県道35号線 と 新野界隈の道
 県道35号線(阿南相生線)は、その名の通り阿南市橘町から新野町を経由して、旧相生町の那賀川に架かる川口橋を結んでいます。初めて走ったのは、1990年・第一回那賀川センチュリーランの時でした。コースは川口橋を渡って県道35号線へ折り返すようだったのですが、コースを十分把握できていなかった私が通過した時には橋の袂には標示もなく誘導の方も不在ででした。知らずにそのまま上流へ走っていたら、後方からやってきたクルマに乗った方に、「イベントに参加されている人ですか? みんな手前で橋を渡っていますよ」と教えていただき、引き返したのもなつかしい思い出です。 (2021年 3月25日 記)

県道35号線 (2021.02.11)
 当時は那賀川流域もほとんど走ったことがなく、引き返して参加者が走っている坂道を登ったこと、下り切った後はコースがわからなくなって(参加者の多数がそうだったようです)、新野から阿南付近は何処をどう走ったのか今でも不明です。その後、県道35号線は何回か走っているのですが、いつも新野側の道はかなり荒れていました。第一回那賀川センチュリーラン(第二回からはコース変更で県道35号線は通らなくなりました)時には、下りでそんなに荒れていたという印象は残っていませんでしたし、多数の参加者が普通に下れたのだと思います。その後走る度に、よくこんな道をみんな下ったものだ、当時はもう少し整備された道だったのだろうと想像するばかりでした。
 ロードバイクで走るには(特に新野側)、道幅も狭くカーブも多いのはもちろん、なんといっても路面の舗装状態は良くない上に、至る所に落石があります。もちろん、枯葉・枯れ枝は当たり前。
 そんな道なので、なかなか好き好んで向かうことはないのですが、直近に走ったのは、おそらく帰来トンネルが通行止めのため遠回りしたtさんと一緒に走った2017年1月。今回は、新野界隈の細々した道を走った後で、ゆっくりと県道35号線に向かう・左図のようなコースを走りました。
コース  小松島−持井−長生−新野界隈−県道35号線−百合谷−県道35号線−鷲敷−県道283号線−持井−小松島
走行距離   110q  積算標高 1200m
最高地点   県道35号線・最高地点  標高300m
走行日   2021年 2月11日  天候:晴れ  FELT F1
 勝浦川の下流からスタートして、南へ向かう時の定番・県道16号線を沼江で左折して那賀川沿いの持井へ出ます。いつもは県道22号線を進んで日亜化学を越えたところで県道24号線に右折するのですが、この日は松福堂というお菓子屋さんの処を右折して、下大野から長生小学校横を通過して県道24号線へ。松福堂からの道は田舎田舎した緩やかな登りですが、突き当たった加茂谷と下大野を結ぶ道は日曜日以外だとダンプカーがよく走るので注意が必要です。さらに県道24号線が桑野川を渡る新大地橋のところをそのまま直進し、山際の細い道を走って山口で国道195号線をクロスして県道284号線へ。当然初めての道ですが、民家の軒先と田畑の間を走る・いかにも生活道といった風ののどかな道でした。県道35号線の交差点手前を右折して、実はこれも初めての四国霊場22番札所・平等寺(写真:下左)を横目に桑野川左岸の道を西進。もう収穫が終わった菜の花畑などを眺めながら(写真:下右)、県道35号線に合流したところで、一度JR新野駅まで戻りました。
 JR新野駅手前で牟岐線の西を走る細い道を進み、地形図で確認していた途中にある池のところから以前に走ったことのある新野農免道路付近に出られる道がある筈だと進んでみます。池のところで道を確認しようとしたところ、スマホが充電切れ。先日の甲浦でといい、肝心な時にうまく稼働してくれません。頭の片隅にあった地形図の池から、まあ間違いないだろうと進んでみたのですが、道はどんどん荒れてきます(写真:下2枚)。周囲は、この地域に多い孟宗竹の竹林が続きますが、一部の除いて結構荒れ放題のところが多いです。先日、とある過去の放送映像で、新野の竹林を整備されている御高齢の方の姿を拝見しました。整備されているところは、しっかりと手が入っているのだと思われます。進むと、路面は舗装されているのかどうかわからないような荒れた状態で何度か引き返そうかと思いながら進んだところ、なんとか農免道路方面に続く道に出ることができました。
 それで一安心したのが、失敗。下って突き当りの広重というコミュニティバス停を左折したのが間違い。この時点でなぜか既に農免道路に入っている思い込んでいたのです。左折してどうも様相が違います。水田の続く道を進んでいくと、2車線だった道は突然、未舗装の細い山道になってしまいました。これは間違ったと引き返すと、随分下ってから「月夜」のバス停。あれっ、月夜っていつも福井ダム方面から県道284号線を走ってきた時に目にする地名です。その時点で漸く福井ダム方面から県道284号線の小さな峠を越えて下ったところから、左手方向に伸びる細長い平野沿いを奥まで走っていたことに気付きました。まあ、こんな機会でもないと走らなかった道だろうと思うのですが、この月夜から常政という集落付近、水田の間に見える小川の水がとてもきれいでした。
 広重のバス停まで戻ると、すぐに先に新野農免道路の分岐があることを確認。左折して西進すると、まずは直線道路(写真:下)。両側には圃場された水田が続きます。やっと安心してゆっくり進んでいると、前方から一人の自転車乗りと遭遇して挨拶。新野トンネル手前には後世神社登山口というところがあって(写真:下右下)、広めの路肩にハイキングしているらしいクルマが数台。続く元信トンネル(写真:下右上)から下っては、右折します。
 向かったのは県道35号線に出る細い道ですが、ここは確か素掘りに近いトンネルがあったはず。進んでみると、記憶通り(写真:下右)。しかし、さらに進んで峠となる付近にもうひとつ古いトンネル(写真:下左下)があったことは記憶に残っていませんでした。後者には元信第一遂道との名が刻まれていました。
 元信第一遂道からの下り道は、間伐が十分でない杉林の中を下っていきます(写真:下左)。新野西小学校跡付近で県道35号線に出た後(写真:下右)、少し西進して川又というところで、新野川支流の右岸を走って、先程素掘りのトンネル方面に分岐したところまで戻ります。写真:上左上、一番右手の影になったところが古いトンネル方面、左手に伸びるのが新野農免道路、その間に折り返してきた右岸の道があります。ここから左手の農免道路で、また県道35号線へ。
 県道35号線に戻ったところは、喜来トンネル方面への交差点でした。そこから県道35号線で那賀川・旧相生町へ向かいます。上述のように、一時ロードで走るには危ぶまれるほどの荒れ具合でしたが、tさんと走った時は、それなりだった記憶です。今回は、その記憶より、もう少し状況が改善しているように思われました。舗装状態の悪さは以前通りですが、路面上の小石や枝は、車両が一時より入っているようでクルマの轍分はそこそこ保たれています。
 今回走ってみて、舗装状況さえそれほど良くないものの、緩やかな勾配で林や杉林、雑木林などが適度にあって、ゆっくりと走るにはなかなかいい道だと、認識を新たにしました。上の写真、自転車を持たせ掛けてある孟宗竹、自転車との比較でわかると思いますが、直径20pほど。トップの写真や下3枚のように、ガードレールもほとんどなく(標識やカーブミラーはありますが)、電柱電線もありません。写真に撮っても、余分な人工物がないのがいいですね。
  
