諭鶴羽山 2017
 この日は、本来、以前から計画していて延期になっていた別コースに向かう予定でした。が、午後から下り坂との天気予報のため、同行のすーさんから何処か近場に変更しましょうと連絡があったので、地図を眺めながら、そうだ久しぶりに諭鶴羽山へ行ってみようと思い立ちました。それが前々日の夜。ところが、前夜にふくてんさんのブログを見てびっくり。予定したコースと良く似たコースを1日先に走られたようです。前回の記録を確認してみると、もう10年も前でした。今回は以前に走っていない道をということで、諭鶴羽ダムからの道を登って、大日ダムへ下ってくるコースを考えました。地形図では実線の道表示があるのですが、状況は全く予想できません。とりあえず国土地理院の地形図を印刷して携帯しました。  (2017年06月10日 記)

雑草が繁る稜線に向かう作業道を登る
コース  南あわじ−諭鶴羽ダム−諭鶴羽山−林道ー南あわじ
走行距離  約40キロ   積算標高 約800m
最高地点  諭鶴羽山 標高608m
走行日  2017年 1月29日  天候:快晴  シクロクロス
 デポ地は、南あわじ市役所の駐車場を使用させていただきました。スタートは午前8時20分くらいだった記憶です。まずはタマネギ畑の中を走る県道535号線を、諭鶴羽ダムに向かいます。県道535号線に入ったらクルマは少ないだろうと思っていましたが、意外と交通量がありました。マイクロバスまで追い抜いて行ったくらい。ダム手前には、以前から気になっていたサイクリングターミナルとやらがあるのですが、テニスの練習をやっていて、あまりサイクリングを思わせる様相は見られませんでした。
 ダムでは、先程追い抜いて行ったマイクロバスから団体さんが降りてきて、ハイキングの準備中でした。それを横目に、ダム湖の奥手に進みます。湖畔は、以前に走ったいくつかの東側のダム湖畔と異って、公園様に整備されており大きな桜並木もありました。花見にも良さそう(そういえばゴンさんのブログに以前記載があったような記憶)。
 
  タマネギ畑の中を山へ     諭鶴羽ダム湖奥にある地図

左の地図、拡大
 ダム湖の最奥にちょっとした地図がありました。この後の道などを確認していると、犬を連れたおじさんが近づいてきて話しかけてきました。「この先石がゴロゴロしていて自転車じゃいけんよ」と言われましたが、「まあ、こんな自転車ですから」とすーさんのMTBを示します。おじさんの話では、突き当りまで歩いて30分とのことだったので、その時は稜線までと思い込み、意外と近いなあと思ったのは、やはり後で間違いと判明。
 
  踏み込まれて快適な道           分岐部の柵

 いざ、急勾配の道へ
 程よく踏み込まれて勾配もそれほどきつくない道をすーさんとルンルン気分でワイワイ喋りながら進んだところ、10分少々で突然行き止まりになってしまいました。どうも犬を連れたおじさんの突き当りとは、ここのことだったようです。先程の地図にはちゃんと作業道と載っていたのになあ。国土地理院地図コピーを取り出して確認してみると、少し手前で右手に分岐がありました。ワイワイ喋りながら走っていたら見逃してしまったようです。この日の予定、往路は、上記地図の現在地から作業道とある紺色の線を走って稜線へ。1054-2の2辺りが諭鶴羽山山頂でです。帰路は、北阿万8号線を下って大日ダム方面に抜ける(左下に伸びる赤紫の線)予定でした。ちなみに、この作業道、2006年に迷走した時の地図にも載っているのを確認。 少し引き返しすと、ちゃんと分岐がありました。閉鎖門ありましたが、その横から作業道へ。
 
道はそこそこ荒れていて、勾配もそれなりにあり

稜線の道に近づくと、路面は整ってきた
 さて、ここからが本番です。件の作業道、それなりに荒れていたし、勾配もそこそこありました。クルマは、ほとんど入っていないよう、と言うか、もう不可能な状況かと思われました。時に結構ガレていて押しになるところもあったのですが、90%以上乗車可能でした。雑草も我が物顔で、道の真ん中まで繁っていました(トップの写真)。
 稜線の道に合流する少し手前からは勾配も緩んで、路面状況からみるとクルマも少し入っているようでした。稜線の道に合流すると、気温は暑いくらいまで上昇してきました。南に紀伊水道と沼島(写真:右下)。かなり靄っていたので、本来見えるはずの徳島の山は全く確認できませんでした。この稜線の道も、記憶に全く残っていなかったのですが、クルマがそこそこ通るようで、未舗装でしたが、かなりしっかりした道でした。

