して、峠から林道成谷線へと左折。稜線の西南側を走る道からは、時々先程展望台から見えた宇和海の展望を楽しむことができました。野福峠という小さな峠を越えて少し進むと、今回のコースで事前に一番把握しにくいと予想された右折して県道45号線の旧道に繋がる道の分岐があるはずです。しかし、予想した距離を過ぎても見つかりません。ちょっと不安になりましたが、思っていたより少し先に、事前にGoogle mapの写真地図で確認していた通りの分岐部を確認。いや、Google map恐るべし。分岐からは危惧していた通り、地道(今風に言うならグラベル)。まあ、そこそこ踏み込まれていたので、23Cのロードタイヤでも問題なしでした。

林道成谷線

林道成谷線から県道45号線旧道への地道
 県道45号線の旧道も、ほとんどクルマが通っていないようで、辿り着いた俵津隧道(トンネル)前後も荒れていました。トンネルを出ると日向斜面となり、明るく暖かくなりました。

俵津隧道(トンネル)

県道45号線から明浜方面
 旧道を下ると、程なく新道に合流。これまた立派な2車線道路で、クルマは時折通る程度。道もいいのですが、見渡す宇和海の光景が最高。蛇行する道を一気に下ってしまうには、もったいないような光景でした。逆走で、広がっていく光景を見ながら登れば、もっと楽しい道になるかと思います。

 県道45号線から明浜方面

 道路にはブルーライン
 路肩には、愛媛県の至るところで見られるようになったブルーラインが牽かれていました。ブルーラインの途中には、行先方面の距離標示もあります。ちょっとだけ残念だったのは、道幅が狭くなったところではブルーラインが消失したこと。できることなら、狭い部分も含めてずっとラインを続けていただければ、もっとわかりよいと思います。

県道45号線

明浜付近を走る
 下りきって明浜。ここからは、国道378号線で海沿いの道です。多少のアップダウンはありましたが、想定内。この付近一帯の山肌には、ミカン畑と思われる柑橘類の段々畑で覆われ、その根元には黄色い菜の花が満開でした。左手に広がる宇和海は、徳島県南の海よりも透明度が高く、青く澄んでいました。この道を走ることをメインにして考えた、この日のコース。交通量も少なくて、大当たり。

国道378号線 柑橘類の段々畑

宇和海の透明度は高い
 ここで、すーさんがまさかの脚売り切れ? 凡人的な私の運動能力に比べて、すーさん元トップクラス選手にBR-2(昔のカテゴリー)なら楽勝だね、と言わせた素質の持ち主。毎日多忙で帰宅は22時を超えるというすーさん。ほとんど走っていないので、普通の人に降格したようです。大崎鼻をまわると、左前方に佐田岬へと続く半島が見えてきました(写真でははっきりしません)。当初は海岸線沿いで八幡浜に向かう予定でしたが、ちょっと厳しいと思われたので、三瓶から県道26号線でショートカット(ちょっとした峠がありますが約10q短縮)。三瓶で海とおさらば、緩やかな坂を登ってトンネルを超えると、後は下って八幡浜へ。

左手前方に佐田岬

振り向くと、宇和島方面
 八幡浜から大洲に向かうのは国道197号線がメイン道路ですが、交通量が多そうなこの道を外して旧道で峠を越えると予定していました。が、そうすると距離も標高差も増えます。すーさん、大丈夫か(通常なら有り得ない状況)。ゆるゆると交通量の多い国道197号線を、夜昼トンネルに向けて東進。旧道に入る目印・千丈郵便局の分岐も通り過ぎましたが、トンネル手前、最後の分岐で、協議の末、結局せっかくだからと旧道へと向かうことにしました。

国道378号線 三瓶手前付近にて

旧国道197号線、新道は下方
 千丈から旧道に入っていたら距離は伸びたのですが、おそらく勾配は緩やかだったと思われます。川之内小学校近くから旧道へ向けての道は、予想通り結構な急勾配でした。旧道まで登れば海が見られるかとも思ったのですが、極一部で見られたのみで、海への展望はほとんどありませんでした。途中、ループになるトンネルもあり。道は右手に回ってトンネルの上を通っています。

道はループを描いて、トンネルの上へ

旧国道197号線・峠付近
 峠には旧トンネルがあると何故か思い込んでいたのですが、思い違いでした。植林された杉林の中を登って、同じような展望のほとんどない道を下り切ったら住宅街に出て、そこから(後で確認すると下り途中から左手に進むと、もう少し大洲手前まで旧道があったよう)国道197号線に出て、大洲へ。

大洲城から肱川の眺め

 大洲城のケヤキ
 折角なので大洲でも少し観光です。日は山の向こうに落ちてしまいましたが、大洲城と、おはなはん(私より8歳ほど年少のすーさんけんさんともに不知)通り、臥龍山荘にチラッとだけ立ち寄って、国道56号線で内子のデポ地へ向かいます。

おはなはん通り

臥龍山荘 
 全国何処でも同じような郊外の量販店・全国チェーン店が立ち並ぶ国道56号線を走っているうちに、とっぷりと日暮れて完全な夜間走行になってしまいました。18時半近くになって、漸くデポ地へ到着。150qに約10時間。いつものように、滅多に来ることができないと思うと欲張りすぎました。

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