近畿・東海地方の桜


 海峡を渡る橋ができて、それまでフェリーなど船舶利用の時代と比較すると、本州は飛躍的に近くなりました。それでも強行日帰りツーリングとしては、東へ向けては名古屋手前くらいまでが精一杯です。京都や奈良には、神社仏閣を含めた歴史的建造物などを含めた桜を楽しめるところも多く、またそれ以外にも沢山の花の見所があるようですが、なかなか訪れることはできません。今回のアップも、ちょっと以前のものばかりです。  (2018.04.14)

根尾谷薄墨桜 (岐阜県・本巣市  2010.04.11)

 毎年4月上旬に、伊吹山ドライブウェイヒルクライム大会というレースが開催されています。普段は自転車通行禁止で走れない道であること、ほぼ独立峰の山頂からの眺めは360°の展望を拝めるのかもしれないと、2008年・2009年とエントリーしていたのですが、いずれも所用でDNSでした。2010年こそは出場をと思っていたのですが、2月に肋骨骨折で出鼻を挫かれてしまいました。レース当日、とりあえずはと仲間たちと現地に向かったのですが、あまり走る気にならなかったうえに、到着すると生憎小雨という状況でした。ということで、レースに向かう友人達を見送って、半ば当初から確信犯的に計画していた根尾谷淡墨桜を訪れることにしました。


 関ケ原からは片道55qほどだったので自走往復も考えていたのですが、小雨もあって途中までクルマで移動することにしました。当時のクルマはカーナビも付いていなかったので、地図で確認しながら大垣方面から樽見鉄道線に沿った国道157号線へと進みました。デポ地は道の駅(富有柿の里いとぬき?)だった記憶ですが、移動行程を含めて定かでありません。そこから自転車で、国道157号線をまっすぐ北上します。樽見鉄道線と根尾川を左手に見ながら進む道は所々で桜も咲いており(下の写真)、交通量も少なくて走りやすかったのですが、薄墨桜の手前10qくらいからはクルマの大渋滞でした。近づくにしたがって、全く動いていません。いや、自転車で良かったなあと思いながら到着してみると、広大な駐車場(もちろん、観光バスを含め多数のクルマ)に加えて、たかが1本の桜に門前町のような安っぽい土産物屋や飲食店が通路沿いに並んでいるのに吃驚。ちょっと興覚めだなあと思いながら、足早に先へ進んでみると・・・。
 いや、凄い。たかが1本は取り消しです。エドヒガンだそうですが、日本三大桜のひとつと呼ばれるだけあって、一見の価値あり。四方八方へ広がった枝は支柱に支えられているものも多いのですが、花数も多く、1500年余という樹齢を感じさせない力強さがあります。幹回りも、これまで見たことのない太さです。開花から次第に花色が変わり、散り際に薄墨色になることからこう呼ばれるそうですが、この日はちょうど満開。花色も極々薄い桜色でした。
 周囲(特に写真手前)には、当然数百人ほどの観光客がいるのですが、幸い比較的人が少ない場面で一枚写真を撮ることができました。ただ、いくらか人が入っているほうが、その大きさがよくわかっていいですね。
 さすがに高齢?なので、樹医や住民のみなさんの手厚い保護を受けているそうですが、いつまでも、この姿見させ続けて欲しいものです。

又兵衛桜 (奈良県・宇陀市 2014.04.06)

   奈良県・宇陀市周辺には、この又兵衛桜をはじめとして、いくつかの有名な1本桜があることを知っていました。一度訪れてみたいものだと思っていましたが、少し距離があるのと土地勘が全くないので二の足を踏んでいたところ、知り合いのゴンさんが前年に続いて訪れるというので、是非と便乗させていただきました。


 到着した又兵衛桜、まだ朝早めの時間帯だったこともあるのかもしれませんが、上述の薄墨桜のような渋滞こそないものの、同じくらいかそれよりもっと広い駐車場(大部分は周囲の田畑を利用しているよう)が手前にあって、既に数台以上の観光バスも停まっていました。クルマでやってきた人は、ここから500mほど歩きますが、自転車はそのまま進めました。前方左手に、それだろうと思われる樹が見えてきました。
 近づいて、少し遠目のあちらこちらから。ゴンさん達と合流してからは、維持管理協力金(100円だったかな)を払って、樹の近くまで行って、周囲をぐるりと回ります。



 樹齢300年と言われる枝垂れ桜。明るく華やかなソメイヨシノや少し清楚にも思われるエドヒガンに比較すると、枝垂れ桜は、なんだか妖艶という言葉がピッタリに思えます。当日は時折小雨も降る曇天だったのですが、快晴よりも花色が鮮やかさを増すように思われます。
 近づいて撮ると花が強調されますが、その大きさがもうひとつ伝われにくいですね。ということで、少し離れて手前から人の入った2枚。写真:上左は、北東方向から。右の写真は、北西方向から。人の姿が入ったほうが、少し乱雑にはなりますが、樹の大きさがよくわかります。

吉野の桜 (奈良県・吉野町  2014.04.06)

 上述の又兵衛桜を訪れた時、集合場所に2時間も早く着いてしまったので、ゴンさんに又兵衛桜で合流させていただくよう連絡して、これも予てから一度訪れてみたかった吉野山へ向かってみました。スタート時も曇天だったのですが、紀ノ川が四国三郎と同じ吉野川と名前を変えた川沿いに出た頃から、ポツリポツリと雨粒が落ちてきました。ここも全く土地勘がなかったので、所々にある吉野山の表示や地図を確かめながら、そちらだと思われる方向に進んでみました。

 
 最初から結構登りです。日曜日でしたが、まだ早い時間だったので、クルマは少な目。しかし、登り始めると、雨脚がだんだんと強くなってきました。前千本・中千本・上千本・奥千本と続くらしいことは知っていましたが、正確なことは把握できていなかったので、こちらだと思われる県道15号線を登っていきました。桜の姿もチラホラ見えるようになってくると、次第に花見客の姿も多くなってきました。しかし、進むにしたがって雨は本降りになって来るし、花見客はどんどん増えて、自転車に乗って走ることもできなくなってきました。ちょうど、道の両脇に沢山のお店が並ぶようになったところで、その後の予定もあり引き返すことにしました。中千本・上千本・奥千本はどうやらそこからまだ先のようで、自転車は通行禁止のようでした。
 今回は、時間ができたので、とりあえず次回のために土地勘を持つことが一番の目的でした。シロヤマザクラを中心として、山肌を埋め尽くす200種類!3万本!という吉野山の桜、次回は、もっと事前情報もしっかりとして奥千本まで堪能したいと思います。写真は、おそらく下千本の一部。生憎の天候でしたが、山肌に少し靄がかかった状態もいいものです。

 この後、随時追加アップ予定です。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

桜を巡るツーリング  TOPに戻る

inserted by FC2 system