千種高原 相生から北へ、龍野と智頭急行線など
 11月半ばの週末、本来ならいつも一緒に走ってくれるすーさんと1泊2日・晩秋のツーリングを考えていましたが、すーさんが仕事のため中止になってしまいました。しかし、天候は良さそうです。折角なので16日は何処かへ走ってこようと、前夜に地図を眺めながら予定したのが、これまで走ったことのない播州地方です。初めての道・地方を走ることが一番の楽しみでしたが、いつもはループルートになるところを帰路に智頭急行線で輪行して片道のコースを設定することと、月末に何人かで砥峰高原へ行くことを考えていたので距離感などを確認する目的も兼ねていました。 (2019年12月18日 記)

県道34号線から富山湾を隔てて立山連峰を望む
コース   相生−龍野−三日月−千種高原−峰越峠−あわくら温泉−佐用−播磨高原−相生
走行距離   140キロ   積算標高 1800m
最高地点   峰越峠 標高1015m  
走行日・天候   2019年11月16日  晴れ後曇り、一時雨   GIANT TCR

揖保川支流・栗栖川の土手にて
 午前5時に自宅を出て、デポ地・相生には7時過ぎに到着。7時半にスタートです。まずは、直前にちょっとだけ情報を得た龍野の町中を訪ねてみました。クルマの少ない時代の狭い道が入り組んでいて、往年の面影を残す建物があちこちに見られるのですが、如何せん、電柱電線がその光景を台無しにしています。しかも様々な年代に建てられたと思われる建物が混在しているので、折角の趣のある建物が映えず、街並みとしての魅力が半減していて、ちょっと勿体なく思われました(下の写真)。
 龍野散策はそこそこに、北へと進みます。国道179号線は、土曜日の朝にも拘わらず、予想に反して大型車も含む結構な交通量がありましたた。その上、路側帯がほとんどなく道も狭いので、非常に走りにくい道でした。ちょうど直前に私を追い抜いていった練習中と思われた4人組の自転車乗りが揖保川支流・栗栖川の土手に入っていったので、追従します。播磨新宮で土手の道がなくなるまで、クルマが通らない道をのんびり走ることができて助かりました(上の写真)。
 そこからは、再び国道179号線を進みます。交通量は少し減って、一安心。姫新線が並走しているので、時々駅舎に立ち寄ってみました。下の写真は、西栗栖駅。そこで時刻表を見ると、後15分くらいで登り列車がやってくるようです。駅で待つには少し長かったので、そのまま進んで何処かで擦れ違うことにしました。できるだけ国道を外して北側の細い道を走ります。少し進んだところに栗栖川を渡る鉄橋があって、写真撮影にピッタリと思いましたが、まだ早過ぎると進んでいたら道がなくなってしまいました。国道には小さな相坂峠があり、姫新線はトンネルで抜けています。そこで、ちょうどトンネルを抜けてきた列車を上から一枚。姫新線も、ローカル線の大多数同様、運行本数が少ないので、1本逃すと次は1時間以上空いてしまいます。
 
西栗栖駅駅舎
 
西栗栖駅プラットホーム
 相坂峠を下ると、国道179号線から離脱予定の三日月というところです。前方の山肌に、三日月型に木を刈り込んでいるのを見つけ、そこをバックに写真を撮ったつもりでしたが、なぜか写っていませんでした。三日月の名の由来を調べてみると当て字で、本来の由来は月とは全く関係ないようです。三日月で右折する県道154号線は、分岐で少し迷ってしまいました。その後は、交通量もぐっと減った道を千種川支流・志文川に沿って遡っていきます。先の相坂峠が揖保川との分水嶺だったようです。水の透明度は良好で、浅い川底。何処にでもありそうな道と周囲の光景ですが、谷が深い四国とは表情が随分異なります。
 さらに北上して中国道とクロスした後は、県道154号線のひとつ西隣の県道72号線を走りました。道は広く、ツーリングマップルにある通り、交通量も少なく走りやすい道でした。道は千種川本流に沿って遡ります。所々にモミジなどの紅葉が見られましたが、いずれも単発で印象に残るようなところはありません。前方遠くに、少し高い山が見えてきました。千種高原方面かと思いましたが、予定の峰越峠方面はもっと左手で、正面の山は三室山のようです(トップの写真)。
 国道429号線とクロスして、さらに県道72号線を北上。道周囲の集落は、黒塗り瓦屋根の大きな民家や、少し前まで茅葺きだったと思われる急なトタン屋根の民家が川面より少し高所に集まっています。陽当たりが良いためでしょうか。それとも水害対策?