稜線の道、すぐ手前 常緑樹が繁る

稜線の道から沼島方面を望む
 諭鶴羽山山頂手前は舗装されていましたが、結構な勾配でした。遠くに2006年に迷走した時の鉄塔(写真:左下、後方中央部の尖った山頂)、これも写真ではわかりませんが友ヶ島と和歌山もぼんやりと確認できました。
 諭鶴羽山山頂直下に近づくと、山頂方向から賑やかな声が聞こえてきました。スタート地点から14qをちょうど2時間で到着した山頂には、先程ダムで見かけたハイカー達の姿が。なんと歩いて登った人のほうが速かった・・・。前回は霧の中だったので、山頂からの展望は全くなかったのですが、今回は靄っていたものの北側の展望が広がっていました。これも写真ではわかりませんが、山頂の碑の右後方には鳴門大橋が見えました。慶野松原方面も一望(写真:右下)。澄んでいれば、小豆島や本州赤穂方面も見えるはずです。
 諭鶴羽山山頂で一服した後、予定の大日ダム方面に向かうため、まずは諭鶴羽神社方面へ下りました。山頂から神社までの間は、そこそこの勾配で地道。フルサスMTBのすーさんは、かっ飛んでいくのですが、当方は恐る恐る下るので精一杯でした。この区間、遅れまいと必死だったのと、地形図から次の分岐が間違いそうなので気になっていたので写真が全くありませんが、大きく育ったアカガシ(山頂に記載あり)群落の中を抜けていく素晴らしい道でした。そこまでの道脇にも中木のカシ類やツバキ類が繁っていて、淡路の暖かさと植生を感じさせてくれたのですが、神社裏の林はひとつひとつの木が大きく立派で別格でした。徳島県南部の海岸線を走る県道26号線も照葉樹に覆われた道ですが、これほど大きな照葉樹の林は、四国では出くわした記憶がありません。

北阿万8号線、大きな石がゴロゴロ

雑草も道全体を覆いつくす
 そんな道を下って神社に出ると拍子抜けするほど開けていて、立派な休憩所までありました。ここで、慎重に道を確認。2本並走して走る北側の道を探します(南側・県道だと逆方向の海側に下ってしまうので)。予定コースは前述の北阿万8号線ですが、休憩所から北方向に少し登ったところの広場から、カシ類が繁る斜面の向こうに道らしきものが確認できました。実際は、アカガシ林の手前で分岐したいたようです。すーさんのGPSと当方のアナログ地図で確認しながら、樹木の間を押し下って道へと出ました。しかし、それがまた大荒れ。頭大の石が散乱して、周囲は常緑樹帯なのに落ち葉が堆く積もっていました。しかし、地図では間違いないと思われたので、下り始めます。

乗車できない区間が増えてきた

人ひとりが歩ける幅だけ、石がないところも
 ここでも、すーさんは快調に下っていきます。途中のカーブで止まって待ってくれていたと思ったら、シカが20頭ほどいたとのこと。その後も道は荒れ放題。クルマが入ったと思われる痕跡は全くありません。人が多少入るのでしょうか、自転車一台がなんとか乗車して通れる部分があるところもありましたが、20mも乗れないうちに乗車不可となるところが多く、だんだんと乗車不能になってきました。登った作業道も結構荒れていましたが、こちらほどではありませんでした。雑草も伸び放題。大日ダムの川筋に下る道の合流部まで出れば、もう少しまともな道になるかもと思いましたが、もう少しでここでも違う道を進んでしまうところでした。まっすぐの道は、多少クルマが入っているようで踏み込まれていましたが、そちらと思って進んだところ、GPSの道表示から離れていくとのこと。全く文明の利器は凄い。で、利器通りに地形図でもあっていると思われる方向に進んだところ、道はさらに荒れてきました。一部はもう道としての形がないくらいでしたが、GPSは正しい道筋であることを示していました。3か所ほどは川筋となって、道消滅(写真:右下)。

道なのか・・・

とうとう、川筋に道が飲み込まれた
 不思議なことに、ルートラボでは作業道はトレースできなかったのに、このどう見ても走ることのできない北阿万8号線から大日ダムに伸びる道は、ちゃんとトレースできました。どんな基準で作成されているのでしょうか。この区間は、ほとんど乗車できませんでした。単独走だったら、絶対止めていた(最初の登りから)、もし進んでいたとしても不安で仕方がなく、何処かで引き返していた、もしくは迷っていたこと間違いなしと思われます。

大日川ダムから

大日ダムから
 なんとかダム湖畔の最奥に出て、漸く道も乗車可能となたりまし。大日川ダムができて、それまでの堰が一緒になったのかと思われる美女池と大日川ダムを眺め、ひとつ下流にある大日ダムも下ると、もう二人とも精根尽き果て状態。東隣にある牛内ダム(写真:右下)湖畔を一周するべく進んでみましたが、諭鶴羽ダムと尾根一つの部分の斜面が崩落で通行止め。湖畔一周を諦め引き返して平地に下り始めたところ、ポツリと雨。急いでデポ地に戻り、雨に濡れずに済みました。

 牛内ダムへの登り

牛内ダム 
 物好きな二人でワイワイと楽しく走りましたが、上述のように、単独なら最初の登りで手控えたこと間違いなしです。他の方にはお勧めできません。特に下った道。登った作業道も、下るのならMTBが必須かと思います。大きな台風や水害があれば、おそらくどちらも復旧することなく廃道となると思われました。まあ、二度と走ることがないでしょう。

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