南淡路・諭鶴羽山脈徘徊
2007年編

 前年(下記)、迷走の果てに到達できなかった諭鶴羽山へ再チャレンジ。今回はTOKU主催のツーリングに参加(総勢12名)させていただきました。予報に反して終日すっきりしない天候で、両山頂とも雲の中という状況でしたが、なんとか念願の諭鶴羽山を制覇。灘・黒岩から山頂までの道は、噂以上の激坂と紀伊水道の展望、そして後半は照葉樹林のトンネルを行く落ち着いた地道と、ツーリング心を堪能させてくれました。    (2011年1月25日 更新)

ツバキ 落花   論鶴羽山への道
コース  柏原山−立川−黒岩−諭鶴羽山−上田池
走行距離  約70キロ  積算標高 1500m
最高地点  柏原山(標高569m)、諭鶴羽山(標高607m)
走行日  2007年 2月18日  天候:曇り  MTB
 午前8時過ぎに吉野川のたもとでピックアップしていただき、一路淡路・洲本方面へ。徳島出発時には、晴れるのは時間の問題と思われたのですが、淡路島に向うにしたがって再び重い曇天が空を覆ってくる始末。デポ地・洲本近くに到着して南を見ると、これから向う諭鶴羽山脈方面は完全に雲の中でした。      洲本---柏原山---黒岩---諭鶴羽山--上田池--洲本
時間   9:30--11:30--13:40--15:10----16:20--17:00
距離(km) 0----19------42--------50------60-----70
標高(m)  5----560------0-------607---------------5
 雲行きが懸念される中、まずは最初の目的地・柏原山に向って出発です。登山口まで早速ちょっとばかり迷走(昨年もちょっと迷いました、道が入り組んでいてややわかりにくい)。この辺りによく見かける淡路独特?の門構えのある農家の佇まいが、なかなかお気に入りなのですが、写真がありません。

先行者は霧の中(標高300m)

霧の中(標高450m)
 柏原山は、登山口直後からの急勾配です。初めて参加された方はやや面食らったようでした。しかし、今回は心強いサポートカーも後方待機(N川さん最後までサポートご苦労様&ありがとうございました)、幹事役のあべさんも後方実走で全員をもれなく把握の至れり尽くせり。標高を稼ぐにしたがって、晴れていれば大阪湾岸が一望できる(下記・前年参照)のですが、この日は残念ながら標高300m程からは霧の中で視界は20m程度。ちょっと前を行く人さえも霧の中(写真:上左)。幻想的と言えなくも無いのですが、晴天時の素晴らしい展望を知るだけにちょっと残念でした。ハンググライダー take off場でも、視界は全くありませんでした。

紀伊水道を一望(前年トップの写真と同じ場所にて)

雲が晴れてきた
 というわけで、柏原山山頂はほぼ素通りで、立川への下りへ。ちょうど2006年編のトップに掲載している写真のコーナーに差し掛かったところで、霧が晴れて紀伊水道へそれこそ take off できそうな展望が望めました。それまで霧の中の登りだけで全く風景を楽しめなかった一同は歓声を挙げ、しばし立ち止まって見惚れていました(写真:上)。その後、例のトラバース区間(写真:下左)では、ちょっと陽が差してきて、やっと暖かさを感じることができました。しかし、この日一日結局天候が回復するだろうと思われたのは、その時だけでした。

トラバース区間

展望所で一服、漸く晴れ間がのぞく
 和歌山市街、友ヶ島が眼下に見える東屋で小休憩の後(こちらも昨年ほどはっきりとは見えませんでした)、県道76号線に合流。その後、立川水仙郷まで標高差150mばかり登坂、下って南岸海沿いの道へ。モンキーセンターで昼食休憩。休憩後、灘・黒岩まで海岸沿いを西進(写真:下右)。途中、昨年の登り口であった白崎を横目に通過。灘水仙郷は暖冬のためか、すでに花の盛りは過ぎていました。