千種川支流・志文川に沿う道

県道72号線沿いの集落
 西河内という集落を過ぎると、民家はなくなって道の勾配が増してきました。すぐ横を流れる千種川も自然に近い状態を保っています。黄葉している落葉樹も多く、いい雰囲気です。ちょうど一人の自転車乗りが下ってきましたが、その方も川が気になるのかゆっくり下っていて反対車線(道は川の左岸)に寄って走っていました。しかし、そのちょっと前から気になっていたのですが、前方には黒い雨雲が・・・。 前日、氷ノ山初冠雪の写真を見ていたので、寒さ対策を兼ねて念のため合羽(上)は持参していました。峠に向かうまでは好天だったので、まさかと思いましたが、ポツッと降ってきました。もう一人下ってきた自転車乗りに「峠の向こう側に越えられますか」と訊ねたところ、「雨だよ、雨、雨」と言いながら大急ぎで下っていきました。
千種川上流
 小さな東屋があったので、補給を兼ねて小休憩&合羽を着こみます。途中で脱いだレグウォーマも再度着用。その付近から千種高原となり、勾配は少し緩やかになりました。道周囲は整備された公園様になっていて、植林されたらしいモミジなどが紅葉の盛りをちょうど過ぎるばかりでしたが、小雨だったので写真も撮らずに通過してしまいました。ここがひとつの目的地・見所だったのですが。ハイキングと思われる10名ほどの人も、東屋で雨宿りしていました。
 千種高原から少し進むと、千種高原スキー場。そのスキー場から峠までは1q弱だったと思いますが、その区間の勾配が結構きつかったです(写真:下左端)。辿り着いた峰越峠は、岡山・兵庫県境です(写真:左から2枚目)。峠からは冠雪の氷ノ山が見えるかと期待していましたが、氷ノ山どころかほとんど見晴らしはありませんでした。地形図表示から、峠に向かうに従って道はもっと細くなるのかと思っていましたが、結局峠まで幅広い2車線道でした。交通量は相変わらずほとんどなしでした。
 峠の西側に抜けると雨脚が強くなるかなと懸念していましたが、青空も見えてきました。安心して下り始めると、黄葉した落葉松が美しいところが2、3ヶ所ありました(写真:上右2枚)。こちら側も、ほとんどクルマが走っていません。道は2車線ではないものの、そこそこ広く舗装状態も良好です。快適に走っていたところ、また雨が降ってきました。びしょ濡れになるというほどではなく、路面もさほど跳ね返りが強くなるほど濡れてはいません。図らずも、先日手に入れたNo rainと名打つレグウォーマとパンツのテストライドとなりました。テスト結果、本降りになれば十分な対応はできないと思われました。道の勾配はきつくて、こちらから登るのは大変そう。以前にすーさんが参加したダルガ峰がすぐ横です。そちらへの道は分岐部で通行止めでした。下っていると、一ヶ所、とてもよく手入れの行き届いた杉林があったので写真撮影(下の2枚)。間伐が十分されて1本1本の樹も太く、下枝打ちも丁寧になされています。杉林も、これくらい手入れされていると明るくていいですね。
 峠からはずっと下りで信号もなく、思ったより随分早く国道373号線に到着しました。上述のように、帰路は輪行のつもりでした。輪行なら、もっと遠くまで脚を伸ばせるかと考えたのと、帰路の列車旅も楽しもうと考えた次第。国道373号線は智頭急行線と併走しています。時刻表もチェックして、最短であわくら温泉駅、余裕があれば大原駅から輪行のつもりで、背中のザックには輪行袋も入れていました。ところが、予定より随分早く到着してしまいました。あわくら温泉駅は無人駅(写真:下左3枚)。プラットホームに上がると、ワンマン列車の乗り方と運賃の支払い方法を書いた標示板がありました。
 駅を離れて再び走り始めたところで、下り特急列車が通過。残念、もう少し待っていれば良かった。国道373号線は鳥取自動車道が併走しているので交通量は非常に少なく、極緩い下りで、とても走りやすい道でした。雨も上がって、路面も乾いてきました。横を流れるのは、吉井川支流・吉野川。快適に走って、大原駅に到着。
 ここも予定より大分早く到着したので、いっそのこと佐用まで走っていくことにしました。時間もあったので、国道373号線ではなく、ひとつ西側の県道240号線を進むことにしました。ちょっと迷って県道240号線に入ったところ、ここ(西粟倉村)は宮本武蔵の生地、なんと智頭急行線には宮本武蔵駅もあるとのこと。これは訪れなくてはと先に進んだところ、駅は手前だったようで行きそびれてしまいました。写真:下左は、そこからちょっと登っての峠にて。ここから再び兵庫県です。
 佐用駅での時刻表はチェックしていなかったのですが、到着時から1時間以上待ち時間ありそうです。まだ14時半くらいだったので、デポ地まであと40qくらいだから自走で行けるかと考えてしまいました。輪行するのと時間的にもさほど変わりないだろう。ということで、国道179号線。相生に向かっては下りだと思っていたのに、また登りです。後で確認するとなんてことはない標高差100mほどなのに、衰えた脚には堪えました。途中、トンネルを避けて播磨徳久駅方面に迂回しましたが、ここは佐用にヒマワリを見に来た時走っていたことを後で確認。もうひとつ小さな峠をなんとか越えて、もっと近いと思っていた県道28号線へ右折。
 
 ここからも下りだとばかり思っていたのに、また登りです。ちょっと登ったら下りになるだろうと思っていたら、結局県立大学や重粒子線センターなどが集まる学究都市?播磨高原までずっと登りでした。ここも後で確認すると標高差は170mくらいしかないのですが、疲れた脚には400mくらいあるように思われました。計画的に広い土地に余裕を持って建設されている建物の周囲にはメタセコイアが沢山植えられていて、紅葉が始まっていました(写真:上右)。デポ地に到着したのは、輪行時の到着予定時間とほぼ同じ16時半。毎回、衰えを感じるこの頃ですが、また一層強く感じた一日でした。次回は、是非片道輪行を実現したいと思います。

 ご意見・ご感想・新しい情報はこちらへ

ツーリング近畿へ戻る  TOPに戻る

inserted by FC2 system