 峠付近からは唯一新野方面を眺めることができるポイントがあることは記憶通りでした(写真:下左)。この日は靄っていましたが、確か紀伊水道も見えるはずです。そこに、木肌からソメイヨシノかと思われる樹が数本植わっていましたが、なぜか1本だけ早くも花が咲き始めていました(写真:下右下)。木肌は同じように見えるのですが、種類が異なるのかもしれません。そのすぐ北側に鷲敷(百合)方面からの合流点があり、ここが峠ではなくて実はまだ少し登ることを思い出しました。合流地点から那賀町になるのですが、道は少し広がって舗装状態もずっと良くなります。枯葉が少ないのは北西風が抜けることもあるのかもしれませんが、阿南側と異なり、杉・檜林にも随分と手が入っているようなのでクルマの通行量も多いのだろうと思われます。ピークを越えて少し下ったところから北西方面の展望があるところが1ヵ所だけあるのですが(写真:下右上)、靄っていたので遠望は出来ませんでした。
 新野側と異なって相生側は路面状況がいいおかげで、下りは快適です。ただ周りはやや薄暗い杉・檜林ばかりなので、特に見るべきものはありません。見晴らしも全くないので、県道35号線を走るなら、阿南側から走るのが絶対にいいと思います。
 下り切って那賀川の右岸を走り、細渕橋方面への交差点を右折して百合谷から再び県道35号線の合流部へ向かいます。ここを走るのは、もう10年以上振りだと思います。記憶にはほとんど残っていなくて、最初は極緩やかな登りでした。ここから先には人家はないものと思っていたら、百合谷地区には結構民家がありました。そこを過ぎると勾配がきつくなります。右手には杉、左手には雑木が続きます(写真:下右2枚)。足付きもして、かろうじて合流点に戻ってきました。写真:下左、左手が相生方面、手前が新野方面、百合谷からの道は右手から合流しています。そこからもう一度那賀川方面に下るため少しばかりの登りを走っていたら、数名の自転車乗りと擦れ違いました。私はサングラスも外していたのですが、若い人ばかりのようで誰も知っている人はいなかったようです。ロードバイクに乗った方がほとんどでしたが、あれから新野方面に下ったのでしょうか。
 下り切って、今度は200mほど上流に向かい、鮎川から県道291号線経由で阿井に出て、那賀川左岸を進みます。さらに太龍寺ロープウェイ乗り場手前・田野橋を渡り、加茂谷まで右岸・県道283号線を走りました。この道を全線走るのも第2回か第3回かくらいの那賀川センチュリーラン以来ですから、ほぼ30年振り。路面はどうかなあと、ちょっと心配もしていましたが、まずまずでした。クルマはほとんど通らず、いつも通る対岸の県道19号線と異なって狭い旧道がずっと続き、極上の眺めがあるわけではありませんが、少しばかり新鮮味がありました(写真:下右3枚)。
 ただ、意外と那賀川を望めるポイントはありません。時折ある集落や川沿いまで迫った杉林、雑木に覆われた道は、それなりに雰囲気があります。新野界隈や県道35号線を含めて、いつもよく走っている道とちょっとずれると未訪の道や久しぶりの道がいくつかあります。忘れた頃に再訪することも必要だなと思った一日でした。

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