友ヶ島水道を隔てて、友ヶ島がそこに

県道76号線、海岸沿いを走る
 黒岩の登り口には、諭鶴羽山登山口の表示。ここから、いよいよ本日のメインルートです。海抜0mからいきなり10%を越える坂。しかも進むにしたがって勾配はさらに急となり、2kmも進まないうちに標高は軽く200mを越えてしまいました。途中には20%くらいと思われるところも何ヶ所かあり、とてもロードでは登れそうにありません。白崎からの勾配も相当なものでしたが、それ以上。海側はふらつくと海まで転落しそうなコンクリート舗装です。眼下に広がる景色(白崎コースと異なり海側への視界良好)を楽しみたいのはやまやまですが、とてもそんな余裕はありません。一端立ち止まると今度はビンディングが入らないでしょう。この道、下るのも随分と怖いと思われました。ちょうど標高300mのところで、シカやイノシシから畑の危害を防ぐために張り巡された柵が道を遮って門となっている地点がありました。その地点から少し後に、コンクリート舗装は地道となります。

まだまだ緩やかな区間

わかりづらいが、超激坂です
 ここからは、道周囲にウバメガシやツバキなどの照葉樹が生い茂り、時に大きな落葉樹も交ざった樹木のトンネル。ところどころには、ツバキの落花が彩りを添えていました(トップの写真、先人達が踏みつけて行くのでなかなかきれいな状態の花は残っていません)。地道と言えども、かなり踏み固められており、登り始めと異なり勾配も5%前後に落ち着いて、良いとは言えない天候にも関わらず、とてもツーリング気分を満喫できる道でした。今回のツーリングで一番の収穫?

コンクリート舗装(路傍にはスイセン)

最初はコンクリート舗装(手振れ)
 しかし、登るにしたがって、天候は回復するどころか、稜線に出た辺りではとうとう霧雨になる始末。ここから再び急勾配のコンクリート舗装を登って、なんとか山頂に到達。昨年のリベンジを果たすことができました。
 山頂付近では、視界は20mも無いくらい。山頂直下の大きな電波塔も直前まで近づいて突然霧の中から姿を現すくらいでした。ここからは下りとなるので、まさかとは思いながらも持ってきた100均の合羽を上下はおりました。やはり少々荷になってもこの季節、保温も兼ねて雨具は持っておくものだと納得。随分暖かかったです。

照葉樹に覆われた地道を行く

踏み固められた地道
 下りはそのままダートを下って、諭鶴羽ダムに降りるという当初の計画を時間的余裕もないために変更。尾根北側を少し東進した所から、上田池に向って舗装路を下るコースを取りました。帰宅後昨年下記地図参で確認すると、今回は下の地図、下端中央部から北上する細い実線の道を登りF地点へ出て、地図左方向からの別ルートで登ってきたサポートカーと合流。諭鶴羽山登頂後、E地点(昨年迷走した末に最も西進していた地点)手前まで東進し左折、上田池に下ったことを確認できました。散々迷走した昨年でしたが、今回のツーリングでこの迷路のような道々を少しは把握できたようです。論鶴羽山へは、北側からも南側からもまだ別ルートがあるようなので、また次回の楽しみです。
 ところで、下ったところにあった上田池はダムにも見える堰堤?で作られた人造湖。堰堤は大正15年着工、昭和7年竣工とのことでした。石積みの造りは、豊稔ダムを思わせる情緒のあるものです。

諭鶴羽山山頂は霧の中

上田池を形成する石積みの堰堤
 17時前、デポ地に無事到着。今回のツーリングのメンバーは、以前からよく存じている方から、全く初めてお会いする人、息子より若い人(多分私が最年長?)から、ブラジルから来日中のレオナルドさんと国際色もあり、走力や経験歴も多様なクロスオーバーな集団でした。いろんな意味で、とても楽しく貴重なツーリングでした。主催していただいたN川さんを始めとするTOKUの皆さん、お誘いいただき後に先に気を巡らせていたあべさん、本当にありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

2006年編

 2006年ツーリング企画・第1弾として、前年決行直前に体調不良のため中止になってしまった南淡路・諭鶴羽山脈界隈を走るコースを再度立ち上げました。当初の予定は、柏原山を登って南岸へ降り、白崎から再び諭鶴羽山脈に登り稜線を辿って諭鶴羽山へ。その後は時間的余裕で北へ下るか、再度南へ下り西淡を周るというプランだったのですが・・・・。途中迷走で、危うく遭難一歩手前?
 みなさん、大変ご迷惑をおかけしました。参加していただいたのは、K氏金澤さんH氏けんさんま〜し〜さんBUNさんゴンちゃんしんさん、そして紅一点 I 嬢、総勢10名。

