川への想い   

    2012 a la carte  Pont de Gard   (2012.07.12)


Pont de Gard
 世界遺産のひとつとして有名な Pont de Gard(ポン=デュ=ガール)。紀元50年頃に完成したといわれる、このローマ時代の水道橋は、Uzes(ユゼス)から Nimes(ニーム)に至る水路の一部です。Nimesの北東20q弱に位置しています。2006年、2011年と Etape du Tour に参加した時、いずれもアルプスからピレネーへの移動中に、このすぐ近くを通りました。A7 から A9 に入ってすぐの辺りに、橋の絵が付いた Pont de Gard の道路標識を見ることができます。高速道路からは5qばかりのところなので、ちょっと立ち寄ってくれないかなあと思っていましたが、行程に予定も余裕もなく、2回ともあっという間に素通りでした。
   

 ところが、2012年は、それまでアルプスからピレネーへ600q近くを1日で移動していたのに、前日 Tour de France 観戦後の移動となったため、ほぼ中間にあたる Nimes で1泊となりました。そのため翌日の移動距離が短くなって時間に余裕ができたため、急遽 Pont de Gard 観光が行程に加えられることになりました。ラッキー。
 到着したのは、橋から少し離れたところにあるビジターセンターのようなところ(写真:上右2枚)。ここからは入場料を払って徒歩で向かいます。まだ午前中早い時間だったので観光客もそれほど多くなかったのですが、バスで乗り付けている団体客の大多数が中国系の人達だったのには驚きました。韓国と思われる団体も少し。意外にも、日本人の団体は見かけませんでした。

 ビジターセンターから橋まで400mくらい。ちょっと歩きます。すると、見えてきました Pont de Gard。上中下と三層からなる橋ですが、まずは上の二層が見えてきます(写真:上左)。橋の袂まで近づいていくと、三層全てが姿を現します(写真:上右)。遠目に見ても、その大きさに圧倒されますが、近づくとさらに迫力があります。袂には、Uzas から Nimes への水路の説明図もありました。せっかくなので、最上層まで登ってみようと思いましたが、鍵が閉まっていました(写真:下右下)。
 

 諦めて、対岸へ渡ってみます。下を流れる Gardon(ガルドン)川には、カヌーを楽しんでいる人々の姿も見えました(写真:上右上)。
 その姿や大きさももさることながら、Uzes から Nimes までの全長約50qの水路の平均勾配が1qあたり25cmと聞くと、2000年前の測量や建築技術に、ただ驚くばかり。

 石積みの橋梁もアーチ部分も、ピッタリと合わさって寸分の隙間もありません。機能美なのかもしれませんが、造形としても見るものを唸らせます。上述の精度といい、まさに世界遺産ですね。

 あまりゆっくりする時間はなかったのですが、近くまで行きながらエタップツアーでは訪れることができないと諦めていただけに、とてもうれしい出来事でした。名残惜しく何度も振り返りながらビジターセンターへと戻ったのですが、ふと最上層に人の姿があるのに気付きました(写真:上左)。最上層へは鍵がかかっていたのですが、何か条件が整えば、立ち入ることができるようです。最上部の構造や、そこからの眺めは、また別の感動を与えてくれたかもと思うと、そこへ登れなかったことだけが唯一の心残りです。

ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

Etape du Tourに戻る TOPに戻る

inserted by FC2 system