柏原山からの下り・背景は紀伊水道
コース 柏原山−白崎−諭鶴羽徘徊−成相ダム
走行距離  約75キロ
最高地点 柏原山(標高569m)、諭鶴羽山(標高560m)
走行日 2006年 1月15日  天候 晴れ  MTB
       西淡−柏原山−白崎−諭鶴羽山−成相ダム−西淡
時間    9:30---11:50---13:50--15:30----16:50----17:10
距離(km)   0----28------48-------55-------68-------75
標高(m)    5----569------0------560-------170-------5
 午前8時過ぎ、2台の車に9台の自転車を積め込んで分乗、徳島を出発。途中のコンビニでいつもの如く食料の買出し。その際、あまりに多くの食料調達(私達では通常量ですが)に初参加のI 嬢、目が点になってました。鳴門から高速道路、鳴門大橋を越えて西淡・三原SAで降車、ここでH氏合流、走行開始。
 ここから柏原山登り口までは、交通量が多い国道28号線はできるだけ避けて田舎道を進みました。いつもは高速道路で素通りするところを自転車で走って改めて気付いたことは、ため池が随分と多いこと。生まれ育った故郷・讃岐平野もため池の多さで有名ですが、香川用水の完成から次第と減りつつある讃岐よりも多いと言ったら言い過ぎでしょうか?

柏原山への分岐部

最初は緩やかな道
 柏原山への登り口は、以前に当地を訪れたことがあるま〜し〜さんの誘導で、迷うことなく到着。小休憩の後、いよいよ第1目標・柏原山への登りとなりました。のっけから10%近い勾配。登り口の標示に「頂上(569m)まで約7km」とあったので、平均でも約8%と大川原高原と良く似た勾配です。しかし、道路は良好なアスファルト舗装。おまけに自動車もほとんど通らず。少々手厳しいながらも楽しんで登れる道でした。標高270m付近からは、右手・眼下に洲本を中心とする淡路島の半景および大阪湾が見え始めました。一度ちょっとだけ下りがありましたが、その後は再び激坂です。

柏原山への登り・急勾配!後方に洲本市

ハンググライダ− take off地点で
 頂上より少し下方のハンググライダ− take off 用の広場で小休止です。ここから北東方面の眺めは、遠く明石大橋まで可視できました。ただ、雨天の翌日にしては、少し靄っていたのがちょっと残念でした。そこからしばらく走って柏原山山頂へ。北側展望台方面へと進みました。展望台からはほぼ360°の眺望です(写真:2段下)。

ハンググライダ− take off地点で、北方向へ

柏原山・頂上直下、北側展望台からの道
 柏原山からは水仙郷として有名な立川方面へ降りました。こちらはコンクリート舗装。下り勾配も結構きついですが、標高400m前後では山肌を縫うようにトラバースする区間(翌年:写真上)もありました。この下りでは、所々で東・和歌山方面の眺望が開けます。友ヶ島を経て、本州がもうすぐ。和歌山市街のビルひとつひとつが判読できそうなくらい近くに見えました(写真:下)。

柏原山・北側展望台から、北方向 洲本市街

柏原山頂上南東側・和歌山市街が手に取るように
 急なコンクリート舗装を下り切ると、県道76号・洲本南淡線に入りますが、こちらに入った途端、交通量が極端に増えました。水仙郷を訪れる観光客と思われました。
 ところで、淡路島を初めて訪れたのは、もう彼此30年も昔。当時、鳴門大橋は着工になったばかり。鳴門・亀浦から淡路・阿那賀へとフェリーで渡ったものです。最近では2005年3月に西海岸と花さじきを走りましたが、南岸を走るのは25年振りくらい。初めて訪れた時は、海岸線沿いとばかり思っていたのに、東端と西端に結構なアップダウンがあって面食らいました。この76号線、当時はまだコンクリート舗装で海岸線沿いでもガードレールも防潮提もなく、すぐ海であったのが大変気に入っていたのですが、さすがに現在ではアスファルト舗装で海側はちゃんとガードが付いていました(写真下)。前日の雨のためか、波打ち際の海水はやや濁っていました。

友ヶ島を望む展望台にて

南岸・県道76号線を走る
 モンキーセンターで小休憩。そこから3km程進んだ白崎からいよいよ本日のメイン、諭鶴羽山方面へと登り始めました。予想通り最初から20%近い急勾配。200mも走ると既に標高40m。極小さな白崎の集落を過ぎた後もミカン畑の間を縫うように、これでもか、とばかりの急勾配が続きます。もう、呆れて笑うしかないようなコースです。
 実は、登るにしたがって眼下に広がっていくと思われた紀伊水道の景観を楽しみにしていたのですが、みかん畑と樫や椿などの照葉樹林に覆われて、海側の視界はほとんど得られませんでした。猟銃(シカを狙っているようでした。随所に多量の糞とシカ害を防ぐためと思われる柵が畑を廻らされていた)を発砲する轟音が頻繁に響き渡るのに、ちょっと興醒め&流れ弾が飛んできやしないだろうなといらぬ心配をしながら、ゆっくりと登りました。まだまだ、ここまでは急勾配でも余裕でした。

白崎からの登り、最初はそこそこ

急勾配を登る・白崎からの登り(A〜B区間)
 ところで、諭鶴羽山への登りは、灘小学校あたりからの道がメインのようです。また立川と並んで水仙郷として有名な黒岩からも主なルートらしいですが、今回は地形図などから山脈の稜線を走ればさぞかし眺望が楽しめるだろうと白崎から登る計画を立てたのでした(下図、A-B-E-Fの予定)。

迷走・諭鶴羽山脈全容
 ところが、白崎からの登りで唯一間違えそうだとチェックしていた分岐(B)を見逃したのか気付かなかったのか、結果的にはへ進んでしまっていたようです。しかも、その時は間違っていることに気付かず、地点を地点と思い込み標高と方位・道方向が地図と合わないと悩みました。悩んだ末にと思い込んでいた)方面へと進みました。しかし、「やはりおかしい、地図(下記25000分の1地形図を持っていたら状況把握ができたのでしょうが、もう少し簡単な地図しか持っていなかった)と合致しない」と悩むことしかり。
 地点で電波塔を直前に見て、これを諭鶴羽山()と判断した(まだ間違えていることに気がつかず)のですが、これまた方向に進んでもあるはずの諭鶴羽神社がありません。また真南にあるはずの沼島がやや西寄りに見えることから、どうも何処かで道を間違えたと漸く気がつきました。そうこうするうちに15時も過ぎて次第に気温は下がってくる、疲れは噴出すで、主催者としては、ちょっとあせってきました。南へ降りれば必ず海岸線に下りれるでしょうが、時間的にも体力的にも西淡を回ってスタート地点まで戻るのは厳しいと判断。結局地点から再び地点に、さらに地点まで引き返しました。
 地点からは一番整備されたコンクリート道を進んだのですが、これがまた南岸方向へ降りているのに気がつき(から右手)引き返す始末。結局、何処へ降りられるのか予想がつかないまま地点から矢印11時の方向のダートを下りました。これが行き止まりだったら、と一抹の不安もあったのですが、なんとかコンクリート舗装の道に出、次第に谷も大きくなってきました。ここまで来ると「いったい何処の谷に降りたのだろう」と思うくらいの余裕が、やっと出てきました。結局、予定していた諭鶴羽ダムよりふたつも東側の成相ダムの谷へと下ったのでした。福良方向に沈む夕日を見ながら、なんとか暗くなる前にスタート地点に戻ることができて、なんとか無事?一日を終了することができました。

この直前でミスコース?(B〜C区間)

強烈な登り、ひたすら押し(D〜E区間)
 ところで、から地点は完全なダート。地点から成相ダムへの下りも途中まではダート。時間的余裕以上に精神的余裕がなかったので、写真もほとんどありません。余裕があれば、もっとダートを楽しめたでしょうが・・・。
 また、から地点は稜線の北側を通るため紀伊水道の眺望が全くなかったのですが(ここでもと思い込んでいたので地図では稜線もしくは南側なのでおかしいと思っていました)、地点からは南側に展望が開き、沼島の向こうに徳島の地が見えました。紀伊水道を隔てて蒲生田岬と和歌山・日ノ御崎が随分近いことにも(地図で確かめると直線距離で約30km弱)、一同驚いたものです。

みんな疲れきっているのですが・・・

夕暮れが近づく (諭鶴羽山脈より沼島・徳島方面)
 私を含めて何人か高度計や方位がわかる時計を持っていたのですが、GPSがあればなんて思ったのも正直なところ。しかし、なにより上記の地形図を持参していれば、おそらく地点ですぐに間違いを把握していたと思われます。杜撰な計画で、せっかく参加していただいた皆さんに多大な負担をかけてしまったことを、主催者として改めてこの場を借りて再度陳謝。これに懲りずに、次回はもっとしっかりした計画(当然、到達できなかった諭鶴羽山も含めて)を立てますので、またご参加よろしく!

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